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MATCH試合情報

2019 明治安田生命J2リーグ 第30節 - V・ファーレン長崎 vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

山形、水戸という上位勢との連戦で1勝1分けで勝ち点を4つ積み上げたヴェルディ。このまま流れにのりたい今節は、敵地に乗り込んでV・ファーレン長崎と対戦した。スタメンの変更は1か所。河野広貴が起用された左サイドワイドストライカーの位置に、移籍加入後初出場となる新井瑞希を抜擢した。

 

序盤、ボールを保持して試合を進めていくヴェルディは、山本理仁を中心に長短織り交ぜてボールを動かしながら、相手の手薄なエリアから攻め込んでいく。その攻撃姿勢が思わぬ展開を生む。6分、左サイドで山本のパスを受けた新井がドリブルで仕掛けてカットイン。そのまま右足を強振すると、飛びついた相手GKの手をはじいたボールがゴールに流れ込んで先制に成功した。リードすると、今度はボールが持てなくなる悪癖が出てくるが、この日も長崎の猛攻の前に自陣ゴール前でブロックを敷いて耐える時間があった。波状攻撃を凌ぐと、今度は自分たちがボールを持ってフィニッシュの糸口を探る。クレビーニョが高い位置で攻撃に絡んで活性化させるなど、流れはヴェルディにあるように思えた。しかし、一瞬のエアポケットだった。27分、カウンターを受けてバイタルエリアまでボールを運ばれると、一旦はカットしたボールを玉田が拾い、そのままゴール右上のコースを突く技ありのシュートを沈められる。反攻に出たいヴェルディは、直後の32分に最大のチャンスを迎える。右サイドで梶川諒太と森田晃樹が絡んでクレビーニョに預けると、ドリブルでカットインしながらポスト役のレアンドロにボールを預ける。レアンドロはワンタッチで右サイドのスペースへとスルーパス。そこに3人目の動きでゴール前に入ってきた小池純輝の足元に合うが、左足の狙いすましたシュートは相手GKに阻まれた。

 

後半に入ると、攻勢を強める長崎の前に、自分たちの進めたいサッカーが表現できなくなる。ポジショニングのズレや連係の些細なズレが、結果としてチームが機能しなくなる大きなズレにつながった。ボールを保持して攻め込もうとする場面もあったが、フィニッシュに至る前にミスでボールロストを繰り返す。前半途中で投入されてフリーマンに入った河野広貴が攻守に奮闘したが、流れは変わらず。66分には足を痛めたクレビーニョを無理させずに交代させるなど、自分たちの意図とは違う形で試合に動きを作らざるを得なくなった。そして70分、それまで流れの中で相手の攻撃に食らいついていた守備が、セットプレーで綻びを見せる。右サイドからのコーナーキックはゴールニア側に合わせられると、角田に打点の高いヘディングをゴールファーサイドへ流し込まれて逆転を許した。

 

終盤には井上潮音を投入して攻撃の活性化を図ったが、ペナルティエリア付近までは侵入するものの、フィニッシュのアイデアが乏しく、連係ミスから逆襲を食らう悪循環のまま時間が過ぎていった。前半の流れを切らさずに試合をコントロールしたかったが、そのままタイムアップを迎えた。

 

勝ち点差と順位が近い相手との直接対決で敗れたダメージは小さくないが、それ以上に理想のサッカーと結果の両立を目指しながらも90分間に渡って安定した戦い方を展開できないもどかしさが勝る。それはピッチに立つ選手たちが一番よく感じているはずだ。当然、一つでも上の順位を目指して、勝ち点をひとつでも多く積み上げることも大事だ。それと同時に、スタイルを浸透させていくことも決しておろそかにはできない。ホームに戻る次節、チームとして何らかの答えをサポーターに示せるように、また質の高いトレーニングを積んで、西が丘に歓喜を呼び込みたい。

