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MATCH試合情報

2015 明治安田生命J2リーグ 第16節 - 東京ヴェルディ vs 栃木SC

マッチレポート

【試合展開】

前節、大分に乗り込んで今シーズンアウェー初勝利を挙げたヴェルディ。ホームに戻ってくる今節は、今シーズン初の連勝、そしてJ2通算150勝を懸けた一戦となった。前節で負傷したブルーノが長期離脱を余儀なくされ、今節は安西幸輝を右サイドMFで起用。右サイドバックには、前節も途中から同ポジションに入って得点に絡んだ高木大輔を抜擢した。折からの天候不良の予報が外れ、強烈な太陽の日差しがピッチに降り注ぎ、ピッチレベルは30度を超える過酷なコンディション。両チームともに消耗が懸念される試合は、立ち上がりから思わぬ展開で進んでいった。

顔ぶれが変わったヴェルディは、慎重にボールをつなぎながらグループとしての結束を強めていく流れにしたかったが、3分に一瞬の隙を突かれて杉本にペナルティエリアに侵入されてゴールに流し込まれた。気を取り直して反攻に出たいところだが、7分に右サイドバックの高木が中央に入れたパスがずれてまたもや杉本に狙われて、ワンタッチでループ気味にミドルシュートを打たれる。予期せぬパスミスで前に出ていた佐藤優也も戻り切れず、シュートはゴールへと流れ込んだ。7分間での2失点。暑さもあいまって集中力が一気に切れてもおかしくない展開。チームとしての総合力が問われる局面に立ち、選手たちはすぐに答えを出した。2失点目から2分後、右サイドの浅い位置でフリーキックを手に入れると、安在和樹がゴール前に送ったボールに平本一樹が反応。頭ですらしてゴールへ流し込み1点を返す。連続失点で落ちかけたチームの雰囲気が一気に甦る。12分には右サイドで杉本竜士が粘ってクロスを供給。マイナス気味のボールの先にいた中後雅喜がフリーの状態でワンタッチで合わせたが、ボールは枠から逸れていった。ゆっくりと試合をコントロールし始めたヴェルディ。ボールサイドに人数をかけて巧みにボールを保持し、相手をじわじわと自陣に追い込んでいった。21分には杉本がドリブルでの切れ込みからわずかに枠からそれるミドルシュート。流れが来たと確信した25分、安在からの強烈なくさびがペナルティエリア際中央の平本の足元へ。平本がワンタッチで落としたボールを中後が相手をかわしながら前方に運び、左足でゴール右隅へ巧みに流し込んで同点に追いついた。ここから試合展開は完全にヴェルディのものに。35分には平本、中後とつないで安西がフリーで抜け出し、GKの出端を突いてループシュートを打ったがカバーに入ったDFに阻まれた。直後には左サイドの安在、平本とつないで、落としたボールを澤井直人が狙いすましてワンタッチで合わせたが相手GKの攻守に阻まれた。

後半に入っても流れはヴェルディが掴む。47分、ペナルティエリアに侵入した澤井が強烈なシュートを放つが枠を捉え切れない。57分には高木のループ気味のパスに杉本が抜け出すが、GKとの1対1で放ったシュートはGKの正面に飛んだ。ボールを保持し、技術、運動量、アイデアで相手を圧倒しながら、なかなか最後の崩しの場面が上手くいかないなかで、抜擢された男が結果を出した。72分、安西から中央の平本にボールが入り、カウンター気味に3対3のチャンス。平本がDFの股を抜いて数的優位を作ると、右のスペースへ走り込んでいた高木へラストパス。高木はゴール右斜め45度から右足を振り抜いて、GKのニアを抜いてゴールネットを揺らした。85分には、相手の一瞬の隙を突いた平本がボールを奪ってドリブル。ペナルティエリアまで侵入したが、自分では打たずに相手を引きつけて横パス。フリーの状態で永井秀樹が合わせたが、シュートは身体を投げ出したGKに弾き返された。そその後は消耗戦。逆転ゴールを決めたばかりの高木が足を攣らせて交代し、アディショナルタイムに突入する直前には安在も足を攣らせて倒れ込んだ。オープンな展開で両チームとも陣形が間延びし、ゴール前の局面が増える中で、ヴェルディは徐々に自陣に押し込まれていったが、ベテラン勢を中心とした粘り強い守備で最後の局面を割らせずに後半はゼロ封。酷暑の中での消耗戦で勝利し、今シーズン初の連勝、そしてJ2通算150勝目を達成した。

