MATCH試合情報
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【試合展開】
山口に敗れて一度はプレーオフ圏外の7位へと後退したヴェルディだったが、前節、敵地に乗り込んで戦った京都サンガF.C.戦に1-0で競り勝ち、プレーオフ圏内の6位に滑り込んで今日の最終節を迎えた。対するは、同勝ち点で5位の徳島ヴォルティス。勝ち点1差で松本山雅FC、2差でジェフ千葉がプレーオフ圏内を狙っており、両チームともに勝利がプレーオフ進出の至上命題という中でこのしびれるような一戦を迎えた。
序盤、ヴェルディの立ち上がりは重かった。相手にボールを保持されて自陣に押し込まれる時間帯が続く。ただし、守備陣は下がり過ぎずにブロックを形成して対応し、隙を作らずに徳島のパスワークについていく。その中で、一瞬の隙を突かれて“あわや”という場面を迎える。7分、右からのクロスがセンターバックの背後に入ると、渡にフリーで飛び出されてヘディングシュートを打たれる。これは枠から逸れたが、こぼれ球に飛び込んだ選手がゴール前でフリーになって詰める。これは柴崎貴広が身体を張って足に当てて弾き出した。20分にはゴール正面でフリーキックを与えるが、岩尾のコースを突いたシュートは、柴崎が鋭い反応で弾き出した。25分には一転、フリーキックからチャンスを作る。トリックプレーから梶川諒太のクロスをゴール前でアランがヘディングでとらえたが、ゴールの隅をついたシュートは相手GKのファインセーブにはじかれた。しかし、セットプレーのチャンスが続く。31分、左サイドのペナルティエリア付近でフリーキックを手に入れると、安在和樹がゴール前に入れたボールは、相手を背負った平智広のもとへ。競り合いに勝った平のヘディングは相手GKの頭上をかすめてゴールへと突き刺さった。押し込まれる展開での先制点で俄然勢い付くヴェルディ。37分には左サイドから鋭いクロスボールをゴール前に入れられると、DFに当たってコースが変わったボールがゴールへと飛ぶが、またも柴崎が鋭い反応でボールをかき出した。38分にはコーナーキックから大きなチャンス。ニアのボールが撥ね返されると、キッカーの梶川が自ら拾って、狙い澄ましたクロスを入れるが、ゴール前に飛び込んだ畠中槙之輔のドンピシャのヘディングシュートは相手GKに防がれた。
自陣に押し込まれる展開を打破するために、ハーフタイムに軌道修正したヴェルディ。立ち上がりこそ徳島ゴール前に迫ったが、これをモノにできずに隙を突かれる。49分、左サイドからクロスを入れられると、ニアに渡に入られてワンタッチで合わされてネットを揺らされた。振り出しにスコアを戻され、他会場の結果によってはプレーオフ圏外へと落ちてしまう。ただし、必勝を期すヴェルディも徐々に反撃に出る。52分、左サイドを突破した安西幸輝がゴール前にグラウンダーのパス。中央でドウグラスがスルーすると、逆サイドのアランがワンタッチで落とす。またもドウグラスが相手DFを引きつけてスペースを作ると、落とされたボールに井上潮音が反応して詰めるが、シュートは枠を捉え切れない。58分には一転して中央を崩されて、ゴール前で渡にフリーで詰められるが、ここも柴崎がタイミングよく間合いを詰めてブロックした。ここから試合はお互いに一歩も退かぬ攻防が続き、終盤へと突入していく。他会場の動向も含めて、ヒリヒリするような雰囲気で試合が進む中、決定機を作ったのはヴェルディだった。87分、左サイドから安西が入れたアーリークロスがペナルティエリア内ゴール正面のカルロスに渡る。相手DF4枚を引きつけながらターンしたカルロスはややマイナス方向に位置する安在へパスを送ると、安在はルックアップしてコースを見定め、カーブを描くシュートをゴール左上隅へと打ち込んだ。枠を捉え、さらに相手GKの手の先もすり抜けたボールだが、これはゴールカバーに入った相手DFにギリギリのところでクリアされて枠からかき出された。大きなチャンスを逃したが、今季ホームゲーム最多となる観客が詰めかけたスタジアムのボルテージは、下がるどころか一気に上がっていく。その後押しが、試合を動かした。88分、安在の惜しいシュートで得たコーナーキックを梶川がニアに蹴り込むと、前半も惜しいヘディングシュートを放った畠中が頭で合わせると、ポストに当たったボールがゴール正面に撥ね返り、相手がクリアし切れなかったボールが詰めていた内田達也の前にこぼれる。身体を投げ出すようにボールを押し込むと、これが相手DFとGKの間をすり抜けてゴールに転がり込み、土壇場でヴェルディが再びリードを広げた。
