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MATCH試合情報

2018 明治安田生命J2リーグ 第42節 - FC町田ゼルビア vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

いよいよ今シーズンもリーグ戦の最終節を迎えた。J1参入プレーオフ進出が懸ったヴェルディと、J2初優勝が懸ったFC町田ゼルビア。最後の最後という場面で、そして『TOKYO CLASSIC』というダービーで、様々な思惑が入り混じった上位直接対決を戦うことになった。準備期間で離脱者が出たヴェルディはメンバー構成に手を加えた。ドウグラスに代わって林陵平をセンターフォワードで起用し、右ウイングにはアランを、左ウイングには渡辺皓太を配置した。

 

ともにこれ以上ないほど気持ちの入った試合は、序盤から町田がペースを握る形で進んでいく。球際での厳しい競り合いでボールを奪うと、すぐに長いボールを前線に蹴り込んで一気にヴェルディ陣内へと入っていく。序盤こそスペースへ飛び込む相手選手を掴まえ切れず、ヴェルディがゴール前でブロックを敷いて撥ね返す時間帯が続く。ただし、中央エリアを固めてボールをサイドへと追いやり、サイドに出たボールには陣形をスライドさせて簡単にはプレーさせずに撥ね返す。攻撃では、前線でボールが収まらず、個々で突破を試みるもチャレンジ&カバーを徹底する町田の守備を崩せない。唯一、チャンスにつながりそうだったのは36分の場面。相手の最終ラインが高くなっているところを見抜いた上福元直人がスペースへ向けてロングボールを蹴り込む。スペースへと抜け出したアランが飛び出した相手GKよりも先に頭で相手ゴール方向へと落としたが、林が走り込むよりも早くカバーに入った相手DFにクリアされてゴールには結びつかなかった。前半は終始、耐える展開の中、相手が得意とするセットプレーのピンチも多かったが、上福元が積極的に飛び出して処理して危険を未然に防いで0-0で前半を折り返した。

 

攻守のポイントを整理した後半は、「焦って蹴り過ぎないで、しっかりとつなぐこと」という指揮官の指示をチームが徹底。前半のように相手に合わせてロングボールを多用する展開からマイボールを保持してじっくりと攻め手をうかがう自分たちの土俵へと町田を引き込んだ。その結果、立ち上がりからサイドを起点に相手を押し込み、チャンスを創出する。47分には、左サイドに抜け出した香川勇気がゴール前にクロスを入れると、ボールを受けたアランがさらに奥の右サイドのスペースに走り込んでいた奈良輪雄太へパス。奈良輪が放った強烈なシュートは相手DFにブロックされたが、反撃の狼煙を上げるビッグチャンスを創出した。63分には左からのコーナーキックを井林章がヒールで合わせたが枠を捉え切れない。一転して74分にはカウンターからバイタルエリアに侵入されてポストをかすめるきわどいシュートを打たれた。肝を冷やした直後に好機が訪れた。76分、右サイドの浅い位置でボールを受けた奈良輪は、町田の最終ラインの裏を取るループ気味のパスをスペースへと落とす。いち早く動き出した林がDFの背後をとると、前に飛び出したGKよりも先にボールを救い上げ、ゴールへと流し込んだ。流れを引き戻し、何度も相手ゴール前に侵入してきた中で、ようやくこじ開けたゴール。他会場を気にすることなく、自分たちの勝利でプレーオフを決める権利を手にしたが、上位に位置する町田も簡単には引き下がらない。先制直後から押し込まれると、バイタエルエリアで処理し切れなかったボールを拾われ、大谷にゴールを割られて追いつかれる。この時点で、プレーオフ圏内を争う2チームは、大宮アルディージャが1点をリードし、アビスパ福岡がスコアレスドローという状況。まだプレーオフ圏内にはとどまっているが、自力で決めたい指揮官は佐藤優平を投入して攻撃の意図をチームに伝える。ややオープンな展開になった終盤、ヴェルディは佐藤にボールを集めて勝ち越しを狙いにいき、何度となく相手ゴールを前にシュートチャンスを窺っていたが、帰陣の早い町田の守備に穴を見出せず、アディショナルタイムの5分間もお互いに一歩も退かない展開でタイムアップを迎えた。

 

ほぼ同時に終わった他会場は、追いつかれた時点から動かず、試合前の順位からひとつ落として6位にはなったものの、プレーオフ圏内を死守することに成功した。J1参入プレーオフ1回戦で対戦するのは大宮アルディージャ。相手の本拠地であるNACK5スタジアム大宮に乗り込んで戦う。

 

5位を維持できればホームで戦うことができて、さらに引き分けでも2回戦に進出できるというアドバンテージを持てたが、昨シーズンに続いて勝利しか道はない状況でプレーオフを戦うことになった。昨年はこのビハインドに関わらず0-1で敗退。冷たい雨が降り続けた熊本で悔し涙を流した。そう考えれば、今の境遇もリベンジのチャンスだと前向きに捉えたい。プレーオフの3試合すべてで勝利することがJ1昇格の最大にして最低の条件だ。分かりやすい。勝つしかない。いな、勝てばいい。それだけの強気な姿勢で、また明日から最善の準備を進めていきたい。今日も敵地のスタンドを染め抜いた緑の仲間たちと、最高の状態で25日のピッチに立ちたい。