ここから岡山、愛媛とアウェーでの2試合を挟み、6月21日には駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場でロアッソ熊本を迎え撃つ。

 

 

【試合後選手コメント:DF 18 高木大輔選手】

――試合を振り返ってください。

「勝ったことが全てだと思います。ただ、早い時間に2失点してしまい、2失点目は自分のミスからだったので、何としても取り返したいという気持ちと焦りもあって、なかなかうまく行かなかった中で、チームメートに助けられました。1点目を決めた一樹さん(平本)、2点目を決めたチュウさん(中後)であったり、ベテランと言われる選手に助けられたなと思っています。最後、自分が決めたシーンも一樹さんが身体を張って良いパスを出してくれたことが結果に繋がりました。今日は素直に喜べませんが、結果的に勝てたことが良かったと思います」

――2失点目の場面を振り返ってください。

「単純に僕のパスミスです。三竿との意思疎通の部分であったり、ちょっと左からDFが来ていたのが気になってしまい、僕のパスがズレてしまいました。三竿の右足に出そうとしたのですが、三竿は足元にボールがほしいと思っていたみたいで、そこは普段ああいう関係でやることが少ないので、もっとコミュニケーションを取るべきだったと反省しています」

――立ち上がりの連続失点で最終ラインとしては嫌な雰囲気があったのでしょうか?

「1失点目も早かったですし、自分たちが今日立ち上がりどうなのか、ということを意識する前に2失点してしまいました。入りは最悪でしたが、前半のうちに2点を追いつけたことが最後の勝ちに繋がったと思っています。2点獲られてからも追いついて自分たちのスタイルで戦うことができたので、そこは大きかったと思います」

――得点シーンを振り返ってください。

「良い形でボールを奪えて一樹さんなら絶対にボールをキープしてくれると思っていたので、相手がかなり内側に絞っていたので、今日はこれぐらいしかチャンスはないと思って上がって、今日は良い形のクロスも上げられていなかったので、最後は自分でシュートを打とうと思っていました。本当に良いところ、良いタイミングでパスが出てきたので、決められて良かったです」

――ゴールを決めた直後にゴール裏に駆け寄りましたが?

「昔、小学校3年生の時からヴェルディに居て、小学校の時は僕自身もゴール裏で一緒に応援していました。例えば、J1に昇格した試合もゴール裏で応援をしていて得点が入った瞬間に、みんながゴール裏に走って来るところを見ていました。プロになってからも直近で言えば、岐阜戦でもゴール裏で喜び合っていて、それを見ていてずっと憧れていました。味スタでゴールを決めることも夢だったので、迷いなくゴール裏に走って行きました」

――今日は先発でのプレーでしたが監督からどんな指示がありましたか?

「今日は右サイドバックでのプレーでしたが、相手の良さを出させないということと、相手のウィークを突いて行くという点で自分が使われていたと思うので、得点シーンこそ狙い通りの形だったと思います。もっと、前半から攻撃に出たかったですが、最後に自分のところにチャンスが回ってきました。何よりゴールを決められたことは、自分にとって今後と自信に繋がっていくと思います」

――今後に向けた意気込みを聞かせてください。

「前節でアウェイ初勝利をして、今年はホームでなかなか負けてないですし、良いイメージを持ってプレーできました。何としても連勝したかった中で、自分がああいったミスでチームの雰囲気を落としてしまいましたが、ベテランの人に助けてもらって、最後にパスが来て決められて本当に良かったです。今年は逆転できる力があることは非常に大きいと思いますし、次は難しい試合になると思いますが、良い準備をして3連勝して自分たちが高い位置をキープできるように頑張っていきたいです」

 

 

【試合後選手コメント: FW 25 平本一樹選手】

――今日はご自身の出身地である八王子市サンクスマッチでしたが、最初のゴールの感想を聞かせてください。

「ホームで今年は連勝していなかったので、今日はホームで連勝しようとみんなで気合いが入っていました。ただ、最初に失点してしまいました。そこは僕のチェイシングの緩さから始まったものでした。その後、大輔(高木)のくだらないミスで失点してしまい、0-2になった時は“正直キツいなぁ”と思っていました。ただ、アンカズ(安在)が合わせるだけでいいボールを入れてくれました。また、得点を挙げられた時間も良い時間帯というか、0-2になってからすぐだったので良かったです」

――後半終盤にはGKと1対1の場面で並走していた永井選手にラストパスを出しましたが、あそこはあえて狙った感じでしょうか?

