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MATCH試合情報

2015 明治安田生命J2リーグ 第40節 - ジェフユナイテッド千葉 vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

前節、ジュビロ磐田との直接対決で、内容で上回りながらも結果では完敗を喫したヴェルディ。なんとか再浮上のきっかけをつかむべくもがく中で対戦を迎えたのは、勝ち点3でひとつ下の順位につけるジェフユナイテッド千葉。終盤戦にきて、オリジナル10によるプレーオフ圏内を争う大一番を迎えた。ヴェルディは前節と同じ顔触れでスタートし、難敵との一戦に臨んだ。

序盤から前線に張る2トップにシンプルに蹴り込んでくる千葉に対して、ヴェルディはセンターバックコンビが対応に苦慮してなかなか競り勝てない。セカンドボールの弾き方も甘くなり、2次攻撃3次攻撃を食らって押し込まれる場面を作られた。ようやくマイボールを奪って反撃に出るも、つなぎの中でミスが出て思うようにリズムが出てこない。そうこうしているうちに試合が動いた。10分、またも左サイドに長いボールを入れられて井林章が競り勝てずにボールは中央へ。絞ってカバーに入った安西幸輝のスライディングも間に合わずにこぼれ球を拾われると、ボールは森本の元へ。豪快に左足を振り抜いたシュートにヴェルディ守備陣はブロックに入ることもできず、シュートはゴール左隅に吸い込まれていった。ここからスイッチを入れ直して前に出たいヴェルディだが、最終ラインの不安定な対応から決定的な場面を立て続けに作られる。24分には田中がフリーで抜け出して佐藤優也と1対1に。このシュートはわずかに外れたが、29分には裏に森本が抜けてボレーシュート。これも佐藤のファインセーブでなんとか切り抜けた。前半のヴェルディは球際で相手に先手を取られ、すべてにおいて後手に回った状況で攻守に空回りして45分を終えた。

ハーフタイムには珍しく冨樫監督から厳しい口調で檄が飛び、センターバックを筆頭に今一度チームの役割を再確認することを徹底した。そのカンフル剤が後半の頭から効果を発揮した。ボールに対する執着心で相手を上回り、センターバックコンビもチャレンジ&カバーの関係をはっきりさせて思い切って競り合う。セカンドボールに対しては周囲の選手が集中力を保って回収し、反撃へとつないでいった。肝心の攻撃も後半に入ってようやくギアが上がり、サイドを使いながらフィニッシュで終えるまで進んだ。ゴールが期待できるチャンスも作り出し、南や高木大がチャンスで惜しいシュートを放った。後半は攻守両面で戦う姿勢を失わず、終盤まで相手のゴールを目指して身体を張り続けた。しかし、最後までゴールネットを揺らすことはできず、終盤戦にきて連敗を喫した。

残るは2試合。次節、今シーズンのホーム最終戦でしっかりと勝利し、プレーオフに向けて1試合ごとに勝ち点を積み重ねていくしかない。

 

【試合後選手コメント:DF 6 安在和樹選手】

――ご自身のクロスで何度かチャンスを演出しましたが、それ以外になかなか崩しの形がなかった印象ですが。

「僕自身、あまりボールも来なかったですし、来た時はやり切ろうという思いはありました」

――試合の入りに関しての印象はいかがですか?

「相手に前で収められてしまって、そこから良い展開に持ってかれてしまいました。もうちょっと負けない戦いができれば良かったです」

――相手2トップの高さと強さに苦戦しましたね。

「監督もハーフタイムに“お前たちが負けたらダメだ”とセンターバックの2人に喝を入れていましたが、相手は次から次へとフィジカルの強い選手が入ってきて、いつものように簡単にボールを奪うことができませんでした。今日はFW2枚の関係性だけで持っていかれる形も多かったので、今年初めてぐらいの感覚でした」

――前回対戦では千葉に対してヴェルディの方が球際で勝っていた印象でしたが、今日はちょっと感触が違いましたか?

