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MATCH試合情報

2019 明治安田生命J2リーグ 第6節 - 東京ヴェルディ vs 柏レイソル

マッチレポート

【試合展開】

前節、90分に李栄直の劇的な同点弾でアウェーの地徳島から勝ち点1を持ち帰ったヴェルディ。ホームに戻る今節は、その勝ち点1に意味を持たせるためにも、なんとしても勝利を手にしたい一戦となった。相手は、開幕4連勝の勢いを前節で止められた柏レイソル。J2リーグの中では屈指の戦力を誇り、この一戦ではスタメンに外国籍選手を4人同時起用してきた。

 

ヴェルディは前節のメンバーをベースに、田村直也に変えて若狭大志をスタメンで起用。前節、途中投入された渡辺皓太はこの日もベンチスタートとなった。

 

現在の成績、戦力の評価を含めて前評判は柏に傾いていたが、実際の試合もスタートから柏がボールを持ってペースを握る展開。お互いにコンパクトな陣形をキープし、狭いスペースの中でボールを動かしていく。個の能力でペースを握る柏は、クリスティアーノや瀬川が起点となり、前線のオルンガを使って押し込んでくる。8分にはヴェルディの最終ラインの背後をついてクロスを供給されると、瀬川にフリーで飛び込まれるが、ヘディングシュートはわずかにゴール左へとそれた。25分にはラインの背後をとられてオルンガがゴール左斜め45度の位置に抜け胸トラップ。落ち際をボレーで合わされるが、上福元直人がタイミングよく間合いを詰めて身体を張ってブロックした。この決定的なピンチを凌ぐと、流れが徐々にヴェルディに傾いてくる。低い位置からのビルドアップながら、前線の林陵平や端戸仁がスペースを使ってうまく抜け出し、カウンターを繰り出していく。そして38分、劣勢を打破するゴールが生まれる。右サイドで佐藤優平、小池純輝とつなぎ、小池がスペースへパスを入れると、端戸が抜群のタイミングで抜けてボールをゴール方向にコントロール。ルックアップしてすぐに鋭いクロスをゴール前に入れると、相手DFより頭一つ分先に抜け出した林が頭でゴール左に流し込んで今シーズン初の先制点を手に入れる。ここからどのような戦いをするのかが大事、と考える間もなく試合が動く。40分、端戸仁のパスを受けた李が相手DFのプレスより一足早く前線のスペースへパスをすると、小池が抜け出してゴール前へ。前に飛び出してきたGKの出端をくじくループシュートは、ゴールカバーでボールを追った相手DFよりも一足早くゴールラインを割り、ヴェルディがあっという間にリードを広げた。

 

後半も立ち上がりから柏ペースで進んでいく。59分にはミドルシュートがクロスバーを叩くなど、幸運にも恵まれながらなんとかゴールを割らせずに耐える時間が続く。69分には端戸に代えて田村を投入し、戦略として明確に守備の意識を強めていく。割り切った分、後半はシュートが0本に終わったが、ゴール前を固めることで相手の猛攻を細かい守備の網目に引っ掛けて撥ね返していく。終盤の89分には2本続けてゴール目の前で決定的なシュートを打たれるが、上福元が2本とも驚異的な反応ではじきだしてネットを揺らさせない。チーム全体で2点を守り切る意図を共有し、最後まで集中力を切らさずに今シーズン初のクリーンシートで2勝目を挙げた。

 

相手とのタレント力の差を見せつけられたが、ここぞというチャンスを逃さず、きっちりと仕留めて見せた。前節の終盤の猛攻と土壇場で追いついた勢いは、この勝利で大きな意味を持つことになった。シーズンはまだ始まったばかり。中3日で好調な水戸ホーリーホックを迎えるホーム連戦で、きっちりと連勝して上昇気流に乗っていきたい。

