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MATCH試合情報

2020 明治安田生命J2リーグ 第3節 - 栃木SC vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

リモートマッチ2戦目は、敵地に乗り込んで栃木SCと対戦した。今季初勝利を期してピッチに立ったメンバーには前節から2名の変更があった。中盤では藤田譲瑠チマに代わり藤本寛也キャプテンがスタメンで起用され、右サイドの小池純輝の位置には、プロ初スタメンとなる山下諒也が入った。

 

序盤、前から勢いを持ってボールサイドに寄せてくる相手に対して、ビルドアップのミスもあってボールを高い位置へと運べない。セットプレーを武器とする相手に対して、コーナーキックをきっかけにボールを持たれ、自陣でセットする時間が続く。10分を過ぎる頃から徐々にペースをつかむ。右サイドに開いてボールを持った山下が仕掛けてペナルティエリア内で倒されたように見えたが、これはノーファウルで流される。ここから試合の流れはヴェルディがつかむ。18分にフリーキックが左ポストに当たるピンチがあれば、21分には逆に佐藤優平のフリーキックが相手DFにきわどくクリアされるチャンスも作る。ここからボールを保持したヴェルディが流れを掴むと、ボールを回しているだけではなく縦方向にも動かして相手ゴールへと迫る。40分にはサイドで起点を作り、藤本のクロスに井出遥也が飛び込んでワントラップしたところで背後から押されて倒されたが、この場面もノーファウルの判定。ポゼッションを高めながらゴールへ向かう筋道を作り、ゴールの予感を残して試合を折り返した。

 

ハーフタイムに井上潮音に代えて負傷明けの森田晃樹を投入し、相手を崩し切るところまで狙って後半に入った。ところが、思惑が外れる。48分、後方からのビルドアップでミスからカウンターを受けると、柴崎貴広がシュートをはじいたこぼれ球をカバーリングに入った高橋祥平がブロックしたが、これが決定的機会の阻止で一発退場かつPKを与えるピンチを迎える。このPKを決められて一人少ない状況でビハインドを追うことになった。反撃に出たいチームは、リバウンドメンタリティを発揮して、より縦への意識を強めていく。すると57分、山下の突破力が活路を開く。右に開いてボールを受けると、スピードを生かして縦に仕掛け、ゴールラインギリギリでマイナス気味のクロスボールを入れる。ペナルティエリアの際で交代出場した福村貴幸がボールを受け、シュートコースを消されたと見るやマイナス方向にボールを落とすと、勢いを持って走り込んだ佐藤がワンタッチで左足を振り抜く。振り抜いた瞬間に本人もガッツポーズするほど会心の一撃は、キレイにゴール右隅へと流れ込んで数的不利な中ですぐに追いついた。その後も数的不利を感じさせないパスワークでゴールに向かうヴェルディ。徐々に体力的な不利が響いてミスから逆襲を食らう場面も出てくるが、79分にカウンターから鋭いミドルシュートを打たれるが、これは柴崎がファインセーブで凌ぐ。前半ほどはボールを持てなくなりながらも、山下や端戸が相手の背後を突いてペナルティエリアに飛び込む場面を作るが、どちらもシュートを打ち切れず、終盤へと突入する。

 

アディショナルタイムにも山下が最終ラインの裏をとってチャンスを迎えたが、相手GKとの1対1の場面でシュートを打ち切れずにブロックされて万事休す。2試合連続で1-1のドローに終わった。ペナルティエリア内での2度のノーファウルの判定などジャッジの部分にストレスを感じる場面もありながら、自分たちで勝ち切れるだけのチャンスを創出したことも事実。その悔しさは、アウェー連戦となる次節の大宮アルディージャ戦でぶつけたい。

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監督コメント

永井 秀樹 監督

試合を振り返ってください。
後半に入って我々は一人選手を失ってしまい、数的不利という状況で大変難しい試合でしたが、選手は本当に良くやってくれたと思います。むしろ、前半の方が相手の第一波を越えていくという部分でもう少しスムーズにやれるプランニングでしたが、そこが少し課題というか、次に向けた修正点だと思います。90分通して選手はよくやってくれましたし、また次に繋がる試合になったのかなと思います。また、良い準備をして次の試合に向けてやっていきたいと思います。

