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MATCH試合情報

2015 明治安田生命J2リーグ 第3節 - 東京ヴェルディ vs 水戸ホーリーホック

マッチレポート

【試合展開】

前節、昇格組のツエーゲン金沢にセットプレーから3点を奪われてショッキングな敗戦を喫したヴェルディ。ホームに帰ってきた今節は、大幅にメンバーを入れ替えて臨んだ。U-22日本代表に合流して不在の安在和樹の代わりに福井諒司を左サイドバックで起用。センターバックにはコ・ギョンジュンを入れて井林章とコンビを組ませた。また、FWにブルーノを入れて、左サイドMFに今シーズン初スタメンとなる澤井直人を配置した。

序盤こそお互いに様子を見ながらプレーしてボールが落ち着かない展開が続いたが、徐々にヴェルディが高い位置でボールを保持して試合を動かしていく。ただ、連係ミスからのボールロストが目立ち、カウンターを受けてはまたボールをつないで組み立て直したかと思えば、高い位置でイージーにボールを失うという流れが続く。カウンターからシュートを5本打った相手に対して、ボールを保持しながらもフィニッシュが遠いヴェルディは3本に留まった。

ハーフタイム、冨樫監督は前半からの修正点として、チームとしてのストロングポイントを出し切ることを強調。強い口調で選手個々のストロングポイントを挙げて、個々がそれぞれの良さを引き出し合って、もっとアグレッシブにプレーするよう叱咤した。指揮官の指摘は的中した。

後半、水を得た魚のように躍動したのは、ヴェルディの選手だった。特にハーフタイムに檄を受けた安西幸輝は、持ち味の積極的な仕掛けを見せてスタンドを沸かせた。中盤でも細かいパスだけにこだわらず、ドリブルで運んだりサイドを大きく使って相手を揺さぶったり、多彩な組み立てで相手を押し込んだ。そして、躍動感を取り戻した安西の突破から得たコーナーキックのチャンスが先制点につながる。59分、右から中後雅喜が蹴ったコーナーキックが中央よりファーサイドに流れ、井林が相手よりも高い打点で合わせる。これがゴール左に転がり込んだ。先制後も攻撃の手を緩めないヴェルディは、5分後にもコーナーキックからコ・ギョンジュンがフリーで合わせるなど決定機を作った。守備を固める意思がないことは、交代策からも見て取れた。72分に平本一樹に代えて杉本竜士を投入すると、これが追加点につながった。84分、左サイドに開いてボールを受けた杉本が相手を引きつけて背後のスペースへとパス。これに反応した澤井が相手の追走を振り切ってペナルティエリアまでボールを運ぶ。相手がボールサイドに寄ってきた隙に、澤井はマイナス方向へクロスを上げ、敢えて入り込み過ぎずに待っていたブルーノがワンタッチで合わせた。試合終盤の追加点は相手の意気を削ぐには十分だった。その後もカウンターに対するケアを怠らず、守備陣はゴール前をしっかりと締めた。アディショナルタイムの4分を消化する寸前にコ・ギョンジュンが今日2枚目のイエローカードで退場した部分が難点だが、久しぶりの二桁得点で今季初の、そして昨年の5月11日以来となる味の素スタジアムでの勝利を手に入れた。

次節からは1週間で3試合をこなす過密日程に突入する。敵地でのV・ファーレン長崎戦、ホームでのギラヴァンツ北九州戦、敵地でのコンサドーレ札幌戦の3連戦で勢いに乗りたい。

 

 

 

【試合後選手コメント:DF 3 井林章選手】

――今季初勝利の感想を聞かせてください。

「まずは勝ちを取れたことはとても大きなことですし、去年は苦しい思いもしてなかなかホームで勝つことができませんでした。それを考えれば、去年よりも進歩していると感じています」

――勝ち点3がない中でのゲームでしたが、どんな気持ちで臨みましたか?

「毎週試合が続くので、モチベーションを変えずに練習でやってきたことを出せるようにいつも通りに臨みました。それが結果に繋がって良かったです」

――ここまでの3試合の印象はいかがですか?

「決して悲観する内容ではなかったと思っています。前節も0-3という結果でしたが、崩れた内容ではなかったと思っています。むしろ自分たちが支配している試合だと思っています。ああいう形(セットプレー)からの失点でしたが、チーム全体で切り替えようということは話していました。練習からの取り組みが実ったのが、今週の試合だったのかと思っています」

――味の素スタジアムでの勝利は本当に久々ですが、どんな印象ですか?