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監督コメント

ギャリー ジョン ホワイト 監督

試合を振り返ってください。
クラブにとってもファンにとっても喜ばしい結果となり、すごく嬉しく思います。また、選手たちのパフォーマンスもすごく良かったと思います。

これまでの監督ご自身のキャリアでアジアなどのランキングが低い代表チームを率いていましたが、今日のような力のある対戦相手に対して結果を出すコツのようなものを持っていらっしゃるのでしょうか。
メンタルが非常に大きいと思っています。みなさん、今週は柏についてずっと話してきたと思いますが、そういう部分の反骨心のようなエネルギーを選手たちに還元して戦わせた部分はあります。頭を使って戦わないといけない部分、全体をコンパクトにして戦う部分、ボールを奪ったらすぐにカウンターに転じていくという部分は強調しました。選手たちは現実を見ながら地に足を付けながら戦った部分があったと思います。

後半の選手交代の部分で田村直也選手を入れて5バックに変更しましたが、あのまま割り切って守って逃げ切るプランだったのでしょうか。
相手がかなり力強いチームであることは分かっていましたし、こちらからそういうプランで戦っていくようにと指示しました。後ろに人数を使いたかったという部分と、2-0からさらにもう1点を奪いに行く必要はないと、あの時間帯に関しては考えていました。最優先は失点をしないことでした。

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選手コメント

DF 3近藤 直也

試合を振り返ってください。
今日は相手にボールを握られる展開になることは分かっていましたし、その中、後ろでコンパクトに守備をしながら上手くボールを奪ってショートカウンターやカウンターでゴールを取れればいいなと思っていた中で上手くその形がハマって2点を取ることができました。後半は相手が2点ビハインドを追いかけてくる展開で、ああいうふうにガンガン攻めてきましたが、そこをどう後ろはコンパクトに保って撥ね返していくかという部分に力を注ぎました。そういう45分で危ない場面もありましたが、何とか耐えることができました。チームとしてすごく自信になると思います。

ある程度、相手を引き込んで戦うプランだったのでしょうか。
真ん中を締めつつサイドは持たせながら上げてきたボールを中で撥ね返すという部分は想定通りでした。中にも人数を割いていました。もちろん、オルンガ選手という強い選手がいて恐さもありましたが、うまく身体を当てながら対応できたと思います。

2-0で試合を折り返すということはあまり想定していた形ではなかったと思いますが。
今シーズン失点から入ってしまうことが多かったので、その中で前半のうちに2点も取ることは想定していませんでしたが、上手く狙い通りにゴールを奪えました。その後に守り切るという考えでは難しいのかなという気持ちもあって、ハーフタイムにはもう1点取りに行こうという話はしましたが、相手も2点を取りに来る中で苦しい展開になりました。焦れずにというか、これだけ自分たちでボールを保持できない試合は珍しいですが、ただ勝つことに徹するというか、見ている人たちはヴェルディらしくない、つまらないと思うかもしれませんが、今日は何としてでも勝つという部分で後ろに人数を割きました。どこかでカウンターでもう1点取れればと考えながらシンプルに難しいことをせず、割り切ったサッカーをやりました。

田村選手の投入で逃げ切るという意思統一がなされたと思いますが。
あそこでタムが入った時点で彼は攻撃的なタイプではないので、相手のクロスに対してどう守り切るかというメッセージを中の選手がしっかりと受け取り体現できたと思います。

今季初めてのクリーンシート達成ですが。
これを続けていかないと意味がないですが、今日は本当に嬉しい気持ちですし、今日一日ぐらいは喜んでいいと思います。また、すぐに次の試合もあるので、今日やられたところ、上手くできなかったところは多々あるので上手く修正して次に向かってやっていきたいと思います。

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DF 5平 智広

今季初のクリーンシートでの勝利となりましたが、試合を振り返ってください。
前半で2点を取ってチームとしてそこから守備的に戦いましたが、結果的にゼロで終えることができて良かったです。

攻撃のクオリティを持った相手に対して厳しい試合になりました。
相手は個が強い選手が揃っていましたが、攻撃はクロスのシーンが多かったと思います。その中で何回も上げられているうちにこちらも準備をできるようになりましたし、途中からは慌てずに対応できました。

