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MATCH試合情報

2017 明治安田生命J2リーグ 第12節 - 東京ヴェルディ vs 横浜FC

マッチレポート

【試合展開】

ゴールデンウィークの連戦も最終戦を迎えた。1勝1敗で上位に食らい付いているヴェルディは、ホームの味の素スタジアムに首位の横浜FCを迎えた。前節、頭部の負傷で試合終盤に退場したドウグラスは大事をとって休養。またアランも連戦の疲労を考慮してベンチスタートとなった。代わりに、1トップには高木大輔を起用し、右FWに梶川諒太、左FWには高木善朗を置いた。また、両サイドMFには利き足と配置を逆にし、安西幸輝を左サイドに、安在和樹を右サイドに起用した。

 

立ち上がりから中盤での圧力を強める両チーム。球際での激しい攻防でともにボールを保持しながら高い位置までボールを運び、序盤から好ゲームの雰囲気を漂わせた。その中でファーストチャンスを作ったのはヴェルディ。7分、ゴール正面約25メートルの位置でフリーキックを得ると、安在和樹が長い助走から体重を乗せた強烈なシュートを放つ。ボールは相手GKの正面に飛んだが、手前でバウンドして勢いに乗ったボールをGKがキャッチできずに前にはじく。シュートと同時にゴール前に詰めていた高木大が誰よりも早くこぼれ球に辿り着き、ワンタッチでゴール右に流し込んで早い時間帯に先制に成功した。3試合で1失点という堅守を築いていた横浜FCのゴールをあっさりとこじ開けたチームは、一気に畳み掛けるように攻撃に出る。14分にはクロスボールを安在が頭で折り返し、ゴールニアにポジションをとっていた高木大がジャンピングボレーを放つも、相手GKにセーブされた。18分には、またも安在が右サイドでボールを持つと、相手のプレッシャーが弱いとみるや豪快に左足を強振。揺れながら曲がって落ちたボールはGKの頭上を越えたが、惜しくもバーを直撃して枠を逸れた。チャンスを決め切れないでいると相手にもチャンスが訪れる。30分、右サイドからのフリーキックがゴール前を通過して左ポストを直撃、佐藤の目前にこぼれてゴール前で詰められて追いつかれた。

 

ワイドな展開で相手を揺さぶった前半の流れを継続し、そのままボールを保持して試合を決めに行きたいヴェルディ。57分には左サイドを突破した安西がマイナス方向にクロスを入れる。飛び込んだ橋本英郎がワンタッチのボレーシュートを放ったが、ゴールわずか右へと外れた。71分には右からのクロスをゴール前に入れ、密集の中でこぼれたボールに高木善が反応してジャンピングボレーで狙うが、相手GKのファインセーブに防がれた。ボールを保持し、ゴール前に詰め寄りながらもあと一手を欠くヴェルディ。すると87分にこの日一番のピンチを迎える。パスミスを拾われてカウンターを受けると、そのままペナルティエリアに侵入を許して豪快なシュートを打たれる。枠を捉えたシュートは柴崎貴広の手の先を抜けたが、ポストに直撃し、こぼれ球に詰めていた選手がアクロバティックに合わせにいくも振り足は宙を切った。試合終盤にはセットプレーをきっかけに相手をゴール前に押し込んだが、こぼれ球を拾って打つシュートはことごとく枠を捉えきれず。このまま1-1でタイムアップを迎えた。

 

引き分けという結果ながら、3試合連続4得点中の横浜FCにチャンスらしいチャンスを与えず、逆に自分たちの持ち味を生かして多くの決定機を作り出した。ただし、上位直接対決の難しい試合だったとはいえ、この上位争いから頭一つでも抜け出すには、ここで勝負を決め切る精度が必要になる。まずは連戦の疲れを癒し、1週間のインターバルで迎える敵地でのカマタマーレ讃岐戦で必勝を期してトレーニングを進める。

 

 

【試合後選手コメント:DF 3 井林章選手】

――注目ポイントだった相手のイバ選手を抑えるという点に関してはいかがでしたか?

「監督も言っていたように、極力ゴール前で左足で持たせないようにという部分に関しては、最低限できていたと思います」

――決定的な仕事をさせないという部分で前からの守備でパスの供給源を断ったのか、イバ選手自体を抑え込んだのか、どちらだと考えていますか?

「どちらもあると思います。特に、良い形でボールが入っていない、という印象はあります。入っても極力コンパクトに守れていたので、そうなったと思います」

――今日は高木大輔選手を筆頭に前線からのプレスが効いていました。

「メンツがいつも以上にコミュニケーションが取りやすく、走れる選手も多いので、その部分は90分を通して相手を上回っていたと思います」

――セットプレーからの失点に関してはいかがでしたか?

