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MATCH試合情報

2016 明治安田生命J2リーグ 第30節 - 徳島ヴォルティス vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

前節、ホーム連戦で連勝に挑んだものの、好調を維持する横浜FCに0-2で敗れたヴェルディ。天皇杯で2週間の中断を挟む前に、なんとか勝利で良い流れを持ってきたいところ。鬼門と言われる四国徳島での一戦とはいえ、ジンクスを打ち破って勝ち癖をつけたい一戦を迎えた。メンバーの構成は前節とほとんど変わらず、警告累積で出場停止の井林章の代わりにウェズレイがスタメンで起用された。

 

鬼門やジンクスといったものに縛られてはいけないものの、やはり何らかの力を感じてしまう立ち上がりになった。6分、何気なく最終ラインの背後に蹴り込まれたボールに対してセンターバックがボールに反応できず、フリーで佐藤に抜け出されて鈴木椋大の出端で横パスを許す。走り込んできた大崎にフリーでなんなく流し込まれてあっさりと先制されてしまう。その3分後にはコーナーキックから相手のサインプレーでマーカーがブロックされ、ゴール目前で石井にフリーで合わされて追加点を許す。反撃に出たいヴェルディだが、球際での相手の鋭い出足に翻弄されてなかなか攻撃のリズムがつかめない。そうこうしていると、相手のサイドからの攻撃をクリアし切れず、中途半端にこぼれたボールに反応したカルリーニョスにほぼプレッシャーがない状態でシュートを許し、ゴール隅へと流し込まれて前半で0-3という重いビハインドを背負った。

 

流れを変えたいヴェルディはハーフタイムに動いた。杉本竜士に代えて二川孝広、北脇健慈に代えてドウグラスを投入。システムも相手に合わせる形で3-4-3へとシフトチェンジし、ウェズレイ、平智広、安在和樹の3バックに、右サイドMFに安西幸輝、左サイドMFに澤井を置き、ドウグラスの1トップに二川と高木善朗の2シャドーを置いてミラーゲームで後半の主導権を奪いにいった。

 

試合の流れという点では、この采配が功を奏した。最後尾が3枚というリスクは伴うものの、両ワイドが高い位置でボールに絡み、引いて守備ブロックを固める相手に対してサイドを起点に崩しにかかる。このシステムでは2シャドーが重要な役割を担い、ボールを受けて前を向いてワイドに散らしたり、中央のドウグラスに当てて起点を作り、時には中央突破も試みる。押し込むもののなかなかゴールが割れない中で、交代策がさらに流れを引き寄せる。70分に安西に代えてアランを投入しそのまま右サイドMFに起用すると、71分、アランが右サイドでボールを受けて、相手を抜き切る前にやや強引ながら鋭い弾道のクロスをゴール前に供給する。これに飛び込んだドウグラスが頭ですらすように当ててゴール左隅に流し込んで1点を返した。相手のカウンターをケアしつつ、ここから攻勢に拍車をかけて前に出たヴェルディだが、シュートチャンスはあるものの枠を捉え切れず。引いた相手の守備ブロックを打ち破るまでには至らずタイムアップを迎えた。

 

流れを取り戻したいところで連敗し、中断期間を迎えることとなった。大会は異なるものの、この2週間で立て直して“勝つ”という結果も追い求め強さを取り戻したい。

 

 

【試合後選手コメント:MF 8 中後雅喜】

――非常に難しい立ち上がりになってしまいました。

「失点してしまった『入り方が』とどうしても言われてしまうけど、やっぱりひとつ失点して、これまでもふたつ目はなくそうと言っていたのに、そこは自分のマークを外してしまって責任を感じるし、3失点目もクリアミスからミドルを決められるという簡単な形で失点し過ぎてしまいました。内容というかゲーム自体はボールも回せていたし、シュートも迫った部分もあったし、でも勝たないとだめで結果が必要な状況なので。入りから2失点というのは、今後はしないようにしないといけないですね」

――2週間天皇杯でリーグ戦が中断します。

「リーグ戦で連敗して、悪い形で中断期間に入って、また天皇杯で勝利を味わって自信を取り戻すというわけではありませんが、結果として勝利でチームを上向きにするというのは、どの大会でもどのカテゴリーでも大切なことです。怪我人もドウグラスが戻ってきて点をとったり、アランが途中から出て良い仕事をしてくれているし、またチームとして天皇杯を戦いたいと思います」