試合を通して守備の局面では全員が高い集中力を見せていました。
2点差でしたが1点取られてしまうと試合の流れは分からなくなるので、まずは無失点を強く意識しました。後半は少し監督としても守備的なシステムで戦いたいということだったので、それに合わせて割り切って戦いました。

守備陣としては後半に関してもう少し中盤や前線でボールを持つ時間がほしかったという感覚でしょうか。
ハーフタイムを終えた時点で0-0の気持ちで守りに入らず、45分間は長いので点を取られる可能性も想定したので、もう少し前がかりに戦う意識もありましたが、時間が進むにつれて無失点で終えるという気持ちが強くなりました。選手交代も含めて守備的な考えに移行しました。

試合終盤は相手の攻撃がサイドからのクロスという形が多く対応し易い部分もありましたか。
中は枚数を厚くしていたのでアーリークロスに対しても対応できていましたし、もう少し中盤なんかのところで相手がアイデアを出してくれば、より厳しくなったかもしれません。

今日の勝利は今後に向けて大きいですね。
3連戦の初戦だったので良い雰囲気で次の試合を迎えられると思います。

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DF 2若狭 大志

今季初スタメンで無失点勝利でした。
疲れました。勝つ気持ち全開で臨みました。最初は守備でも攻撃でもチグハグな部分を自分でも感じていましたが、それが時間が経つごとにエーコ君(小池選手)や周りの選手とコミュニケーションを取りながら解決していけたのかなと思っています。

前半は相手の前線が比較的中に絞ってサイドバックとしては守りづらそうに見えましたが。
相手がこちらの左サイドからどんどんクロスを上げてくる感じで自分の方には長身の選手が構えていたのでマークなど難しい部分がありましたが、コミュニケーションを取りながらフリーでやらせないように寄せる部分など相手の嫌がることをやっていました。

先制点に加えてすぐに追加点を奪えたことが大きかったですね。
追加点を取れたことは非常に大きかったですし、そこから守備で耐えられたことも何より大きかったです。

後半のシステム変更を含めて少し守りに入るのが早かった印象もありますが。
色んなゲームプランを用意していた中、監督を信頼してタムさん(田村選手)が入った段階で逃げ切りプランを意識しました。ただ、守備に専念するだけでなく攻撃の機を窺う部分もありました。守備の時間が長かったので中途半端なクリアではなくタッチを割るクリアなど割り切った対応になりました。

試合終盤は相手の攻撃がサイドからのクロスという形が多く対応し易い部分もありましたか。
いや、そんなこともないです。かなり迫力はありました。相手の選手も大きかったのでしっかりと寄せてフリーで打たせないことは徹底していました。今日はゼロで抑えないといけないと思っていたので、それができて良かったです

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FW 11林 陵平

ゴールシーンを振り返ってください。
僕自身、まだ映像でゴールシーンを確認していませんが、端戸からボールが来る前に勝負があったのかなと思っています。駆け引きをして後ろに行くふりをして前に入りましたが、相手のディフェンスの前に入れたことがすごく大事だったと思います。また、そこにボールが来そうだと感じるゴールへの嗅覚も生きたと思います。ヘディングに関しては逆サイドに流し込むことを意識していました。ペナルティエリアの中では相手がすごく自分の動きについていくことがわかっていたので、そこで一瞬の動きによって前に入ることができ、タイミングよく入ることができたと思います。

前線の選手としては消耗の激しい一戦になりました。
最初から自分たちのプランがハーフウェイライン付近でコンパクトに守るということでしたが、その中で押し込まれてしまい、ボールを奪った後も間延びしてしまい、なかなか難しかったです。こういうひとつのチャンスで自分が決め切り、追加点も取ることができたので、そういう意味では試合巧者の部分を出せたと思います。

後半は前線からのプレスでチームを助けていましたが。
どうしても後半の途中から5バックに変更して2点リードもあった中で勝ちたい気持ちが強く、少し引いてしまう戦い方になりました。それで孤立する形になりましたが、上手く時間を稼ぐとかボールをキープするというチームの助けになれることを意識しました。ああいうシステム上、前線には自分ひとりですが、味方が上がる時間を作るなどの仕事が大事です。疲労も大きいですが、勝利はそれを上回ります。

