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2014 Jリーグ ディビジョン2 第6節 - カターレ富山 vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

開幕から5試合未勝利のヴェルディ。4月に入って心機一転、今シーズン初勝利を目指して、敵地に乗り込んでカターレ富山との一戦に臨んだ。前節から大幅にスタメンを入れ替えたヴェルディは、今シーズン初の試合メンバー入りした井林章をCBに、今シーズン初スタメンの鈴木惇をボランチに、金鐘必を左サイドバックに置き、安在和樹を左MFに配置した。

序盤から鋭い出足でボールサイドに寄せてペースを握ったのはヴェルディだった。まだミスが多く、マイボールを簡単に失う場面が目立つが、守備への切り替えが早く、すぐに奪い返いして攻撃につなげた。特にワイドに最終ラインで相手を揺さぶり、ボランチやサイドMFがサポートに入って少ないタッチでボールを動かして狭い局面を打開。そこにFWが絡んでスペースを突いてチャンスを作った。カウンターから逆襲を食らう場面もあったが、徐々に試合を支配していくと、41分に試合が動く。コーナーキックのこぼれ球を拾ったヴェルディは、右サイドで開いてボールを受けた前田直輝がドリブルで中央に切れ込んでマークを1枚剥がして思い切りの良いミドルシュート。これがポストに当たりながらゴールに吸い込まれ、ヴェルディが待望の先制点を挙げた。一気に畳み掛けたいヴェルディの選手たちの気持ちは、そのままプレーの姿勢に表れた。リスタートのボールもすぐに奪って前掛かりになって攻め込む。2分後の43分、左サイドの安在がアーリークロスを供給し、中央の平本一樹が頭で右サイド方向へボールを落とす。またもや走り込んだ前田が左足を振り抜くと、これもポストの内側に当たってゴールイン。大きな追加点を奪って前半を終えた。

リードをさらに広げるべく、後半のリスタートから前に出たヴェルディ。反撃に出たい富山が前に出てきたところを利用し、富山陣内のスペースへ早めにボールを流し込んでFWを走らせ、相手の体力を奪っていく。55分には、相手の背後をとった平本がドリブルでペナルティエリアに侵入。プレスバックするDFと間合いを詰めるGKをかわしながらドリブルを続け、角度のないところからボールをゴールに向かって蹴り出すと、これがゴールカバーに入った相手に当たってゴールイン。喉から手が出るほど欲しかった3点目を手に入れた。早い段階でパワープレーに出てきた富山に対して、ヴェルディは変わらぬサッカーでじわじわと前に出続け、セカンドボールもことごとく拾って分厚い攻撃を仕掛けた。4点目こそ奪えなかったが、これまでの5試合では見られなかった試合をコントロールする局面もあり、前節の大敗から立ち直った姿を見せた。

試合はこのまま3-0で勝利。今シーズン初勝利は、崩壊気味だった守備も立ち直ってクリーンシートで終える最良の形となった。次節、聖地・国立競技場で迎えるファジアーノ岡山戦では、連勝とホーム初勝利を目指す。

 

 

 

【試合後監督コメント:三浦泰年監督】

――試合を振り返ってください。

「富山に乗り込むにあたり、非常に難しい試合になると思っていました。スコアは3-0にはなりましたが、非常に紙一重の試合でした。勝負のあやとしては、前半に思い切ったミドルシュートがポストに当たって内側にはねて得点になったところです。これまでの5試合であまりツキに恵まれず、今までならポストに当たって外側に弾かれていたものが、今回は思い切ったシュートがゴールに転がって我々にツキを運んできてくれました。後半は、次の1点が重要だった。ホームの富山に与えてしまうと、ビハインドを追いかける相手を勢いにのせてしまう。そこで後半の立ち上がり10分以内に追加点を取れたことで試合を有利に進めることができて、自分たちのサッカーをスムーズに表現できました。ここまでは非常に苦しみましたが、これでやっとスタートが切れました。遠くアウェイまで何度も何度も足を運んでくれたサポーター、関係者のみなさんの力があって勝利することができたんだと思います。開幕から長い期間が経ち、月が変わらなければ勝利を挙げられなかったことを申し訳なく思います。富山は非常にアグレッシブなチームで、我々も怖さを感じながらプレーしていました。ともにここから上位を狙っていけるように、互いに頑張っていけたらと思います」

――若手の躍動感もさることながら、ベテランの平本選手の存在感が光っていました。

 「おっしゃる通りだと思います。彼には存在感という言葉がぴったりです。平本はいつも、若い子たちを生かしてあげたい、点を取らしてあげたいとコメントしています。私はむしろ、彼にこそ点をとってもらいたいと言ってきました。若い選手が彼の背中を見ることで、得点すること以外の存在感であったり、チームの雰囲気を作る部分であったり、多くを学ぶことができると思うんです。彼が大事な追加点を取ったことは大きいと思います。FWはシーズン初得点を挙げて、ようやく落ち着いてプレーできるところがあります。(高木)大輔、常盤、平本が今シーズンはもう点を取ったので、今度は菅嶋や南らがチャンスをつかんだ時に、ハングリーに得点を狙ってほしいですね。平本はヴェルディの育成出身の選手で、他の数チームを経てまたヴェルディに戻ってきた。(育成出身の若手が多い)こういう体制になった中で、彼のような選手もしっかりトレーニングし、プレーしていることをぜひまわりの人に知ってもらいたいと思います」

――鈴木選手、井林選手が今季初先発しました。何を期待しての起用でしたか?

「まず、3月は勝てなかったということです。我々は何かを変えなければならない状況にありました。富山さんも同じだったと思います。昨季に主力として経験を積んで、実績のある2人を入れることで、チームに落ち着きなどメンタル的なプラスアルファが生れると考えました。2人はプレーでも持ち味を生かしてくれた。鈴木ならダイナミックな展開力、井林は高さと堅い守備で貢献してくれました。若い選手のアグレッシブさ、クリエイティブさとベテランの武器が融合したとはまだまだ言えませんが、チームが少しつかんだものがあると思います」

 

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