「あれは日頃からお世話になっている永井さんに点を獲らせたいという思いで丁寧に出しました。永井さんも点を獲ることができれば、どんどん歴史に名前が刻まれていく方なので、そういう意味と楽に勝てればという思いでパスを出しました」

――前半の入りの悪さの要因はなんだったのでしょうか?

「個人的にもチームとしても気を付けて入ったつもりでしたが、相手のボランチにチェックに行くところで、僕のマークの緩さやボールが入ってからの寄せ方も悪くて、そこでうまくタメを作られて展開されて失点してしまったので、前からチェイスに行く僕としては責任を感じています」

――0-2から早い時間に1点を返せたことが大きかったと思いますが?

「そうですね。0-2になった時は、“正直ダメだなぁ”と思いました。時間も早かったですし、気温もかなり暑かったので。ホームなのにもったいない戦い方だと感じていましたが、あそこでファウルをもらってアンカズからすごく良いボールが来て得点を決めることができたので、“意外とイケるぞ”という気持ちになりました」

――守備の局面での奮闘が際立っていましたね。

「そうですね。元々守備のポジションもやっていたので、守備は好きなんですよ」

――終盤のキツい時間に一番動けていたように見えましたが?

「若い奴らは足をつり過ぎですね。ベテランを見習ってほしいです(笑)」

――攻撃の局面ではよく起点となっていましたね。ご自身としても手応えがありましたか?

「いや、竜士(杉本)と組むようになってからはお互いに良いところを引き出し合うことができています。また、今日は2列目の選手との距離感も彼らが高い位置に保ってくれていたので、僕と竜士はいつも準備できていますし、二人で崩すこともできますし、そこにボールが入るか、どうかというところです。今日に関しては2列目の選手が高い位置を保ってくれていたので、ボールがうまく入った印象です」

――高木選手の3点目のアシストの場面では素晴らしいドリブルでしたね。

「そうですね。あそこで足を伸ばしたらぶつかってしまうので、触らないで股に入ってくれと思っていたら、ちょうど入ってくれました。そしたら大輔が外からすごい勢いで自分のことを呼んできたので。大輔の親父さんにはすごく良くしてもらっているので、あそこは大輔に決めさせてやろうと思ってパスを出しました(笑)」

――先程永井選手にパスを出した場面で色々なことを考えていたようでしたが、あの瞬間にそのような余裕があったのですか?

「永井さんとの今までの長い年月の付き合いが蘇ってきました。それで折り返しました(笑)」

――八王子市サンクスマッチということで、八王子市の方に向けてメッセージをお願いします。

「普段、僕は八王子で生活していますし、ほぼ毎日います。少し古臭い街並みや、誰にでも良くしてくれる田舎のおじさんやおばさんたちに元気をもらっているので、僕自身そのへんにいるので、見かけた時は声を掛けてください。とにかく、いつもありがとうございます」

 

 

【試合後選手コメント:MF 8 中後雅喜選手】

――得点シーンを振り返ってください。

「前に入って一樹さん(平本)や竜士(杉本)とかに良い形でボールが入ることが多く、ボールの収まりも良かったので、そういう意味で3人目の動きを意識して前目のポジションでプレーしていました。結果、ああいうふうに前で引っ掛けてゴールを獲ることができて良かったです」

――得点シーンを筆頭に前目のポジションで攻撃に絡む場面が多かったですが、意識してのプレーでしょうか?

「三竿と僕が後ろにいるよりは、自分が前に上がることで攻撃に厚みをもたらせたりできるので、意識的にやっていました。ああいう形でゴールに繋がりましたし、そういう形が今日は多く作れました。そういう意味で自分的には攻撃に厚みをもたらすことを意識していました。また、相手の守備を自分が引っ張っていくことでセカンドボールを三竿やセンターバック2枚が拾いやすくなりますし、押し込みやすくするために前目でプレーしました」

――攻撃面での連係が良くなってきている印象ですが?

