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MATCH試合情報

2013 Jリーグ ディビジョン2 第38節 - 東京ヴェルディ vs ギラヴァンツ北九州

マッチレポート

【試合展開】

リーグ戦も残り5試合。リーグ戦2連敗中と、昇格のためには絶対に負けられない状況にあるヴェルディは、今季ここまで17位と低迷しているギラヴァンツ北九州と対戦した。

 最初に見せ場を作ったのはヴェルディだった。6分、相手陣地中盤からのフリーキックを高原直泰が合わせるもゴール左へと逸れる。その後も自陣にリトリートする北九州に対し、ボールを支配する時間が続くが、パスの出し手と前線との連係が噛み合わず、決定機が作れないまま時間が過ぎていく。15分には小池純輝が左に抜け出してグラウンダーのクロス。これを高原が左足で合わせるもゴールキーパーに阻止された。すると、次第に両チームともにミスが目立ちはじめ、ボールが繋げない蹴り合う展開へと試合状況は変わっていく。そこでわずかな隙を突いたのがヴェルディだった。22分、右サイドで粘った森勇介がクロスを上げるも相手DFにクリアされてコーナーキックを手に入れる。キッカーは中後雅喜。鋭いカーブを描いてゴール正面に飛んだボールは競り合いの中でこぼれる。いち早く反応した飯尾一慶がこぼれ球を押し込んで先制する。その後、試合序盤とは一変して北九州がボールを支配する時間が続くが、ヴェルディは要所をしっかりと締めたディフェンスでチャンスを作らせない。このまま膠着した状態で前半が終了した。

後半に入ると、ヴェルディは飯尾一慶を起点に北九州ゴールを脅かす場面が多く見られるようになる。対する北九州もミドルシュートで積極的にゴールを狙って応戦してきた。ただし、両チームとも攻め手を欠いて決定機を作るには至らない。そんな中、常盤聡が連続してチャンスを迎えた。68分、ロングボールを小池純輝が落とし、ダイレクトでゴールを狙うが枠外。69分、左サイドでボールを受けた高原直泰が常磐聡へ絶妙なパス。相手DFと競り合いながらシュートを放つがこれも決まらず。このプレーから獲得したコーナーをまたしても常盤聡が頭で合わせるが、ゴールの上へと外れた。試合終盤には、両チームともにボールが落ち着かず、一進一退の攻防を繰り返す手に汗握る展開となった。ただし、ヴェルディは素早いアプローチと高い位置でのボールキープで相手にリズムを作らせず、ジェフユナイテッド千葉戦以来となるクリーンシートでタイムアップを迎えた。

 

 

 

【試合後選手コメント:MF 27 前田直輝選手】

――久々の先発出場でしたが。

「準備はしていたので、いつスタメンで出ても大丈夫だと思っていました。でも、久々の実戦ということもあって、アレックス選手の寄せが速いなというふうに感じてしまいました。でも、後半徐々に慣れてきて自分の良さが出せるのかなというタイミングで交代になってしまったので、正直なところとしては何もできなかったなという印象です。でも、今シーズンでサッカーを引退するわけではないので、来シーズンに向けてまだ残り1試合ありますし、自分のプラスになるよう、ヴェルディの力になれるようにプレーしたいです」

――前節の敗戦でプレーオフ進出の可能性が消え、難しいモチベーションの中での試合でしたが?

「そうですね。でも、監督が言うように“今日でサッカー人生が終わるわけではない”という言葉は自分の中で強く響いていましたし、昇格がなくなったからといってやることが変わるわけでもありません。目標がなくなったからやることが変わるというのはおかしいことでもあるので、やっぱりプロとして男としてやるべきことをしっかりやろうとみんなが思って試合に臨んでいたので、今日のような試合ができたと思っています」

――試合内容はまずまずといったところでしょうか?

「そうですね。でも、ひとつのミスで失点に繋がってしまいましたし、勝ち切りたかったです」

――今日はご自身の誕生日でした個人としてはゴールがほしかったところですね。

「そうですね。ゴールはほしいと思ってやっていましたが、最優先はチームの勝利なので。自分にとってはチームの勝利が一番のプレゼントだと思っていたので、それが実現できず、悔しい思いはあります」

――ご自身としては今シーズンについてどんな印象がありますか?

「一言で言えば悔しさの残るシーズンでした。自分が本当に良い状況になっている中でケガをするという経験をしましたが、そのことは今後のプロ人生に向けてプラスにしていきたいです」

 

【試合後選手コメント:MF 35 関光博選手】

――ゴールシーンはシュート性のクロスという印象でしたが?

