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シーズンの最終盤になり、様々な大会のファイナルや、日本代表の活動などもあって、リーグの試合間が長くなってきている。ヴェルディにとっての公式戦、11月は2試合のみ。前節が行われたのが11月10日だったため、今節は20日ぶりの試合になる。
その前節はどんな試合だったか。ホームに神戸を迎えたJ1第36節。試合開始からわずか数十秒で木村勇大が決定機を作るが、シュートはGKに防がれてしまう。そこから流れを作りたいところだったが、逆に7分にCKの流れから山川哲史にボレーを叩き込まれて先制を許してしまう。そこからリズムをなかなか取り戻せないまま前半が終了。後半も相手にシュートを打たれ、それになんとか耐える時間帯も多かった。それでも90+1分だった。山見大登がゴール前に鋭いクロスを入れると、これが神戸のオウンゴールを誘発して土壇場で同点に追いついた。またしても終盤にドラマを起こしてリーグ首位を相手に勝点1を手にすることに成功した。
そこから約3週間。今節が、今季の味スタ最後の試合になる。ホームのファン・サポーターの前で、シーズン序盤は何度も悲しい思いをさせていた。ホーム初勝利は、第12節磐田戦。それまでに勝ち星を手にしかけて、終盤で取りこぼすという試合も続いた。それでも、「牛歩のごとく」と城福浩監督は話すが、選手たちは成長し続けている姿を見せてきた。そして、今節がその集大成となる。森田晃樹はその試合に向けて「チームは積み上げもあるので、別に狙ってはいないですけど、劇的な試合も多いですし、観ている方々からすれば最後まで期待感のあるチームになったと思います。人の心を動かせるようなサッカーができればと思っています」と意気込みを話している。味スタ最後のヴェルディ劇場を見せたいところだ。
一方の川崎Fは、10月16日に鬼木達監督が今シーズン終了をもって退任することを発表している。ただ、そこから川崎Fはリーグ戦で3分1敗と1勝もできていない。J1優勝4回、ルヴァンカップも天皇杯も制している名将としては、このままでは終われないと思っていることだろう。ただ、そもそも現在の順位が13位ということが信じられないほどのメンバーが揃う実力のあるチーム。簡単なゲームになるはずがない。
先週の金曜日22日には雷雨の影響でハーフタイムに中止が決定された第28節浦和戦の、残りの45分のみという異例の試合を行っている。この難しい状況ながら、先発メンバーに追加された小林悠が54分に三浦颯太のクロスに頭で合わせて試合を振り出しに戻すと、この45分マッチの後半は浦和に攻め込まれる場面も多かったが、それを耐えて合計のスコアは1-1で終えた。
また直近では、今週26日にAFCチャンピオンズリーグエリート リーグステージ MD5ブリーラム戦に挑んでいる。両チームともゴール前の精度に欠いて得点を奪うことができない前半だったが、後半は川崎Fがゴールに迫る場面が増えると、79分に右サイドから瀬川祐輔のクロスに三浦颯太がダイレクトボレーを叩き込んで先制に成功する。その後もゴールへの意欲を失わなかった川崎Fは90+3分に山田新の折り返しを遠野大弥が合わせて追加点、さらに90+7分には高い位置でボールを奪った神田奏真が最後にゴール前の混戦から押し込んで3点目。最後の最後までゴールを狙い続けた川崎Fはリーグステージ4位につけている。
前回、川崎Fとの対戦は第9節。横浜FMとの開幕戦からヴェルディは毎試合得点を重ねていたが、この試合で今季初めて無得点に終わった。決してチャンスがなかったわけではないが、上手く抑え込まれた印象だ。一方でこの試合がJ1初出場となった千田海人を中心として守備が機能して今季初めてクリーンシートで終えた試合でもある。
1年の成長をはかるにはうってつけの相手。この試合に勝利して、最後までより多く勝点を積み上げていきたい。
(写真 近藤篤)