選手が明かすチームメイトの素顔『PLAYER INTRODUCTION』vol.7
緑の戦士たちによるリレー形式の“他己紹介”企画。プレーヤーとしての特長はもちろん、チームメイトだからこそ知っている選手の素顔に迫ります。第7回は梶川諒太選手が杉本竜士選手を紹介!
取材=上岡真里江
凌我は本気でヴェルディのために動いてくれる
佐藤凌我が僕を紹介した理由を「一緒にいることが多いから」と言っていましたが、凌我とは去年からよくご飯に行っていましたし、『次男会』(メンバー:梶川、佐藤、持井響太[現相模原SC]、森田晃樹)もやっていますし、今年は特に、全体練習後の自主練を一緒に続けているので、本当に公私にわたって触れ合うことが多いですね。
メッセージも読みました。僕のヴェルディへの想いの強さを理解してくれて、そのうえで「カジくんが思っている以上に、ヴェルディへの想いは僕も持っている」とまで言ってくれました。J1昇格への強い気持ちも伝わりました!
僕にとってヴェルディは、本当に特別なチームです。原点になった場所ですし、プロキャリアをスタートさせてもらった場所でもあります。別に他のチームが下とは思わないですが、やっぱりヴェルディに対する想いというのは、自分の中でちょっと違う。それを強く感じるようになったのは、2回めに戻ってきた時(2017年)です。長崎から戻ってくる形でしたが、他のチームの選択肢もあった中で、「やっぱりヴェルディだな」と思って選んで、その想いは戻ってきてさらに強くなりました。一度、徳島でJ1昇格を経験しましたが(2020年)、その時も、やっぱり「ヴェルディが強くなってほしい」「ヴェルディはJ1で戦ってほしい」と思っていました。本気でこのチームで上がりたいと思いますし、特に今はチームのために戦える選手がそろっているなと感じます。凌我も同じように熱い気持ちで、本気でヴェルディのために動いてくれるのでうれしいですね。
凌我は試合に出ている時も出ていない時も、変わらずやれる選手だなと最初から感じていました。いろんな挫折を乗り越えながらプロになった選手なので、そういう難しい状況の過ごし方というのを分かっている。常にしっかりやっていないとチャンスは回ってこないし、回ってきた時にチャンスをつかめないということを分かっている。実際、昨年の試合に出ていない時期もきちんとやっているのを見ていました。変わらずにしっかりやれる、周りのせいにしない、自分と向き合いながらコツコツやれる、そういうところはタイプ的に僕と似ているのかなと思います。そういう選手がいるチームはやっぱり強いと思いますし、特に今年は凌我以外にもそういう選手が多い。能力の高い選手も多いので、ぜひみんなと一緒にJ1に上がりたいです。
そういう意味でも、凌我の存在は欠かせないですね。90分、どんなにしんどい時でも前から勢いをもって相手を追いかけたり、献身的に戻ってきたり、本当に素晴らしいです。それに、見ているだけではなかなか分からないと思うのですが、凌我が勢いをもって前へ出て、後ろがついて来なかった時などは、「ついて来いよ!」と厳しいことをもきちんと言える。そういう声って、本当に大事だし、言うだけでなく「ついて来いよ」「いや、今のは無理やから」というように、対話してすり合わせていくことも大事。その点でも、凌我はただ言われたことをやるのではなく、自分発信で「いや、これはこうだと思う」ということもちゃんと主張できる。本当に頼りになります。
もう一つ長所だと思うのは、自分があまり足元が上手くないということを理解した上でプレーしていること。変なプライドはないので、そういう部分はめちゃくちゃ強みだなと思います。
質問もありましたね。「旅行に行くならどこがオススメ?」か。海外に関しては、僕もそんなに行っているわけではないけど、良かったのはイングランド。2013年の冬、僕が湘南1年目の時に行ったのですが、当時は香川真司選手がマンチェスター・ユナイテッドにいて、宮市亮選手がアーセナルにいて、その2試合を見てきました。本場のスタジアムの迫力といったら凄まじいものがあって、応援の仕方だったりも、とにかく最高!あのプレミアの雰囲気をぜひ味わってほしいなと思います。
国内では、僕は温泉がめっちゃ好きなので、近場では箱根かな。あとは奥さんがいたこともあって、コロナ禍になる前は毎年と言っていいほど長崎・雲仙の温泉に行っていました。特に何があるわけではないけど、雰囲気がすごく好きで。高速も通っていないし、ひたすら下道で山道を登っていくので時間はかかるけど、大自然に囲まれていて、めちゃくちゃいい。温泉独特のあの硫黄の匂いも、あそこで匂うと不思議といいんだよな〜。凌我は地元が福岡なので、たぶん行こうと思ったら行けるよ。まあ、こう言っても、あいつは絶対に行かないと思いますけど(笑)
それと去年、キャンパーの福ちゃん(福村貴幸/現FC琉球)と(小池)純輝くんの家族と僕の家族、凌我と(森田)晃樹とでキャンプに行ったのをきっかけに、最近僕らの中でキャンプブームがきていて(笑)。最近行った『ふもとっぱらキャンプ場』がめっちゃくちゃ良かった! 富士山が目の前にパーンって見えて、なんか“非日常”を過ごせる。サッカーでいろいろと煮詰まったり、メンタル的にしんどいなと思った時は、リフレッシュも必要だと思う。「こんなでっかい自然の中で、のんびりして、まだ頑張ろう」みたいな感じになれたので、凌我にもぜひ行ってほしいし、近々一緒に行けたらと思います。
竜士が『オラオラしているだけじゃない』ということを知ってほしい
さて、僕が次に紹介するのは、もう杉本竜士しかいないでしょう。竜士がこのインタビューを受けているのが想像できないですが(笑)、竜士、お願いします!
