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MATCH試合情報

2016 明治安田生命J2リーグ 第40節 - 松本山雅FC vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

ここ3試合で1勝2分けと勝ち点を積み重ねてきたヴェルディ。前節と前々節のホーム連戦では、勝ち切れなかったものの、終盤戦の残留争いの中で最低限の勝ち点を残した。残り3試合となって迎えたのは、敵地に乗り込んで戦う松本山雅FCとの一戦。完全アウェイの雰囲気の中での試合が想定される中、自動昇格を争う相手から勝ち点3を挙げて残留争いから一歩抜け出したいところ。スタメンの顔ぶれはほぼ同じで、左サイドMFには二川孝広に代わって杉本竜士をスタメンに起用した。

 

序盤の勢いはヴェルディにあった。開始20秒ほどで左サイドを杉本が突破し、コーナーキックを奪取するなど、高い位置で相手を押し込んでいく。しかし、その後は前からはめてくる相手に対してロングボールを入れる単調な展開に終始し、セカンドボールを拾われて相手に押し込まれた。特にワイドな揺さぶりに対してボールとは逆サイドが完全なフリーの状態で突破されることが多く、ギリギリのところで耐えていたものの23分に力尽きた。右サイドから大きく左サイドに展開されると、スペースに抜け出した田中がマイナス気味に折り返し、サイドチェンジした石原が走り込んでワンタッチでゴールに流し込んだ。失点のショックを振り切りたいヴェルディだが、ボールを前線に運びたいものの連係ミスや個人のミスが重なり、なかなか攻撃のテンポが掴めない。29分にはハーフラインまで押し上げた最終ラインで平智広がコントロールミスからボールロスト。髙﨑にドリブルでバイタルエリアまで運ばれ、そのまま豪快に足を振り抜かれて追加点を許した。リードを広げられた後、ヴェルディはようやく丁寧につなぐ場面が出てくる。システムを変えて左サイドにポジションを移した安西幸輝が高木大輔や杉本竜士や安在和樹とのコンビネーションから少ないタッチでスペースを使って突破。深い位置まで入り込んでマイナスのクロスを上げてゴール前に押し込んだ。詰める側があと一歩足りずにゴールまでは至らないが、サイドだけでなく中央突破に切り替えて安西がゴール隅を突くシュートを打つなど得点の予感がする場面は作った。

 

後半はヴェルディが反撃に出て、松本がカウンター気味に攻撃に出る展開。68分には左サイドから崩されてゴール正面で石原がフリーでクロスを受けるが、鈴木椋大がタイミングよく飛び出して身体を張ってシュートをブロックした。反撃に出たいヴェルディは、ワイドにボールを動かしてサイドから攻めに出る。ただし、ゴール前に長身選手を固める松本の壁の前に、ことごとくボールをからめとられてしまう。変化をつけた惜しい場面は76分。左サイドから高木大のフリーランとタイミングを合わせて安西が中央に切れ込みシュートを放つ。勢いを持ってゴールの隅を捉えたシュートだったが、相手GKの好セーブに阻まれた。88分には高木大が倒されてゴール正面寄りの絶好の位置でフリーキックを得る。安在のフェイントから二川孝広が狙ったシュートは、相手GKも動けない見事な軌道だったが、惜しくもポストにはじかれた。ボランチに入った安在がボールを散らしてリズムを作り、最終ラインも少ない人数でカウンターに対処して追加点は許さなかったものの、最後までゴール前を固める相手を攻め切れずに0-2で敗れた。

 

残るは次節のホーム最終戦となるセレッソ大阪との一戦と今シーズン最終戦となるアウェイでのFC岐阜戦の2試合となった。残留争いは佳境に突入し、次節のホーム最終戦は最高でも最低でも勝利が至上命題となる。上位を争う相手を前に、一歩も引かずにホームでは4試合ぶりとなる勝利でスタンドとともに歓喜を分かち合いたい。

 

 

【試合後選手コメント:DF 2 安西幸輝】

――試合を振り返ってください。

「立ち上がりに前から来られて難しい展開になって、相手も風上を利用して前からドンドン来て、あの時間帯に我慢できずに失点したことが負けた原因かなと思います」

――システムを変えて安西選手が左サイドに出てからは、コンビネーションから反撃に出る場面が出てきました。

「竜士君との距離感も良かったですし、アンカズ君もすごい自分を見てくれていたので、そのスペースにどんどん僕や竜士君が走り込めて、左サイドは距離感が良かったと思います」

――ただ、ゴール前で詰め切れなかったですね。

「あそこで自分がひとりで打開できると中が増えるので、もっと自分で打開したいなと思いました」

――後半にはサイドで抜けるだけでなく、中央に切れ込んで惜しいシュートを打つ場面もありました。

「あれも大輔が裏に走ってくれてドリブルのコースが空いたので、あそこはしっかり決め切りたかったですね。入ったと思ったのですが、相手のGKが上手かったです。もっと精度が高くて早いシュートを打てないといけませんね」

――それ以外の場面では、やや単調な攻撃に終始した印象が拭えません。

「もっとアイデアを出さないといけないし、コミュニケーションをとって…と言ってられる頃ではないのですが、でもその中でも練習からどんどんコミュニケーションをとって意識を高めていきたいと思います」

――ホーム最終戦に向けた意気込みをお願いします。

「負けられないし、相手もプレーオフがかかっていると思うので、自分たちなりにサッカーをして、どんな形でもいいから勝ち点3をとりたいと思います」

 

 

【試合後選手コメント:DF 3 井林章】

――2点ビハインドという難しい状況での出場でした。どんな指示で送り出されたのでしょうか?

