MATCH試合情報
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【試合展開】
横浜FC戦、カマタマーレ讃岐戦と連戦中に連敗を喫したヴェルディ。ホームで迎える今節は、連敗をストップして勝ち点を一つずつ取り返したい一戦となった。相手は上位に踏みとどまっているジェフユナイテッド千葉。モチベーション十分に臨んだこの試合は、快晴と詰めかけた観衆も含めて最高のコンディションが整った。過密日程の連戦でメンバーを頻繁に代えているヴェルディは、今日も選手のコンディションや相手との相性を考慮して前節とはメンバー構成に変化を加えた。
試合は序盤から激戦の様相を呈した。球際ではファウルも辞さないぶつかり合いを展開し、1対1で仕掛けて相手を力づくでも打開しようと臨んでいく。両チームともにややレフェリングにナーバスになりながらも、ゲームの主導権争いで一歩も退かない熾烈な勝負を見せた。長いボールを多用する千葉、個人技とショートパス&連係で打開を試みるヴェルディ。お互いのカラーがハッキリとする中で、流れを引き寄せたのはヴェルディだった。フィニッシュで終わった数こそ少なかったが、相手のバイタルエリアで少ないタッチでつなぎ、崩し切る場面も見られた。
前半の内容を踏まえて、ハーフタイムには今一度自分たちの戦い方を再確認し、繰り返しアクションを起こして攻撃を続けていくよう冨樫監督から指示が出た。後半開始早々から試合の展開は変化した。流れを勢いに変えたヴェルディは、平本一樹と杉本竜士の仕掛けをスイッチにして相手を押し込んでいく。ビルドアップでミスが多い相手からボールを奪うと、テンポよく、かつピッチを広く使ってボールを動かして攻勢に出た。64分、ビッグチャンスが訪れる。自陣からの平本のスルーパスが相手守備網を潜り抜ける。最終ラインの背後に出たボールにタイミングよくブルーノが飛び出し、ペナルティエリアに迫っていく。ファーストタッチがやや流れたように見えたが、ボールに追いついてGKとの1対1。しかし、左足を強振したシュートは相手GKにブロックされた。68分には杉本が左サイドから相手DFの股を抜いてペナルティエリアに侵入し、ゴール間近でシュートを放ったが、DFにブロックされた。チャンスは続く。76分、左サイドからのクロスが流れてファーサイドの平本がボールをコントロール。切れ味鋭いフェイントで相手を置き去りにしてライン際を突破。マイナスのクロスはニアでフリーで待っていた安西幸輝の足元へ。狙い澄ました安西のシュートは、GKが辛うじて足に当てて枠内からかきだされた。終盤に入っても絶好機を作り出した。左サイドで安在和樹がスペースに飛び出してボールを引き出し、グラウンダーのクロスを供給。相手DFのマークから外れた杉本がフリーで合わせたが、大事に合わせようとした左足にミートせずにボールはゴールから逸れた。相手にも一度チャンスを作られたものの、これは佐藤優也が抜群の反応で弾き出して事なきを得た。このまま両チームともにネットを揺らせず、スコアレスドローで終わった。
少なくとも3度の決定機があり、わずかに枠を逸れた中後雅喜のボレーシュートもあった。それだけに悔しさが先行する一戦となったが、連敗を止めて上位の千葉相手を圧倒する内容を展開したことは自信につながるはず。これを確信に変えるためには、5連戦の締めくくりとなる次節の京都サンガF.C.戦での勝利が欠かせない。今季未だ勝利のないアウェーで勝ち点3を得て、5連戦の勝敗をイーブンに持ち込みたい。
【試合後選手コメント: DF 23 田村直也選手】
――試合を振り返ってください。
「イバ(井林選手)と組む時は、イバの良さと自分の良さを互いに出せるように話し合ってやっています。失点ゼロということは、DFとしては良い結果だと思います。攻撃に関してもビルドアップの部分はできていたので、あとは最後のフィニッシュだと思うので、明日の練習からフィニッシュの部分の改善に取り組んでいきたいです」
――井林選手との連係が良かったと思いますが?