「サポーターが特に多くいるので、そういう人たちの前で喜びを分かち合ったり、ラインダンスを一緒にできるのは、チームとサポーターの間に一体感が出てくる価値のある1勝だと思っています。そこは本当に良かったと思います」

――先制ゴールの場面を振り返ってください。

「周りの動きが活発だったので、良いボールが来たので合わせるだけでした。本当に“ごちそうさまです”。あの場面は本当に中後さんのボールが素晴らしかったので、合わせるだけでした」

――身体能力の高さが出たゴールでもありましたね。

「自分の持ち味がヘディングなので、去年は貢献できなかったですし、今年はもっと貢献したいです」

――リーグ戦では約2年ぶりとなるゴールです。そして、フィギュアももらえますね。

「そうですね。今日はアニ×サカということで、こういう試合を開催して頂いた中、ゴールを決めさせて頂いて本当に良かったです」

――今日の試合であえて課題を上げるとすれば、どの部分でしょうか?

「今日はディフェンスラインの4人のうち、3人がカードをもらってしまい、結果的にジュン(コ・ギョンジュン)が退場してしまいました。試合運びやプレーの選択という部分は、もっと突き詰めていかないとダメです。シーズンの長い中で退場してチームを不利にしたり、出場停止で次節出られなくなってメンバー変更を余儀なくされるというようなことは、できるだけ減らしていかなければなりません。特にディフェンスラインは意識してやっていくべきだと思います」

――次節以降の試合への意気込みをお願いします。

「ずっと試合は続くので、まずは目の前の試合をしっかりと勝つことが大事なので、遠い目で見ずに一戦一戦を大事にしていきたいです」

――最後にサポーターの方々にメッセージをお願いします。

「今日は本当に応援ありがとうございました。これからまた長いシーズンが続いていきます。みなさん、共に頑張っていきましょう」

 

 

【試合後選手コメント:DF 37 コ・ギョンジュン選手】

――初出場の感想をお願いします。

「チームが勝ったということはうれしいのですが、最後に退場してしまったので、そこは個人的に悔いが残る部分です」

――持ち味である空中戦の強さを見せられたのではないでしょうか?

「初めての出場だったので、少しタイミングが合わせづらい部分もありましたが、徐々に慣れていったという感じでした」

――井林選手との連係はいかがでしたか?

「試合中のコミュニケーションの面は全く問題ないです。英語と日本語を交えてコミュニケーションを取っています」

――今日の試合を通じてプレーの面で課題はどんな部分ですか?

「初めての試合という部分もあって、自分の持ち味であるリスクを冒すパスなどをあまり出せなかったです。あとは、後ろからチーム全体をコントロールすることができず、そこは悔いが残っています」

――初めてのJリーグでのプレーですが、試合のリズムやテンポへの適応はどうですか

「練習試合にも出場していましたが、開幕2試合をベンチから見ていて雰囲気やリズムをある程度体感して、個人的にはやれるという感触を持っていました。これからもっと身体を作ってリズムにも慣れていけば、問題なくやれると思います」

――しばらく公式戦から遠ざかっていましたが、試合勘の部分はいかがですか?

「常に身体を作っていたのでコンディション的には問題なかったです。ただ、試合勘という部分では足りない部分もあったので、徐々に上げていきたいです。今日に関しては退場してしまったのが、本当に残念でした」

 

 

【試合後選手コメント:MF 14 澤井直人選手】

――今季初出場の感想をお願いします。

「自分の中で今日が開幕という気持ちでやっていました。ただ、まずはチームの結果という部分が一番大事だと思っていたので、勝つことができてホッとしています」

――前半と後半で全く違う印象のゲームになりましたが、ご自身はどんなふうに感じましたか?

「なかなか前半は自分たちの攻撃の形を作ることができず、ハーフタイムにカズキさん(平本)や南君、ブルーノと相談して後半頭は前から積極的に行こうと話していました。積極的に前を向いて横パスではなく、ドリブルで仕掛けていこうと話していたので、それが後半の2点に繋がったと思っています」

――出場機会がない中、ご自身としてはどんなことを考えていましたか?

「メンバーに入れないということは絶対に自分自身に問題があると思っていました。監督が求めていることや自分がやるべきことができていなくて、それでメンバーを外されていたと思っています。去年もそういう時期が長かったので、自分の中で気持ちを整理するということは慣れている部分もあります。だから、うまく気持ちを整理して開幕2試合を外から見ていました」

――1列下の福井選手との縦関係を築く上でどういうことを話していましたか?