「そうですね。良い形でボールが入ったり、攻撃に顔を出したりとかは増えてきていますし、あとはそこの精度を上げることが次の課題になってきます。まだまだ、精度の部分は課題ですが、イメージの共有という部分ではだいぶ、できてきています。そういう意味では成長していますが、まだまだ上のレベルを目指していけると思います」

――今日は決定機が多かったですが、欲を言えば、もっとチャンスで決め切りたかった印象でしょうか?

「そうですね。前半の段階で勝ち越しのチャンスもあったので、3点を獲って後半に臨めれば良かったのですが、僕自身も後半立ち上がりにチャンスもありましたし、色んな人にチャンスがあったので、決め切るという部分はまだまだ課題ですね。最後に若い選手が足をつる場面が多くて、そういうことでゲームプランが崩れてくるので、ちゃんとトレーニングをしていくことが必要ですね。もちろん、暑さやプレッシャーなど色んなことがありますが、そういう意味ではまだまだ課題が多いですね」

――試合後に若手選手たちに足がつったことについてどんな風にアドバイスをしたのでしょうか?

「彼らが頑張っていることはわかりますし、一生懸命走っていることも分かります。もちろん、暑さも影響したと思います。ただ、“足がつるまで走れ”という言葉もありますが、プロとしては90分間を通してのペース配分が重要です。今日は交代枠も使っていましたし、もっと考えてプレーする必要があります。厳しい言い方ですが、勝っていくチームではそういう事態を避けていくことが必要です。若い選手の良さは出ていますし、その延長で疲れが溜まっていくのもわかりますが、やはり勝ったから良いではなく、厳しいことも言っていくことが必要です。今日で言えば、最後に苦しんだのはそういう色んな選手が足をつってフォーメーションやメンバーを変え、交代枠を使ってしまったからどうしようということからだったので、延長戦もあるわけではないですし、90分間の戦いをちゃんとやっていかなければならないです」

――先日の岐阜戦を含め、ベテランの存在感が光る試合が続いていますね。何か意識している部分はありますか?

「今日はたまたま得点を挙げることができただけです。もちろん、自分自身チームの一員ですし、どうにかしてやりたいという気持ちはありますし、若い選手が多いので、自分たちが引っ張っていかなければならないとも感じています。それがこないだや今日のようにうまく結果に繋がって若い選手も頑張っていたので、うまくフォローできて良かったです。逆のパターンもあるので、そういう意味では特別意識していることはないです」

――今日も課題が出ましたが、その中で結果を出せていることは大きいですね。

「そうですね。それはプラスだと思っていますし、成長だと思っています。何より今日は連勝するチャンスだったので、はじめにいきなり2点を獲られて“またか”という雰囲気が流れていましたが、ある意味若い選手が奮起してプレーしてくれたところもありますし、僕らは僕らで良さを出したいと思っていたので、それがうまく噛み合って結果に出たので、チームとして成長していると思います」

――味スタで今季初めて前半に得点が入りましたが?

「そうですね。スコアの動かし方が良くないですけどね。逆に先制して2点、3点と奪うような戦い方ができるようにやっています」

――ボランチでコンビを組む三竿と試合毎に右か左を入れ替えていますが、どんな意図があるのでしょうか?

「メンバーによりますが左に入っての方が多いですね。今まではブルーノが右サイドに入ることが多く、その際に右サイドが下がる傾向にあったので、そこに自分が入ると詰まる部分があったので、そこを修正して自分が左に入って前に行く形を意識してやっていました」

 

 

【試合後選手コメント:DF 6 安在和樹選手】

――早い時間帯で1点を返せたことは大きかったですね。

「そうですね。2失点目からすぐだったので、あの時間帯に返せたからその後の反撃に繋げて相手を押し込むことができました。チームも勢いを持ってプレーできました」

――今日はヴェルディらしい戦い方が随所に見られましたね。

「正直、早い時間に失点してキツかったです。ずっとパワーを持って攻めなければならなかったですし、相手がブロックの中を締めてくることが分かっていたので、みんながうまく間にポジションを取ってボールを動かすことがうまくいきました。そこは良かったと思います」

――中後選手のゴール場面では安在選手の平本選手へのクサビが起点となっていましたが、そこは狙い通りですか?

「いつも練習からあそこでのプレーはイメージを共有できているので、うまくいってすごく良かったです」

――今日はそれ以外にも平本選手と澤井選手との連係から良い場面を作っていましたね。

「そうですね。普段の練習からそういう崩しの連係はやっているのですが、そこで合わなかった時にみんなで話し合ってイメージを共有できているので、徐々にうまくいっていると思います」

――最後は足をつっていましたが、暑さと追いかける展開が体力を消耗させたという感じでしょうか?