今季初先発となった山下諒也選手の評価と、彼に期待した役割について聞かせてください。
彼のストロングであるスピードの部分を、今日は最大限に利用したかったというところがひとつです。そして、彼のスピードでより相手のラインを下げていくという、狙いがありました。本人はすごく良くやってくれたと思いますし、まだまだ我々の力になってくれると考えています。

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選手コメント

MF 9佐藤 優平

10人になって追いかける展開の中でピッチ上ではどんなコミュニケーションがありましたか?
まずはベンチの動きを見たのがひとつですね。それから、ディフェンスラインの選手の意見を聞くという形になり、それがベースになりました。ディフェンスラインの選手からは失点したらこのゲームは厳しくなるぞと言われていて、あとは3枚で回すのか、4枚で回すのかを話し合いました。その時にフク(福村)が入ってきたので、システム的に4枚になりました。ボールを回す時は2ボランチという形でしたが、アンカーを置く形で回さないと、前が足りなくなってしまうので、そこはコウキ(森田晃樹)と自分とハル(井出遥也)のところで臨機応変にという感じでした。とにかく、走り回らないといけない状況だったので、ずっとポジションを取っている場合ではないと考えていました。少し相手の運動量を上回れた部分は良かったと思います。

ゴールシーンは山下選手のクロスの流れからでしたが、あの位置にボールが来る予感はありましたか?
あまり自分とコウキのところでリスクを冒して上がっていくということはやっていなかったですが、あのシーンに関しては全体的に前に入っていて、フクも一個前に入っていたので、バランスを崩してもいいかな、という感覚でした。相手の守備のほとんどがペナルティエリア内に入っていたので。シュートで終わるイメージをもってあそこに行きましたが、入って良かったです。

昇格を目指していく中でのチームの課題と、今後ご自身が担っていくべき役割について聞かせてください。
永井さんのサッカーというのは美しく勝つというところですが、でも少し泥臭さが必要だということも永井さんは言ってきています。どこでシュートを打つとか、どこまで押し込めているか、そういうところは常に自分たちの頭の中になければいけないのかなと思います。まず永井さんのサッカーで相手を翻弄して押し込む作業がどの相手にもできてきて、新加入の選手も含め少し時間はかかりましたが、こうやってできてきた中で、ペナルティエリアでのアイデアはある程度自分たちの個の部分にかかっています。 押し込むところまでは行っているので、あとは個のアイデアでその永井さんであったり、吉武さんであったり、保坂さん、藤吉さんだったり、攻撃を指導してくれているコーチングスタッフのアイデアを上回っていく必要があります。そのアイデアがチームの形とはまた違う色を出していかないと、少し相手が対策するとバレてしまいます。(横浜F・)マリノスとかも対策されて少し苦労していますが、J2というのは引いて守るチームなど極端に分かれているので、自分たちもそういう段階に来ているのかなと感じています。あとは本当に個の部分と言いますか、永井さんはよく個的優位という言葉を使っていますが、本当に個的優位が大事だと思います。

数的不利の中でのアウェイゲームで獲得した勝ち点1をどのように捉えていますか?
本当に観客が入らないという状況の中でアウェイでの違いは移動の部分だけだと感じています。相手の雰囲気はあまり感じないので、常にアウェイというよりも勝ちにこだわって選手たちはやっているので、勝ち点1を持ち帰るというよりも勝ち点3を持ち帰るというイメージが強かったので、正直なところはあの1点を取った後でも攻撃的に戦って追加点を奪うべきでした。それができるだけの相手との差をピッチの中では感じていたので、そこを突き詰めていく必要があると思っています。

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FW 48山下 諒也

今季初先発となった中でご自身のパフォーマンスに関する自己評価を聞かせてください。
個人としては監督からやるべきことを明確に与えられていたので、今日は自分の特長を存分に生かそうと思い、それをピッチで表現しようと考えて臨みました。

同点ゴールに繋がった仕掛けからのクロスの場面を振り返ってください。
縦の奥の位置を取ることによって相手のラインが下がるので、あそこの位置を取れれば決定機になるということは自分の中で分かっていました。あの場面は自分で行かないとダメだと思い、仕掛けました。

試合終盤に相手のゴールキーパーと1対1になりかける場面もありましたが、あの場面での判断について聞かせてください。
あのシーンでは自分の足が少し攣っている状況だったので、ああいう時間帯でも、もっと走れるように力を付けて、あとは冷静になってゴールを仕留められるだけの力を付けていきたいです。

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