「そうですね。相手のペチュニク選手は高かったですが、そんなに深い位置で勝負させなかったですし、あの位置であれば問題ないと思っていました。逆に、その後に機動力のある選手が入って来たので、そのへんのケアに関しては最後にオナイウ(阿道選手)に危ないシュートを許しましたが、あそこはボールの取られ方が悪かったので、自分も含めて修正していきたいです。また、京都戦でも失点ゼロで行きたいです」
――最後以外は相手にほとんど決定的な場面を作らせなかったですね。
「そうですね。自分が入った部分に関してはビルドアップを含めてもっとできる部分もありましたが、中盤を含めて流れ自体は悪くなかったと思います。あとはシュートの精度ですね」
――内容的には勝てた試合でしたが、勝ち切れなかった要因はどこにあるのでしょうか?
「やっぱり、気持ちの部分だと思います。サポーターも待ち望んでいるので、最初の良かった頃のロスタイムに逆転勝利したように、運も含めて勝てるように日頃の練習や生活からやっていきたいです」
――フィニッシュの精度の改善についてはどのように考えていますか?
「いかにボックス内に人数をかけるかという部分が大事になってきます。自分が誰を行かせて、誰を行かせないのか、という声をしっかりかけていくことが大事です。中に入る人数が増えれば、それだけ精度も上がりますし、最終ラインに余分に人を余らせずにしっかりと上げさせることをやっていきたいです。ウチは、高さのあるクロスよりもマイナスのボールが効果的なので、今日も何本かありましたが、あれを決められるようにしていきたいです」
【試合後選手コメント:DF 2 安西幸輝選手】
――今日は積極的に攻撃に絡んでいた印象ですが?
「決めるところを決められなかったことに悔いが残っていますし、今日はマッチアップする中村選手を意識していたので、サイドで押し込んだという部分に関しては良かったと思います。ただ、決めるべきところで決めないとダメです。結局も試合もドローだったので、勝ち点3を逃した印象です」
――後半にゴール前で迎えた決定機の場面を振り返ってください。
「思ったよりもボールが後ろに来たので、体勢を崩してしまいました。思いっきりシュートを打てれば良かったのですが、外してしまいました」
――決定機を演出できなかった直近の2戦に比べて今日はプラス要素のある試合だったのではないでしょうか?
「去年の冨樫監督の時もそういった試合は何度もあったので、そこを改善できないともっと上に行くこともできないので、そこを改善していきたいです」
【試合後選手コメント:DF 3 井林章選手】
――内容では勝っていただけに勝ち切れなかった印象でしょうか?
「そうですね。決定機もかなり作って、ほとんど自分たちのペースで試合を進めていました。それで結果が出なかったのは、詰めの甘さがあったのかなと思っています」
――守備面に関してはほとんど相手に決定的な場面を作らせませんでしたね。
「自分たちディフェンスラインというよりも前からのプレスがハマっていたからこその無失点なので、そこはチームとして戦い方を統一できたことが大きかったと思います」
――今日は相手に比べてコンディションで優位に立っていましたが、チームとして連戦を戦う準備ができていたのでしょうか?
「そうですね。監督はコンディションの良い選手を積極的に使おうとしているので、その中で個々の特長が上手く出ていました。特にFWの2人のプレスは生きていたので、それは良かったと思います」
――2戦連続田村選手とセンターバックでコンビを組みましたが、連係面はいかがですか?
「タムさん(田村選手)もセンターバックの動きや僕のプレーを分かっているので、特に声をかけることはないです。去年もポジションは違っても、一緒にやってきている仲なので、最低限のコミュニケーションで問題なくやれています」
――3戦未勝利で臨む次節の京都戦に向けてはどんなプランで臨みたいですか?
「今日と同じように入りを集中して結果にこだわってやっていきたいです」
【試合後選手コメント:MF 20 三竿健斗選手】
――楽しみにしていたパウリーニョ選手との対戦はいかがでしたか?
「やはり存在感がありましたし、球際の強さや対人の強さ、守備範囲の広さは凄いなと思って、自分もあんなふうになれたらと思っています」
――決定機が多かっただけに勝ち切りたい試合でしたね。
「あれだけ攻めてチャンスもあったので、本当に決め切るだけでした。正直なところ、決めてほしいという気持ちもありましたが、前からのプレスで後ろの選手は助かっていたので、前線の選手には感謝の気持ちしかないです」
――C大阪戦や磐田戦、今日の千葉戦とJ1昇格候補のチーム相手に問題なく戦えていた印象ですが?
「そういうチームの方が自分的にはやりやすいです。前から来てくれるぶん、やりやすいですね。この間の讃岐など引いてくるチームに比べて戦いやすいです。引いた相手に対して、しっかり崩し切れるのが本当に強いチームだと思いますし、そういった相手を崩せないのはまだまだ強いチームではないということです。他の攻守の切り替えや球際の部分で当たり前なところで勝っていれば、もっと上の順位に行けると思います」
――何試合かベンチを外れる試合もありましたが、そこから心境に変化はありましたか?
