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MATCH試合情報

2016 明治安田生命J2リーグ 第27節 - 京都サンガF.C. vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

今シーズン未だに連勝のないヴェルディ。前節、ロアッソ熊本を1-0で下し、今節は敵地に乗り込んで京都サンガF.C.と対戦し、7度目の連勝のチャレンジを迎えた。スタメンは前節からほぼ変わらず。足の違和感で大事をとった二川孝広の代わりに高木善朗をトップ下で起用し、左サイドMFには南秀仁を起用した。

序盤から前への圧力を強めてリズムをつかんだのはヴェルディ。北脇健慈からスタートする前線からのプレスが功を奏し、高い位置でボールを奪ってショートカウンターを発動し、奪い返されても厳しく寄せて簡単にプレーさせずセカンドボールもことごとく拾う。相手最終ラインの背後をとっていくようなスプリントを多用し、ほぼ相手陣内で試合を進めていく。最初のチャンスは10分だった。ゴールキックのこぼれ球を高木善と澤井直人が絡んで、右サイドから高木善が突破。クロスはゴール正面の北脇に合わなかったものの、ファーサイドに流れていた南のもとへ。しかし、ゴール目前で南が左足を振り抜いたシュートは相手GKの正面を突いた。17分にはコーナーキックからアンドレイのヘディングがクロスバーを直撃するピンチを迎えたが、その他の場面ではヴェルディがほぼ一方的にボールを支配していた。18分にも決定機が訪れる。左サイドに流れながら安在和樹のくさびを受けた北脇がチェイスしてきた相手DFをかわして相手ゴールへ向け独走。ペナルティエリアに侵入して放ったシュートはまたもGKの好セーブに阻まれ、ゴールに向かってこぼれたボールに高木善が突っ込むも、その目前でDFが懸命にクリアした。ペースをつかみながら決定機をものにできないでいると、一瞬のエアポケットが空いてしまう。23分、左サイドから崩されて懸命にクリアするも、再び相手に拾われてアンドレイに鋭いクロスをゴール前に入れられる。すると、井林章と田村直也の間に飛び込んできた山瀬に頭で押し込まれて先制を許した。リードを許してからはやや攻め急ぐ焦りが見えたが、41分に右サイドバックの田村がくさびを入れながらリターンをもらってシュートを放つなど、両サイドを起点に攻撃を活性化させて前半を折り返した。

リズムを変えたいヴェルディは、後半から南に代えてアランを投入。縦への推進力を加えて攻撃の活性化を狙ったが、後方がやや後ろ向きな対応に終始。相手の仕掛けに対してズルズル下がりながら対応すると、63分にはボールウォッチャーになったところをサイドから綺麗に崩されて追加点を献上する。反撃に出るために攻撃的なカードを次々に切るヴェルディ。65分には船山祐二に代えて渡辺皓太を、77分には北脇に代えて高木大輔を投入。しかし、2点のリードを得て余裕を持った対応する相手に対して、サイドへの揺さぶりに時間が掛かるヴェルディは、相手が中央をセットする前にクロスを入れることができず、アーリークロスからチャンスを作ったのは88分のカウンターの場面で安在が独走からゴール前に入れた場面のみ。これもファーサイドに流れていた高木大にはわずかに届かなった。その後もボールは持つものの、クロスボールをことごとく撥ね返されてゴールを奪えずにタイムアップ。またも今シーズン初の連勝はおあずけとなった。

前半の序盤で作った自分たちのリズムで乗っているうちに点を奪いたかったが、それを生かし切れずに相手の精度の高い攻撃に屈した。そのダメージは計り知れないが、「失点して下を向いていては戦えない。鼓舞し合って巻き返さないと」(北脇)と、試合中に個々が支え合ってチームを盛り上げる結束力、そして試合ごとに気持ちを切り替えられる強いメンタルを持ってホーム2連戦で連勝へのチャレンジを続けたい。

 

 

【試合後選手コメント:FW 29 北脇健慈】

――前半は前からのプレスと押し上げがはまって、ウチの良いペースに思えました。

「自分としては自分で獲りたいと思っていましたけど、でも全体的にはまっていたのでそこは良かったと思います、ですが、最終的には結果がすべてで、自分が1対1を外して決定機を外したことで、相手に流れが少しいってしまった。あそこでクリアミスして拾われて、セカンドボールをまたクロスにされてしまう。そこは自分たちの悪い癖をどうにか我慢して、後半を1-0などで迎えられるのがベストでした。でも、そこで失点してしまうことによって少し下を向いてしまう選手もいますし、そこを変えていかないと連勝は難しいと思います」

――前を向いていけるシーンは?

「本当は前回京都と対戦した時に逆転していますし、今回も逆転のチャンスはあったと思うけど、そこで何人か下を向いてしまっていました。そこで皆で鼓舞するような声を出し合っていければよかった」

――ご自身のパフォーマンスは?

「熊本戦でシュートを15本打っていて、今日は何本か分かりませんが、シュートの意識が半減してしまった。もっとショートカウンターをはめて奪ってシュートまでいくという回数を増やしていかないと、自分たちのリズムを相手に渡さないことが大事。今日は、それができずに京都さんに流れを渡してしまいました。次からはホーム連戦でちょうど金沢さんも自分たちより下ですし、前節の熊本戦もそうですが、今は1試合1試合戦うことが大事だと思います」

 

 

【試合後選手コメント:DF 6 安在和樹】

――トップチーム昇格後、誕生日に試合があったことはありますか?

「これが初めてです。アカデミーの頃はあったかもしれませんが、プロでは初めてです。特別に気持ちが入っていたわけではありませんし、いつも通りにやることを心掛けていました。ただ、試合前のアップ中にサポーターから誕生日を祝ってもらって、少し恥ずかしと思いながらも非常にありがたいなと思いました」

――前半の序盤は自分たちのリズムでできていました。サイドの位置では試合の流れはどう感じていましたか?

