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2020.07.18

緑の分岐点 有吉佐織選手編

 

レジェンドたちから学んだ「サッカーを楽しむ」こと。

 

パスを受け、フェイントでかわし、相手の逆を取る──。有吉佐織のプレーは、まさにお手本だ。そして、チームメイトを輝かせるスペシャリストでもある有吉のベースには、小学生の頃に培われた「観察眼」がある。

 

父に、チームメートや対戦相手の特徴を常に聞かれました。それで、自然に周囲を観察するようになりました

 

その後は神村学園中学・高校、日本体育大学でプレー。

 

「同じチームに初心者から日本代表クラスまでいたので、一緒に組む選手の良さを生かすことをいつも考えていましたね」

 

様々な個性と向き合って戦術眼とコミュニケーション能力を磨き、大学4年時にベレーザの練習に初参加。ケガのため見学に訪れただけだったが、有吉のプレーを知るクラブ関係者を通じて特徴やスタイルは伝わっていた。

 

「『根性ありそう』と評価してもらえたみたいで(笑)。奇跡的に入れてもらえました」

 

当時のベレーザは澤穂希、大野忍、近賀ゆかりら、生え抜きの日本代表選手ばかり。1年目は控えに甘んじたが、世界レベルを日常的に体感できる環境は、その後のキャリアに大きな影響を与えた。

 

「澤さんたちトップレベルの選手とプレーできたことは大きかったです。雲の上の存在で、正直、ベレーザに入るまではめちゃくちゃ怖かった(笑)。でも本当にみんな優しくて、何よりサッカーを楽しんでいました」

 

有吉は2012年2月に代表デビュー。だが、前年のドイツ女子W杯優勝メンバーの壁は厚く、同年のロンドン五輪のメンバーからは落選。バックアップメンバーとして現地には帯同したが、練習は一緒にできてもベンチ入りは許されず、スタンドから試合を眺めるだけだった。

 

その時の悔しさが、有吉を奮い立たせた。なでしこジャパンのレギュラーになると、15年のカナダ女子W杯では銀メダル獲得に貢献。大会MVP候補にも名を連ねた。だが、有吉にとってこの大会で最も記憶に刻まれていることは別にある。

 

「試合に出ていない澤さんや近賀さんたちが全力でサポートしてくれた。ベンチの雰囲気が素晴らしかったです」

 

 この頃、ベレーザも転換期を迎えていた。4年連続2位の後、若手の成長もあり15年からリーグ5連覇中。今季は6連覇が懸かる。有吉は、コロナ禍で試合ができることに感謝し、「サッカーの楽しさをプレーで見せたい」と誓う。

 

「『うまくなりたい』という気持ちは、若い頃からまったく変わっていません」

 

 燃え続ける有吉のサッカーへの探究心と向上心が、今年もチームに勢いを与えるはずだ。