「リョウジ君(福井)も今日が今季初出場だったので、昨日から一緒に頑張ろうと話していました。特にリョウジ君は苦しい時期が続いていたので、今日は自分を含めて気持ちを出せたことは良かったと思います」

――ハーフタイムに冨樫監督から激しい檄が飛んだようですね?

「そうですね。ユース時代も自分たちが悪いプレーをした時に、チームの気持ちを引き締めてくれていました。本当は選手が自分たちで気が付かなければならないのですが…」

――その場面で個人的に指示を受けたことはありますか?

「横パスが多いので、もっと自分のストロングを出すためにどうすればいいのかということを言われました。自分の持ち味は縦への推進力や前の味方にパスをつけて飛び出していくことなので、そこをもっと意識してプレーするようにアドバイスをもらいました」

――後半に関してはチームとして縦へのアグレッシブさが出ていましたね。

「そうですね。前半は横パスが多くて、相手のプレッシャーも厳しいわけではなかったのですが、前を向けるタイミングでミスをしてしまったりするのが多かったです。後半に関してはその部分を改善してチームとして前を向くという意識を統一しました」

――前半それができなかった原因はどこにあると考えていますか?

「新しいメンバーが多かったというよりも選手間の問題だと思います。意識ひとつで変わることなので、次の試合からは今日の前半のような意識でやってはいけないと思っています」

 

 

【試合後選手コメント:DF 2 安西幸輝選手】

――ハーフタイムに冨樫監督から強い檄を受けたそうですが、具体的にはどんな指示がありましたか?

「まずは“自分の特長は何なのか”と聞かれたので、ドリブルとスピードだと答えました。それに対して、“今日はそういったプレーを何回出したのか”と聞かれました。前半に関してはボールを触る機会も少なかったので、“全然出せませんでした”と言いました。その時に“お前がチームのストロングだからもっと強い意識を持ってプレーしろ”ということを強く言われました。結果的に後半は縦に意識が向くようになったので、良かったです」

――1列前の南選手との連係はいかがでしたか

「前半は距離感的には悪くなかったのですが、ボールを繋ぐというよりも蹴り合う展開だったので、南君の良さもあまり出ていなかった印象です。僕自身もオーバーラップに行くタイミングもなかったです。だから、前半はゼロで終わることを最優先に戦っていました。本当はもっと早い時間帯に修正したかったのですが……。今日は初めて同サイドで縦関係を組んだので、次はもっとうまくやれればと思っています」

――後半半ばにはブルーノ・コウチーニョ選手のスルーパスからサイド深くをえぐる場面もありましたが、前半では難しいプレーでしたか?

「そうですね。後半に入って相手の陣形が間延びしてきて、ブルーノ自体も前半はあまりボールに触ることができなかったので……。ただ、後半はスペースもできていたので、その部分でうまくいきました。ブルーノにはいつも自分がオーバーラップしたらパスを出してほしいと伝えているので、ただもう少し弱いボールで良かったのですが。(笑)」

――冨樫監督から自分がチームのストロングポイントだと言われたことについてはどんな感想ですか?

「うれしいというよりは責任を感じますし、自分のところからという部分をもっと意識していきたいです。今年は数字にもこだわっているので、早くゴールやアシストに絡んでいきたいです」

 

 

【試合後選手コメント:MF 10 ブルーノ・コウチーニョ選手】

――今日の試合を振り返ってください。

「まずは勝利を得られたことがとてもうれしいです。試合に関しては2つに分けることができると思います。まず前半は相手のマークとプレッシャーが厳しくうまくいかなかったのですが、後半は相手のプレッシャーも弱まって違った試合展開になりました」

――出場3試合目で初ゴールを決めましたが、その感想をお願いします。

「自分のゴールリストの中に入ってくる素晴らしいゴールではなかったですが、勝利に繋がるゴールだったということがとても重要だと思っています。この勝利で次の1週間をもう少し楽な気持ちで練習できると思います」

――ゴールシーンでは澤井選手が左サイドをえぐった際にボックス中央でマイ ナスの動き出しを見せていましたね。

「そうですね。FWの選手というのはゴール前にいることが当然ですが、相手もいるので少し引いてフリーでボールを受けようとしました。澤井が素晴らしいボールをくれたので、あのような形が生まれたと思います」

