選手が明かすチームメイトの素顔『PLAYER INTRODUCTION』vol.18 山越康平▶︎阪野豊史
緑の戦士たちによるリレー形式の“他己紹介”企画。プレーヤーとしての特長はもちろん、チームメイトだからこそ知っている選手の素顔に迫ります。第18回は山越康平選手が阪野豊史選手を紹介!
取材=上岡真里江
高木和は感覚的にちょっと自分と似ている
高木和徹選手から紹介を受けました山越康平です。「焼き肉行こう!」というメッセージ、確かに受け取りました。ぜひ行きましょう! 実は少し前にも行ったんですよね。たしか3週間ぐらい前だったかな? でも、また近々行きたいですね。もちろん、毎回僕が奢っています。僕もそうやって先輩たちに奢ってもらってきたので、当然だと思っています。
あいつ(高木和選手)とは、ヴェルディに来てからすぐに仲良くなりましたね。居心地がいいというか、なんか一緒にいやすい。それは最初に見た瞬間から、感覚的に思いました。おかげでというか、仲良くなった分、めっちゃイジられてますけどね(笑)。
普段一緒にいて感じるのは、感覚的にちょっと自分と似ているなということ。好きなファッションや好きな食べ物など、好むものが似ている気がします。僕は意外とシンプルなものを好むというか、洋服だったらシンプルでスタイリッシュな物が好きなんですが、あいつもそんな感じです。食べ物も、例えば一緒にご飯に行ったときに同じメニューを頼んでいたり、パスタの中でもペペロンチーノが好きだったりと、やたら「似てるな」と。買い物にも一緒に行きます。あいつが身につけているものや、持っているものを「あ、いいな」と思うことがけっこうあって。密かにあいつの真似をしたり、服装をパクったりしています。
選手としては、ヴェルディで試合に出たタイミングが一緒でしたし、最初はお互いにサブの状況からチャンスが回ってきて、試合に出られるようになったという境遇も同じ。一緒に試合に出る機会もけっこうありましたが、後ろにいて決定的なピンチを何本も止めてくれるし、すごく頼もしいGKだなと思います。
自分がDFでポジションが近いこともありますし、仲も良いので、「あのシーンはどうだった?」という話をけっこうしますね。本当にシュートストップもすごいし、ビルドアップもできるし、個人としては今まで一緒にやってきたJリーグのGKの中で、ナンバーワンじゃないかというぐらいの頼もしさを感じています。前の回で、『理想のセンターバック』として、「ガチャガチャしてない。むやみに飛び込んだりしない。GKとDFの範囲をしっかり手分けできる選手」という話をしていましたが、僕もDFとして「ここはGKが出なきゃいけない」とか「ここはDFが戻らなきゃいけない」という原理原則をしっかりやらなければいけないと常に思ってプレーしています。そうすれば、迷いなくスムーズに守れるのかなと思っています。
それがきちんとできているかは今でも分からないですが、ルーキーだった頃に、お手本となるようなセンターバックの先輩が2人いて、その先輩のプレーから多くのことを学びました。それでも試合で自分がやられたり、点を入れられたり、悔しい思いをたくさんしてきました。そうやって、いろいろな経験をしてきた中で、徐々につかめてきたのかなと思います。
質問をもらいましたね。「試合に出られない時に何を考えているか? どういう心理状態で練習に臨んでいるか?」。基本的には、まず「すごく悔しい」という思いがあります。ただ、「絶対に見返してやる!」じゃないけど、「自分のほうがやれる」という自信はあるので、「練習から見せつけてやろう」という気持ちでやっています。そうすれば必ずチャンスは来る。その時のために常に良い準備するだけです。そう思えるようになったのは、ルーキーの頃に先輩から「見ている人は見ている。ピッチでやっていることは誰かが絶対に見ていてくれるから」と言ってもらったから。そう言われてからは、たとえどんな立場になろうと決して腐らず、常に一生懸命やることを心がけてきました。大宮アルディージャ時代も試合に出られない時期はたくさんあって、その時も今も、先輩の言葉を胸にいろいろ頑張れています。
こうやって改めて振り返ると、大学時代の教えもすごく大きかったですね。明治大学ではサボったりする選手が本当に一人もいなくて、どんな立場だろうと全員が全力でサッカーをやっているという感じでした。それが今も生きてるのかもしれないですね。
トヨくんとは大学時代に一緒の部屋だった
ということで、今回は明治大学の先輩でもある阪野豊史選手を紹介します。トヨくん(阪野選手)は僕が1年生の時の4年生で、実は一緒の部屋でした。大学時代から全然変わらないですね。当時から優しくて、本当にあのまんまという感じです。
僕にとっては先輩ですが、「カワイイ」ですね(笑)。トヨくんってけっこう年下からもイジられるんですよ。ヴェルディでも、「プーさん」(『くまのプーさん』の)と言われてイジられてます。それって、トヨさんがすごく親しみやすい人柄だからだと思うんですよね。さすがに僕は、大学の先輩なのでちょっとイジれないですけど、ロッカーとかでよく若いやつにイジられてます。あと、僕もそうなのですが、トヨくんはちょっと抜けてるところがあって、面白いエピソードもたくさんあるのですが、トヨくんのためにここで披露するのはやめておきます(笑)
選手としては、相手にとって嫌なFWだなと思います。ボールを収めて溜めが作れるし、相手からするとすごく嫌な動きをするというか、動き出しで常に嫌なところを狙っている。なおかつ、がむしゃらにプレーできるので、実際に対戦した時もすごく嫌な選手だなと思いました。なので、そういう選手が味方になってくれて、すごく頼もしいなと思っています。トヨくんも復帰したし、これからどんどん一緒にピッチに立ちたいですね。
トヨくんは今年の初めにアキレス腱断裂という大きなケガを負いました。僕も大きなケガを経験したことがあるのですが、長期のケガは本当に苦しいです。サッカー選手にとって、ピッチでプレーできないのは何よりつらいことですし、積み重ねてきた評価もなくなってしまう。ケガって本当にきついんです。
だからこそ、一生懸命リハビリをして、ピッチに戻ってきたトヨくんにぜひ聞いてみたいです。「ケガをしてからどういうモチベーションでリハビリに取り組んでいたのですか? どんな心境、どんな目標をもって毎日を過ごしていたのですか?」。日々、本当に苦しかったと思いますが、何を考えて乗り越えてきたのか。このコーナー恒例の質問として聞かせてもらえたらと思います。
そして、トヨくん。またご飯に行きましょう! 大学時代によく行っていた美味しいステーキ屋さんがあるので、ぜひそこに連れて行ってほしいです。よろしくお願いします!
最後にファン・サポーターのみなさんへ。
自分の良さはピッチで闘えるところ、対人守備で相手を潰せることだと思っています。今はチームが苦しい状況ですが、絶対にチームの力になってチームを上向きにします! 『チームを勝たせる』ということに全力で取り組んでいくので、これからも応援よろしくお願いします。
■vol.19 阪野豊史▶︎稲見哲行 はこちらから