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MATCH試合情報

2020 明治安田生命J2リーグ 第20節 - レノファ山口FC vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

今シーズン3度目の5連戦のスタート。前節、最下位のザスパクサツ群馬に敗れたヴェルディは、仕切り直しで敵地に乗り込みレノファ山口FCと対戦した。

 

1週間のインターバルが明け再び5連戦に臨むにあたり、ヴェルディはスタメンに手を加えてきた。センターバックには高橋祥平に代えて近藤直也を起用し、フロントボランチは佐藤優平の相棒に井出遥也をチョイスした。右ワイドストライカーには山下諒也をスタメン起用。小池純輝を切り札としてベンチに残した。

 

最初のチャンスは相手に作られる。7分、カウンターを受けてゴール前まで侵入されるが、シュートはマテウスがファインセーブ。直後の8分には逆にショートカウンターでチャンスを作る。左サイドでボールを持った井上潮音が右サイドへ流すと、山下がクロスを上げるような素振りから切り替えてミドルシュートを放つが、虚を突かれた相手GKが反応した手の先を抜けたもののわずかにゴール右へと逸れた。その後は高い位置で連係ミスからボールロストするシーンが目立ち、なかなか効果的な攻撃を仕掛けることができない。自分たちが思い描くボールの動かし方がなかなかできない中で、前半の終了間際にチャンスを創出する。45+5分、左サイドでボールを持った大久保嘉人が井上をクッションにしてペナルティエリアを横断するようにボールを持ち出してシュートを打つが、ゴール左隅を突いたボールは相手GKの好守に阻まれて試合を折り返した。

 

後半に入って井出に代えて小池を投入すると、左ワイドストライカーにスイッチした山下とともに両翼を使って相手ゴールへと迫る。55分には右サイドで若狭大志が相手を釣り出して小池を前向きに走らせると、ゴール前に飛び込んだ大久保を囮にして、背後に入ってきた井上へクロスを供給。井上のワンタッチシュートは相手GKに止められたが、前半に比べて有機的にチームが機能してゴールまで迫った。しかし、今日は良い流れを維持することができない。64分、カウンターを受けて右サイド深く侵入されると、ファーサイドへのクロスボールが通り、フリーでシュートをゴール右隅に流し込まれて先制を許す。このタイミングで大久保に代えて山本理仁を投入して打開を図るが、流れを変えることができない。67分、相手のセットプレーでショートパスを選択されるとボールウォッチャーになり、ニアに鋭いアーリークロスを入れられて抜け出される。相手のシュートは若狭が足を延ばしてブロックしたが、マテウスはシュートコースを読んで反応しており、コースが変わったボールはゴールに流れ込んだ。

 

2点のビハインド。ヘッドダウンせずに前に出たヴェルディは75分、左サイドで山下と福村のワンツーから、福村が絶妙なループパスを相手最終ラインの背後に落とすと、山下が抜け出してGKの出端でループシュートを打つが、これはゴールの右へと逸れた。終盤に入って攻勢を強めるため、78分に若狭に代えてクレビーニョを、藤田譲瑠チマに代えて森田晃樹を投入する。森田がボールを受けて散らし、丁寧に攻撃を再構成すると82分に一撃を加える。山本が左サイドのスペースへ流し込んだボールに山下が抜け出すと、ワンタッチでゴール前へクロスを送る。相手DFに当たってコースが変わったボールがGKを抜けてゴール前にこぼれると、飛び込んできた小池がプッシュして1点を返す。攻勢を強めるヴェルディ。44分にはこの日最大のチャンスを作る。終盤に投入された松橋優安が左サイドでボールを受けると、森田をクッションにしてゴールに向かってドリブルで仕掛ける。相手DFを引き付けた松橋は左サイドのスペースに飛び込む森田にリターンをつける。ペナルティエリア内ゴール左手前まで侵入すると、森田は中央へ折り返しのクロス。これが相手DFの手に当たり、最終盤でPKを獲得する。ボールをセットしたのはクレビーニョ。独特の助走から相手GKのタイミングを外すようにゴール左を狙ったが、焦れずに合わせて相手GKに読まれてキャッチされて万事休す。試合終了間際には判定を巡って井上が2枚目の警告で退場になるなど厳しい一戦となった。