たぶん、見た目と実際の性格のギャップがものすごくあるんじゃないかと思うんですよね。試合の映像の中で見ると、やたらオラオラしてるじゃないですか(笑)。なので、勘違いされることも多いのかなと。もちろん、本当のヴェルディ・サポーターの人たちは分かっていると思いますが、それ以外の人がパッと見た時の印象は、あんまり良くないんだろうなと思うので。皆さん、竜士にどんな印象をもっていますか? あんな感じですが、本当は礼儀正しかったりするんですよ。たぶん、チームで一番きちんと挨拶するんじゃないかな。他のみんなは「うっす!」とか「ざーす」、「おつかれ〜っす」みたいな感じなのですが、竜士だけはちゃんと「おはようございます」「お疲れ様です」って言います。もちろん、ふざけて挨拶する時もありますけど(笑)
プレーヤーとしても、自分が犠牲になって走って、スペースを開ける動きをしてくれますし、「ここは今入ったほうがいいな」とか、「戻ったほうがいいな」とか、「無理してでも追いかけてチームに活力を与えたほうがいいな」とか、とにかくチームのために動き続けてくれる選手です。同サイドにいることが多いので、組んでいて本当にやりやすいです。
それに、なんと言っても熱い! 前にインスタに投稿したのですが、岡山戦(5月1日)の試合前のロッカーでの円陣で、それまでめちゃくちゃふざけていたのに、その試合サブだった竜士がいきなり「ちょっと一ついいですか?」って手を挙げて。「“チームのため”とか“仲間のため”とか、きれい事だけど、今はそれができてないから勝ててない。チームのため、仲間のために闘おう!」みたいなことを言ったんです。試合前でしたが、ジーンときちゃって。それを聞いて「このチーム、めちゃくちゃ強くなれるんじゃないか」って思いました。サブの選手がそういうことを言うチームってあまりないし、終わった後に涙する選手がいたり、メンバー外でもやり続けている選手がいたり、今のチームは本当にいろいろなところで、そういう場面を目にするんです。だから、本当に強くなれる。
たぶん、竜士のそういう一面ってちょっと見ただけでは分からないと思うんですよね。僕も一緒にやっているのは、竜士がユース上がりだった2012年と、去年の夏からだからまだ長くない。表面的にはちょっとヤンキーっぽいので(笑)、「チームのためとか、ダセ〜」という感じやし、実際に言ったりもするのですが、本心ではそんなこと思ってなくて。毎試合、チームのために声をかけながら、何かちょっと硬いなと思ったらふざけて和ませたりもする。たぶん、周りの状況をよく見ていて、試合前に若手をイジったり、逆にめっちゃ褒めたりもする。それって本当にすごいし、僕にとってもすごく大事な存在です。
たぶん、こうやって直で褒められるのは苦手だと思いますよ(笑)。でも、本当に仲間思いで、仲間のために闘える奴。サポーターの皆さんには、竜士が『オラオラしているだけじゃない』ということをぜひ知ってほしいです!
あ、あと、チーム内で竜士をイジる選手ってこれまであまりいなかったのですが、最近、凌我とか石浦大雅がちょっと行くようになったんですよ。それが面白い! いや〜、やっぱりヴェルディはすごく面白いですよ。そこにも注目してみてください(笑)
では、最後に僕から竜士へ質問とメッセージを。竜士とは本当にクラブハウスだけの関係(笑)。家に呼ぶなんて想像できない! なので、竜士のプライベートが全然見えないので、「オフに何してんの?」というのは知りたいですね。それと、次、どんな車を買おうと思っている?
竜士には、「こういう(チームや仲間思いの)一面がある」というのを悟られないように、ぜひともそのオラオラした感じは継続してもらいつつ、これからもヴェルディのために一緒に戦ってほしい。で、絶対にJ1に昇格しよう!