 

 

【試合後選手コメント:FW 17 ドウグラス ヴィエイラ】

――復帰戦でリードされる難しい状況での出場となりました。

「自分が入ったタイミングでは難しい状況だったのですが、それでもなんとかアランと何かを変えないといけないと思ってチャンレンジしたのですが、1点はとれたのですが続けられず、チームにとって恥ずかしい試合ではあったのかなと思っています。前半0-3ということで、自分たちのミスでこういう試合になってしまったので、これからはミスを振り返って同じ過ちを繰り返さないようにしていくことが必要だと思っています。難しい状況だったのですが、それでも自分たちは諦めずに戦いました。ただ、相手の反応の良さもあって、自分たちはビハインドを返せませんでした。自分たちの力をもってすれば、同点に追いついたり、もっととれたと思うのですが、上手くいきませんでした」

――前でボールが収まりましたが、引いた相手を前になかなか崩すのは非常に難しかった?

「自分たちは引いた相手に対してもどんどん前からリスクを負って、後ろも3枚にして攻撃的に出て何度かチャンスと作れたのですが、引いた相手に対してあまり効果的なチャンスではなかったのかなと思います」

――ただ、引いた相手を崩すうえでは、得点場面のようなサイドからの攻撃が有効だったと思います。

「残念ながら結果にはまったく満足していないんですが、1点はアランからのクロスに合わせてゴールを挙げたことは嬉しく思います。アランのクロスを信じて入っていって、マークがいたにも関わらず、あそこに思い切って入っていったのがよかったと思います」

 

 

【試合後監督コメント:冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「早い時間帯に0-2いなってしまったのがすべてだと思います。1失点目もファーストディフェンスが決まってプレスが掛からない中、一発の背後のボールのところでボールサイドにスライドできずに背後をとられたシーン。そして、またコーナーキックでは相手のブロックに対して良いボールが入って、サインプレーで完璧に決められてしまったので自分たちは苦しくなったと思います。その後、相手がブロックを作ってくる中、クリアが小さいところで3点目を決められてしまったので、ゲームはそこで大勢が決してしまったのではないかなと。ただ、自分たちはそこからシステムを変え、ポゼッションを強め、背後に出て行くことでまずしっかりと1点を返す。そこから試合の機微を自分たちのものにして、2点目、3点目と追いかけようという中で、アランの良いクロスからドウグラスという形で『さあここから』というところでシュートは打てたものの枠に飛ばなかったのは、非常に残念ではありました。遠いところまでサポーターも来てくれていましたし、勝つゲームを見せてあげたかったんですが、そこは監督の責任ですし申し訳ないという一言です。リーグが中断して、ここから天皇杯を挟みますので、引きずることなく天皇杯は天皇杯としてしっかりと強い戦いをして自分たちがリーグに向けて良い入り方ができるように、中断期間の天皇杯は大事なゲームになりますので、選手ともどもトレーニングからしっかりとやっていきたいと思います」

――最近は試合の入り方が良かったが、最終ラインは井林選手の出場停止で組み合わせが変わりました。そこに何らかの違いがあったのか、気付かれたことはありますか?

「井林がいないという想定というか、センターバックの組み合わせは比較的色々な組み合わせをトレーニングでもしているので、そこはあまり気にはならなかったんですが、クリアに近いロングボールに対するチャレンジ&カバーのところで、何回かやはり今日のゲームだけでなく、これまでのゲームでもあのような形で背後をとられることが非常に多くありました。そこの改善はトレーニングの中で強調はしているんですが、今日もそこで先に失点をしてしまったのは残念でしたし、そこから先のポゼッションのところで、ボールをゴール前に運ぶというところは全体的に相手のブロックの前まではいけたと思いますけど、なかなかそこから工夫を持って、相手の3バックの外を起点にしながら中に入っていきたかったんですが、前半はそういった場面が少なかったのではないかなと思います。良い守備からの攻撃というところで、良い守備がまずできなかったこと、そして攻撃では落ち着きがなかったと思います」

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