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MATCH試合情報

2018 明治安田生命J2リーグ 第33節 - 東京ヴェルディ vs ロアッソ熊本

マッチレポート

【試合展開】

前節、横浜FCとの上位直接対決に競り勝ったヴェルディ。ホーム連戦となる今節は、残留争いの位置にいるロアッソ熊本を迎えた。横浜FC戦の前半で交代した田村直也に代えて右サイドには若狭大志を起用。その他は顔ぶれを変えずにこの一戦に臨んだ。

立ち上がりは、ヴェルディが最終ラインからゆっくりとボールを動かして相手陣内へと入っていく。熊本もマイボールになるとしっかりつなぎ、一転して攻勢に出てきた。試合が動いたのは7分、最終ラインが熊本の高い位置でのプレスをいなしてボールをつなぐが、サポートに入った内田達也がボールを奪われると、安にミドルシュートを打たれる。ゴール隅に飛んだボールに上福元直人が間に合ったかに思われたが、キャッチし切れずにゴールに転がり込んだ。ミスが続いて喫した失点から流れを崩す流れかと思われたが、反撃は早々に実を結ぶ。高い位置でプレスをかけて左サイドで李栄直がボールを奪うと、中央の梶川諒太へ。ボールをコントロールした梶川がスルーパスを通し、佐藤優平がゴール前へと抜け出す。相手GKとDFの位置を見極めた佐藤は冷静にゴール右上に流し込んで同点に追いついた。その後、ヴェルディはミスからなかなかリズムに乗れず、相手にボールを持たれて粘り強く守備で対応する時間を過ごす。相手もミスが多く、互いにボールロストが多い展開で前半を折り返した。

ハーフタイムに動いたのはヴェルディだった。李に代えて泉澤仁を投入し、システムにも変化を加えて後半に臨んだ。

戦術的な調整は流れを変える。後半に入ると、立ち上がりはヴェルディが主導権を握る。49分、ドウグラスがペナルティエリアの外からミドルシュートを打つと、これはクロスバーに撥ね返される。53分、右サイドを佐藤が突破してクロスボールを入れると、ファーサイドに流れたボールを泉澤がコントロールし、マイナスの位置へ落とすと、走り込んできた奈良輪雄太がワンタッチで合わせるがシュートはGKの正面に収まる。押し込みながらなかなか決め切れなかったが、57分に攻勢が実った。佐藤が左サイドにボールを入れると、泉澤が深い位置まで持ち込んで相手DFを引きつけ、サポートに入った佐藤とワンツーリターンでペナルティエリアの中に抜け出す。ゴールライン際でマイナスのクロスを入れると、ゴール前に飛び込んできたドウグラスが合わせてゴールに流し込んで逆転に成功した。60分にクロスバーに直撃するシュートを打たれる場面もあったが、ヴェルディのペースは変わらない。62分にコーナーキックのショートコーナーから泉澤が『ゼロヒャク』でゴールライン沿いを突破したが、コントロールしたボールはGKに阻まれた。66分には泉澤が起点になり、奈良輪、ドウグラスとつないで、ペナルティエリアすぐ外で佐藤がボールを受けて前向きでシュートを打つが、ゴールわずか右へと逸れた。69分にはまたも左サイドから崩すと、奈良輪のクロスを藤本寛也がドウグラスに渡し、リターンを受けた藤本寛也が左足を強振すると相手のハンドを誘ってPKを手に入れた。リードを広げるまたとない機会。しかし、ドウグラスのPKは相手GKに阻まれてしまう。すると、ここから流れは相手へと傾いていく。サイドを起点にゴール前に迫ってくる相手に対して、粘り強くクロスボールを撥ね返して対応していたが、78分にエアポケット。相手が強引に打ったシュートの跳ね返りが、フリーの相手選手の前にこぼれ、そのまま上福元との1対1を冷静に流し込まれて追いつかれてしまった。

終盤はオープンな展開。ヴェルディはレアンドロを投入して反撃に色を強めたかったが、決定的な場面を作り出すことはできず、逆に相手の攻勢に押されて勝ち越しのチャンスは作れなかった。上位陣が軒並み足踏みする中で、結果的には連勝の流れを止めて足並みを揃える形。順位こそ4位へと上がったものの、首位との勝ち点差は変わらず。残り9試合。ふと気を抜くと一気に順位をひっくり返される可能性もある。先の行方、上位を争う他の相手の結果が気になってくる時期だが、ヴェルディのスタンスはあくまで一戦必勝。この引き分けの悔しさを引きずることなく、明日からは敵地で戦うFC岐阜戦に向けて全力で準備を進めていく。