「まずは自分のやるべきことを出すということを念頭に入れています」
――守備では身体を張ったプレーが光りましたね。
「守備に関しては結構、やれることは多いなと感じていました」
――攻撃の場面ではミスなく繋ぐことを意識していたように見えましたが?
「そうですね。自分がボールを持つよりも他の人にボールを持ってもらって仕掛けてもらう方が、確率が高いと思い、シンプルに繋ぐことを意識していました。自分のところで時間を作って他の人に時間を使わせることを意識していました」
――終盤は相手の足が止まって高い位置でフリーでボールを持てる場面がありましたが、そこからの展開という部分はいかがでしたか?
「ゴール前での崩しのラストパスは合わせるべきところでミスをしてしまいました。そこは回数を重ねて通せるようになれば、相手の脅威になると思うので、そこを見られていたということはプラスに考えて、今後は通す精度を追求していきたいです」
――今後に向けてご自身が改善していきたい部分を教えてください。
「まずは自分の守備の部分で毎回同じレベルを保ちながら、その上で攻撃のパスやゲームメークを少しずつ改善していきたいです」
――次節の京都戦に向けて意気込みをお願いします。
「まずは球際や走り勝つという当たり前の部分で相手を上回っていきたいです。そうすれば、必ず勝てると思うので、そこを大事にやっていきたいです」
【試合後選手コメント:FW 7 杉本竜士選手】
――試合を振り返ってください。
「今日のような勝ち切れない試合もありますし、まだ多くの試合が残っているのですぐ来る次の試合に向けてやっていきたいです」
――平本選手と共に前からプレスをかけて守備を助けていた印象ですが?
「ただ、勝利に繋がったわけではないので、とにかく気持ちを切り替えて戦っていきたいです」
――サイドに流れてドリブル突破を仕掛けてチャンスを演出していましたね。
「結局、0-0で試合が終わってしまいました。サイドで受けて仕掛けても得点を獲ることができなければ、意味がないので次は得点を獲れるようにしっかりと準備をして臨みたいです」
【試合後監督コメント: 冨樫剛一監督】
――試合を振り返ってください。
「率直に勝ちたかったです。本当に良い雰囲気をサポーターが作ってくれましたし、選手たちも4連戦の中で最後の最後までゴールを目指し、ゴール前では身体を張ってくれました。もちろん、スカウティングもして選手たちとこういうふうに戦おうというところはありましたけど、それ以上にピンチの中を勝ちたい。あるいは戦うという気持ちで支配しようと思いゲームに臨みました。その通り、選手たちはやってくれましたが、最後勝たせることができなかったので悔しいです。ただ、自分たちが見せたプレーの質やもっとできるということをサポーターに示すことができたと思っています。次の連戦の最後となる京都戦に向けて良いコンディションと気持ちを整えて、身体と頭を全て戦えるような状態に準備をして、京都戦に向けて行きたいです。本当に選手とサポーターに感謝をするゲームでした」
――2連敗した後、この試合までは準備期間は少なかったですが、どのようなリカバリーを行ったのでしょうか?
「ほとんど練習はできていないので、心と身体のバランスをしっかり取るということ。また、連敗はしていましたが、自分たちがやらなければいけないことをしっかりとやることが、ゲームに勝つことに繋がる。そして、また今日のゲームではジェフ(千葉)という強い相手に対して、去年自分たちが勝ち点を獲得してきたところは何だろうと選手たちと話しました。その中で特に戦う気持ちや、一歩二歩をきっちり寄せる。また、相手がやめるまで自分たちが走り切るということをやっていくことで、ゴール前のシーンを作っていこうと話しました。その際に試合前の準備期間を利用してゲームに臨みました」
――最初の交代カードとして安田選手を投入した意図を教えてください。
「自分たちが相手のストロングであるパウリーニョ選手をいかに高い位置を取らせない。逆に彼を低い位置に持って行くのか、というところでボランチの脇や、特に今日は前に前にと縦への推進力を出し、セカンドボールを拾い、前向きなサイドハーフを作るという中で、南であったり、晃大、ブルーノのところでワンテンポ相手の予想の背後というか、守備の狙いの奥へパスを狙っていくということで、最初の交代で晃大をサイドハーフに入れ、中に入って前を向いてシュートを打てるように交代させました」