 

2試合続けて最下位のチームを相手に勝ち点を奪われた。どちらもPKのチャンスがあっただけに、悔やむに悔やみきれない部分もある。まずは、自分たちのスタイルを研究してくる相手に対して、『相手と相談しながらサッカーをする』という大原則を忘れず、クレバーに状況を判断して、ボールと相手を動かしながら試合を支配する力を取り戻したい。中3日ですぐに訪れる次の前半戦最終戦も敵地での戦いとなるが、後半戦に反攻を仕掛けていくためにも必勝の態勢を整える。

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監督コメント

永井 秀樹 監督

試合を振り返ってください。
相手の山口さんが4バックなのか、5バックなのかという中で両方のプランを持ちながら、我々はゲームに入りました。4バックでしたが、我々のプラン通りに7割ぐらいは進んだと思いますが、もう少し相手を見ながら、どこにスペースができて、どこを使って攻撃すべきか、という部分がもう少し見られると、前半からもっとやれたという反省点があります。そんな中でも後半も選手たちは本当によくやってくれましたし、我々がやりたいサッカーを90分間貫いていく中でよくやってくれたと思います。最後のところは我々が突き詰めていく変わらない課題ですが、最後のところの精度、そこに入るまでのきちんとしたモーメント。そのちょっとしたずれが生じていました。そのへんは時間があまりないですが、きちんと次に向けて修正して改善していきたいと思います。それでも、選手たちは90分を通してよくやってくれました。さらに、我々のサッカーを高めていき、もっと長い時間やれるように、また選手たちと努力していきたいです。

パスの起点となる藤田選手を相手の守備が徹底的に消しにきたことが、前半にリズムが出なかった原因だと考えていますが、そこに関する考えを聞かせてください。
そこは想定内と言いますか、ある意味プラン通りだったと言えます。相手のラインの越え方のところは、もう少しスムーズにできたのではないかと思います。それよりもきちんと背後を見られなかったことが問題だと捉えています。

好調時に比べて守備の切り替えの強度や精度が落ちている印象がありますが。
すべてがダメだったわけではないですが、ちょっとしたファーストディフェンダーの行くタイミングやパスコースの切り方、ラインコントロールなど、少しずつ問題がありました。そこのところはもう一度、修正していきたいと思います。

2試合連続のPK失敗となりましたが、蹴りたい選手に任せるという現行のキッカー設定は今後も継続していくつもりでしょうか?
そうですね。基本的にPKというものは、個人的に蹴る勇気を持っている人間がすべてだと思っています。今のところ、当面はやり方、方針を変えるつもりはありません。

井上選手の最後の退場はレフェリーに対する異議によるものだったのでしょうか?
まだ確認はできていませんが、そうだと思います。

守備に関する話の続きになりますが、中盤でのボール奪取の回数がここ最近減っているように見えますが。
中盤のセカンドラインの選手だけが悪いわけではなく、やはりきちんと我々のプラン通りにファーストディフェンダーが行くタイミング。そして、パスラインディフェンスのところが、一番修正の必要性を感じています。そして、守備の2番目、3番目のところの意識を、もう少し高めていくと言いますか、元に戻すというところは改善が必要だと思います。

とりわけ、ファーストディフェンスで外されてしまう場面が目立っていましたが、そこも改善が必要だとお考えでしょうか。
そのへんの修正はもちろん、しなければならないです。ただ、すべてが失敗したわけではないので、良かったところは継続し、タイミングと呼吸をもう一度合わせることが大事だと思います。みんなのボールを奪う場所、タイミング、狙いをもう一度きちんと確認していきたいです。