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監督コメント

ミゲル アンヘル ロティーナ 監督

試合を振り返ってください。
前半は我々にとって良い出来ではなかったです。自陣でボールを持った時はボールを回せていましたが、相手陣地では危険なプレーができませんでした。先制されましたが1-1で前半を終えられたことは我々にとって良かったです。セカンドハーフはジンが入って良くなりゴールを決めることもできました。追加点を決めるチャンスもありました。その後に彼らが同点に追いつきました。そして、最後は互いに勝ち点3を得るためにプレーしていました。両チームに勝つチャンスがあったと思いますし、引き分けは妥当な結果だと思います。

後半から泉澤仁選手を入れた狙いと彼の投入によって修正したかった部分。また、梶川諒太選手と佐藤優平選手の左右を入れ替えた理由に関しても聞かせてください。
ボールを持って前進する、相手陣地でプレーさせるという狙いでした。そこに関してはうまくできたと思います。後半少しシステムを変更した際に前半はカジの前にヨンジがいましたが、その部分で左右を替えた方がバランスはよくなると考えてチェンジしました。

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選手コメント

MF 6泉澤 仁

どんな指示を受けて試合に入りましたか?
ポジショニングの部分でサイドに張ってほしいとは言われていました。

アシスト場面を振り返ってください。
ドウグラスが良い動き出しをしていたので、自分はそこに合わせただけでした。本当にゴールになって良かったです。

試合全体を振り返ってはいかがですか?
ゴールを取れなくて勝ち点も1しか取れなかったので非常に残念な試合でした。やっぱり目に見える結果を出していかないとダメですし、個人が結果を出すことで自然とチームの結果も良くなっていくと思います。今日は2-2に追いつかれた後にそこからもう1点を取り切る力が足りていないと思います。

逆転後に少しチームとして引いたように見えましたが。
毎試合そうですが、逆転した後に少し押し込まれてしまうことが多いです。なかなかその流れでカウンターから引っくり返す力がないです。どうしても前の2人で運ぶのは難しいですし、そこの個も足りていない印象です。

前半の重たい展開に関してベンチからどのように見ていましたか?
ちょっと引く選手が多かったです。相手が高いラインということも聞いていたので、その裏に抜ける選手やそこに出す選手がいなかったと思います。また、パス、パスという展開ばかりになったことも良くなかったと思います。

ご自身が入る段階でのプレーイメージを聞かせてください。
サイドに張ることです。フォワードの選手が空いてきたりするので、サイドでプレーするイメージを持っていました。

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MF 16佐藤 優平

試合を振り返ってください。
ああいう形で先に失点したのが初めてで、あそこから立て直すのはこれまでなかったですが、良い守備からカウンターではありましたが4人ぐらいが絡んでの良い得点だったと思います。後半も入り方がよく逆転ゴールを奪うことができました。失点のところは少しアンラッキーなところもありましたが、追加点は今のチームにとって安定剤のようなところがあるので、それを奪い切る力を付けていきたいです。

先制された直後バタついた中でゴールシーンは連動した素晴らしい形でしたが。
あそこでプレスをかけることができるようになり、それが結果的に良い高い位置からのプレスになりました。あの形から何度か引っ掛けられる場面もありました。得点シーンに関しては良かったと思います。

ゴールシーンはイメージ通りの形でしたか?
キーパーも見えていましたし空いているところに蹴るだけでした。カジからのパスもスムーズだったのでスピードを落とすことなく打てました。

2点目の起点となった泉澤選手へのパスに関して狙いを聞かせてください。
一回、パスを出すのをやめようと思っていましたが、相手の2人のディフェンダーが諦めていたのでダイレクトならいけると思っていました。もちろん、ジンのスピードもあったと思いますが、少し相手のディフェンダーが頑張っていなかったところを突きました。

複数人が絡んでの崩しの形が増えてきましたが。
単調なクロスだけでなくああいう深いところに入って崩すシーンが何度か見受けられます。それは1試合で1度か2度ぐらいだと思いますが、それを多く出していければチームとしてイメージが湧いてきます。そのイメージを誰かと共有していくことは試合でないとできないので、あれは良かったと思います。

追加点の重要性に関して改めて聞かせてください。
自分たちがリードした後にボールを握っているだけでなく得点も奪えるという自信を持ちたいなら、ああやって追加点を奪い切る力を付けていくべきです。それが守備に自信を与える、相手の嫌がる守備ができるという部分では得点後により集中力が増してくるので、そういう意味で得点は守備にも良い影響をもたらします。

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MF 38梶川 諒太

前半途中からご自身からの良い形での前線へのパスが減った要因を聞かせてください。
相手の守備がウッチーのところなどコースをかなり厳しく切ってきていました。それは試合前から分かっていたので、それを上手くかいくぐりたかったですが、自分たちに技術的なミスが出てしまいました。連係というよりもちょっとしたズレが出ると、相手もボールを奪えると思って勢いを増してきます。そこで相手を剥がせなかったことが自分たちを苦しめたと思います。

