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MATCH試合情報

2020 明治安田生命J2リーグ 第33節 - 京都サンガF.C. vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

ここ6試合勝利がないヴェルディは、敵地に乗り込んで京都サンガF.C.と対戦した。前節、首位の徳島ヴォルティスをあと一歩のところまで追い詰めたこともあって、今節でもメンバーを変えず。スタメンは同じ配置でこの一戦に臨んだ。

 

序盤からペースを握ったのはヴェルディ。6分には右サイドで小池純輝が完全に相手を振り切ってクロスボールを供給すると、ゴール前でバイスとの駆け引きでフリーになった高橋祥平がヘディングシュート。一度DFに当たったボールは左ポストに直撃し、目前に詰めていた福村貴幸が振った左足は空を切った。その後もマイボールを丁寧につないで相手を押し込み、巧みにスペースを作り、使い、一気に攻撃に出る。10分には左サイドでパスワークで相手を引き付けると、井出遥也が逆サイドのゴール前にアーリークロスを入れる。相手DFの背後から飛び込んできた小池はフリーでクロスに飛び込んだが、ワンタッチで合わせたボールはゴール左へと逸れた。14分には福村と佐藤優平とのコンビネーションから福村がスペースへ飛び出し。ゴールライン際でゴール前に鋭いクロスボールを入れたが、飛び込んだ端戸仁の前で相手DFにブロックされた。32分には相手にゆっくりとつながれて押し込まれると、ゴールに向かってくるアーリークロスを入れられる。ゴール目前で囮になった相手がスルーするとゴール左へと流れそうになるが、マテウスが必死に踏ん張ってボールに反応してかき出した。京都にボールを持たれる時間帯もあったが、粘り強くボールに食らいつくと、前線で押し込んでからは分厚い攻撃を仕掛ける。前半終盤はほぼ相手陣内でゴールに向かうプレーを連発。ネットを揺らす一歩手前まで迫って試合を折り返した。

 

前半の良い流れをゴールに結び付けたいヴェルディは、後半から井上潮音に代えて山下諒也をピッチに送り込む。この指揮官の采配がはまった。51分、相手のロングボールを最終ラインで回収すると、高橋が牽制する相手の頭上を越えるループパスで端戸にくさびを入れる。端戸がシンプルにサポートに入った藤田譲瑠チマに落とすと、藤田はハーフライン自陣側から相手最終ラインのギャップを突いて、20メートル近いスルーパスを通す。そこに抜け出した山下がスピードを生かしてゴール前まで侵入し、相手GKの股を抜くシュートを決めて先制に成功した。ここまでは思い通りの流れだったが、55分にエアポケット。ここまで中盤の底で攻守に奮闘し、ヴェルディが主導権を握るキーマンになっていた藤田がミスからボールを失いカウンターを食らう。そのままバイタルまで押し込まれると、最終ラインが整う前にスルーパスを通されてウタカに同点弾を許した。内容の部分で手応えを得ながら、勝ち切れずにいるここ数試合のヴェルディ。この流れを変えるべく、失点後もジワジワと相手を押し込んでいく。61分には複数の選手が関わってショートパスをつなぎながら、藤田が前向きにボールを受けて前方が開けたところでミドルシュートを放つ。シュートは枠を捉え切れなかったが、これを機にまた相手を揺さぶってゴール前に迫る。83分にも中盤の底から藤田がボールを運んで相手バイタルエリアまで持ち込むと、何度となくゴール前にボールレイル手押し込むも、相手の必死のブロックの前にゴールを割ることができない。

 

