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2022.06.18

選手が明かすチームメイトの素顔『PLAYER INTRODUCTION』vol.11 河村慶人 ▶︎ 橋本陸斗

緑の戦士たちによるリレー形式の“他己紹介”企画。プレーヤーとしての特長はもちろん、チームメイトだからこそ知っている選手の素顔に迫ります。第11回は河村慶人選手が橋本陸斗選手を紹介!

取材=上岡真里江

ボニさんと対戦した時に、初めて「この人には勝てない」と思った

日本体育大学の後輩なので、ボニさん(ンドカ ボニフェイス)にとっては僕がつなぎやすかったんだろうなと思います。ボニさん、紹介していただいてありがとうございます!

4歳違いなので、大学はちょうど入れ替わりでかぶっていないんです。でも、ボニさんのことは知っていました。僕が高校3年生の時に一度、日体大の練習に参加させてもらって紅白戦で対戦したんです。高校時代は(地元の)大阪の中でもけっこうフィジカルが強いほうで、誰にも負ける気はしなかったのですが、ボニさんと対戦した時に、初めて「この人には勝てない」と思って衝撃でした。まぁ、たぶんボニさんは憶えてないと思いますけど(笑)

そんなボニさんと、こうしてプロの世界でチームメイトとして一緒に戦えることになって、同じ日体大生としてすごくうれしいですし、ありがたいです。大学時代にヴェルディの練習に参加した時も、ボニさんと、当時は山下諒也さん(現横浜FC)もいて、OB2人が積極的に声をかけてくれたことですごく馴染みやすかったですし、ヴェルディに加入してからも、ボニさんがいてくれたおかげでいろいろな選手と関わることができました。本当に感謝しています。サッカーもサッカー以外のことも相談しやすいので、僕にとっては本当に大きな存在です。

それなのにボニさん! なんですか? この「オネエか、オネエじゃないか?」っていう質問は?(笑)。もちろん、オネエじゃないですよ! なんか、キャンプが終わったあたりから、急にそういうイジリが始まって……。僕は大阪出身なので、イジられるとそれに対して全部ツッコむんですよ。たぶん、そのツッコミがみんなからしたら面白くて、ついついそのイジりをしてしまうという流れだった気がするのですが……とにかくオネエじゃないです! そこだけははっきり言っておかないと。男には興味ないです!

あと、「常に100パーセントだと疲れちゃうので、たまにはどこかで気を抜く瞬間を作って休んでください」というメッセージも聞きました。ありがとうございます。練習中は常に100パーセントで挑まないとダメだと思ってるので、そこは全力でやっていますが、実は家に帰ったりしたら意外とグッタリしてますよ。オフの日も、けっこうダラダラしていますし。そういうオフの部分は、クラブハウスでは見せていないので、そう見えるのかもしれないですね。

そうそう。『ラストサムライ』はよく言われるんですよね。たしか、それを言い出したのは端戸仁くんだったと思います。キャンプの時、「あいつ、侍みたいだな」とか言い出して、それからみんなにも言われるようになった感じ。そのイジりもされますね。

僕、そんなに熱いですかね? 自分としては、「もっと上に行って、活躍したい」という高い目標があるので、その目標を達成するためにはどうしたらいいか? と逆算して、「頑張ろう!」というパワーみたいなものが出てきている感じだと思うのですが。

もともと、気持ち的に熱いほうではあったと思うのですが、大きく変わったのは大学時代だと思います。高校までは実家にいたので、親には感謝していましたが、どこかで「当たり前」と思っていた部分があって、本当の意味でのありがたみが分からなかった。でも、大学で親元を離れて、初めは寮でしたが、途中から一人暮らしをするようになって、初めて親の偉大さが分かったんです。親のお金で大学にも行かせてもらって、いい加減なことはできないなと思えるようになったし、しっかりと恩返しするためにも、プロになるためにはどうすればいいかのかということを考えてやるようになりました。そこで、逆算して行動するという習慣が身についたのだと思います。

今はなかなか試合に絡めていない状況ですが、ある意味で成長するチャンスだとも思うので、こういう時こそ全力でやらないといけないし、そうしないと上にはいけないと思っています。大学時代もずっとトップチームにいながらも、実際に試合に出られるようになったのは3年生からで、1年生、2年生の時はこんな経験ばかりでした。それでもずっと全力でやっていたら、その後に花が咲いたというか、活躍できるようになってプロにまで行けた。そういう経験をしているので、プロの世界でも常に全力でやれています。ここから必ず活躍してみせます!