「入ればいいという感じでシュートを打ったので、入ってくれて良かったです。中に味方がいなかったですし、GKがクロスを狙っているなという感じもあったので。とにかく入ってくれて良かったです」

――前節、自サイドから上げられたクロスが失点に繋がりました。それを取り返そうという気持ちもありましたか?

「この前の試合を受けてというわけではないですが、自分が試合に出た際は与えられた仕事をしっかりとやろうという気持ちでプレーしています」

――ゴールシーンを含めて積極的にオーバーラップを狙っていましたね。

「そうですね。チャンスがあれば上がってクロスや相手の守備を引っ張れればいいなと思ってやっていました。ただ、もっとチャンスに絡みたかったです」

――後半はバランスを取るようなプレーが多くなりましたね。

「自分のサイドだけでなく、逆のサイドを見ながらプレーしました。また、相手のFWが攻め残る場面が多かったので、そこもリスクマネージメントを考えながらやっていました」

――前節の敗戦でプレーオフ進出の可能性が消え、難しいモチベーションの中での試合でしたが?

「目標は達成できませんでしたが、たくさんのサポーターが一生懸命応援してくれているので、その人たちのためにという思いでプレーしました。チームとして最後まで全力でプレーするのは僕らに与えられた使命でもあるので、そこは来週もう1試合ありますが、全力でやりたいと思っています」

 

【試合後選手コメント:MF 23 吉野恭平選手】

――開始直後からクサビを受ける相手に対して、積極的な守備をしていましたね。あれはチームとしてのプランだったのでしょうか?

「いや、自分の判断です。本当はもっと攻撃でシンプルに捌いてもう一度受け直したりして攻撃にリズムを作りたかったです。あんまりリズムを作れなかったですし、守備でも押し込まれて相手の懐にガツンと当たれなかったので、そういう意味では自分の持ち味を出せず、課題の残る試合になりました」

――そこまで悪いプレーには見えませんでしたが?

「全然ダメです。ずっとボランチでプレーしたいと思っていたので、もっと攻撃でも守備でもやらなければダメでした。せっかく、ボランチとしてチャンスをもらったのにああいうプレーをしてしまいました。もっとできるはずだし、もっとやらなければいけなかったです」

――ボール捌きの部分では良い面もあったのではないでしょうか?

「ボール捌きに関してはある程度できた気がしますが、勝負のパスを出せなかったです。ただボールを捌くという選手はたくさんいますし、自分としては勝負のパスを出せる選手になりたいという思いもあるので、全然ダメでした」

――ゴールシーンでは速い縦パスで起点となりましたが?

「速いパスを出せば相手の足が出てこないと思ったので入れてやろうと思っていました。仮に相手に引っかかっても、また自分がアプローチして取れたと思うので、あそこは良い判断ができたと思います」

――前半と後半でシステムが変更になりましたが、すぐに対応できましたか?

「2トップが縦関係になって、トキ君(常盤選手)が一列下がって相手のダブルボランチを見てくれたので、自分の役割もしっかりしましたし、トキ君もやり易かったと思います。そういう意味では上手く対応できました」

――4バックに変わったことで、ボランチとしてボールの回し方が変わりましたか

「そうですね。関さんやリョウ君(福井選手)が相手を引っ張ってくれたんで、ギャップができるなと思っていたので、そこに顔を出していきたかったんですが、あまり顔を出すことができなかったです」

――鈴木選手が長いボールを使った展開、吉野選手が短いパスを捌くというように役割分担がはっきりしていた印象ですが?

「そうですね。二人の間で明確に役割分担していたわけではないですが、ジュン君(鈴木選手)の持ち味はああいうふうにサイドを変えるフィードやキックだと思っていますし、僕自身は特別キックが上手いわけでもないので、極力味方の近くでボールを受けてリズムを作るタイプなので、お互いの良さを出せるようにした形が今日のような二人の関係性になったのだと思います」

――カウンターからチャンスを作る場面が多かったわりにシュートシーンが少なかった印象ですが?