終盤に入ってからのゲームコントロールは、ヴェルディの得意とするところ。前掛かりになる徳島の反撃を粘り強く撥ね返し続け、特に左サイドの安西が試合終盤とは思えない運動量で縦にボールを運び、相手にダメージを与えた。終盤に投入された高木大輔も球際への激しいチェイスで相手を追い込み、アディショナルタイム4分も含めてリードを守り切った。
自分たちが勝って5位でプレーオフに進出するというチームの強い想いは、苦しい試合展開の中で少ないチャンスをモノにするという結果になって表れた。最終的には、他会場の試合結果により、引き分けでもプレーオフ進出は決まっていた。しかし、それをよしとせずトーナメントを戦うつもりで準備してきたチームの執念が結実したことに意義がある。
まだ何もつかんではない。一戦必勝の積み上げを続けることで、ようやく先は開けてくる。まずは目の前の扉をこじ開けるために、この1週間で最善の準備を尽くし、熊本の地へ乗り込む。相手はアビスパ福岡。今シーズン、チャンスを作りながら1分1敗に終わった悔いを晴らす絶好の機会だ。
熊本での開催という非常に難しい状況ではあるが、1人でも多くの緑の心臓を持つ者が集結し、ともに戦い、ともに扉をこじ開ける力になってもらいたい。
【試合後選手コメント:GK 1 柴崎貴広選手】
――試合を振り返ってください。
「負けていれば、大変なことになっていたと思うので、まずは勝つことができて良かったです」
――今季最多の観客が集まり、大きな後押しになったと思いますが。
「その一言に尽きると思います。本当に後押ししてもらえましたし、後半失点した後も後ろからの後押しで下を向くことなく前を向けたので、本当に感謝しています」
――今日はコイントスでいつもと逆の陣地に攻める形になりましたが。
「たぶん、相手が陣地を取ったので違う形になりましたが、今日に関しては影響もなくどちらのチームも良いプレーができたと思います」
――今日は今季で最もセットプレーが機能した試合になりましたが。
「ハマりましたね。日ごろの練習の成果だと思います。こういう試合でそれが出せるのは今季の成長だと思いますし、セットプレーで点を獲れると本当に試合運びがラクになります。今日は良かったと思います」
――試合内容としては大半を相手に支配される厳しい展開でしたが。
「そこで焦れることなく持たれていても、そんなに恐くはなかったです。予想はしていたので問題なかったです」
――前後半を通じて後ろからのボール回しは苦戦しましたね。
「どうしてもそういう場面は出てきますが、これからプレーオフもあるので、そういう部分はなくしていきたいです。それが命取りにもなるので、練習あるのみです」
――クラブ史上初の昇格プレーオフ進出ですが。
「もう勝つしかないので、勝ちだけを考えてやりたいです」
――個人的にはプロキャリアを通じて初のリーグ戦フルタイム出場となりましたが。
「出られなければ、出られない苦しみもありますし、出られているなりの苦しみもあります。今季は良い経験になったと思います。ただ、プレーオフ2試合が残っているので、そのときに振り返りたいです」
【試合後選手コメント:MF 23 田村直也選手】
――試合を振り返ってください。
「大きく崩されるシーンはあまりなかったと思います。徳島も簡単に放り込んでこず、結構崩す形にこだわっていたと思うので、もっとシンプルにやられた方が嫌な部分もありました。ただ、相手も点差とか色々な考えがあったと思います。セットプレーで点を獲れたことに関しては、普段から練習しているので嬉しかったです」
――他会場の経過はピッチ内で共有できていましたか。
「いや、ピッチ内には全く入ってこなかったです。ただ、1-1の状況でもみんなが平常心でプレーできていましたし、仲間を信じてやっていました。僕たちは失うものがないので、とにかく前を向いてやるだけだったので、あまり考えることはなかったです」
――後半は球際での勝負で劣勢を強いられましたが。
「相手のプレスが速いことは聞いていた通りでしたが、そこで少しバタバタしてしまったことは反省点です。あそこでもっといなしたり、かわしたりできれば、もう1つ上のレベルに行けると思います」
――クラブ史上初の昇格プレーオフ進出ですが。
「行けたからには思い出作りにならないように、しっかりと結果を残してヴェルディをもう一度J1に戻すという気持ちは強いので、頑張りたいです」
――プレーオフで対戦するアビスパ福岡のイメージはいかがですか?
