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MATCH試合情報

2013 Jリーグ ディビジョン2 第20節 - 東京ヴェルディ vs 栃木SC

マッチレポート

【試合展開】

2試合勝利がないヴェルディは、ホームに栃木SCを迎えた。怪我から復帰した刀根亮輔、中後雅喜をスタメンに起用し、今シーズン初出場のペ・デウォンを起用した。また、安田晃大を入れてシステムをダブルボランチに変えて、3試合ぶりの勝利を懸けた一戦に臨んだ。

序盤からペースを握ったのはヴェルディだった。システムチェンジが相手の動揺を誘い、7分に先制点が生まれる。飯尾一慶がペナルティエリアに侵入し、GKをかわしてラストパス。これをフリーの高原直泰が冷静に流し込んで早い段階で先制に成功する。その後も出足の鋭いアプローチでボールを奪い、素早い切り替えから厚みのある攻撃を仕掛けて自分たちのリズムで試合を進めていく。セットプレーでチャンスが続くと、33分にコーナーキックのこぼれ球を拾ったキッカーの中後が、鋭いボールをファーサイドに供給。これをペ・デウォンが頭で押し込んで追加点を挙げた。一気に畳み掛けたいところだが、36分に何気ないクロスボールをキローラン木鈴が頭に当ててバックパス。クロスのカバーに回り込んでいたGK佐藤優也との連係が合わず、ボールは無人のゴールに転がり込み、オウンゴールで1点を失ってしまう。

後半に入っても、前半終盤の失点を引きずらずに3点目を奪いに前に出たが、70分にクリスティアーノに同点弾を奪われる。この時点で選手たちに焦りの色は見られなかったが、84分には投入されたばかりの湯澤に逆転ゴールを献上してしまう。決して流れが悪くなかっただけに、直後はチームの意気が沈んでいるようにも見えた。しかし、ここから怒涛の反撃を見せると、アディショナルタイムに突入した直後、中後もフリーキックを高原が合わせて土壇場で同点に追いつく。残りわずかながら逆転を信じ、その後も前に出続けたが、結局決定的なチャンスを作り出せずにタイムアップ。前々節の水戸ホーリーホック戦に続いて、ホームで2試合引き分けという結果に終わった。

 

 

 

【試合後選手コメント:FW 44 高原直泰選手】

――試合を振り返ってください。

「良いサッカーをしたけれど、結果を出せなくて残念です。自分が5点取れればよかったです。ゴール前でのフィニッシュの責任を果たさなければいけません。僕が早い段階でチャンスを決めていればよかったです。チームに迷惑をかけました。メンバーは入れ替わりましたが、やるサッカーは変わっていません。チームはベースを崩さずに我慢強く続けていくことが大事です。最後は自分が責任をもって決められればよかったです」

――ロスタイムのゴールについて振り返ってください。

「追いついたというよりも、あのような展開にしてしまったことがよくなかったです。勝てる試合を勝てなかったことは大きいです」

――昇格のためには何が大切ですか?

「今日のようなゲームに勝たなければ上にはいけません。チームとしては我慢強くやっています。あとは自分が最後の仕事をきちんとやるだけです」

 

【試合後選手コメント:DF 13 ペ・デウォン選手】

――試合を振り返ってください。

「2点目を取った後にみんなが落ち着いてしまいました。本当は次のゴールを奪うために積極的にプレーしなければいけなかった。そして、前半終盤に1点を失ってからは慌ててしまいました。そういったことが今日の3―3という結果に繋がったと思います」

――今季初先発で初ゴールを決めましたね。ゴールシーンを振り返ってください。

「毎回、セットプレーの練習をしている時に良い感触を持っていて、監督からもセットプレーの際に前線に上がってクロスに合わせろと言われていました。その毎回の練習の積み重ねが、今日のゴールという形になった気がします」

――先日の大宮とのトレーニングマッチでも中後選手のクロスからゴールを決めましたね。中後選手とは呼吸が合っている感じですね。

「中後さんは、いつも合わせやすいボールを蹴ってくれています。だから、僕としてはそのボールに合わせるだけです」

 

【試合後選手コメント:MF 10 安田晃大選手】

――試合を振り返ってください。

「2-0という展開は自分たちにとって理想的だったのですが、ちょっと落ち着いてしまいました。本当なら前半のうちに3点目を取って、試合を決める気持ちでいれば良かったのですが、それができませんでした」

――後半に相手が中盤の枚数を増やしたことで、ボールを持たれる展開になりました。それに少し苦戦しましたか?

