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MATCH試合情報

2019 明治安田生命J2リーグ 第34節 - 柏レイソル vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

前節、敵地で大宮アルディージャにセットプレー2発で敗れたヴェルディ。ボールを保持して試合をコントロールしながら、相手の堅牢な守備ブロックを崩し切れず、その課題を克服する1週間を過ごし、今節を迎えた。アウェー3連戦の締めくくりとなる相手は、首位を独走柏レイソル。守備先行の戦い方をすることは考えにくく、自分たちの現在地を測る上で恰好の相手との一戦を迎えた。

 

前節で前線に怪我人が増えたことで、最前線の顔触れが一新された。フリーマンには河野広貴が起用され、右ワイドストライカーに小池純輝を、左ワイドストライカーには新井瑞希を置いた。

 

立ち上がりはお互いにボールを握りたい姿勢が出たことで、球際の攻防となった。些細なミスでも柏は見逃さず、ボールを奪うと手数をかけずにゴールに迫って来る。その緊張感の中、時間が経つごとにヴェルディにリズムが出てきた。8分、高い位置で山本理仁がボールを奪うと、アフターチャージで倒されながら森田晃樹につなぎ、マイナスの落としをクレビーニョがミドルシュートで狙った。21分にはワイドな展開で相手を揺さぶってから、相手陣内深い位置のタッチラインギリギリの位置でボールを受けた小池がマイナス気味に戻すと、クレビーニョがゴール前に鋭いクロスを入れる。相手がDFがクリアし切れなかったボールに河野が反応し、胸トラップから豪快なボレーシュートを放ったが、これは相手GKの攻守に阻まれた。流れは確実にヴェルディのもの。そう思えたところで、好事魔多し。30分、失点が続いているセットプレー。右からのコーナーキックがゴール前に入ると、上福元直人が飛び出してキャッチをしようとボールにチャレンジしたが、それよりも高い位置から長身のオルンガに頭で合わされてゴールへと流し込まれる。3戦連続のセットプレーからの失点で流れは途切れた。38分には、自陣深い位置の右サイドから大きな展開で逆サイドに振られると、ゴール前を横切る低いクロスを入れられる。これをまたもオルンガにワンタッチボレーでゴールに叩き込まれ、一気にリードを広げられた。

 

永井監督初陣と同じ、2点のリードを許した状態で迎える後半。当時の再現、逆転勝利を目指してピッチへ送り込まれた選手たちは、ボールを保持して相手陣内でプレーする時間が増えていく。63分には河野の負傷交代に合わせて2枚の交代カードを切り、森田をフリーマンに据えつつ、3バックへとシステムを変更する、その効果は即座に現れた。67分、右サイドで細かくパスをつないで相手陣内に深く入り込むと、ペナルティエリアの中で森田がボールを受け、シュートのために反転の動作に入る。ここで相手DFの足に掛かって倒されたように見えたが、判定はノーファール。フィニッシュには至らなかったが、相手の守備網をこじ開け、ペナルティエリアという決定的な位置までボールを運んだ。5分後にも右サイドから崩してクロスボールをゴール前に入れたが、ギリギリのところで相手にクリアされてしまう。ゴールへの筋道がようやく見えてきた。そこでまた試合の流れをひっくり返される。80分、セットプレーのこぼれ球からカウンターを発動され、追いすがったもののクリスティアーノに3点目を献上した。1分後にはコーナーキックのチャンスで若狭大志が競り勝ってヘディングシュートを放つが、枠からわずかにそれたボールを小池が詰めて頭でゴールに流し込むもオフサイドの判定で認められない。

 

攻め疲れてきた終盤にはミスからボールロストしてカウンターを食らうなど、攻撃姿勢を強めるが故にダメージの大きい反撃を食らった。途中投入された李栄直がゴール前に入ってきてクロスに合わせる場面などもあったが、後半のシュートは1本に終わり、タイムアップを迎えた。

 