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選手コメント

FW48山下 諒也

2試合ぶりの先発となった中でどんな意識で試合に入りましたか?
自分の特長を最大限に生かそうと考えていました。あとは自分が与えられた時間の中で監督が求める仕事を最大限プレーで表現しようということを意識しました。

対山口という部分でのご自身の狙いを聞かせてください。
相手のサイドバックが高い位置に来るぶん、自分たちがボールを取った際に必ずそこのスペースが空くという話だったので、そこを狙い続けるということ。常に最終ラインの背後を狙い続けるということは、個人として常に意識してプレーしていました。

試合を振り返ってください。
自分たちの悪い流れの時間帯に失点してしまうと、やっぱり難しい試合になってしまうという印象です。自分たちが常にゲームを支配して、相手にボールを握らせないぐらいのサッカーをしていかないとダメですし、もっと自分たちのサッカーを追求していく必要性を感じています。

後半から左のワイドストライカーに移りましたが、アシストを記録した終盤の時間帯まで背後への抜け出しなど、効果的に攻撃に絡めなかった印象がありますが。
そこは相手も警戒している部分なので、個人としてもっと意識してプレーしなければいけなかったという反省があります。もう少し、自分が相手の背後を狙っていくシーンを作らなければいけなかったと思っています。相手にケアされていても動きの質やタイミングの部分で周囲と噛み合わせていきながら、もっと追求していきたいです。

アシストの場面は理想的なイメージでしたか?
そうですね。普段の練習からチーム全体で共有できている部分があそこでは出たと思うので、そこは非常に良かったと思います。

遠めの味方を使うなど、これまでに視野が広がった印象がありますが、その手応えはありますか?
もっと視野を広げてプレーしていかなければならないと思っていますが、練習の中でも自分の中で意識している部分なので、少しずつですが見えてきていると思います。

PKキッカーを決めた経緯を聞かせてください。
最初は自分と(井上)潮音、(森田)晃樹の3人で話し合っていた中、そこで誰が蹴るかという話でした。その中でクレビーニョは練習からPKキッカーをやっていて、自信を持っていたと思うので、その選手に託したという感じでした。クレビに蹴らせる流れの中で、潮音も任すという判断でした。全員が蹴りたい気持ちはありましたが、最善の選択だったと思います。

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MF14森田 晃樹

投入されるまで、どのように戦況を見ていましたか?
前半もなかなか上手く自分たちの思うようなボールの動かし方ができていませんでしたし、後半もだんだんと時間が経つごとに粗いというか、攻撃に雑さが出てしまっていました。自分が入ったら、もっと丁寧にゴール前までボールを運んで仕事をしたいと思っていました。

思い通りにボールが動かせなかった部分に関して具体的に説明してください。
ポジショニングであったり、しっかりと敵を見ながらポジションを取るところができていなかったと思います。

投入時の監督からの指示、ご自身での打開のイメージを聞かせてください。
監督からは特に細かいことは言われませんでしたが、「点を取ってこい」と言われていました。自分自身も0-2で負けていたので、点を取って試合を引っくり返そうという気持ちで入りました。

PK獲得の場面を振り返ってください。
(松橋)優安が味方に一度当てて、もう一度入ってくるというのは感じていたので、あとは流れに身を任せてではないですが、相手のペナルティエリアの深い位置まで入ってクロスを上げたら、相手の手に当たったという感じでした。

自分が獲得したPKだっただけに蹴りたいという気持ちはありましたか?
あの時に(井上)潮音君と、(山下)諒也君と僕が3人で集まって蹴りたいと言い合っていました。そこにクレビーニョが入ってきて、潮音君と諒也君は諦めましたが、僕はクレビーニョのところに行って、日本語でちゃんと伝わっていなかったかもしれませんが、「決める自信がある?」って聞いた時にうなずいていました。だから、クレビは外してしまいましたが、責める気持ちは全くないですし、後悔の気持ちもありません。

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