「ペチュニク選手の動きがかなりキレていました。駒沢で対戦した時は、もっと動けない選手という印象がありましたが、今回は効果的な活躍をされてしまいました。前の対戦の時は、全体的に僕たちが勝てていましたが、今日は違いました。また、相手にFWタイプの選手が多かったことも影響したのかもしれません」

――磐田戦の後半のような形でカウンターを浴びる場面が多かったですが。

「ボールの獲られ方が、進行方向に背中を向けさせて奪われてのものではなくて、前を向いて奪われる形が多かったので、チームとしてバランスを考えなければいけないですね」

――プレーオフ進出に向けては2連勝ですね。

「まずは金沢に勝って、今日は他も負けていたので、とにかく次勝たなければ終わりなので、次が一番大事です」

 

 

【試合後選手コメント:MF 8 中後雅喜選手】

――ゲームの入りに関してシックリいっていない印象でしたが。

「シックリいっていないというよりは、相手の入りがすごく良かったですし、ちょっとそういう意味ではロングボールの対応に関して、ウチに甘さがあったと思います。1人目が競った後とか、こぼれ球とか、僕らのプレスバックやファーストディフェンダーという部分で相手にペースを握られることが多かったです。それはしょうがない部分もありましたが、ただあの失点のシーンでもっと寄せられたら良かったなと思っています。やっぱり、あれが入るか、入らないかで展開も大きく変わってきますし、相手を勢いに乗せてしまった部分もあります」

――後半はヴェルディが押し込む展開となりましたが。

「ああいう形はいつも作っていますが、ただ得点が入っていないことが全てです。この時期は形がどうこうというよりも、相手に当たっても何でもいいから得点がほしい時期だと思いますし、それがウチの目指していくスタイルの中で得点を獲り切るようなチームになっていかなければ上にも行けないですし、苦戦が続くと思います。まだまだチャンスはありますし、必ず点を獲れるように数多くそういう場面と時間を作っていきたいです」

――後半に安西選手を呼んで声をかけている場面がありましたが。

「ああいう場面で三竿を経由して僕のところにパスが出ても距離は短いですし、あそこは一発でパスを通してくれれば、僕も縦パスを入れられましたが、視野の問題や一個飛ばすところで、キーパーを使ったりしてしまうのは、課題です。もちろん、リスク管理は大事ですが、それを通す勇気やゴール前で繋ぐこと、クリアをパスに変えるというような部分で差が出てくると思います。ただ、彼もまだまだ成長できますし、そういうパスもたまに来るので、この先そういう部分を出してくれればと思います。僕自身も彼に要求しながらやっていければと思っています」

 

 

【試合後選手コメント:FW 18 高木大輔選手】

――チャンスは何度かありましたが。

「これが今のチームの立ち位置というか、僕らが置かれている順位に直結している要因だと思います」

――クロスの出し手、受け手として決定機に絡みましたが。

「(後半に南選手のダイレクトボレーを演出した場面について)あれは、南君がワンタッチで打つというイメージではなかったので、ワンタッチで打たせるなら自分のボールがもう少し前だったのかなという感じです。ニアに入り込むという部分では、以前からサイドバックに要求している部分なので、もう自分の顔が上がったら出してほしいと伝えています。アンカズからは2本ほどありましたが、幸輝とかとはもっと合わせていかなければならないと感じています」

――後半は裏に出る動き出しをしていた中でなかなかパスが来なかった印象ですが。

「負けていたし、得点をほしい場面で後ろでボールを動かすのはあまり効果的ではなかったので、そうであれば、僕らもサイドからチャンスを作れていたので、アンカズや幸輝、南君、善朗を一個飛ばすようなボールを出せれば良かったのかなと思っています。そこもうまく守られていた印象です。僕らの動き出しも分かりにくかったのかもしれませんが、少し大事に行き過ぎていた部分もありました。特に、竜士君に代わってアランが入ったことで、タメもできていたので、そこをうまく使えれば良かったと思いますし、チームとして意思統一を図りたいです」