「そうですね。バイタルエリアに入った後の崩しのアイデアが足りなかったことで、シュートまで行き切れなかった気がします。なので、もっとアイデアを出して最後にシュートに行けるような崩しが必要だったと思います」

――プロとして初めて臨んだ今シーズンでしたが、ご自身の収穫と課題を教えてください。

「手応えを感じた部分としてはボールを捌くということはある程度できたと自分自身実感しています。ただ、自分の持ち味である守備の際の潰しといったところは、相手のプレースピードに戸惑った部分もあって、思ったようにできませんでした。来シーズンに向けては持ち味が出せるようにしっかりとやっていきたいです」

――最後にシーズンを通して応援してくれたサポーターにメッセージをお願いします

「目指していたJ1昇格は達成することができませんでしたが、自分自身としては手応えを感じましたし、チームとしても収穫が全くないということではないので、来年に向けてしっかりと準備していこうと思っているので、引き続き応援をよろしくお願いします」

 

【試合後選手コメント:DF 26井林章選手】

――4バックに変更しましたが、狙いはなんだったのでしょうか

「相手のFWをはっきりと捕まえるためには4バックの方が良かったんだと思います。相手が斜めに走り込んでくるのに対しては、2センターバックの関係性で対応する方が良いと思うので。やっている方としてはやりやすくなったので、そういう意図だったと思います」

――守り方としては前から行く意識を感じましたが?

「前から行くというよりは引かないという考え方ですね。相手も前から来るのでファーストアプローチをしっかりとやろうということは、練習からやってきたことでもあるので、みんなの意識としてあったんだと思います」

――守備ではまたミスから失点してしまいましたね。

「確かに刀根のクリアが甘くなった部分はありましたが、あそこは僕がカバーしなければいけないところでもあります。だから、あそこで自分が何もできなかったのは良くなかったです」

――フィジカルの強いドウグラス選手の対応で気を遣った部分はありますか?

「対応に関してはどの相手に対しても、自分はフィジカルに頼らないような対応をいつもやっています。できるだけ密着して相手の間合いに持っていかせないように、タイミングとか瞬間の読み、ポジショニングという部分に気を遣っています」

――前節の敗戦でプレーオフ進出の可能性が消え、難しいモチベーションの中での試合でしたが?

「いつも通りの試合をやるだけだと思って、練習でやってきたことをしっかりと試合で出して結果にこだわろうという気持ちで戦いました」

――プロとして初めて臨んだ今シーズンでしたが、ご自身の収穫と課題を教えてください。

「もちろん、課題は明らかにビルドアップの部分や攻撃に関わるところです。現状、攻撃に関してチームの足を引っ張ってしまっているので。守備に関しては、何とかなるという時と何とかならない場面があることを実感しました。自分はあまり身体が強くないので、無理が効かないということをもっと意識しないといけないですね。身体の強い無理の効く相手のFWに対して、ちょっと自分がタイミングを外されると上手くいかないことが多かったので、もっと集中する必要もあります。自分は守備でチームに貢献する選手だと思っているので、ヘディングや1対1の対応という部分にはもっとこだわっていきたいです」

――最後にシーズンを通して応援してくれたサポーターにメッセージをお願いします。

「1年間やってきたことは絶対に無駄ではなかったですし、積み上がってきた部分は必ずあると思います。この1年を前向きに捉えて来シーズンに繋げられるシーズンだったと思えば、間違いなく前向きにいけると思うので、ポジティブな気持ちを持って、これからも一緒にみんなで戦っていければと思っています」

 

 

 

【試合後監督コメント:三浦泰年監督】

――試合を振り返ってください。

「本当に1年間ありがとうございました。今日、ホーム最終戦でしたが、もう1節ありますので我々はしっかりと準備をすることが大切です。その中で、今シーズンホーム最後の試合はどうしても勝ちたい気持ちが強かったです。選手も前節で昇格の可能性がなくなった中で、勇気を振り絞ってピッチに立ったと思います。それでも、ひとつ足りなかった。その中でも良い部分が出たところはありました。相手はプレーオフが懸って高いモチベーションの中で戦うので、ちょっとした圧力を上手く使って自分たちのサッカーをできればなと思っていました。この試合も出場停止と前日のトレーニングで2人ケガをするという中でメンバーを組む形になり、ぶっつけ本番みたいなところは強かったですが、選手はやることをしっかり理解して最後まで諦めずに戦ってくれたなと思います。その中で先制点を取れた。そこで上手く前半を切り抜けていければなと思っていました。実際は、今シーズン先に1点を取った後、追加点が取れれば決められる試合をいくつか引き分けたり、非常に今日のスコアが象徴するような試合が多かったなという印象です。そういう中でシーズンを1節残していますが、選手と共に、今できる力を振り絞ってやってきたなと思っています」

――サポーター席からは厳しい内容の横断幕も掲げられましたが、それをご覧になっての感想はいかがでしょうか?

「力に変えて、1年後には彼らと喜べるように、またしっかり努力して精進していきたいなと思いました」

 

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