「前半は2本決定的なチャンスがあって、決めていればすごく楽に試合を運べたし、逆に相手はそれを防いで何回かのチャンスをしっかり決めてきたという形でした。そういう決定力の差のようなものは感じました。ただ、前半の入りから本当に良い時間だったし、勢いでそのまま決められるチャンスがあったので。たとえそれを決められなかったとしても、最低でも失点をゼロで前半を折り返したかったですね」

――90分を通じてサイドが起点になる場面が多かったですが。

「チャンスは作ったけど、ゴールにつながりませんでした。終盤のアーリークロスは、長い距離を走って、クロス自体もターゲットの大輔まで距離があったので、あれが精一杯でした。相手も戻っていたので、触られないように早いボールを入れて、大輔の手前でバウンドして合わせるのも難しいボールになってしまいました」

――サイドからクロスを上げる場面はここ数試合に比べてかなり多かったように感じます。それでもゴールにつながらない。その理由はどこにあると思いますか?

「今日に関しては、浮き球は全部撥ね返されてしまいました。僕に出すパスが各駅停車になってしまって、ボールが来た段階で相手がしっかりスライドしてきてプレッシャーをかけてきていました。本当であれば、逆サイドのボランチやセンターバックからひとつ飛ばして出してほしかったんですが、隣の平君からのパスだと相手も合わせてスライドして対応できるので、中もセットされてしまうし崩してクロスまで持っていく感じではない。マークをなんとかはがしてこじ開けてからのクロスだったので……。サイドであれだけボールは受けられたので、今後は大きくサイドチェンジして、ひとつ早いタイミングでもらって中央で相手がセットする前にボールを入れられるようにしたいです」

――次はホーム連戦です。

「相手も下位なので、ここをものにしないといけないですね。ホームでは勝てているので、ここでシーズン初の連勝をして流れをつかみたいと思います」

 

 

【試合後監督コメント:冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「自分たちは前半の前半は特に良い入り方ができたと思います。そこで決定的なチャンスもふたつ生まれて、そこでとれなかったこと、そしてコーナーキックをクロスバーに当てられた後から、何の力が作用したのか少し後ろに重心が掛かるような状態のゲームになってしまったのかなと。暑い中、京都もブロックを作って対応してきて、セカンドボールも自分たちが持つ状況の中で、上手くサイドとバイタルエリアを崩そうという意図がありました。しかし、自分たちはそこのミスが多く、逆に京都さんはそういうところの質が高く、シュートまでいってゴールにつながった差でした。自分たちは次とその次と連続でホームで戦えるので、この負けを引きずらず、逆にホームで連勝することで変わってくるものもあると思います。練習はできませんが、しっかりと戦える状態を作って、次の試合に臨みたいと思います」

――攻撃面ではポゼッションは高かったですが、そこからの攻撃は単調に見えた。

「まず自分たちがボールを持っている状態で、サイドを変えた時にクロスの迫力が少なかったこと。そして、そこの動き出しの中で、相手のプレスバックが遅い分バイタルエリアが空いてくるところ。そこを攻略しようとハーフタイムに話をしました。なので、サイドを変えた時にサイドで2対1、そしてサイドから中に入れるボールをクロスに対して、それと途中から2トップに代えたんですが、そこの縦の関係と逆サイドのサイドハーフの関係性で崩していこうとしたんですが、なかなかサイドにボールが出るタイミングが遅くて、中央で構えられた状態で入れることが多くなってしまった。そこはセンターバックからのパスのスピードであったり、サイドを追い越していくような形を作れなかったのがスピードが出せなかった要因かなと思っています」

――交代カードの狙いは?

「ハーフタイムでアランを入れたのは、自分たちが0-1にしてしまったこと。また相手のサイドバックのところで少し自分たちが下がってしまうポジションでプレーしているので、それだとサイドバックが仕事をしなくても穴が開かない状況になっていたので、そこでアランを入れました。そこでもなかなか上手くいかなくて、アランの強さを生かすために2トップにしました。途中で渡辺皓太を入れた理由は、セカンドボールを拾うこと。そしてボランチの位置から2列目まで上がっていって、そこからのスルーパスなしし潜り込むようなパスを期待していました。大輔に関しては、ゴール前の勝負強さであったりを生かせればと思ったのですが、そうした形にならず残念でした」

――守備に関しては?

「向こうの選手はスピードもあり力強さもありというところで、やはりズルズル下がってしまうとゴール前のところでは決定率が高いと思ったので、なるべくコンパクトにゴールから遠ざける形での守備をできればよかったのですが、1失点目もクリアを拾われて上がり切らない中で、背後にクロスボールを入れられて、決められました。2失点目も自分たちが中盤で奪い切れず、前に出されたところでイヨンジェがドリブルで運んだと思うのですが、あればペナルティエリアの横まで来てしまった。あれをできればペナルティエリアの手前でスピードダウンさせて勝負できれば、あそこの内側に入られて、最後に堀米に斜めに走られる場面もなかったんじゃないかなと思っています。少し自分たちにとっては、スピードダウンするところで下がり過ぎてしまったんじゃないかなと反省しています」

――南の起用の意図は?

「ボランチの脇とサイドバックのところが自分たちのキーポイントでした。そこでできれば前を向いて仕事をしていこうというところで、南を期待して起用しました。南があまり下がり過ぎてしまって、ポゼッションに絡むよりも2列目から出て行く形で伝えたらチャンスが何回がきたので、そこで仕事ができればなお良かったと思います。少し運動量も停滞したのでアランと代えました」

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