――善朗選手が入ったことで、攻撃のリズムが改善された印象ですが。

「善朗はうまく間、間でボールを受けてくれたので、よりサイドバックが攻撃的にプレーできていました。今日は相手の前線に良い2トップが入ってボールも収まっていたので、サイドバックも上がりにくかった部分があったと思います。イバ君やタムさんがもっと潰していければ良かったのですが、ちょっと難しかったです。ただ、そういう部分を助け合うのがチームなので、残り2試合を必死に戦いたいです」

 

 

【試合後監督コメント: 冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「自分たちにとってもジェフにとっても大切なゲームで、結果的として自分たちは負けてしまって残念ですが、またチームの結果を踏まえて自分たちは、今後2試合応援して頂けるサポーターのためにも、ヴェルディに携わって頂いている人たちのためにも決して下を向かず、頭を下げることなく、残り2試合の結果を得るためにトレーニングをして、結果を出すためのメンバーを選んで、残り2試合勝ち点を獲って、何としてもプレーオフに進出したいと思っています。サポーターには遠いとこまで応援に来て頂いたにも関わらず、結果を残すことができなかったので申し訳ない気持ちと、その後にたくさんの声が選手やスタッフに届いています。また、1しゅうかんしっかりとやっていきたいです」

――失点シーンも含めて相手2トップにかなりやられてしまった印象でしたが。

「自分たちのプレッシャーに対して、相手はシンプルに前線を使ってきたので、我々のファーストディフェンスの速さを生かせなかったのと、また強い2トップに対してなかなか競り勝てなかったことで、ラインが少し下がってしまい、中盤との間にスペースができてセカンドボールを拾われてしまったと感じています。ハーフタイムで少しそのへんの話をして、改善してよりゴール前のシーンを増やすことを求めていました。それでも、向こうが強い2トップを生かして攻めてきたと思いますが、後半は自分たちがセカンドボールを拾って攻撃に繋げられていたので、前半もっともっとアラートな状態で入れたと思いますし、そのへんのマネジメントを次に生かしていきたいです」

――立ち上がりに関して前節の磐田戦の後半の影響があったのかなという印象でしたが。

「個人的にはジュビロ戦との関連は全然ないと思っています。1週間良いトレーニングができましたし、この試合に向けて本当に試合前のミーティング、ウォーミングアップを含めて良い準備ができたと考えています。もちろん、自分たちが良い準備をできても、ジェフさんが危機感を持って来ていれば、こういうふうに上回られてしまう時間もあるのかなと思います」

――前半に澤井選手を呼んで盛んに指示を出していましたが、どのような指示を出していましたか?

「少し自分たちが相手の圧力を受けて相手のセンターバックが前を向いてクリアできるボールが多かったと考えていたので、ボールを受ける動作やプレッシング、セカンドボールを奪いに行く動作を速くすることで、もう少しグラウンダーのパスでボールを動かしながらプレーをしなさいということ。また、0-1というスコアは悪くないということ。もちろん、自分たち的によくはないが、最後の最後まで慌てずプレーするためにピッチの全員に向けて伝えるようにと指示していました」

――最後の交代カードで永井選手を投入した意図を教えてください。

「自分が外から見ていてスルーパスを通せるタイミング、スルーパスを通すスペースや受け方ができていたので、彼の走るスピードとスペースに合わすパスに期待してピッチに送り出しました」

――ヴェルディは直近12試合で2勝ですが、ヴェルディを含めて上位陣が勝利を得られていない理由に関してどのように考えていますか?

「ハッキリ言えば、まだ安定した強さがないのかなと考えています。それと同時に独特の順位争いというか、下位争い、また上位争いという部分でピッチの中では自分たちがテクニカルエリアから見ているよりもプレッシャーの重さがあるのかなと、ここ何試合かで感じてゲームを進めています。ただ、それでもシュートを打つ、しっかりとプレッシャーに行くという自分たちのここまで来た良さをもう一回、しっかりと出す。何か変化を付けるというよりも、もっとプレッシャーを中でも出せる。あるいはスピードを生かしてスピードを上げる場面を作ってやって、残り2試合を勝ちたいと思います」

 

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