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MATCH試合情報

2019 明治安田生命J2リーグ 第26節 - 京都サンガF.C. vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

夏場の過酷な連戦に突入し、締めくくりの3戦目を迎えた。前節、栃木SCとの一戦で70%近いボール支配率を記録しながらもゴールを奪い切れずにスコアレスドローに終わったヴェルディ。フィニッシュという課題を克服するためにトレーニングを積んで迎えたのが、敵地での京都サンガF.C.戦だった。前半戦で1-4と大敗を喫した上位に立つ相手に対して、自分たちのスタイルをどれだけ貫けるか、新体制4戦目の現在地を確かめる一戦となった。

 

前節から選手の並びを変えたヴェルディ。最終ラインは4枚を選択し、右に奈良輪雄太、左に山本理仁を起用し、センターバックは出場停止明けの李栄直と平智広を並べた。アンカーに渡辺皓太、インサイドに井上潮音と佐藤優平を配置。レアンドロの頂点に両ワイドには小池純輝と梶川諒太を起用した。

 

ともにボールを保持するスタイルを打ち出しているが、新体制の元でまだ4試合目というヴェルディに対して、半年間の積み上げがある京都がポゼッションの主導権を握る。同時に前線からのプレスを強め、ヴェルディのマイボールも即座に回収して反撃に出る。マイボールを保持できないチームだが、カウンター気味に相手ゴールに迫る。5分、相手の陣形が整う前にレアンドロが右サイドのスペースへスルーパスを通すと、小池が抜け出してゴール前へラストパスを入れるが、これは味方に合わず。その直後に押し込まれて自陣に張り付きになり、7分に決定的なシュートを上福元直人が防ぎ、さらに反撃に出る。9分にもカウンターを発動。梶川がスピードに乗ってボールを運ぶと、5分の場面と同じようにスルーパスで小池を走らせる。相手が後ろ向きで戻るところにレアンドロが飛び込み、小池からのパスが通るがフィニッシュは枠を捉え切れなかった。好機を逸すると、流れは京都へと傾く。前線からの厳しいプレスにパスワークと連動性を欠くと、16分にクリアミスを拾われて押し込まれ、一美に強引にシュートを打たれる。ブロックに入った選手の足に当たったボールは、上福元の頭上を越えてゴールへ流れ込んだ。切り替えてあらためてボールを大事にしながら相手を押し込んでいきたいところだが、1分後には最終ラインでワイドにボールを動かそうとしたところで、上福元のパスを読まれてジュニーニョに拾われると、そのまま左足を振り抜かれてネットを揺らされた。反撃に出たいチームは陣形を押し上げようとラインを高めに設定するが、26分にはその背後を抜かれて一美に豪快なシュートを沈められて一気に3点のビハインドを背負った。前半終了間際には佐藤がチャンスをつかんだが仕留めきれず、天を仰いで苦しい前半を折り返した。

 

ミスが出た最終ラインにテコ入れを図るべく、指揮官は平に代えて内田を、李に代えて澤井を投入する。しかし、反撃の機運を高めようとしたところで深い痛手を負う。48分、またもミスからボールロストすると、最終ラインの背後をとられて宮吉に4点目を献上した。このダメージは重く、前に出たいチームだが、プレスをはがされて押し込まれる。時間が経つごとにボールを持てる時間は増えてきたが、相手にダメージを与えるような位置へとボールを運ぶことはできず、時間ばかりが過ぎていく。端戸仁の投入で打開を図り、ゴール前にボールを入れることはできたが、後半はフィニッシュまで持ち込めずに2戦続けてスコアレスでタイムアップを迎えた。

 

2勝1分けで迎えた上位勢との対戦で、厳しい現実を突きつけられた。とはいえ、永井監督が志向するスタイルを浸透させる道から外れるわけにはいかない。この試合で直面した課題から目を逸らさずに、向き合い、そして克服しながら前進しなければいけない。次節からホームでの戦いが続く。自分たちのホームグラウンドで、あらためて一歩でも前へと進んでいきたい。

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監督コメント

永井 秀樹 監督

試合を振り返ってください。
まずは遠く京都まで来ていただいて、最後まで声をからして応援してくれたサポーターの皆様に、自分たちのサッカーをやる時間が本当に短かったというのは非常に申し訳なく思います。今日の試合に関しては、同じスタイルと言いますか、どちらがボールを持てるかという勝負で、非常に楽しみしていました。それだけに、自分たちが怖がったのか、試合の入りのところで少しボールを持つことに対する自信がなかったのが非常に残念でした。試合の開始で自分たちのミスで3失点するというのは、ゲーム自体が難しくなります。非常にもったいないゲームだったという印象です。