「特に苦戦した印象はないんですが、前半は相手の11番(クリスティアーノ選手)にいいロングボールを蹴られていたので、前線の選手がきっちりプレスに行こうと話し合っていました。後半もそうくると思っていたのですが、1列前に出てきました。それでも、相手の44番(三都主アレサンドロ選手)に結構いいボールを入れてくると予想していたので、そこを誰かが必ず見ようと話していました。そして、マイボールになったときは丁寧に繋いで追加点を奪えれば良かったのですが……」

――後半チームが攻められていない時間に積極的に仕掛けていましたね。

「そうですね。相手の陣形の間でボールを受けられて、後ろの選手からも良いボールが出てきて前を向ける場面が多くあったので、何度か積極的に仕掛けることができました」

――先制点の起点となった飯尾選手へのスルーパスは周りの動きがよく見えていた感じですか?

「チビさん(飯尾選手)が良い動き出しをしてくれたので、僕は通すだけでした。あとはチビさんが頑張って、タカさん(高原選手)のゴールに繋げてくれました。だから、チーム全体でイメージを共有できたゴールだったと思います」

――今日はトップ下でのプレーでしたが、いつものシステムとボールの動かし方は変わりましたか?

「いつもはアンカーを一人置く形ですが今日はダブルボランチだったので、いつも一人でやる動きを二人でやっていたので、後ろの選手の負担が減った印象ですね。また、僕が中央に入ったことで相手の中盤と最終ラインの間でうまくボールを受けることができました」

――今日は身体のキレを感じましたが、ご自身の印象はいかがですか?

「相手がうまく見えている時は、良い形でターンすることができていました。ただ、1対1の場面で何度か引っかかる場面もあったので、そこは課題だと思います」

――今週はゲーム形式の練習も多くて、メンバーの入れ替えもあったなかで、出場するチャンスがくると思っていましたか?

「今週は個人的にも調子が良かったので、最近はメンバーに入れていなかったですけど、練習から自分がメンバー入りすることを意識して練習に取り組んでいました。そういう意識でやっていたこともあって、今日は久しぶりの先発でしたが、うまく試合に入れたと思います」

 

【試合後選手コメント:MF 8 中後雅喜選手】

――久しぶりの試合でした。試合を振り返ってください。

「最初の5試合に出て、その後怪我をしたので、15試合ぶりの出場でした。点を取り合う結果になりました。反省しなければいけない点があります。2-0になった時に、チームの余裕が結果的に悪いほうに出てしまいました。そこを反省して、自分たちのペースで試合を運べるようになったら、このような結果にはならないと思います」

――オウンゴールからチームをコントロールする時は、どのように気をつけましたか?

「ミスからあのようになりましたが、2-0の時は内容的にも悪くはなかったので、怖くはなかったのですが、少し油断してしまったのかもしれません。相手も1点取り返してから前にきて、それを僕たちが受けてしまった部分がありました。前半はそのまま終わって、後半は良い形で入ることができました。でも、決めるところで決めていられればという試合でした。入らなくても2-1で勝てた試合だったので、勝ち切らなければいけなかったです。そのまま“ゼロ”で終われば勝てました。その辺の、メンタル的なコントロールを一人だけでなくチーム全員が統一してやることが大事です」

――2アシストですね。

「チームがセットプレーで点を取れていなかったので、そういう意味では点をとれてよかったです。また、デウォンが取れたということもプラスに繋がると思います。でも勝ちに繋げられなければいけないです。上位対決が2試合続いていますし、これからも2試合続くので、勝ち切らなくてはいけません 。その中で、セットプレーで点を取ることは強い相手に対して活きてくると思います。そのようなところを向上させていきたいです」

――ビルドアップの意識が強かったようですが?