後半に関してはよりスムーズにボールを動かせていたと思いますが。
やっぱり相手も体力的にずっとああいうプレスをやり続けるのは厳しいと思いますし、少しずつこちらにも余裕が出てきました。また、ジンが個人で突破したりという部分で徐々に良い流れになったと思います。ただ、今日は勝ち切らないといけない試合でしたし、どこかに勝てるんじゃないかという油断がチームにあったのかもしれません。これをキッカケにどのチームに対しても簡単に勝てることはないという意識付けのもとでトレーニングから厳しい声を出して行かないとダメです。

PK失敗で3点目を取れなかった後の試合運びに関しては、逃げ切りを意識していた感じでしょうか?
いや、そこは意識していなくて良い流れというかチャンスがあれば、相手を落としに行く3点目を狙っていました。ただ、リスクマネジメントしながらの戦いというのは自分たちのやり方なので、失点は事故的な面もありますが、本当に厳しく戦っていれば、ああいうシーン自体出てこないと思っています。自分たちに問題があったと思います。相手がガンガン来たというよりも後ろで回している場面もあり、最終的に前線の2枚に当てて来ていましたがそこへのケアはできていました。崩されたというよりも球際で負けてやられたという部分でもったいないです。

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MF 8内田 達也

試合を振り返ってください。
個人的に前半が非常に悪かったと思います。自分の出来が影響したのか、みんなもよくなかったです。カジ君も良くなかったので真ん中のポジションの選手がスムーズにやれていないとチームもスムーズに行かないと前半は感じていました。感覚的には自分たちがミスをしている感じだったので相手の守備の良さはあまり感じず、自分たちの悪さが目立っていました。

試合後はかなり悔しそうな様子でしたが。
熊本も良いチームで巧い選手も多くいましたが、あまり恐さは感じていませんでした。後半なんかは自分たちが攻撃面で上回っているという感覚もありましたし、もったいない試合だったというのが率直な感想です。

後半はシステム変更など変化を加えていましたが。
やること自体は変わらなかったですが、ポジションの修正はやっていました。それで僕自身やりやすくなった印象はあります。後半は高い位置で幅を取れたこともありますし、カジ君も優平君との距離が近づいたという部分も影響したと思います。

攻撃に関しては左右バランスよく攻められるようになった印象ですが。
今年の途中からそういう感覚はあります。真ん中の選手として左右に散らすことも意識しています。

逆転した後に引いて戦ったという印象もありますが。
いや、3点目を取りに行っていました。PKも取れましたし、それが決まっていればという部分もあります。引いたというよりは勝っているとああいう流れになる試合はよくあるので、個人的に引いたという意識はありません。ああいう展開になるのはしょうがないというわけではないですが、押し返す力が必要です。ただ、今日に関しては3点目を取れるチャンスは作り出していたので。そこを取り切れればという試合でした。やっていることは悪くありませんが、最後追いつかれたので強いチームになっていくには課題はたくさんあるのかなと思います。

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DF 2若狭 大志

リーグ戦では久々の先発出場でしたが。
そんなにブランクを感じるようなことはなく、すんなりと試合に入れました。

前半は3バックの右、後半は右サイドバックでのプレーでしたが。
選手の配置転換の影響もあってボールもスムーズに回っていたと後半に関しては思っています。個人的に攻撃に関して違和感はなかったですが、守備の時にポジショニングで戸惑う部分もありましたが、カンヤとコミュニケーションを取りながら順応できたと思います。

相手の2人のターゲットマン対策での起用だと思いますが。
しっかりとチャレンジ&カバーを心掛けて井林と声を掛け合いながらやったつもりです。

オフサイドになったものの終盤に決定機に絡む場面もありましたが。
あそこは申し訳ないです。時間帯が時間帯だったのでああいう場所に顔を出しました。前から自分が点を取る時は“なぜあそこに若狭がいるんだ”という感じなので、あそこに入ればボールが来るというイメージはありました。次はミートできるようにしたいです。

攻撃力も自身の武器と捉えていますか?
あの場面ではセンターバックではなくサイドバックだったので時には狙っています。あの場面は時間帯的にもゴールを奪って勝ち点3をほしいというところだったので。前半も自分がオーバーラップしていくことでカンヤの良さを引き出せると思いましたし、そこで自分を使うか、使わないかは別ですが、あの場面は使ってもらえました。あとは自分のセンタリングの精度の問題です。

2-2のスコアになってから思ったよりも行ったり来たりの展開になっていた印象ですが。
攻撃が少し単調になっているというのは自分も感じたところでした。もっとマイボールの時間を増やすことができたのかなと試合後に改めて思いました。ちょっと全体的に攻め急いだというか、ゲームコントロールをしていかないとダメだと感じています。

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