陸斗は『The・高校生』という感じ。僕は完全に“教育係”

さて、次ですが、ボニさんからも「陸斗のことを頼みます!」と言われたので、橋本陸斗を紹介します。たぶん、ヴェルディの中では僕が一番陸斗と関わりがあると思います。というのも、あいつはまだ17歳なので、車を運転できないんですよ。なので、家まで送ってあげることがけっこうあって、一緒にいる時間がすごく長いんです。

とにかくあいつは、良い意味でも悪い意味でも、自分が強いですよね。あんな高校生初めて見ましたよ! ある意味、バケモノです(笑)。良い意味だと、自分をしっかり持っていて、自分のプレーをどんどん出してアピールしていこうという気持ちがめちゃめちゃ強い。でも我が強すぎて、誰かに何か言われると不貞腐れてしまうところがあるんですよね。もう、『The・高校生』という感じです(笑)

そうなっちゃうと、「なんだよ」みたいな感じになって、イライラして、相手にプレスをかけに行く時もファウルっぽい感じになってしまう。まだ高校生なので難しいとは思うのですが、もっと感情のコントロールができれば、プレーももっと良くなるんじゃないかなと思うんですけどね。どうしても感情が顔や態度に出てしまうので、せめてもうちょっと上手いこと隠せるようになったらいいのになぁと思いますね。

あと、年上の方にもう少し敬語を使えるようになったらいいんじゃないかなと(笑)。僕のことなんて、「おい、河村!」と呼んできますからね。僕はそういうのを全く気にしないタイプなので別にいいのですが、今後だいぶ先かもしれないですが、引退して一般社会に出た時に、そういう部分って厳しいと思うんですよね。今はプロサッカー選手だから許されている部分もあると思うので、あいつが引退したあと、他の世界の方々と関わるための一般常識は、僕が教えてあげられればと思っています。

もちろん、今言ったようなことは、他のみんなも事あるごとに本人に言っていますが、あいつも感情的になりすぎると、たまに聞かないことがあるんですよね。そんな時は、2人になった時にしっかり話すようにしています。陸斗って、練習とかで上手くいかなかったら、車の中でも静かになるんですよ。上手くいった時は、もうめっちゃうるさいくせに(笑)。めちゃくちゃ分かりやすいんですよ。なので、静かな時は、ちょっと寄り添って、陸斗の気持ちも考えながら話すようにしています。それでも、「俺は俺のやり方でいく」みたいな時もありますが、いつか僕やチームのみんなが言っていることが理解できる日が来ると信じて、これからも言い続けていきたいと思います。もう、完全に“教育係”ですね。

陸斗の指導は僕に任せてください! もし、「陸斗、大人になったな〜」と感じた時は、僕の努力も少しだけ感じてもらえたらなと思います(笑)

一方でサッカー面に関しては、10代にしてあのスピードとフィジカルは、他の同世代には絶対にないレベル。プラス、陸斗はドリブルも得意だと思うので、スピードを生かしたプレーをどんどん披露してアシストできる選手になれば、もっともっと伸びると思う。これからも自分の特長に自信を持って、思う存分良さを生かしてプレーしてほしいなと思います。

陸斗とはポジション的にも関わることが多いので、一緒にやっていてすごく楽しいです。あいつがクロスを上げるタイミングも分かりますし、僕は中に入ってクロスに合わせるタイプなので、陸斗には練習中から「絶対に中にいるからクロスを上げてこい。絶対に合わせるから」と言っています。まだ“これ”といった2人のパターンはないですが、一緒にいる時間が長い分、自然と“阿吽の呼吸”みたいなものはできていると思いますし、これからさらにコミュニケーションは深まっていくので、2人にしかできな連係もできてくると思います。みなさんにも、ぜひ2人のホットラインに期待して見ていただきたいです。

最後に質問とメッセージですね。質問は、ずっと思っているんだけど聞いたことがなかったのでこの場で聞きます。「なぜそんなに尾崎豊が好きなんですか?」。あいつ、世代が全然違うのにめっちゃ好きなんですよ。僕の車に乗っている時も、「尾崎がいい! 尾崎流せよ!」とずっと言ってるぐらい。僕も気が強いので、自分の好きなEXILEとかをかけて譲りませんが(笑)

しかもあいつ、自分の知っている曲が流れると、窓を開けて大熱唱するんですよ。恥ずかしい! なので、「歌ってもいいから窓開けるな!」って、それも注意してます(笑)。あれだけ好きなのにはきっと理由があると思うので、ぜひ知りたいです。

陸斗。自分も陸斗もまだ若手だけど、若手なりに全力で頑張って、一緒に成長して、強いヴェルディを作れるように頑張りましょう! 次、お願いね。

■vol.12 橋本陸斗 ▶︎ 山口竜弥 はこちらから