「つってしまいました。みんなにだいぶ、迷惑をかけてしまいました。暑さというよりもずっとパワーを持って攻撃に出ていたので、最後にその疲労が足にきてしまったのだと思います」

――前節のミドルシュートのゴールが影響してか、相手の守備に迷いがあったように見受けられましたが?

「中後さんの得点シーンでも最初はシュートを狙っていたのですが、一樹さん(平本)が見えていたし、あっちの選択もチュウさん(中後)が前を向いてプレーできると思い、そっちの選択を選びました。仮にあの場面で相手がミドルを警戒していたのならば、良いプレーになったと思います」

――チームとしてミドルシュートの意識が強くなっている印象ですが?

「その前の数試合とかでシュートが少ない試合が続いていてチームとしても監督からもそこは言われていました。だから、もっと打って行こうという意識が全体に出てきていますし、それが良い方向に繋がっていると思います。今日も19本を打っているので、それぐらい打てれば良いと思います。ゴールシーン以外にもっと決められる場面もありましたし、攻めの形は悪くなかったと感じています」

――冨樫監督はミドルシュートが増えた要因にそれ以外のプレーの向上を指摘していましたが?

「前節もそうでしたがコンビネーションとかが、みんな合ってきているように感じています。出したいところに人がいたり、ほしいところにボールが来ると、お互いに信頼関係が増していきますし、そこの連係が良ければ、あとは個人のシュート精度を上げていくだけなので、もっと良いチームになっていくと思うので、これからも一生懸命練習していきたいです」

 

 

【試合後選手コメント:DF 23 田村直也選手】

――試合を振り返ってください。

「最近は失点が少なかったので、この試合でもゼロで行ければいいなと思って入りましたが、どこかで先制される試合も出てくると思っていました。何とか1点で抑えられれば良かったのですが、2失点してしまいました。中ではこれ以上失点してしまったらまずいと話し合っていました。一番良かったのは一樹さん(平本)が1点返してくれたことで、あの得点で勇気づけられましたし、何とか試合になったので、あれが大きかったです」

――右サイドバックで初先発の高木選手のミスもあって早々に2失点しましたが、どんな声掛けをしていましたか?

「1失点目は相手の2列目の飛び出しに対応することができなかったので、軽かったというよりも、声掛けの部分であったり、コミュニケーションの部分がうまくいかなかったです。2失点目に関しては、大輔の個人的なミスでしたが、最後にミスを自分で取り返したということは素晴らしいことだと思います。それはウチにもまだ運があったということですし、そこは練習で腐らずにやってきた彼の努力の賜物だと思います。自分としてはディフェンスラインの仲間として何とか彼をサポートして良いプレーをさせてあげたいと思っていたので、今回結果が出て良かったと思います。この先、大輔が最終ラインに入ることもあると思いますし、もう少し連携面を深めていきたいです」

――試合終盤は中盤のアンカーにポジションを移してかなり粘り強い守備を見せていましたね。

「自分の持ち味は粘り強さだと思っているので、ねちっこくやって何とか跳ね返そうと思ってプレーしていたので、その役割は遂行できたと思っています。ただ、チームとしてはあともう1点、2点を獲らないと最後にいつもの悪い癖で失点してしまうので、うまく追加点を奪って相手を突き放せるような戦い方を学んでいきたいです」

――前半の入りとは異なり、体力的に苦しい試合終盤に粘り強い守備ができた要因はどこにあったのでしょうか?

「2-2で試合が推移していて、その時はすごく楽でした。うまく攻撃もはまっていましたし、相手もほとんど攻撃に上がることができていませんでした。ただ、ウチが3点目を獲ってから相手も攻撃に出てきたので、今度はウチが耐える時間が長くなりました。やっぱり、2-2から3-2にしてから受けに回らずに、同じように戦えれば良かったのですが、若い選手が足をつってしまったり、色々なアクシデントがあった中、よく耐えられたなという印象です。ただ、欲を言えば、3-2になった時点でもう1点獲りに行くような勇気がほしかったです」

――攻撃の部分でかなり改善が見えていますが?