――ご自身の追加点がチームの今季初勝利に繋がる重要なゴールになった点について感想をお願いします。

「そうですね。さっきも言いましたが、この勝利でリラックスした気持ちで来週からの練習に臨めると思います。そして、すごく大事なのはホームで勝てたということです。ホーム2戦目でしたが、ホームでは勝つ必要がありますし、ホームで負けは許されないです。そこで勝利できたことが本当に良かったです」

――サポーターの方々に向けて メッセージをお願いします。

「サポーターのみなさんにはいつも応援して頂いて本当に感謝しています。また、良い内容の時もあまり良くない内容の時もホームで勝ち点を取ることが大事だと思います。いつでも自分たちはチームの勝利のために全力を尽くしているので、サポーターのみなさんもグラウンドに足を運んで一緒に戦ってくれるとうれしいなと思います。今日は本当にありがとうございました」

 

 

【試合後選手コメント:MF 45 永井秀樹選手】

――今季初出場ですが、気分的にはやっと出られたという感じでしょうか?

「そうですね。開幕戦もアウェイの試合も出たかったですし、現役選手であれば、ピッチ上で自分のパフォーマンスを披露したいと思うのは、サッカーを始めた当時から全く変わっていません。そのために日々の練習から努力していくというのが、自分たちプロとしての基本ですし、そういう意味では今日やっと出られたことは、まず第1ステップになったと思っています」

――味の素スタジアムで久々の勝利ですが、感想を聞かせてください。

「この味スタというのは、FC東京と対戦したこけらおとしだとか、あの時はスタンドも満員でそういった思い出もあります。そういう意味ではどんどんこのホームで勝っていって、良いサッカーを見せてお客さんが本当に喜んでもらえるようなことをしていかなければ、ならないと感じています」

――第3節を終えたばかりですが、今後のチームとご自身の意気込みを聞かせてください

「内容的には今日も前半はあまり良くなかったですし、質の追求やその中で勝ち点を取って行く。その両方を両立していきたいです。若い選手たちは本当に可能性に溢れていますし、ヴェルディの選手たちは非常に良いものを持っています。そういう意味でも質の追求をしっかりとやっていければ、もっと良いチームになれると思います。自分自身もそういったことを確信していますし、ヴェルディが本当に復活するために質の追求を続けていきたいです」

 

 

 

【試合後監督コメント: 冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「本当に味スタでなかなか勝つことができていなくて、また得点もなかなか見せてあげることができていなかったので、まずそこをサポーターのみなさんに見せることができたのが良かったと思っています。前半は0-0で自分たちがいけたということが大きかったですし、もっとうちの選手たちはプレーができるはずですし、もっとプレッシャーを感じないで前を向いてプレーすることができると思っていたので、ハーフタイムにそのへんのことを少し話して後半に入りました。得点の部分もコーナーキックを獲得したプレーはサイドバックが高い位置を取ってコンビネーションで入っていった部分がコーナーキックに繋がって得点になりました。ブルーノの得点も自分たちがペナルティエ リアの中に侵入していくというところで、プレーができたのでああいうゴールが生まれたと思います。まだまだ足りないことが多く、もっともっと良いゲームが自分たちはできるはずですし、そこに関して自分の中では欲が残っていますし、次のゲームはもっと良いゲームになるように努力していきたいと思っています」

――今季初出場の選手を3選手起用しましたが、その意図を教えてください。

「安在和樹が代表でいなくなることは、ずいぶん前に分かっていましたし、その間に1ゲームを挟んで自分が考える時間もあったので、福井諒司に関してはこの左のサイドバックの位置で彼がどんなプレーをするのか、ということはよく分かっていましたし、彼に対する信頼も変わらないです。ただ、少し他の選手を試しながら自分たちがストロングをどう出せるのか、と考えた中でベストな組み合わせを考えてきました。次に前節を踏まえた上で、やはり制空権を握ってファーストボールで跳ね返すということが大事だと考えたところで、センターバックを調子の良いコ・ギョンジュンに変えました。また、相手がファーストボールに対してセカンドボールを拾いに2列目からモビリティを持って入ってくる選手に対して、今度は自分たちがどのようにやっていくかと考えた時に、サイドハーフに去年しっかりと経験を積んできた澤井が初出場でしたが、このぐらいはできると思って起用しました。そして、自分たちが良い形でボールを奪って、次に攻撃に転じるというところで南を右サイドに持って行って、安西幸輝とのコンビネーション、ないし澤井のボールを奪ってからの前に行く推進力という点で彼を左サイドに置いて、自分たちが攻撃できるようにと考えて彼らを使いました。ギョンジュンは退場してしまい残念でしたが、3人とも自分たちの役割と特長を出して戦ってくれました」

――今日の試合でゴールを奪う上で最終的な後押しとなったのはどんなところだと考えていますか?

