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2022.06.15 トップ クラブ

城福浩 監督 就任記者会見 実施レポート

6月15日(水)クラブハウスにて、 城福浩監督の就任記者会見を実施し、江尻篤彦強化部長と 中村考昭 代表取締役社長が登壇しました。

城福浩 監督 発言要旨

(監督交代は)Jリーグ界、プロの世界ではあることではありますが、 おそらくクラブにとっては、今回のような途中でという形は望まないことでもあると思います。自分もその渦中にいた人間なので、それは途中まで指揮する側に立っても、途中から指揮する側にとっても難しいし、クラブの決断の難しさも十分承知をしております。今回、何よりも、東京ヴェルディの方から、新しいヴェルディを作ることを加速したいという熱い想いをお聞きして、ヴェルディという伝統のある、どのチームにも真似はできない歴史のあるチームのご依頼の重さというのを十分認識した上で、熟慮して受けさせていただきました。

今のヴェルディは、非常に難しい。 結果という意味では、多くは負けていませんが、望むような勝ち点を積み上げられていない状況の中で、今年残り半分をどういうふうに選手と戦っていくか、今そこに集中したいと思います。とにかく次の山口戦(6/18)に勝ち点3を取るべく、 チームスタッフ、メディカルスタッフ、コーチングスタッフ、選手とともに、全力をあげて準備したいと思っています。

 

ーー城福さんからご覧になってヴェルディのカラーはどういった感じですか?

一概にカラーを一言で表現することは難しいと思います。

(クラブのイメージは)このJリーグの歴史30年の中で、最初の10年は本当にサッカー界を引っ張っていくような存在でしたし、素晴らしい歴史を作ったクラブだと思っています。

自分は、プレイヤーだった頃、読売のときからずっと練習試合の相手として対戦もしていて、憧れの存在のクラブであり、日本サッカーを牽引していく存在だったというふうに認識しています。

ただ、自分がプロの世界に足を踏み込んでから、実は2008年東京ダービー最後の試合に自分はベンチにいましたけれど、それ以降の10年強でしょうか。その非常に難しい時期、ヴェルディを支えてくださっている方たち、応援してくださってる方たちと共に、ヴェルディが歩んでる今の方が実は身近でした。

ヴェルディをこれまで支えてきてくださった方たちの思いに、このお話をいただいたとき、一番思いをはせたというか、自分の中に浮かんできました。今までクラブと一緒に戦い支えてきてくださった方々に、笑顔をもたらすことができるようにしたいと感じたきっかけは、90年代の素晴らしい歴史もの背景よりも、この直近の10数年の難しいところにあるかもしれません。ヴェルディをまた J1のステージに一緒に連れて行きたいという思いは、ここ十数年の厳しい時期を一緒に戦ってきた方に向けたものの方が強いかもしれません。

サッカーのイメージとしては、そのときそのときで変わっていくので、 昔対戦したときのイメージもあれば、今のイメージもあります。

 

—難しい仕事を承知の上で引き受けたのは、その十数年の思いプラス、何かピッチ内の要素というのはありますか?
途中から受けるということは、自分としては初めての経験ですが、通常で言えば勝ち点を積み上げていく、そこに最大の目標を置いてやる、そういうミッションだと思います。もちろんそこが僕にとっても最大のミッションなのですが、加えてという意味で、『新しいヴェルディ』を構築していくのをさらに加速していく意味でのやりがい、自分の経験を生かして、今のヴェルディのスタイルに刺激を入れていくことで、役に立てるんじゃないかと思っています。さっきフロントの方々には伝えたのですが、2008年最後のヴェルディとのダービーをした年、そのシーズン最終節にFC東京はジェフ千葉との対戦を2-0で勝っていてたのですが、その後4点取られて敗戦し6位で終わりました。その裏で、その試合の結果によってヴェルディが(J2に)落ちたんです。自分のせいという言い方はちょっと語弊がありますけれど、当時は奇跡的な状況でジェフが残って、その裏でヴェルディが降格したという事実は、やっぱりプロの監督として関わってきた中で深く心に刻まれてますし、当時のダービーがどれだけ盛り上がっていたかを、自分はベンチで感じていました。今回お話をいただいたときに、僕は運命的なものを感じましたし、新しいヴェルディを作って、一番上のリーグで戦わせることが、日本のサッカーにとって大きな貢献になるのではないかと思っています。

 

ーー今のヴェルディのサッカーを見てどんな印象をもっていますか?