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監督コメント

ミゲル アンヘル ロティーナ 監督

試合を振り返ってください。
すごく拮抗した試合でした。前半は両チームが互いの特長を出してゴールを目指していました。ただ、両チームともにゴールを決められなかったです。後半に関して我々はサイドを起点にチャンスを作れました。特に、左サイドからチャンスを作れていましたが、ゴールは右サイドからでした。ディフェンス陣のパフォーマンスに関しても1試合を通じて良かったですし、相手がリスクを冒して前に来ていたのでカウンターから2点目を取れるのではないかとも思っていましたが、逆にセットプレーの流れから同点に追いつかれました。チームもナーバスになっていました。他会場の結果も耳に入っていました。引き分けでもプレーオフに行ける可能性も理解していました。ただ、他会場で1点が入れば、順位が変わってしまうということもあったので、点を取りに行きながらもカウンターを食らわないというナーバスな状況でした。

負傷でベンチ外となったドウグラス・ヴィエイラ選手の状態と彼の不在で戦い方に変化があったのであれば聞かせてください。
ドウグラスは先週の試合後から問題を抱えていてこの1週間、少なめにトレーニングしていました。ただ、昨日の時点でダメだということが分かり、今日は招集しませんでした。ただ、我々にとって幸運だったことはリョウが控えていたことです。彼は今日素晴らしい試合をしたと思います。日曜日の試合に向けてレアンドロ、ジン、ドウグラスとケガ人が戻って来ることを願っています。

後半に左サイドからチャンスを作れるようになったということに関してハーフタイムにどのような修正を施したのでしょうか?
特に修正したことはありません。ただ、やるべきことをやろうということを選手たちに強調して伝えました。それが後半のはじめに繋がったと思います。試合に向けて練ったプランを上手くできている時はチャンスを作れていました。

大宮アルディージャとのJ1参入プレーオフ1回戦に向けた展望を聞かせてください。
大宮は偉大なチームです。前半戦は特に2部リーグの戦いへの順応に苦しんでいましたが、後半戦は彼らの本来の力を出し始めたチームだと思います。相手にアドバンテージがあるとすれば、ホームで戦うことができて引き分けでも次のラウンドに進出できるということです。ただ、そのアドバンテージは逆に彼らにとってプレッシャーになると思いますし、ホームで負けることは彼らにとって大きなダメージになると思います。我々にとってのアドバンテージはアウェイゲームで戦い、勝たないといけないということです。それは相手のホームで勝てれば大成功ですし、そういった気持ちを持って戦っていきたいです。

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選手コメント

FW 11林 陵平

ゴールシーンを振り返ってください。
町田さんのラインが高いことは試合前から分かっていましたが、その中で横に一度動いてからオフサイドラインにかからないよう横に動きながら奈良輪のボールを受けたという駆け引きがまずあって、裏のスペースに上手く出られました。そして、キーパーが前に出てきているところが見えていたので、その一瞬の判断で右足のループを狙いました。

大一番での先発出場でしたが。
2日前ぐらいに自分が出ることが分かっていましたが、常に良い準備をしているので焦りもなく、自分のプレーができれば、必ずゴールを奪えるという気持ちでした。ゴールできて良かったです。

対角線のフィードや裏を狙った長いボールが多い試合でしたが。
町田さんがラインを高くしていることや逆サイドにスペースが空くことは分かっていたので、こちらがそのスペースを使えれば良いゲームができると考えていました。インテンシティの高いゲームができたと思います。

拮抗した流れの中、良い時間帯の先制点でしたが。
自分がセンターフォワードで出る時は90分の中で必ずゴールを取れるという自信を持っているので、その自信が結果に繋がって良かったです。

前半は前線の選手としてはやや難しい役回りになりましたが。
あの前半があったからこその後半だと思うので、やっぱり90分の戦いの中で前半今日のような形になることもあります。ただ、前半に裏へ抜けるプレーを続けたことで相手に疲れが出てそれが後半に繋がった部分もあると思います。今日一番大事だったことはプレーオフに進めたということで、僕の1点がなければ負けていてプレーオフに出られなかったということを考えれば、非常に重要な得点を決められて嬉しいです。

後半の攻撃が機能した点に関してハーフタイムの修正の影響か、メンタル的な余裕が出てきたのか、どのように捉えていますか?
もちろん、ロティーナ監督やイバンコーチからのハーフタイムの修正があって選手たちがそれを実行して変わった部分もあります。その一方で、前半の戦いから後半自分たちがシフトチェンジしてやれた部分もあります。そういう意味で自分たちの柔軟性というふうにも言えます。

昇格プレーオフ1回戦で対戦する大宮アルディージャの印象を聞かせてください。
本当にプレーオフに出てくるチームは強いところしかいませんし、自分たちがそこに勝って行かないと昇格できないので、勝つために良い準備をして勢いを持って入れれば、どの順位も変わらないと思っています。6位以内のチームはすべて強いと思いますが、自分たちがそれ以上に強いと思っているので、とにかく勝つために良い準備をしたいです。