「試合前に彼らと話したのは、自分たちはチャンスメークの部分はできている。ただ、チャンスメークの部分で難しいことをやってしまい、最後のところで合わないという部分がありました。チャンスメークは何のためにするのか、と考えた時にゴールを奪うため、シュートを打つためという部分なので、自分たちがゴールを奪うためにどうするかと考えた時にクロスに対して、パワーを持ってニアに飛び込んで行く。そういった局面で身体半分前に入れられるか、あるいは前を向いてコースが見えたときに責任を持ってシュートを打っていくことが大事です。練習では良いシュートを持っているのですが、ゲームで打ち切れていないのであれば、もっと打っていくべきですし、トレーニングでやれている ことをちゃんとゲームで出していこうと、彼らには話していましたし、今日はしっかりとトライしてくれたと思っています」

――ハーフタイムのコメントでもっと味方のストロングポイントを引き出し合おうとおっしゃっていましたが、もっと具体的に教えてください。

「ハーフタイムのコメントは非常にオブラートに包んでもらっていると思います(笑)。 すごく言いづらいのですが、かなりすごい口調でしゃべりました。だから、自分たちがそこでサイドバックの安西は何が得意なのかと考えた時に、彼の運動量や積極性がストロングポイントである。平本の場合は何なのか、ブルーノだったら何なのかと、一人ずつ名前を挙げて彼らの特長ともっとやれるということをちょっと強い口調で話しました。具体的には彼らのストロングポイントについて、はっきりとハーフタイムに言いました。きっと広報の方がオブラートに包んでくれたのだと思います(笑)」

――今日結果を出した井林選手は高校サッカーと大学を経てヴェルディに加入しました。その点で下部組織出身者の多いチームでは異質な存在だと言えます。そんな井林選手をキャプテンに指名した理由を教えてください。

「もちろん、自分はここで育って選手としてもやらせてもらって、指導者として戻してもらったので、ここに対する思いは人一倍強いと思います。また、自分と共に成長してきたユース出身の選手がトップにいるので、そういった選手は自分にとっても大きな存在です。ただ、ヴェルディを良い方向に導くには外からヴェルディに対して強い気持ちを持った選手が必要だと思っていますし、彼はしっかりとしているからキャプテンに任命したわけではないです。まだまだという部分もありますが、彼がセンターバックとしてリーダーシップを執っていくことがこれからのヴェルディにとって必然的に繋がると思いますし、そこに対して平本一樹と田村直也を副キャプテンにしたこと。また、経験のある中後や柴崎、佐藤優也といった選手がフォローしてくれるという自分の考えと、自分たちがディフェンスのところでリーダーを育てていきたいというところで井林にキャプテンを託しました」

――ハーフタイムにかなり選手たちに檄を飛ばしたようですが、その部分で最も大事な部分はどこでしょうか?

「自分はやはり前半の戦い方でいえば、もちろん90分間をマネジメントしますが、前半は0-0で終えたいと考えていました。先に失点してしまうのは自分たちが苦しくなってしまう要因だと思っていました。そこで戦術的に彼らのどこにボールを持たせて、どういうボールに対してセカンドボールを回収していくという具体的な部分でいえば、自分たちはプラン通りにできたと思っています。ただ、自分たちが持っている攻撃の部分では、先制点を獲るという上では、前半を1―0で終えられれば、もっと自分たちにとって最高のプランになると思っていました。水戸さんのプレッシャーに対して、自分たちは速いドリブルではなく、もっとゆっくりとしたドリブルでスペースに侵入してスペースを使うことが、もっとできたと思いますし、なぜかパスからスタートするなど、人に預ける場面が目立ちました。その部分に関して自分は納得がいっていませんでした。やれるプレーができていないことに関して、自分の中ではもっとできるのではないかと思い、強い口調で話をしました。だから、怒っていたというよりももっとできるだろうというところで、彼らにもっと積極的にやっていい。その責任は自分にあるのだからということを伝えました。もちろん、ピッチに立つ責任やピッチ上でのプレーに関しては、自分は何もできないので、そこはプロフェッショナルとしてやってほしいと、少し強い口調で言わせてもらいました」

 

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