繋いでいく、足元で繋いで地上戦で勝負していくイメージです。もちろん地上戦で勝負するから空中戦で負けていいわけではないですが、そういう人とボールが動いていくサッカーというのは、自分も昔からずっとそれは標榜してたものでもあり、非常に好感を持って見ていました。

ただ、皆さんご承知のように『得点』で言えば昇格争い。『失点』で言えば残留争いになっている。この攻撃のアイディアや攻撃力を削らないで、どのように勝ち点に繋げていくかと考えた時に、じゃあ守備をやればいいとそこだけにフォーカスしたら、 攻撃力が削られる可能性もある。ここは、この攻撃力を削らないでいかに守備力を上げるかと考えるよりも、さらに攻撃力を上げたい。攻撃力が守備力を凌駕して、もっとやれるんだっていうアプローチと、最低限守備の隙を作らないところの両立は、 自分と小倉の経験を持ってすれば必ずできると思っています。現代サッカーでは、前線から後ろの選手まで走らなくていい選手がいないわけで、今の繋ぐサッカーの中でリスクを背負って、全員が走って勝ち点をもぎ取る。そういうイメージはできてます。

 

ーーこれから勝ち点を積み上げる目標と攻撃力得点をどれくらい伸ばしていきたいか

積み上げる目標というよりも、僕はまずは次の山口戦しか考えていないです。

目の前の試合で、いかに勝ち点3を取るかということに対して全力で取り組む。ただ、手段を選ばないのではなくて、ヴェルディの新しいサッカーを構築しながら勝ち点3をもぎ取る。勝ち点3に勝る薬はないし、メンタル的にリカバーできるものは(他に)ないと思っているので、1試合1試合、目の前の試合で自分たちの目標とするものを強く意識しながら戦う、これに尽きると思っています。それが結果として勝ち点の積み上がりに繋がっていくと思いますし、 それがプレーオフを戦える状況になるのか、最終盤にもっと高い望みができるのか、これはちょっとわからないです。目の前のことに最善の準備を、とにかく自分たちに目を向けて最善の準備をする、ということに尽きると思います。得点力に関しては、 もっとバリエーションを増やしたいと思います。得点の数字としては出てますが、数字のわりに、おそらく選手も含めて持ってるイメージのシーンの得点が多くない。ただ、現状で確か得点は2位だと思うのですが、非難するものではないですが、その得点のパターンというか、イメージするシーンは皆あるはずなのに、なぜそこに至ってないのかっていうのは、今日もチームで共有しました。もちろん明日もそこをトレーニングします。

 

ーー初日の印象、選手に何を伝えて臨んだのか。

選手は非常に複雑な思いがあったと思います。ですので、準備できる時間の中で自分も何を肯定して、何を伸ばして変わらないといけないか、というところをミニマムに整理して伝えました。(ミーティングの際に)ホワイトボードで説明してるときに「見えるとこに来い」と言ったのですが、彼らが自ら椅子を動かして自分の周りに来たときに、もっと上を目指したいんだという思いは伝わってきました。オフ明けにしては非常に激しいトレーニングでしたが、よく声を掛け合いながらそこは意識してプレーくれていると思いますし、彼らの思いも十分伝わってきましたので、彼らとともに週末に勝ち点3を取りたいと改めて思いました。

 

江尻篤彦 強化部長 発言要旨

まずは新体制の中で、城福監督に監督という形で引き受けていただいて、ヘッドコーチに小倉勉さんを紹介しました。 (お二方に加えて)これまでのコーチングスタッフ、 保坂コーチ、長島コーチ、 油原GKコーチ、石井フィジカルコーチ、山本分析。この体制で残りの21試合をしっかり戦っていきたいと思っております。

(城福監督の)お話にあったように、難しいミッションではありましたが、私が今回こういう決断をして新しい形になりました。 可能性がある限り、 上を目指して、勝負していければなと思っております。