「リーグ戦とは状況が異なり、相手は引き分けでもオーケーという感じなので、その辺の駆け引きが始まると、今までのイメージとは変わってくると思います。ただ、良い選手も多いですし、こちらはチャレンジャー精神を持ってやりたいです」
――もう一度、味スタに戻って来られる可能性もありますが。
「可能性はあると思いますが、それは他の試合結果に左右されるので、自分たちは九州の地で結果を残して、できればもう一度ここでやれれば嬉しいです」
【試合後選手コメント:MF 17 内田達也選手】
――試合を振り返ってください。
「僕たちの順位が下で勝つしか上には行けないと思っていたので、すごく難しい試合でしたが、しっかりと勝つことができました。そして、5位にもなれたので、またここに帰ってくるチャンスを得ることができました。また、ここでやれるようにしっかりと次も戦いたいです」
――決勝点の場面を振り返ってください。
「普段、なかなか入らないですが、最後だったので行っといて良かったです」
――今日はどんな気持ちで試合を迎えましたか?
「今年1年間、すごくチームとして一丸になって戦うことができて、それが今日勝てれば1つ結果が出るという試合でした。今日のために準備をしてきましたし、みんながすごくハードワークしてしっかりと勝ち切れたので良かったです」
――試合を通じて中盤としては難しい展開でしたが。
「前半どころか、90分間押されっぱなしでした。ただ、途中から徳島がどういうプレーをするのか、分かってきたので、あまり恐さはなかったですが、あそこまでボールを持たれると思っていなかったので、そういう単純な疲れはかなりきました」
――クラブ史上初の昇格プレーオフ進出ですが。
「今日も苦しかったですが、ここまで来られたのは自分たちの力だとも思っているので、それをあと2試合でしっかりと出して、出し切れるように良い準備をしてJ1に行けるように全員で頑張りたいです」
【試合後選手コメント:DF 5 平智広選手】
――ゴールを決めた瞬間の率直な感想を聞かせてください。
「あまり決めたことがないので、決めた後に何処に行っていいか分からなかったです。とりあえず、サポーターの方に向かってそこに仲間が来てくれたので、わちゃわちゃとなりました」
――重要な試合でのゴールでしたが。
「正直、たまたまです。自分が絶対に取ろうとは思っていません。守備では絶対に守ってやるという気持ちでした。今日は自分がオウンゴールしそうになる場面もありましたし、自分にツキがあったと思います。ただ、セットプレーの場面では常に狙っています」
――セットプレーがかなり機能しましたが。
「セットプレーで点を獲ることができたことで、今日は自分たちの流れに持っていけました。セットプレーは自分たちの高さを生かせるチャンスだと思っていました。こういう試合で決められて良かったです」
――ここまでフル出場だったキャプテンの井林選手不在の試合でしたが。
「キャプテンが居ない状況で逆に個人が責任を持ってプレーするという良いキッカケになったと思います。今日の11人全員が責任を持って戦えていたと思いますし、そこは井林が居ないことをプラスに考えて良かったです」
――相手が失点後に長身FWの山崎選手を投入するなど、多彩な相手の攻撃に対応するうえで意識していたことを教えてください。
「相手のサイドバックが高い位置を取ったことで数的優位を作られる場面が多かったので、そこは幸輝と声を掛け合いながら臨機応変に対応しました」
――1-1の状況での戦いに関してはいかがでしたか。
「後半速い時間帯に失点して、このまま相手が攻めてくるのか、落ち着かせるのかという部分で迷っていた部分もありますが、自分たちは勝つしかないと思っていたので、そこは自分たちの方が集中できていました。途中から後ろでのパス回しが長くなったり、自分たちのブロックの前でボールを回す場面が多かったです。ただ、自分たちは勝つためにプレーしてああいうセットプレーで点を獲ることができたので、理想的な試合展開だったと思います」