「あれは点で合ってしまったので、しょうがないです。セットプレーではそういう時もあるので…」

――勝ち点1という結果に関して勝ち切れなかったという印象でしょうか?

「そうですね。やっぱり、決める時に決め切れないと、ああやってズルズルと行ってしまうので、今日は引き分けに持ち込むことができましたが、ホームでは勝ち切らないと、上にも行けないと思います。そういうところで差を付けていかないと、夏に向けて取りこぼしが響いてくると思うので、これからはそういう部分を大事にしていきたいです」

――ビルドアップに関しては最近の試合に比べて改善がありましたね。

「相手がそんなにプレスに来ておらず、来ても単発だったので、チームとしてはドンドン前に行くことよりも、やり直すパスを増やして左右に揺さぶっていく、という形が前半は特にできていたと思います。相手も左右に振られてきつかった時間もあったと思うので、それは相手の対策という意味ではよくできました」

――今日は9千人を超える数の観客が来場していましたが。

「今日は多いなという感覚がありました。ただ、こういう時に勝たないとダメだと思います」

――キャプテンから見て前線で奮闘していた高木大輔選手のプレーはどのように映りましたか?

「彼はガムシャラにやってくれるので、それにつられる選手も出てきますし、そういう相乗効果というのは、彼にとってもプラスになりますし、同じポジションでプレーする選手にとっても良い刺激になると思います」

 

 

【試合後選手コメント:FW 18 高木大輔選手】

――今季初ゴールの場面を振り返ってください。

「距離があって立ち上がりの時間だったので、僕がファウルをもらったので、アンカズに思い切り打ってほしかったです。僕もアンカズを見ていて笛が鳴ってすぐに、相手が準備をしていない状況で打っていたので、ボールの軌道と今日は水を撒いていたので、ボールが滑ると思い、それが無くても詰めようと思っていましたが、そこに詰めたら後は流し込むだけのボールが来たので、決められて良かったです」

――今日は本職のフォワードで出番が回ってきましたね。

「冷静に考えて、今季はずっとウイングバックでプレーしていた中、突然チャンスをもらい、自分がこれまで多くプレーしてきたポジションであり、点を取れるポジションでプレーしたいと思っていたので、今日がラストチャンスという気持ちでプレーしました。今日が良かったか、悪いかは分かりませんが、とにかく点という結果で監督に対して良いアピールができたと思います。ただ、点を取りましたが、失点場面のマークも自分だったので、そこはすごく反省しなければいけないと思います。とりあえず、点が取れたことは個人的に良かったです」

――ボールを収めるプレーに関してはいかがでしたが。

「まだまだ足りないです。良いセンターバック相手にもっと収められないといけないですし、そこができないとアランやドウグラスをある意味で越えて行けない。たとえ、点を取っても収めることができなければ、ダメだと思うので練習していきたいです」

――献身的なプレスバックで守備に貢献しましたね。

「後半は疲れて全然できませんでした。ただ、前半に関しては自分の中でウイングバックでプレーしてミスをした時に、前の選手に助けられる場面が多かったので、それがどれだけチームに良い影響を与えるか、という部分ではウイングバックでのプレーを通じて感じられたことでした。これからどのポジションでプレーするか分かりませんが、続けていきたいと思いますし、前線からのプレスは自分の長所でもあるので、そこはブレずに続けていきたいです」

――久々にフォワードでプレーした率直な感想はいかがですか?

「やっぱり、ゴールが近くていいです。もちろん、やる仕事がたくさんあり、昨日の練習前に監督から直接言われて、頭を整理するのでいっぱいいっぱいでしたし、気負い過ぎてもいけないし、ふらっと入ってしまってもやられると思っていました。その中で点を取れたことが、自分的に大きかったです。監督からは『トゥモロー、アタッカンチ(フォワード)。ドウグラスポジション、ノープロブレム?』と言われて『オーケー』としか言えなかったです。ただ、アランの状態がギリギリまで分からなかったので、昨日はユーチューブで自分の点を取ったところやチームが良かった時の映像を今日の朝も見てきてモチベーションを高めてきました」

――田村選手のお子さんと約束していた待望のゴールパフォーマンスを見せられましたね。

「今日来てくれていたのか、分かりませんが、タムさんもベンチで立ってくれていたので、なかなか時間もかかりましたが、今日できて良かったです」

 

 