「ただ前半はあれ以上失点しないように、バイタルでやられていたのでそのケアは言われていました」

――反撃に出ないといけない中で前掛かりに攻める中で、後方はコントロールが難しかったのでは?

「結局奪ったボールをうまくつなげないと押し込まれちゃうから、獲ったボールをいかにつないでそこから攻撃にもっていくかというのを意識しないとキツイかなと思いました」

――その流れで、後半はリズムを持ってこれたと思うのですが。

「その通りで、良い形で守備から攻撃に移ると、その流れになるし前半はそれが少なかった」

――久しぶりの出場でパフォーマンスはいかがですか?

「山雅が押し込む時間帯は、やっぱり良かったのは2次攻撃3次攻撃が続いていので、獲ったボールを前に運び切れないとか、クリアボールを簡単に相手に渡しちゃうのがキツイだろうし。相手のディフェンスラインも辛いだろうし。あとは相手の攻撃の起点をいかに潰して、獲ったボールをいかにつなぐは意識していました」

 

【試合後選手コメント:DF 6 安在和樹】

――最初の失点でサイドをやられた時に、ついていったのは安在選手でしたか?

「本当は竜士君を田中選手にぶつけたかったんですが、上げられたボールに対してこっちのほうが人数が多かったんですけどやられてしまって。ただ、最悪ですけど1点はあると考えていて、でもその後の追加点はきつかったですね。この雰囲気とか試合に呑まれてしまっている人が多かった。もっと自信持ってやればいいのにという場面がありました」

――1失点目を獲られた後にシステムを変えるところでバタバタしていた?

「ボランチのところが厳しいところなので、ボランチを早く代えて動かしたかったのかなと思います。その後、あのミスになって失点してしまうというのは、何もないところだったので、そこを決められてしまうのとそうでないのとは山雅との差だったと思います」

――ボランチに入って、得点を決めるためにどんなことをやりたかったですか?

「シュートも相手よりも打っていたと思うのですが、それを決め切るということが課題だと思います。相手のゴールキーパーに防がれてしまった場面もありましたが、どれかは決め切りたかったですね。僕も1本ありましたがミートできませんでした」

――次節はホーム最終戦です。

「ホーム最終戦ですし、相手もプレーオフがかかっているので、負けないように自分たちが自信を持って臨みたいと思います」

 

 

【試合後監督コメント:冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「素晴らしいアウェイの雰囲気の中試合がスタートして、自分たちは悪くない入り方をしたと思いますけれど、徐々に相手の行ったり来たりする圧迫するような攻撃の中で落ち着けない展開がありました。またシステム上、ずれたところで押される場面でバタバタとミスも含めて2失点してしまったのは、すごく悔しい形になりました。前半の途中からシステムを変えて、トップ下を置くような形で空間とサイドを攻略していく形で何度かチャンスが来て、前半のうちに1点返せれば、より強まったと思います。また後半の頭から選手たちと整理して、自分たちが次の得点をとるチャンスを作っていくことができれば、自分たちが追いつくまたは追い越すチャンスが出てくるということで落ち着いてゲームを進める中で、自分たちが押し込む状態、そしてセカンドボールを拾って2次攻撃につなげることはできたと思います。最後はこの雰囲気の中、サポーターも心強く後押ししてくれたんですが、ゴールを生めなかったのは自分の責任だと思います。残り2試合、自分たちが次のホームでのセレッソ大阪戦でしっかりとチームとして整理して、サポーターとともに勝ち点3をとるゲームをしてしっかりと残留を決めていきたいと思います」

――2失点目の直接の要因ではないかもしれませんが、その手前から杉本選手と澤井選手が同サイドに寄ったりして、システムを変えようとして上手く伝わらなかったのでしょうか?

「それはボールに対して流動的にサイドハーフが入ってくる形なので、そこは攻撃の返しのところの守備のところでポジションを戻ってくる場所がずれたのはすべてだと思います」

――最初におっしゃったシステムを変えてバタバタした部分について具体的にお願いします。

「ボールの逆サイドの特にワイドの選手が高い位置をとってきた時に、自分たちはサイドハーフが攻撃で内側に入った時にどうしても1枚向こうがリスクを負ってサイドが出てきて必ずあまってしまう形になる。その時にサイドハーフがそこまで外に出られなかった。また、相手に2列目がうちの4枚の間に入ってくるような形でサイドバックが内側を締めるような形になるので、よけい逆サイドの選手が空いてくる形が多かったのかなと思います」

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