前節も、前々節も勝利への扉を何度となく叩いてきたヴェルディだが、今節も開かれることはないのか。ドローもよぎった89分、扉をこじ開けたのは鮮やかな金髪の11番だった。相手の苦し紛れのクリアボールを若狭大志が前に出てハーフラインでインターセプト。ボールを拾った井出が前を向いてドリブルで仕掛けると、相手が寄せ切らないとみるや、ミドルレンジから思い切りよく右足を振り抜く。ボールは無回転でブレながらゴール左隅へと吸い込まれて、ヴェルディが勝ち越した。残るアディショナルタイムは相手がパワープレーに出るが、終盤に入った近藤直也も含めて空中戦で勝利し、球際にも寄せ切って自由にプレーさせずに試合をクローズした。

 

ようやくつかんだ7試合ぶりの勝利。久々の勝ち点3の喜びは計り知れない。このまましばらく噛み締めたいところだが、これで満足するわけにはいかない。残り9試合、全て勝ち切るためのきっかけにすべく、中3日で迎えるアウェイ連戦に向けてまた準備を進めていく。

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監督コメント

永井 秀樹 監督

試合を振り返ってください。
なかなかここまで勝ち星に恵まれない中で非常に苦しい時期が少し続きました。なかなか勝ちというものが来ない中でも、選手たちはピッチの上、普段のトレーニングの中から本当によくやってくれていました。それだけに、「なぜサッカーの神様が緑のみんなに微笑んでくれないのか」、ということはずっと自分の中で思っていました。やっと今日彼らの普段の努力、そしてやってくれているサッカーに対して、サッカーの神様が少し微笑んでくれて、素晴らしいハル(井出)のシュートという形で勝てたことを受けて、改めて良い選手たちだなと思います。 そして、あとひとつは、なかなか結果が出ていない中でも選手たちが自分たちの目指しているものを、まったくブレることなくやり続けてくれたことに対しても、あらためて感謝したいです。このサッカーで勝ちを増やしていくことを、また続けてやっていきたいと思います。あとは今日もアウェイの京都までヴェルディのサポーターの方々に来ていただき、本当に最後まで我々にパワーを送ってもらいました。なかなかファン・サポーターの方に恩返しができていない中で、やっと今日勝利という形で恩返しできたことを大変嬉しく思います。まだまだこれからたくさんの恩返しをできるように、ヴェルディを支えてくれているすべてのファン・サポーターの方々、すべてのヴェルディファミリーの方々のためにも、また良いサッカーをして感動できるサッカーをやっていきたいと思います。本当に今日は選手がよくやってくれたことを嬉しく思いますし、心から感謝したいと思います。

井出選手を最後までピッチに残していたことが勝利に繋がりましたが、井出選手を下げる選択肢は全く考えていませんでしたか?
今日に関してはハルを代えるという考えは浮かんでこなかったです。残したのはそれ以外(ゴールへの期待)の部分を考慮してのものでしたが、結果的に彼の素晴らしい、普段は打たないシュートをやっと打ってくれて、それが決まって良かったと思います。

京都のライン間を上手く使えていた印象でしたが感触はいかがでしたか?
ライン間は前半からもう少し上手くやってほしいところもありましたが、後半に関しては非常によくやってくれたと思います。

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選手コメント

MF11井出 遥也

試合を振り返ってください。
前半から自分たちのサッカーができていたと思いますし、決め切るところで前半のチャンスのところで決められていれば、もう少し自分たちのペースで運べた試合だったのかなと思います。ただ、後半に(山下)諒也のゴールで先制点を取り、その後に追いつかれてしまいましたが、前後半通して自分たちがやろうとしているサッカーはできていたのかなと思います。

この試合に臨む上でどんなプレーを求められていたのか、あるいは個人として意識していた部分を聞かせてください。
相手がいつもと違うフォーメーションで立ってきたので、それに合わせて自分の立ち位置も変えていましたし、後ろで作りながら前に入っていくことを意識して今日の試合をやっていました。ラストパスやゴールに直結するプレーは自分自身に求められているところなので、それに応えられて良かったです。