古巣対戦でチームを勝利に導く決勝点を決めましたが。
自分自身古巣相手には強いというか、そういうところで決められる“持ってる”タイプというか、決められる自信は持っています。今日はチームを勝たせるゴールを決められたことが一番大きかったです。

ゴールセレブレーションのストックは大丈夫でしょうか。
どんどんストックが減ってきているので、またためていかないとダメですね。今日はセビージャのベン・イェデルというフランス人の選手ですが、すごく良い選手です。

ここから3連戦となりますが。
個人的には水戸、山形と古巣相手の3連戦です。すごく楽しみな試合ですし、疲労よりもモチベーションが勝っています。その中でまたゴールを決められるように準備していきたいです。今日みたいな柏レイソルという強い相手に対して、ヴェルディはここまでやれるんだということを見せられたという部分で非常に大きな勝ち点3だったと思います。水戸も好調で難しい相手ですが、自分たちの力を出せれば勝てる相手だと思うので、また良い準備をして臨みたいです。

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MF 19 小池 純輝

試合を振り返ってください。
前半もなかなか攻められなかったというか、チャンスまで持って行けていない中、上手く一本チャンスでゴールに繋がり、そこから畳みかけられました。開幕からずっと先制点を取ることができていなかったので、そこはひとつ良かった部分です。ただ、なかなか苦しい時間が長かったので、そこは次の課題だと思います。

ゴールシーンでは中央での細かい崩しから綺麗に抜け出す素晴らしい形でしたが。
そこの繋いでいく部分や自分がパスを出してもう一度前に出て行くという部分は今までの試合でもあった部分なので、そこは伸ばしつつというか、継続しながら守備のところではもっと自分たちでボールを持つ時間を増やせれば、違った展開、違ったチャンスを作れると思います。

ゴールシーンではイメージ通りのフィニッシュでしたか。
ちょっとドリブルをゴールに向かうよりもズラしていき、そこで相手のキーパーの選手を横にズラしたかったので、そこはイメージ通りでした。ただ、触られてしまった部分は焦りましたが、ほぼイメージ通りでした。

システム変更を含めて比較的早い時間帯に守備的なプランに移行しましたが。
結構、早い時間帯に5-4-1の守備的な形になりましたが、その中で奪った後にボールを大事にするというか、少しでも保持する時間を増やしたかったです。ただ、結構割り切って蹴ってしまったので、そこは今の自分たちが勝てていない状況などが出てしまいました。そこはひとつ課題ですが、最終的にゼロで終えられたことは自信になると思います。

後半立ち上がりに繋ごうと試みた場面でボールを失う形が多かった部分も影響しましたか。
それはあります。1トップしか前にいない状況があったので、周りの選手が前に出て行く時間もかかってその中で失ったり、パス自体が合わない部分もありました。それもあって時間が進むに連れてよりハッキリとしたプレーになっていったと思います。

試合終盤相手のクロス攻撃に対して気を配った部分を聞かせてください。
中にオルンガ選手という強い選手もいたので、横のスライドというかあまり5バックの選手が外に釣り出されないように1列前の自分のところで2度追いして対応するところは意識しました。最初は中に入って来る選手をケアしながらファーに流れたボールにも行けるような態勢は取っていました。

これまでで最も攻撃の能力が高い相手に対して今季初めてクリーンシートを達成できた要因はどこにあると思いますか。
入って来るボールに対するディフェンスの選手のアタックはすごく良かったと思いますし、チームとして穴を開けずにやれたことが大きかったと思います。いつもだと追う時間が多かったですが、先制点を取って今日はすぐに追加点も取れたことで少し落ち着いた状態でやれたと思います。

今後の課題は無失点の時間を継続しながら攻撃のスイッチを入れていくという部分だと思いますが。
守備のところから入るのは大事ですが、ヴェルディらしいサッカーというか、ボールを大事にして繋いでゴール前に迫っていくという部分でビルドアップや繋ぎの部分は改善していきたいです。

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