アウェー3連戦は1分け2敗で負け越すことになった。冒頭で触れたように、自分たちの現在地を測る一戦は、試金石としては非常に厳しい結果になった。その中で、相手ゴールに迫る場面を作り出し、主導権を握る時間帯があったのも事実。攻撃時、フィニッシュに至る場面で連携がズレたり、プレー判断の遅れやミスによって、シュートまであとワンプレーという場面でボールを失うシーンが目立った。柏戦で測った自分たちの現在地を少しでも高みへと上げていくために、トレーニングの中で些細なズレやミスも究極まで減らす厳しアプローチを続けたい。

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監督コメント

永井 秀樹 監督

試合を振り返ってください。
首位の柏レイソルを相手に今の我々がどれだけ自分たちのサッカーをできるかというテーマで臨んだ試合でしたが、結論から言うと、最後のところでまだまだ崩し切る力はないということ。また、そこの崩しに至る形ができていないというのが現状です。セットプレーに関しては失点シーンもそうですが、我々の攻撃に比べると相手はセットプレーのキッカーの質、蹴るボールの質などでは、自分たちがまだまだ改善していかなければならない部分だと痛感しています。アウェイの地まで、たくさんのファン、サポーターの方々が我々の勝利を信じて来てくれていますが、その期待に応えられなかったことは非常に悔しく思います。ただ、我々に下を向いている暇はなく、また次の試合に向けて前を向いてさらに我々のサッカーの完成度を上げていけるように、また努力していきたいと思います。

後半、森田晃樹選手がボックス内で相手の逆を取ったプレー後に拍手を送っていましたが。
崩していく自分たちの形は決まっていますし、その中であの回数を増やしていくしかないですし、そこの質の追求もあります。

後半のシステム変更の狙いを聞かせてください。
もう0-2という状況だったので、我々は3点、4点、5点を取っていくというサッカーを目指している中で見え方にもよりますが、3-2-5という並びに一番近いと思いますが、前に入る5トップによってより攻撃的に行くというのがプランでした。

ビハインドの状態の中で相手のカウンターに対するリスク管理をどのように考えていましたか?
基本的にはカウンターを受けるということはボールの失い方が悪いことを意味しますし、同じボールを失うにしても、良い失い方と悪い失い方があることはこれまでずっと伝えてきていることです。その悪い失い方をしてしまうと、当然カウンターを受けてしまいます。そこはボール保持を含めて我々が質を高めていかなければならないところだと思います。2人で突っ込んで行っているように見えるということ自体、自分たちの狙い通りのサッカーができていないと感じますし、プレーは必ず3人以上で決めなさいということは指示しています。出し手と受け手の2人だけでレイソルの守備を崩し切るのは簡単なことではないですし、それを崩すためのトレーニングにも取り組んできました。ただ、3人以上でプレーを決めていくという、我々が本当にやりたいことはまだできていないというのが現状です。そこに関しては今後も質を上げていきたいと思います。

今日は恩師のネルシーニョ監督との対決になりましたが。
試合を通して良い緊張感だったというか、自分が選手時代に監督だった人と、立場が変わって戦うということは非常に新鮮でもあり、複雑でもある気持ちでした。まあ、試合が始まれば、そういったことは全く関係がないので、我々のサッカーをして勝つということだけに集中したつもりでした。大先輩というか、偉大な名将からまた学ばせてほしいと思っています。試合を終わってからは『これからの監督人生の成功を祈っている』というような声をかけていただき、『また次の対戦を楽しみにしている』とも言っていただきました。

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選手コメント

MF 16森田 晃樹

試合を振り返ってください。
前半のうちに点を決めておきたかったです。後半は点を取られて攻撃するしかなくなって、攻撃の質が悪くカウンターを浴びて、みんなが疲れてしまったというような展開になりました。前半はレイソルが思ったよりも前からハメに来るプレスをしていなかったので、意外とウチ君がハーフウェイライン付近までボールを運べていました。押し込めるまでは行きましたが、そこから急ぎ過ぎずにもっとペナルティエリア付近で相手の様子を窺う場面を作っても良かった気がします。ちょっと焦り過ぎて相手ボールにしてしまった点が、もったいなかったと思います。