「ここ2試合は内容はすごく良いですし、攻撃の部分を良い守備から繋げるということはよくできていると思います。あとは点を獲り切ることや決め切ることを意識して次は岡山とのアウェイゲームで、イバ(井林)もいなくなるので、誰が出ても戦えるようにしっかりと練習からやっていきたいです」

 

 

【試合後監督コメント: 冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「スタートから今日は自分たちが鍵を握っていると話してスタートしましたが、ああいう形で失点してしまいました。ただ、時計を見るとまだまだ進んでいなかったので、自分たちにたくさんの時間が残されていたこと。また、自分たちが取り組んでいることの継続が栃木に対して、すごく有効であると思い、そこから追いかけました。チャンスはたくさん作れていたはずですし、追い越してからも突き放すチャンスがありました。その部分でゴールというものは、これから自分たちが上に行く部分でも重要だと思います。ただ、数字に表れる以上に平本であったり、中後であったり、直也(田村)、優也(佐藤)という中心にいる経験者がゲームをコントロールする。身体を張る、ビッグセーブをするなど、そういったプレーをもっと若い選手にやってもらいたいです。一緒にやっていく中で分かっていると思いますし、だからこそトライできるようになれば、もっともっと良いチームになっていくと思います。最後まで集中力を保っていられたのは、そういう選手たちであったり、サポーターが声を掛けてくれたお陰だと思っています。もっと、楽にゲームをしたいのですが、自分たちにとって楽なゲームはないと思っていますし、また次のゲームをアウェイで強いチームとやるので、3連勝をできるように頑張りたいと思っています」

――今日は19本とシュートも多かったですし、中央を崩す部分も多かった印象ですが、チームに対してどんな意識付けの工夫を行ったのでしょうか?

「ずっとキャンプから取り組んでいたことが表れなくて、我慢のしどころだなと思っていました。ただ、今日の相手が4-4-2のゾーン気味で守ってくる中で、そのブロックを崩すということは自分たちが育成年代から常に課題ないし、ずっとしてきたわけですから、攻撃の形や回数はどこかで表れてくると思っていました。そうは言っても崩す形だけでなくゴールの方向にボールを飛ばすことが、その確率を増やすことに繋がると思いますし、その部分に関しては思い切り良く行くところ、責任を持ってトライしていこうという話はここ最近、ずっと話していました。選手自身も点を獲るという意欲は非常にあるので、また次のゲームでこれが変わってしまうのはもったいないので、よりゴールに近づけて、よりゴールに対してボールを飛ばせるように、それが枠に入ってゴールを獲れるように、もう一回練習していきたいと思います」

――ここ2試合でミドルシュートが増えてきた印象ですが、選手たちに強く求めた部分でしょうか?

「もちろん、ミドルシュートに関して求めていますが、そこを打つための背後への動き出し、スペースを空ける動き、空けるだけでなくボールを受けに行くという動きの量が増えてきたことで、ミドルゾーンが空いてきているのかなと感じています。そこに対してのボールの入れ方というのは、少しトレーニングをしているので、前を向く回数が増えたことで、ミドルシュートを打つ回数も増えているのではないかと考えています」

――右サイドバックに高木選手を起用し、その前に安西選手を置いた起用法の意図について聞かせてください。

「まず始めに南のコンディションがあまり良くなかったというのがスタートで、栃木をスカウティングしていく中で、相手のブロックの背後とサイド、バイタルエリアに対してのモビリティ。あるいは質というものが大事になってくると思っていました。そこに対しては、ワンツーのコンビネーションだけでなく、3人目のコンビネーションで入っていく。または、その選手たちを外から追い越していく脚力を持っている選手ということで、今回は大輔(高木)を選びました。そういった攻め方をしていくことで自分たちが攻撃に厚みを持っていく。また、相手のクリアボールであったり、相手のカウンターの最初の起点を潰すことで、自分たちが再びボールを持って攻撃をしていくことで、相手のカウンター 攻撃の回数が極端に減ると思い、今回のメンバーを選びました」

――最後の10分間の戦い方に関して守り切る選択をした理由を教えてください。

「僕のトレーニング不足のせいなのか、若い選手がバタバタと倒れてしまい、前に推進力を持たせることができなかったです。交代の選手も80分までに使い切っていたので、残り10分ほどあった中で、最後相手がどこにボールを運んでくるかを考えた中で、それは中央だと思っていたので、中央に人数をかけてしっかりとファーストボールに行く、またはセカンドアクションに対して、身体を動かせる選手を集めて乗り切ったという感じでした」

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