【試合後選手コメント:MF 6 安在和樹選手】

――間接アシストでしたが。

「間接ですね(笑)。 ヨシアキ君と話し合って自分が打つ形に変えて、プラス笛が鳴った時にキーパーがファーポストでごちゃごちゃやっていたので、『打ってやろう』という感じで打ちました。キーパーの前でバウンドさせて入れば良かったですが、弾くのが精いっぱいで狙い通りでした」

――スタートから逆足の右ウイングでのプレーでしたが。

「今日は機能したと思いますが、めっちゃキツかったです。クロスがゴールに向かいますし、中に入ればシュートも打てるので、色々な変化になると思うので、良かったと思います。守備面でも狙い通りの形でボールを獲れてチーム全体として良かったと思います。相手は中にボールを入れてくるので、そこで中に入れさせずにカットとかもできていました」

――高い位置取りは監督からの指示ですか?

「今日は同サイドの組み合わせがカジ君だったので、カジ君は比較的自由に動いてボールを受けるので、僕としては相手を引っ張ってカジ君にスペースを与える意識でした」

――今日は高さがない前線の組み合わせでクロスや仕掛けの部分で意識したポイントはありますか?

「やっぱり、低くて速いボールを意識しました。今日に関してはそこまで良い精度のボールを入れられなかったです」

――チームの狙いであるウイングバックからのクロスを逆サイドのウイングバックが合わせに行く形も出ていましたね。

「やっぱり、そこは普段から入っていけと言われているので。今日は頭で折り返しましたが、中に人がいなかったです。ああいうのがチャンスになっていけばいいですね」

――勝ちを逃した末の勝ち点1という感覚ですか?

「勝てたら最高でしたが、最低限の結果ですね」

――ここ最近、チームの戦い方に自信が窺えますが。

「やっぱり、プラン通りの守備ができれば、相手を上手く抑えられ、今日はそれができていました。だから、あまり恐いチャンスを与えることもありませんでした。そういうことがチームでよりできていけば、そういうふうになっていくと思います」

 

 

【試合後監督コメント: ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督】

――試合を振り返ってください。

「前半はとても拮抗した試合でした。ボールを持っているチームがボールを動かし、ボールを持っていないチームがスライドして対応する、両チームとも同じ状況でした。後半は私たちがよりボールを支配し、よりチャンスを相手に比べて作れていたと思います。決定的なチャンスをいくつか作ることができました。その一方で、相手もカウンターアタックで1本非常に大きなチャンスがあり、それを決められていれば、私たちが負けていた可能性もありました。とてもチームのプレーには満足しており、結果は1ポイントしか取れませんでしたが、チームのプレー内容には非常に満足しています」

――高木大輔選手を最前線で起用した意図を聞かせてください。

「アランが少し筋肉系のトラブルを抱えていたからです。メディカルチームと話し合い、45分以上プレーさせないという結論に至りました。ケガをさせたくなかったのでベンチに置き、試合が拮抗していたので、最後に投入しました。ただ、元々彼を投入したいと思ってはいなかったです。ドウグラスもこの前の試合でケガをしてしまっていなかったので、ダイスケを今日はフォワードで起用しました」

――高木大輔選手の長所に関してどのように捉えていますか?

「ヨーロッパの選手に近い印象を持っています。サッカーに生きているという印象です。試合でも練習でも強い強度でプレーでき、さらにとても賢い。今日の1点目もセカンドボールに詰めた非常に賢いプレーでした。基本的に今日の彼のプレーに満足しています。前線でボールをキープしてくれて、守備の場面でも貢献してくれました」

――3バックには色々なスタイルがありますが、今日はサイドを起点に攻める形が印象的でしたが。

「今日は両サイドのウイングバックが非常に攻撃参加してくれました。ただ、外側だけでなく内側からのプレーもイメージしています。外側だけでなく中側も、中側だけでなく外側も使った攻撃を使えれば、相手にとって読み辛いチームになると思っています。外側だけで攻めるチームは読まれやすいと思います。内側からのプレー、外側のプレーというバリエーションを持ってプレーしたいと考えています。内側からプレーしているときも、彼らがサイドにいることでチームは幅を持って攻撃できると思います」

――高木善朗選手のプレースタイルに関しての評価を聞かせてください。

「去年までの彼のことに関してよく知らないのでコメントできませんが、少なくとも今年に関してはとてもよく仕事をしてくれています。彼はおっしゃる通り、非常に質の高い選手です。攻撃の面でチームに貢献してくれています。それだけでなく今年は守備面でも貢献してくれており、今年は非常に良いシーズンを送っていると思います」

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