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2021 明治安田生命J2リーグ 第9節  東京ヴェルディ vs 京都サンガF.C.
2021.04.21(水)18:00 KICK OFF

COLUMN

『YOUTHFUL DAYS』vol.6 安在和樹

プロの厳しい世界で戦う男たちにも若く夢を抱いた若葉の頃があった。緑の戦士たちのルーツを振り返る。

取材・文=上岡真里江

同世代の猛者たちの中で揉まれたアカデミー時代

「自分には緑の血が流れている」「ヴェルディが大好き」など、表立って“ヴェルディ愛”を口にするタイプではない。だが、小学校4年生から9年間を東京ヴェルディのアカデミーで過ごし、トップチーム昇格を果たした生粋の“ヴェルディっ子”にとって、その年月は言うまでもなくかけがえのない財産になっている。「すごく刺激的で、今の自分を作り上げるために欠かせない、最高に重要な時間でした」

通っていた幼稚園で受けられる習い事の一環で、年長組の時にサッカーを始めた。理由はごくごく単純。「仲の良い友だちが始めたから、その流れだったと思います」。それでも、ハマっていくのにそう時間はかからなかった。当時、体操、水泳、さらには少林寺拳法にも通うなど、「習い事だらけで、あんまり遊べる日がなかった」というほど忙しい少年だったが、いずれの習い事も小学校低学年の頃に終了。おのずと、やっていて一番楽しかったサッカーだけに専念するようになった。

転機が訪れたのは、小学校3年生の終わり頃だ。小学校入学と同時に所属していた地元チーム『羽衣SC』で上級生チームの試合にも出るほど目立つ存在だった安在に、コーチから提案があった。「今の自分の力を知ることもできるし、力試しにヴェルディジュニアのセレクションを受けてみなよ」。当時、「Jリーグのクラブに育成組織があることを知らなかった」ことが幸いしたのかもしれない。過度な緊張や「プロへの第一歩」といったプレッシャーを特に感じることなく、薦められるがまま受験すると、狭き門を見事に突破した。

ヴェルディジュニアに入ると、世界が一変した。それまで地元チームでは常に「超上手い」と特別視される存在だったが、読売ランドへ通い始めると、自分が決してスーパーな選手ではないことを毎日のように思い知らされる。ジュニアからの同級生には、現在国内外のトップの舞台で活躍する中島翔哉(アル・アインFC/UAE)、前田直輝(名古屋グランパス)がいて、セレクションの時からその技術力の高さに強烈な衝撃を受けた。さらにジュニアユースに上がると、1〜2学年上には小林祐希(アル・ホールSC/カタール)、高木善朗(アルビレックス新潟)、南秀仁(モンテディオ山形)ら精鋭がそろっていた。また、チーム自体が強く、全国大会に出場する機会も多かったため、対戦相手も常にハイレベルだった。

同世代の猛者たちの中で揉まれ続けたことこそが、自身のポテンシャルをより引き上げてくれたと今ははっきりと断言できる。「あの時のチームは、全国の強い相手とやっても全然負けなかった。そのチームの中で、試合に出るために、常日頃から自分の特長を出して、アピールして、ということを毎日、毎日積み重ねてた結果が、現在の自分につながっている」

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