リベロに入る藤田選手を前に押し出すような形が増えていますが、そこはチームとしての狙いのひとつでしょうか?
それは特に話として出ているものではないですが、自分たちで相手を見た時に最近は(藤田)ジョエルにマークが付くこともあるので、そこは臨機応変に見ながらやれていると思います。ジョエルも自信を持って前に出ているので、そこは彼が自信を持ってやれている証拠だと思います。

決勝点のシーンを振り返ってください。
ワカ君(若狭)からボールをもらった瞬間、相手がどこまでラインを下げるか、どこから出てくるのかを見ながらドリブルしていました。シュートシーンに関しては自分の気持ちが乗ったゴールだったのかなと思います。

シュート以外にパスの選択肢はなかったという感覚でしょうか?
ドリブルしている時からどこで打つかということは考えていました。相手がなかなか出てこなかったので、運びながら出てきた瞬間にスペースが見えたので振り抜きました。相手が引いてくれていたので、どこで打つのかということをずっと考えていました。とにかく、相手を見ながらプレーした結果の得点でした。

監督が直前の会見で普段はああいう局面でシュートを打たない井出選手が打ってくれたことを喜んでいましたが?
1試合にいくつかはああいうシーンはありましたが、より結果にこだわるという部分でその回数を増やしていかなければならない立場なので、それはもっともっと振っていければと思います。

ここ最近は目に見える結果という部分でもどかしさを感じながらプレーしていたのでしょうか?
決定的な仕事という部分ではスルーパスであったり、チームとしてここ最近多くなっている感触はありましたが、それが点に繋がるか、繋がらないかという部分は最後の質にかかっているので、自分もよりそういう部分の質を高めていきたいと思っています。チームとして自分が出ている時に自分のところでリズムを作ることを気にしながらプレーしているので、よりチームが良い働きをできるように、立ち位置やポジションは気にしながらやっています。ただ、結果というところは自分自身もの足りなさを感じている部分でもありますし、求められているところなので、もっと数字を出せるようにしていきたいです。

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MF36藤田 譲瑠チマ

試合を振り返ってください。
前半から自分たちのチャンスはいくつかありましたが、それを決めることができませんでした。後半に入って早い時間帯に点を決められたことは良かったと思います。その後に自分のミスから失点してしまいましたが、その後にみんなが諦めずに戦った結果、ああいうふうに最後に(井出)ハル君が点を決めて勝てた要因だと思います。

ここ数試合、フロントボランチに中盤の底を任せて積極的に前に出ていくプレーが増えている印象ですが?
そこは意識してやっている部分でもありますし、自分のところに相手のマークが付いている場合、自分が引っ張った方がハル君や(佐藤)優平さんがフリーになることが分かってきたので、上手く使えているのかなと思います。自分の前に出た時の仕事だったりも分かってきたので、最後のラストパスやシュートの精度をもっと上げていきたいと思います。

先制点をアシストした場面を振り返ってください。
最初に(端戸)仁君からパスをもらった段階では(山下)諒也君の裏というところは考えていませんでしたが、諒也君が強い口調で呼んでくれたので、パスを出せば勝てるということはわかっていたので、うまく出せたと思います。真っすぐのボールというよりも、諒也君の走るところに合っていくようなボールを意識していたので、上手く蹴ることができて良かったです。

今日の京都はかなり寒そうに見えましたが、半袖でプレーした意図を聞かせてください。
自分は長袖が嫌いなので、半袖がいいという感じでした。

先制点が決まった直後にゴールセレブレーションに加わることなくすぐに自陣に戻っていましたが、守備のことを考えていたのでしょうか?
喜びに行っても良かったのですが、少し疲れてしまうので、なるべく省エネというか、喜びたい気持ちもありましたが、なるべく抑えてという感じでした。

勝利を告げるホイッスルが鳴った直後の反応に関してはホッとしたという感じでしたか?
ホッとした部分もありましたし、自分のミスも反省していましたし、ハル君にも感謝していたとし、色んな気持ちでした。

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