MATCH試合情報
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【試合展開】
冨樫体制2戦目を迎えたヴェルディ。敵地での一戦となるが、初勝利を手にして猛追するカマタマーレ讃岐にプレッシャーを与えたいところ。前節からの顔ぶれの変化は、ボランチに出場停止明けのニウドを入れ、FWには平本一樹をスタメンで起用した。
立ち上がりから縦に力強い攻撃を繰り出してきたのはアビスパ福岡だった。両ワイドMFをスペースへ走らせて、ロングボールを多用してヴェルディを押し込んでくる。中盤の枚数が多い相手に対して、ミスマッチの状態で対応するため澤井直人が最終ラインに吸収され、後手に回った展開を強いられる。後方の厚みが増した分、マイボールになった後に攻撃にかける枚数が少なくフォローアップにも時間が掛かり、前半は攻撃も単発に終わった。それでも、31分にサイドを起点に崩して常盤聡がゴール前にフリーで抜け出したり、38分にはコーナーキックからニウドが惜しいボレーシュートを放った。
後半、冨樫監督は守備のマッチングを調整し、攻撃のポイントを整理。ゴールという目的から逆算して、チーム全体のやるべきことを具体的に絞って選手に伝えた。後半の序盤こそ福岡の変わらぬ圧力に押し込まれる場面が続いたが、破損したゴールネットの修復の間に常盤に代えて田村直也を投入し、3ボランチ気味のシステムに変更すると流れが変わる。逆にサイドのスペースを活用して相手を押し込む場面が増え、61分に杉本竜士が、62分には中後雅喜が立て続けに決定機を迎える。惜しくも枠を捉え切れなかったが、確かにリズムはヴェルディに傾いた。そして88分、左サイドでボールを持った平本がボックス内で仕掛けてクロスボールを入れると、中盤から飛び込んだ中後がダイアゴナルに走り込んでフリーで頭で合わせてゴールネットを揺らす。その後は、パワープレーで押し込んでくる相手を冷静にシャットアウト。球際での強さ、カバーリングなどで相手を上回り、ゴールネット修復もあって10分もあったアディショナルタイムも不安なく試合を進めた。冨樫体制初勝利は、8月17日の水戸ホーリーホック戦以来実に6試合ぶりとなる勝利となった。
【試合後監督コメント:冨樫剛一監督】
――試合を振り返ってください。
「今日のゲームは、選手たちの90分間戦う気持ちが前面に出ていて、ヴェルディとしてのプライドを持って必死に戦ってくれた結果だと思います。この1勝は大きいと思います。ただ、この1勝を次の試合につなげていくためにも、しっかりとトレーニングして、次の準備に臨みたいと思います」
――中後選手がボランチの位置で運動量豊富にプレーして、さらにゴール前までランニングしてゴールを決めました。監督からご覧になった中後選手の評価を教えてください。
「中後に関しては信頼もしていますし、あれくらいやれるとは思っていますが、あの時間帯に、走って、点を取って、また戻ってきてボールを散らすという作業を続けることは並大抵のことではなく、あらためていい選手だと思いました」
――まだ厳しい試合が続くと思いますが、どのような所を大事にして乗り切りたいとお考えでしょうか?
「たとえば佐藤優也であったり、センターバックの井林、ジョンピル、また、中後、平本と、縦のラインがしっかりとした中で、若手が躍動感あるサッカーをすることが自分たちのストロングポイントだと強く思っています。ですから、今日のように全体的に気持ちのあるゲームというのをベースにして、より精度の高い、自分たちが主体でゲームをやっていけるように、またトレーニングを積んでいければと思います」