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MF 33渡辺 皓太

試合を振り返ってください。
個人的には全然ダメでした。何もしていないというか、あまり疲れなかったので。自分は疲れないと良さが出ないので…。

前半から仕掛けていく意識は強かったと思いますが。
相手が前に前にと来るのでそこを裏返そうということは意識しました。

後半は井上選手と香川選手との連係で攻撃の形を作っていましたが。
もっと自分が良い位置にいればボールが来ますし、個人的にもっと味方に要求した方が良かったと思います。

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MF 20井上 潮音

試合を振り返ってください。
前半は相手にセカンドボールを拾われて押し込まれる場面が多かったですが、後半は自分たちがやりたかったことというか、自分たちのペースで戦えたと思います。

後半に入って攻撃が活性化したことに関してはどのように捉えていますか?
なぜだか分かりませんが、後半はチームとしてやりたい形が出せましたし、やり易さは後半の方が感じています。前半はチーム全体で硬さがありましたし、いつもなら出しているところにパスを出せず、消極的にプレーしてしまいました。それは気持ち的な影響があったと思います。

対角線のフィードや裏を狙った長いボールが多い試合でしたが。
相手が前から来るぶん、裏を狙って行こうというのはチーム全体の狙いです。ただ、その流れの中でもボランチを使ったり、攻撃の使い分けという部分をもっとできれば良かったです。

失点場面に関して振り返ってください。
あの形は町田が得意としている形ですし、チームの守備においても常にトレーニングしている部分なので悔しかったです。ウチ君が触れるという気持ちがあった中、その油断が失点に繋がってしまったので、そういった気持ちの緩みといった部分は次の試合にも響いてくると思うので大事にやっていきたいです。

昇格プレーオフ進出に向けて難しい試合運びが求められた終盤はどのような意識でプレーしていましたか?
ピッチ内で他会場に関する明確な情報は聞かされていなかったです。ただ、前がかりになったところでポジションを守れという指示を受けたので、引き分けでも次に行けるという気持ちでやっていました。

苦しみながらもプレーオフ行きを決定しましたが。
プレーオフに行けることに素直にホッとしていますし、また来週試合ができるのでそこに向けて準備していきたいです。勝たないといけないので気持ちを切り替えながら良い形で戦えるようにしたいです。

対戦相手は異なるものの敵地でのプレーオフで勝たなければいけない状況ですが、昨年の経験をどのように生かしていきたいですか?
全く同じ状況ですが、去年経験したぶん、緊張感や試合の入り方という部分に関してはみんな分かっていると思うので、とにかく良い練習を1週間して自信を持って試合に入れればと思っています。

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GK 21上福元 直人

29歳のバースデーに昇格プレーオフ進出を決めることができましたが。
練習前に誕生日はサポーターに祝っていただきましたが、今日のような試合のタイミングで誕生日という経験は今までなかったので、ああいうふうに祝っていただいて嬉しいです。そして、結果で恩返しができれば良かったと思っていたので、引き分けで勝ち点3をどうしても取りたかったことは事実ですが、今日の勝ち点1がプレーオフ進出に繋がったことをポジティブに捉えたいです。

他会場の結果も影響する試合終盤の難しい試合運びに関して聞かせてください。
僕個人の見解ですが、あまり他会場の結果は気にせず、この試合に100パーセントで戦うということだけを考えてやっていました。だから、本当に試合が終わった後に他会場の結果を知りました。チームとしてこの試合に集中して力を出し切れたと思います。それが昇格プレーオフ出場権を勝ち取ったことに繋がったと思います。

チームとして2年連続プレーオフ出場という中、ご自身は初めての経験になりますが。
チームとして経験していることもありますし、経験を少しでも生かしていきたいと思います。自分自身はこれまで積み上げてきたものを出せるように良い準備をしていきたいです。

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MF 16佐藤 優平

投入時に意識した点を聞かせてください。
自分が入る時点では引き分けでも上に行けるという状況だったので、あまりリスクを冒してカウンターを食らわないということは意識しました。今日はチームとしてのプランが普段と異なり、裏に走ってそこにボールを入れていくプランだったので、前半も思い通りに行きませんでしたが、次は下でボールを繋いでいくサッカーをしていきたいと思います。また、引き分けでも何とか上に上がれたという捉え方をしています。

対角線のフィードや裏を狙った長いボールが多い試合でしたが。
チームとして細かく繋ぐという意識よりも、縦に速いサッカー。スペースを積極的に突いていくという形でした。ただ、相手もそう簡単にそれをやらせるチームでなくその対応や切り替えの速さがあったので、なかなか思い通りにいかなかったです。

ファウルで止められましたが、香川選手を突破させる良い繋ぎもありましたが。
自分は下で繋ぎたいので、今日のような展開の中でも自分のところでは下で繋げる形は作りたいと思って入っていたので、それはできて良かったと思います。

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