「ヴェルディのスタイルとして後ろから繋いでいきたいというコンセプトでやっています。それが最近の試合ではできていなかったと思うので、意識が強かったです。また、失点するまでは一つのボールに対して全員がまとまって動いていました。1点相手に入ってからは距離が縮まってしまったので、その入り方を継続して90分できるように、自分たちのスタイルをできればいいと思います」

――ダブルボランチについては?

「2枚いることでスペースも埋まりますし、1枚だとその両脇を使われる部分もあったので、そう考えると今日は2枚でやってよかった場面もありました。けれど、2失点目は僕が前にいって、西さんが残ったけれど、スルーパスを通されてしまったので、そこは反省してやっていきたいです。2枚の良さも1枚の良さもあるので、今後はその二つのやり方をオプションとして使い分けながらやっていけたらいいと思います。後ろから繋いでいくというスタイルには変わりないので、配置に関しては気にしていないです」

――久しぶりの出場で、もうできるんだというところを証明できましたか?

「僕もそうですが、久しぶりに出場した選手もやれるということをある程度証明できただろうし、メンバーが変わってもできるチームでなければいけません。僕らも試合に出られなくて悔しい思いもしていたので、今日は勝ち切りたかったです」

 

【試合後選手コメント:DF 3 刀根亮輔選手】

――新しいメンバーで最終ラインを組みましたが、ビルドアップはどうでしたか?

「(キローラン)木鈴も積極的に上がっていましたし、相手にとって捕まえ辛かったと思うので、そこはよかったと思います。別にメンバーが変わっても僕らは練習からコミュニケーションを取っているので、それで何かが変わるわけではないです。だから、戸惑いもありませんし、あとは声を掛け合うといった部分ができれば問題ないと思います。失点のシーンでもミスやコーチングの問題があっただけで、相手に崩されたというよりは、自分たちのミスでした」

――三浦監督のチーム作りの成果として、メンバーが変わっても同じサッカーができるということでしょうか?

「そうですね。でも、2点取って良い形で試合を進められていましたが、前半にああいうミスで失点してしまい、流れが少し変わってしまいました。前半の終わりの方はうまくいかなかったですし、やっぱり失点の仕方や失点した後の戦い方の部分でもっと落ち着いてやらなければダメですね。別に木鈴だけを責めるというわけではないですし、あそこは周りがちゃんとコーチングできていれば、失点するような場面ではなかったですし、ああいうところはチームとして助け合っていかなければならないですね」

――ケガ明けで久々の先発出場でしたが、ご自身のプレーの印象はどうですか?

「疲れました。久しぶり過ぎて体が動かなかったです」

――この試合に向けて急ピッチで仕上げた感じですか?

「そんなことはありません。この辺の試合を目途に復帰しようと思っていたので」

 

 

【試合後監督コメント:三浦泰年監督】

――試合を振り返ってください。

「良い時間に2点を取ったわけですから、絶対勝ち切らければいけない試合でした。ただし、ミスが起きてこういう展開になる可能性もある試合にしてしまったなという印象です。そういうなかで相手にチャンスを与えてしまい、自分たちにとってあまり良くない時間に3点目を取られてしまいました。3点目を取って追いついたことを評価したい面もありますが、全体的に見て自分たちのゲームにできる内容でしたし、そうしなければならなかったと強く感じています。ただ、大幅に選手を入れ替えて、立つ位置もいくつか変えたなかで、意図することがしっかり実現できていたなという部分はありますし、非常に良いサッカーができたのではないかと思います。もちろん、お互いが昇格を目指している状況で、我々は栃木さんより下の順位なので、勝ち点3というものが必要だったと思います。それでも、ある意味サッカーの魅力を伝える、サッカーの魅力をアピールするという部分では、それを存分に発揮できた試合になったと思います。普通、3点を取れれば勝つことができますし、逆に3点を取られれば負ける試合です。それが3-3の引き分けという結果になったので、アグレッシブなサッカーの魅力が詰まった試合になったのではないでしょうか。ですが、それだけで済ませてはいけないのがプロの世界でもありますし、今日のこの経験を自分たちの糧にし、チームを肉付けしていくなかの一つのパーツとして、これから今日の試合が自分たちを大きくするものにし、今後に繋がるような試合としていきたいです。もちろん、もうシーズンが半分を過ぎようとしているので、本当は勝ちながらそういう経験をしていって、ポイントを重ねながら大きく成長していければと思います。私もそうですが、今日この瞬間にこの結果の話をする中では、“勝ちながら”という話はできません。なぜなら、今日の試合はもう過去のことで終わってしまったからです。次の試合からは、勝ちながら経験を積んでいけるように、1週間しっかりした姿勢で準備をして、次の試合に臨みたいと思います」