――クラブ史上初の昇格プレーオフ進出ですが。
「チームとして行ったことないステージというか、またJ1に戻るチャンスを与えてもらったので、全力でチーム一丸となって戦うだけです」
――キャプテンの井林選手をプレーオフの舞台に連れていくことができましたね。
「井林だけでなく渡辺皓太も今日の試合に出ることができなかったですが、そこで代わって入った潮音も良いプレーができていましたし、そういうチームとしての高い練習意識や取り組みの結果が今日の結果に繋がったと思います」
【試合後選手コメント:DF 2 安西幸輝選手】
――ご自身のサイドでの攻防が試合のキーポイントになりましたが。
「最初にメンバー表を見た時に、(キム・)ジョンピルとマッチアップすると思っていたのですが、実際は馬渡選手でした。だから、一対一の応酬となることは想定していました。1本目で相手にイエローカードが出たので、そこから僕が主導権を握れたと思います。カードをもらった後は相手も前に出づらくなっていたので、あのプレーは大きかったと思います」
――押し込まれる中で守備に走らされる展開でしたが、ご自身は最後まで足が止まりませんでしたね。
「守備をやりつつあそこにみんなが繋いでくれたので、僕は他の人よりも走れるので上手くドリブルで運べました。終盤に2本ほど深くに運ぶことができましたが、2度とも相手ボールになってしまったので、ああいう場面でマイボールにできるとチームも助かるので、あの辺は反省している部分です」
――先制点に繋がるフリーキックの起点にもなりましたが。
「あそこはハタがうまくロングフィードを出してくれました。あいつからのボールが今季を通して一番少なかったので、良いボールをもらってそこからドウグラスが良い形で裏を取ってファウルをもらいました。ああいう形が理想ですね」
――プレーオフで対戦するアビスパ福岡のイメージはいかがですか?
「すごく堅守のチームですし、1人エースストライカーがいるのでウェリントンを気にしつつ、ただ相手も引き分けとか色んな感情が出てくると思うので、逆に僕らは勝つだけなので勢いがあるという部分で自分たちが有利だとも考えています」
【試合後選手コメント:DF 6 安在和樹選手】
――今日はプレースキックの質が非常に高かったですね。
「感触はいつも通りでしたが、ああいう位置で蹴ることはここ最近あまりなかったです。そこで練習通りに蹴ることができて上手く決めてくれたと思います」
――セットプレーがハマったのは徳島だったからという印象ですか?
「いつもよりはセットプレーがハマるという感覚はありました。相手にあまりヘディングが強い選手が多くなく、それよりも足元が巧い選手が多かったので、セットプレーがチャンスになると思っていました」
――決勝点のコーナーキックに繋がる決定機もありましたが。
「正直、入ったと思い喜んでいました。ちょっと走り出していましたが、あそこは相手にやられました。あれが入っていれば良かったのですが残念です」
――後半は球際の場面で苦戦を強いられましたが。
「後半に入ってすぐに1点を奪われてしまったので、そこからしっかりと耐えていこうと思っていました。ただ、中央から相手に上回られる場面が多かったので、もう一度前から行こうとなり、そこからチャンスも作れました。キツいながらもみんなの意思統一ができたと思います」
――回されている中で消耗度はいかがでしたか?
「僕のサイドはあまり攻められませんでしたが、逆のサイドは結構キツかったと思います。この前の京都戦のように石櫃選手と馬渡選手が同じような感じで攻めていたので、逆に僕の方には来なかったです」
――橋本選手の投入で変わった部分はありますか?