今日はフリーマンの位置で河野広貴選手がプレーしていましたが。
今日はヒロキ君、前まではレアンドロが出ていましたが、2人は違う特長を持った選手ですし、ヒロキ君は自分で叩いてもう一度受け直すという形がある中で自分たちはヒロキ君にボールが入った時にサポートできるような位置取りを意識していました。チームとしてポジションはポジションとしてありながら、そこに捉われずに流動的にやれればいいとは思っています。誰かがポジションを空ければ、誰かが埋めるというような関係性が大事です。

最後まで気迫のプレーが目立っていましたが。
本当にJ1に行くために落とせない試合でしたし、そういった意味でどの試合もそうですが、今日はレイソルという良い相手でしたし、自分の持てる以上の力を出そうという気持ちでやっていました。

相手の堅守を前に攻めあぐねる状況が続きましたが。
正直、ピッチ内でも崩し切るのが難しいと感じる部分が多かったです。ミドルシュートを打つにしてもきっちり枠に飛ばすとか、相手ゴールキーパーに弾かせるボールだとか考えてやることが大事です。もちろん、シュート数を増やすことも大事ですが、ただシュートを打てばいいという話でもないので、そこは質を追求する必要があります。

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MF 20山本 理仁

今後自分が取り組むべき課題について聞かせてください。
永井さんから毎試合後に課題を言われていますが、それをまず克服していくことが大事だと考えています。特に見えているところが浅いと言われているので、サイドチェンジなど、もっと遠くを見てプレーすることを意識しています。まずは基本技術、その後にプラスアルファというところを考えています。

積極的な持ち上がりなどは柏相手に用意してきたものでしょうか?
今日は相手の2トップと2列目の間にギャップが生まれることが多かったので、自分にそこまでプレッシャーがかかってないという実感もあり、ああいうプレーを選択しました。用意してきたものではなかったです。フロントボランチの2枚に相手がついた場合、自分のところで変化を付けていくという意識を持ってやりました。そこは永井さんから状況を見ながらとも言われていたので、プレー的に問題はなかったです。

被カウンター時のリスク管理の部分に関して聞かせてください。
フロントボランチとの間でのリスク管理のコミュニケーションはチームとして共有すべきところだと思います。リスク管理も大事ですが、自分たちにとってまず大事なのはボールを失わないことなので、そのためのポジションに自分は立っています。カウンターが恐いから正しいポジションに立てないというのは逆にダメなことだと思いますし、まずはボールを握るためのポジションを取って、その後にリスクを考えるという形です。ただ、一か八かのパスを狙うのは良くないと思うので、正しいプレー選択も大事です。

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MF 8内田 達也

試合を振り返ってください。
今はなかなか内容に結果が付いてこないという試合が多くなってしまっています。もっと向上させなければいけないところは自分自身含めて多く感じています。そこを改善していくことで結果も変わっていくと考えているので、もっとやれることはたくさんあるので自分たちからベクトルを向けて向上していく必要を感じています。

ビハインドになってから少し焦って攻めてカウンターを受ける場面が目立ちましたが。
それは中でも感じていたことで話もしていました。0-0の状況で悪いサッカーをしていたわけではなかったので、それが0-1になってからも続ければ良かったですが、またセットプレーでやられてしまったというのもありましたし、前がかりになり過ぎてしまったという感覚です。ただ、前がかりになったというか、悪い取られ方をする攻め方が増えてしまったという反省点があります。

中央での2人の関係でのフリックなどからボールを失う場面も多かった印象ですが。
それに関してはハーフタイムにも話しましたが、そういうプレー自体が悪いわけではなく。落しの判断など相手を見てやっていることは悪いことではなく、入れた後の判断なんかはもっと修正できると思います。入った後のプレーの判断、周りのサポートなどもっとチームでやっていく必要があります。