――今日の試合で大幅に選手を入れ替えた理由と、トップ下に置いた安田選手の役割について教えてください。

「私のなかで現状維持は退化という言葉があります。チームを作っていくなかで、またはクラブを作っていくリーダーとして、そういう考えを持っています。どこで進化を見せればいいのかということや、どういうタイミングで動けばいいのかをかなり前から考えているなかで、少し隣にいる人、前にいる人、後ろにいる人に対して慣れ過ぎている、または軽率な言葉なども増えているなと感じていたので、進化するために思い切ってトライしてみました。もちろん、数多くのオプションがあったと思います。オプションというのは、起用できる選手がいたということです。それは彼らがトレーニングからしっかり集中をして、自分の投げ掛けることをしっかり頭のなかで整理できていたからです。ただ、それが本番の試合の中でできるかできないかを判断するには、タイミングが重要だと思っていました。それがたまたま今日の試合で行われたということです。栃木とのマッチングを考慮して、今日のシステムにすれば、または安田晃大をトップ下で起用すればハマると思いました。そこに安田を置くことで自分たちがどんな立ち位置を取れば機能するかを考えて、起用する選手も変えることができました。ただ、最終ラインに関しては、怪我明けの刀根や、長い間離脱していたキローラン木鈴を長時間プレーさせることになり、木鈴が優也(佐藤選手)との意思の疎通のミスから奪われる点が生まれました。刀根が90分間プレーすることは、彼がフィジカル的な部分で90分間のプレーを通してコンディションを戻すという意味で、トライさせればこういった結果にも繋がることは理解していました。前半の良い時間に2点を奪ったことで、もっと彼らが楽に戦える試合だったと思いますし、後半の入りのプレーをいくつか見ていると、大事にみんなで繋いできたチャンスを、最後にシュートする選手が“みんなが繋いでみんなが努力してきたトレーニングの総決算が最後のシュート”であることを理解してシュートを打っているようには感じられなかった。そのため、なかなか自分たちが良い状況に持っていくことができませんでした。それによって、復帰した選手たちの筋力であったり、または心肺機能を含め、無駄にロスする形になってしまいました。良いタイミングで得点を奪うことができていれば、復帰直後の選手が90分間プレーしても体力的な負荷というものは少なく抑えられて、ある程度次の試合に繋げられる形になったと思います。そういう意味では、次の試合に向けて、誰がいまどんな状況なのかをチェックし、明日のトレーニングで確認したいと思います。今日試合に出た選手はトレーニングを行い、出なかった選手は清水に行って試合をやるわけですから、もうすでに次の試合の準備が始まっているという印象です」

――高原選手は、開幕の頃に比べてフィットしてきているでしょうか?

「彼中心のチームにはしたくないと強く感じています。彼ありきでのチーム作りは考えていません。例えば、彼のポジションを常盤に代えても、10分間プレーした常盤は彼よりも良い動きをしていたと思います。自分自身はそう思っています。ただ、彼が努力してきた経験 は1試合1試合に出ているし、彼のプレーが相手の脅威となることは試合毎に認識しています。ただ、今日の試合で彼はマルチゴールだったけど、彼に訪れたチャンスの数を考えれば、彼に会った時に『得点王になりたくないのか?』と問いかけたい、そんな決定的なシュートが何度か、マルチゴールの2本以外にあったんじゃないかなと思います。高原には、より高い要求をしていきますし、高いレベルでサッカーをしてほしいと思っています。一番感じているのは、彼は私が言わなくてもそれを分かっているということです。だから、私は敢えてこの会見を通じてメディアのみなさんに伝えています」

 

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