 

ーー3年計画など、いろいろ進められてきた中でも、なぜ城福さんにオファーを出したのか。

まず堀監督には最大限のリスペクトを持っていますし、本当に難しい中、去年引き受けてやっていただいたという部分と、今年の特に前半戦8試合 のところの成績っていうのはすごくいいものを出していただいたし、選手、特に若い選手の起用、あとは特徴ある選手の色が出て、そういう選手がぐっと成長したなっていうところはあります。

その中で、残りの13試合、総合的に考えていろんな考えが私の中にあり、総合的な判断で今回、城福監督に引き受けてもらうというような形で(監督)交代させていただきました。

細かいことをあげるといろいろあるのでなんとも言えないのですが、僕の仕事は、もっと高みを目指して、ヴェルディの将来のためにやっていくこと。僕自身も毎日葛藤しています。

その中で、こういう判断を下したということは、私自身の強い思いもありましたし、皆さんもご存知の通り、堀監督とは親友でありますし、大学時代の友ですが、それとヴェルディの未来というのは全く別物なので、やはりしっかりとした考え方を持って、私はこういう形をとらせていただきました。

 

ーー目標としては、2年後にJ1を目指すことは変わらずということ?

当然、2年後というかチャンスがあれば今年も狙っていきたいと思いますし、勝ち点だけを考えると、決して不可能という数字ではないと私は思っています。やるからにはプロとして、上を目指すのは当たり前だと思っています。

 

中村考昭 代表取締役社長 発言要旨

城福監督、江尻強化部長からもお話させていただきましたが、ヴェルディがこれまでも、そしてこれからも歩んでいく道のりをしっかり見据えたときに、ここからの後半戦に向けて、城福さんに監督として指揮をとっていただくということをクラブとして決定しました。

 

その道のりを、より確度の高い確実なものとするために、小倉さんをヘッドコーチとして強化補強しました。今までは、スタッフが減ってるんじゃないかとか、色々なところで大丈夫なのかとかという不安がつきまとうクラブであったと思うのですが、将来に向けての成長であったり、我々が目指すサッカーを実現するための、より一層の進化を見据えて、ヘッドコーチも補強することを決定しました。

ここまで堀前監督には、特に昨年クラブが大変難しい局面の中で、監督を引き受けていただき、クラブの求心力が問われる中でチームのモチベーションや一体感を上げる、この辺りのコントロールがとても難しい環境にあったと思うのですが、そこを100%の力を発揮して乗り越えていただき、今シーズンもスタートいただいたと思っております。改めましてこの場ではありますが、堀さんに深く感謝申し上げたいと思っております。

堀さんが担ってきた前半のヴェルディは、それもヴェルディの一つの道のりではあるのですが、ここから先の成長ステップアップ、進化を実現する上で、新体制という形で後半戦以降は戦っていきたいと考えています。

今シーズンのヴェルディは、UNITE AS 1 -Going Forward-(ユナイト・アズ・ワン・ゴーイング・フォワード)というスローガンをシーズン当初から掲げさせていただいています。

このスローガンから考えて、今回の決定や歩みは、クラブとしては変わっていないと思っております。 我々が一つになって、1人1人が持てる力を100%発揮して、そして前に進んでいく。それが実現できれば、必ず良い結果が生まれると思ってますし、それを後半戦(22節目以降)1試合1試合、目の前の試合にしっかりと向かいながら、勝利を積み重ねていきたいと考えています。

 

ーークラブに対するリクエストや要求が出ていると思うが、練習環境など現場をバックアップするためのプランはありますか。

城福監督の就任に関わらず、クラブとして改善すべきことは多くあると考えています。練習場所であったりとか、トレーニング環境、ベレーザ、育成組織も含めて、その全てがヴェルディを構成してますから、それをいかに成長改善、進化させていくのかということだと思います。それに向けてクラブとして、着実に手を打っていきたいとは考えています。併せて、城福監督がサッカーを指揮していく上で、必要となってくる部分は、強化部の考えも聞きながら、そのすり合わせの中で、やるべきことをやっていこうと考えています。