後半2点以上を取りに行く中で戦い方に変化を加えた部分はありますか?
基本的には変わらなかったです。元から攻撃的に戦うチームなのでスコアによってやるサッカーが大きく変わることはありません。特別にやることを変えるよりかはこれまでやってきたものを出すという感じでした。

システム変更後の崩しのイメージに関して聞かせてください。
前の5枚に早く運びたいというところが一番にありましたが、自分を含めて上手くいかなかったです。ただ、システム云々ではなく、今日は自分たちに多くのミスが出てしまったことが大きいです。自分たちのミスによって上手くいかない感じにしてしまった部分もあります。良い戦術、良いアイデアがあっても簡単にミスをしていてはうまくいかないです。

課題のセットプレーからの失点は続いてしまいましたが、守備自体は向上している部分もあると思いますが。
同じやられ方をしてしまっているのは事実ですが、良くなっている部分ともっと良くしていかないといけない部分は多くあります。

ひとつも落とせない中でのアウェイ3連戦未勝利という結果に対してチームの雰囲気はいかがですか?
今日はチームとして非常に悔しいですし、少し落ち込んでいる雰囲気もありました。ただ、今日でシーズンが終わるわけではないですし、自分たちはやり続けていくしかないと思っています。今日のことはもちろん反省しますが、同時に来週に向けてしっかりと良い準備をしていきたいと思います。

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DF 17李 栄直

フリーマンでの役割で意識した部分を聞かせてください。
フリーマンでのプレーに関しては誰が出るにしてもある程度決まりごとはあります。自分が出た時間は短かったですが、少し周りが疲れていた影響もありましたが、間に立たないとボールは前進しませんし、なかなか良い立ち位置を取っていてもボールが出てこないというような場面もありました。それによってクロスに入るタイミングも少し変わってきてしまいます。自分は点を取ることが仕事だと思って入りましたが、その仕事をこなすうえでは全員の仕事が必要だったので、もう少し全体的にチャレンジする意識が必要だったと思います。永井さんは覚悟を持ってこのサッカーを練習から自分たちに落とし込んでくれていますが、自分たちが今日そのプレーを体現しようとしていたか少し疑問があります。全員が頑張っていたことは間違いないですが、イージーミスも目立ちましたし、厳しい言い方ですが、そういうプレーが出ているうちはチームとして結果を出すのは難しいと感じる部分もあります。

全体のプレーに関してチームとしての決め事以外に臨機応変に対応していく部分も重要だと思いますが。
自分は途中から出ているので恐いものはないですが、スタートから出ている選手は前半に2失点を喫したこともあり、少しダメージがあったのかなと思います。そういう中で自分は周りの状況がよく見えていましたが、全体的にメンタルの部分で足りないところを感じました。いつも相手を見てプレーしていく中で今日の相手は必ずしもタイトではなかったと思いますし、前半はボールを上手く回せているところもあったので、あれをずっと継続していければ、問題なかったと思います。ただ、体力的なものか精神的な疲れかは分かりませんが、問題はあったと思います。

悪い流れの中でイージーミスも目立った印象ですが。
自分がみんなと描いている崩すイメージを持っていた矢先にイージーミスが出ると、チーム全体で気持ちを立て直すのも難しいです。今日に関しては自分が入った後の試合終盤に特にミスが多かった気がします。ただ、ここまでずっと出ている選手は決して手を抜いているわけではないので、気持ち的に難しい部分もあります。

試合前にはゴール裏のサポーターとコミュニケーションを取っていましたが。
こういう状況でアウェイにも関わらず、いつも試合に来てくれて、この試合もタダではないですし、お金を払って見に来ていただいているので、そういう状況で熱い応援をしてくれる人たちに応えないといけないと思っています。自分は今日スタートから出られなかったので、少しでも、という思いでやっています。プロである以上結果を残す必要がありますし、自分は久々のプレーでもあったので。

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