守備の強度についてお聞かせください。縦パスが入ると、一美選手に良い体勢でボールを持たせてしまい、反面ヴェルディの選手の体勢はよくないように見えました。そこは今後どのように解消に向かうのでしょうか?
もちろん自分のサッカーが攻撃的なスタイルというのは走りがちではありますが、攻撃と守備は一心同体だと思っているので、守備をおろそかにしているわけではないですし、今日に関してもくさびをたくさん入れてくる京都さんのやり方に対して我々も準備をしてきたつもりです。確かに守備の強度のところであったり、予測、判断のスピードの差を含めてまだまだ改善しなければいけないなと思っています。

相手にボールを握られる展開は予想されていたのでしょうか?
基本的に自分たちはボール保持率で上回ることがゲームを支配できるかどうかという点で重要なところでしたので、そこで上回れないと厳しくなるというのは感じていました。90分を通して、少なかったですけど、自分たちがボールを持てる時間もありましたし、チャンスも自分たちがボールを保持している時は作り出せたので、そこに対するこだわりを持って…。こだわりを持つ前に、やっぱり自信をもって、自分たちがボールを持って進めるんだという勇気が足りなかったのが、今日は残念です。

ハーフタイムに平選手と李選手を代えて、後ろにセンターバックの選手がいなくなりました。その意図を教えてください。
平選手に関しては負傷でやむを得ない交代でした。李選手のところは、試合の入りが自信がないように映っていましたし、実際のプレーも後ろ向きなプレーが多かったと感じました。自分たちはボールを持つというところにこだわるからには、キーパーも含めて自信を持ってボールを受ける、渡す、通すという作業ができないとゲームプランが難しくなります。そこは人を代えてという対応をしました。

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選手コメント

DF 24奈良輪 雄太

試合を振り返ってください。
永井さんに代わって3試合をやって、内容と結果と、まずまずというかそれなりに手ごたえを感じているところで、自分たちが目指しているのと同じようなスタイルの首位の京都に対してやれれば、という試合でした。その試合を一言でいえば、完敗でした。

ボールを握り合う前に、球際のところで相手のほうがヴェルディの選手のキックの体勢を悪くさせていたように感じました。守備の強度の差は感じましたか?
もちろん感じました。守備に限らず、相手のボールの時に相手は背負いながらもボールをキープできるとか、単純に球際は守備だけではなくて攻撃においても言えることで、セカンドボールへの反応だったり、もちろん点差がついてメンタル的なこともありましたし、相手にボールを持たれて疲労もありました。ただそれは、90分を通して立ち上がりから相手と比べてどうだったかと思えば、完全に劣っていたかなと感じています。

時間がない中で、優先順位をつけてトレーニングをしていると思います。その強度についても今後のトレーニングで高めていくのでしょうか?
監督に使ってもらった立場として、監督が目指しているサッカーを表現できなかったし、最低限のプレーができたかと言えば、そこにも疑問を感じる内容でした。長い間サッカーをやってきましたけど、自分に対してもイラ立ちを感じるし、監督に対しても申し訳ないという気持ちの内容でした。

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MF 20山本 理仁

最終ラインで起用された意図は守備の部分ですか?
守備的なことではなくて、攻撃的な意図で起用されました。相手が前からきているならば、ビルドアップでは3枚で動かして、センターフォワード一枚なら僕のところでそのブロックを越えようという狙いでした。

ビルドアップに不安はありましたか?
京都が相当前から来ていたので、このようなサッカーをしている限りは、事故というかミスは起きると思うので、何回かできるんじゃないかと思ったのですが、あれだけ決定的なミスをしてしまうと、自分たちで難しくしてしまう感じになります。

点差が開いた状況で、後半の入り方はどういったプランでしたか?
プランとしては、最初と変わらずに攻撃的にというものでした。ウチ君を後ろに入れて、より攻撃的に、点を取らないといけない状況だったので。

失点場面で、フリーで蹴られてフリーで受けられた原因は?
前半からボールホルダーに一人もいけていなかったので、ラインのコントロールもそうですが、後ろからもう少し2列目を押し上げてやれば相手はもっとやり辛かったのかなと思います。

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