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監督コメント

永井 秀樹 監督

試合を振り返ってください。
大変悔しい試合でした。毎回にはなりますが、遠いアウェーの地まで来てくれて声をからして応援してくれるサポーターの皆さまを幸せにするのが我々の仕事だということを考えると非常に残念です。個人的には、ここは国見高校時代に3年間を過ごした思い出の地でもありますし、ヴェルディの監督として帰ってきて長崎の皆様にもヴェルディらしい良いサッカーを見せて、結果を出して終わりたかったです。その辺も踏まえて個人的には悔しい試合でした。チームとしては、早い時間帯でプラン通りの先制点をとれましたし、その後も少しずつ自分たちがやりたい形ができつつあるなという手応えは個人的には感じています。より長い時間やれるように、また選手と課題を修正していきながらより質の高いサッカーができるようにしたいと思います。

守備の部分で、相手のボランチとセンターバックのフィード力があるところで、そこに規制をかけられずに押し込まれたように感じるのですが、どのように守りたかったのでしょうか?
守備の時は4-4-2から始まるのですが、今日初スタメンだった新井選手が、もちろんゴールを決めて素晴らしい仕事をしてくれたのですが、その後の守備に回った時に少し限定や牽制するところで我々がやりたいプラン通りの働きができていなかったのが、一番の原因だと思っていました。その意味で、早い時間に彼を交代したのは、相手のセンターバックとボランチに守備に回った時に限定ができないのが課題だったからということです。彼を代えて、代わって入った河野広貴は理解できているので、そこから少しずつは良くなったかなと思います。

イーブンの時間が長かったですが、そうした時にボールのとりどころが見えずに深いところまで持っていかれてしまう。監督のイメージではどうでしたか?
自分の目指すところ、理想からするとラインがまだまだ深いというのは課題だと思いますが、長くやってきたサッカーから、守備はラインコントロールのところに手を付けるのはシーズン中ということもあり一つ間違えると難しいことになってしまいます。そこは選手たちとコミュニケーションをとりながら模索している段階ではあります。自分の理想で言うと、もう少しラインがコンパクトにやりたいというのはあります。

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選手コメント

MF 13新井 瑞希

移籍加入後初出場の感想をお願いします。
初出場だったので勝利で飾りたかったんですが、負けてしまったのが非常に悔しい試合でした。

ただ、ゴールはインパクトを残す形でした。
最初にボールをもらったら、仕掛けてシュートまでいこうと思っていたので、それが上手く入って結果につながったことは良かったです。

早い時間帯での交代でしたが、チームのため自分が成長しなければいけない部分は?
前半で交代になるということは何かダメだったところがあったのだと思うので、面白いサッカーをするので、監督が要求している部分を自分の中で整理して、一つずつ課題をクリアしていくのが今は大事かなと思います。

チームにとって大きなゴールではありました。J2の舞台での手応えはどうでしょうか?
ボールを持ったらやれると分かっていたので、チームを助けるには自分がゴールを決めて盛り上げないといけないと思っていたので、そこの部分では少し貢献できたかなと思います。

次節はホームに戻ります。
アウェーでは負けてしまったので、ホームではサポーターがいる前で勝って、自分も貢献して勝ち点3をとって、みんなで喜びたいと思います。

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MF 33河野 広貴

前半のあの時間で投入されるにあたり、どんな指示がありましたか? そのプランは遂行できた?
ボランチのところで好きにやられていたのはあったので、そこを抑えるようにというのは言われていました。点をとられたら悪いところというか、勢いが落ちてきてしまうというのは若い選手とかは多くて、後半もプレーしていて感じました。もう1点取られた時に、取り返しにいくという気持ちが足りなかったのかなと思います。永井さんから指導されているサッカーを90分やらないといけないのに、失点してからはポジションをしっかりとれていなかったり、ボールも回らなかったですし、最後まで目指すサッカーをしなければいけなかったなと思います。

前線から追ってスライディングをするような場面もありましたが、あそこは周りにも合わせてきてほしかったですか?
できれば来てほしかったですね。周りの選手は長く出ていたので疲れたというのはあったと思いますが、連動してスイッチを入れた時には後ろからも来てほしいタイミングはありました。前から追おうかなというのは思っていました。外国人選手に簡単に蹴らせずに、ひとりでも限定できれば、単に前に蹴らせれば後ろも楽になれるし、限定するだけでもだいぶ違うのかなと思っていました。どこかで獲ろうというよりは、蹴らせる感じで追いました。

40番に蹴らせないのが目的ですよね?
彼に持たれたくなかったというのがあります。プレスにいかないと運んでくるので、そこはいかなきゃいけないなと。

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