「前の選手を動かせることと、前に出て自分で埋めたり、言葉の部分が大きかったと思います。声で動かせる部分が大きいので、そういう存在は大きいです」
――ここまでチームとしてビッグマッチに弱さがありましたが、今季はその部分で成長を感じますが。
「粘り強さは今までにない形だと思います。大事なところや接戦で今までは簡単に失点することが多かったですが、そこで耐えることによってもう一度自分たちにチャンスが訪れ、それを決めて勝つ試合も多いので、そういうところだと思います」
――クラブ史上初の昇格プレーオフ進出ですが。
「やっとJ1に上がれる権利の近くに来ているので、ここを逃すわけにはいかないという部分が大きいです」
――プレーオフで対戦するアビスパ福岡の攻略法はどのように考えていますか?
「福岡は最近戦ったばかりでしたが、その試合では点を獲れませんでした。やり方はブレずに、ただもっと攻めないといけないので、もっと相手の脅威となるような攻撃を増やしていく必要があると思います」
【試合後監督コメント: ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督】
――試合を振り返ってください。
「徳島が良いスタートを切った試合でした。最初の15分、20分は彼らのサッカーに対応するのに苦労しました。少しずつプランがうまくいき、特にセットプレーで彼らに脅威を与えることができました。その後、徳島がシステムを変えてより前に人数をかけてきた中、また苦しい展開が続きましたが、ハーフタイムまで耐えることができました。後半の始めのプレーで同点にされました。その後は拮抗した展開が続きましたが、彼らの方がゲームを支配していたと思います。幾つかチャンスを作ることができ、コーナーキックから得点を決めることができました。リーグの中で非常に強いチームのうちの1つである徳島に勝つことができました。彼らはとても良い選手を揃えて、とても良いトレーニングを積んでいます。そのチームに勝てたことは、東京ヴェルディの選手にとって守備、攻撃の面でハッキリとしたコンセプトをしっかりと集中して出せた証だと思います。試合を通じて続けられたことが勝利に繋がったと思います」
――今日2得点に繋がったセットプレーに関してどの部分が良い結果に繋がったと考えていますか?
「今日はセットプレーで一番チャンスを作れたリーグ戦の試合だったと思います。他の試合との違いは、キッカーが非常に質の高いボールを入れ続けたことにあると思います。サッカーにおいてセットプレーは非常に重要な要素です」
――昇格プレーオフに進出できたこと。対戦相手のアビスパ福岡について聞かせてください。
「シーズンがスタートする段階でほとんどの人はヴェルディがプレーオフに入るとは考えていなかったと思います。逆に、ほかの名古屋、千葉、福岡というチームは誰もが予想していたチームだったと思います。ということは、自分たちが希望に溢れているということです。誰もが入れると思っていなかったところに入り、そこでプレーできるという喜びに溢れているということです。その喜びをプレーオフでは表現していきたいと思います。残りの3チームすべてが強いチームであることも理解しています。試合へのアプローチの仕方はリーグ戦と変わりません。相手へのリスペクトを示しながらも、自分たちに自信を持ってプレーするということです」
――後半押し込まれた展開の中でどこに勝機を見いだしていたのでしょうか?
「正直なところ、あまり焦ってはいませんでした。ほかの2会場の情報を入れながら戦っていたからです。だから、焦って交代カードを切ることもありませんでしたし、引き分けでもプレーオフに行ける可能性が高かったです。もし、勝利が必要な状況であれば、より勝つための交代を行っていたと思います」
――シーズン終盤にかけて調子を上げていく中、渡辺選手と梶川選手のインサイドMF起用がカギになったと考えていますが。
「シーズンの途中ではゲームを支配することが難しい時期もありました。ボールを奪い返す局面でもボールを持ってプレーする局面でもなかなかうまくいかないことがありました。3-4-3でプレーしている時は、中盤が常に1枚少ない状況でプレーしていました。システムを変えてウッチーの脇に皓太とカジ、今日は潮音がプレーしましたが、そういう形でプレーすることになりました。彼らは守備面ではプレスの強さ、ボールを奪い返す運動量。攻撃面ではよりボールを動かしてゲームを支配するという部分でとても貢献してくれました」