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MATCH試合情報

2017 明治安田生命J2リーグ 第5節 - 東京ヴェルディ vs FC岐阜

マッチレポート

【試合展開】

ホーム連戦で連勝し、先週はアウェイでレノファ山口FCに勝利して3連勝でホームに帰ってきたヴェルディ。開幕戦以来失点もなく、安定した守備をベースに着実に勝ち点を積み上げている。今節味の素スタジアムに迎えたのはFC岐阜。いまだ勝利がないとはいえ、パスサッカーを展開して試合を支配するイメージがあり、ヴェルディも攻撃力を警戒してこの一戦に臨んだ。

 

立ち上がりの2分、ヴェルディにいきなりチャンスが訪れる。ドウグラスが相手の背後のスペースに飛び出すと、そのまま相手ゴールまでドリブルしてGKとの1対1でシュート。絶好機だが、シュートは間合いを詰めた相手GKの好守に阻まれた。ここから試合は一気に岐阜へとペースが傾く。細かくパスをつなぎながらヴェルディのプレスをかいくぐり、ヴェルディ陣内で試合を進める。ヴェルディは前線から深追いをしないでリトリートする形で対応するが、後手に回ってバイタエルエリアに何度も侵入を許す。29分にはバックパスのミスから柴崎貴広もかわされるピンチを招くが、ゴールカバーの永田充がクリアしてことなきを得た。33分には立て続けにピンチを迎える。右サイドから崩されてゴール目前で合わされるも、柴崎が鋭い反応ではじく。こぼれ球をプッシュされるが、今度はゴールカバーに戻った安在和樹がゴールラインぎりぎりのところで身体を投げ出しながらクリアした。攻撃面ではミスが目立った。ボールを奪った後に前線につけたボールが収まらず、本来の狙いからは遠く、連係ミスなどでフィニッシュに至る前にボールロストする場面が目立つ。それでも、アディショナルタイムには高木大輔のロングスローでゴール前に押し込み、密集のこぼれ球を高木善朗がオーバーヘッドで叩いてゴールの隅を突いたが、相手GKが片手で弾き出してゴールを割れずに前半を折り返した。

 

ハーフタイムを挟んで、試合の流れは少しずつ変わっていく。岐阜の運動量が落ちてスペースが目立ってくると、そこをアラン、高木善、途中投入された梶川諒太が突いてボールを高い位置まで運んでいく。64分には高い位置でボールを奪った安在が左サイドから中央へドリブルで切れ込んで相手をかわしフリーの状態に。シュートは枠を捉え切れなかったが、これが反撃の狼煙になった。サイドのスペースを使って相手の守備陣形を崩すと、ボールを広く動かしてフィニッシュまで結びつける。そして、待望のゴールが生まれた。68分、自陣でパスカットした内田達也が前線の左スペースへボールを流す。アランがこれに呼応して受けると、そのままドリブルしてバイタエルエリアに侵入。ペナルティエリアの際のところで相手DFと1対1になると、ワンフェイトで反応を遅らせてから右足を振り抜く。見事なカーブを描いたシュートは、ゴール右上隅のこれ以上ないコースへと吸い込まれていった。

 

先制後は押し込まれ続けて『あわや』という場面が続いたが、3試合連続で失点ゼロを続けている守備陣の集中は最後まで持続。逆にヴェルディは、相手の反撃を受けながらも要所でカウンター気味にチャンスを創出。終盤の90+1分には、ワイドにパスを動かして、右サイドから駆け上がってきた高木大が強烈なシュート。一度相手GKがはじいたこぼれ球を梶川が押し込むが、ゴールカバーに入った相手DFにクリアされた。試合終了直前の90+3分には、アランが左サイドのタッチライン際で粘ってつないだボールを安西幸輝が拾ってドリブルで中央に持ち出し、ペナルティエリア内に侵入。相手をかわしながらゴール正面でシュートを打ったが、相手GKの身体を張った守備に阻まれて追加点はならず。

 

結局、終盤のオープンな展開の中で両チームともにゴールは生まれず、ヴェルディがアランのゴールを守り切り、連勝を4に伸ばした。試合後には、指揮官をはじめ選手たちから反省の弁が出るなど、内容についてはまだチームとして納得いくものが残せているわけではない。しかし、その中で勝ち切ることができている。攻守ともに“ロティーナ”流を少しずつでも浸透させながら、また勝ち点を積み上げてホームに帰ってきたい。

 

 

【試合後選手コメント:FW 7 アラン・ピニェイロ選手】

――試合を振り返ってください。

「難しい試合でしたが、ゴールを決めることができ、さらにチームが勝つことができて非常に満足しています」

――ゴールシーンを振り返ってください。

「カウンターアタックから非常に良いシュートが打てたと思いますし、とても大切な勝利に繋がるゴールになって良かったです」

――4試合連続ゴールですが。

「とても嬉しいです。ゴールを決め続けることは素晴らしいことですが、大切なことはチームが目標に向かって一つひとつ大切に戦っていくことです。そして、良いトレーニングをして良い仕事をしていくことです」

――今後に向けた意気込みをお願いします。

「大切なことは一つひとつの試合を勝っていくこと。そして、良いトレーニングを通じて自信を深めて、大切にシーズンを戦っていくことです」

 

 

【試合後選手コメント:MF 38 梶川諒太選手】

――どのような意図を持って試合に入りましたか?

「前半からちょっと危ないシーンもあり、ちょっと早い段階から準備をしていました。その中で潮音がケガをしてしまい、少しプランが変わってしまいましたが、早めにチャンスが来るかなというところで、毎試合同じですが、流れを変えたいという強い想いで入りました」

――持ち味を発揮してチームを活性化させた印象ですが。

「まず守備のところで、しっかりとスライドする、中を通させないということを意識していました。あとは相手の横パスが狙えると思っていたので、そこはうまく突いていけました。完全に獲り切ることはできませんでしたが……。ただ、何回か高い位置でボールを持った時に、もったいないボールの奪われ方もあったので、ああいうところをしっかりとフィニッシュに繋げるプレーにしていかないと、恐い選手にはなれないので、流れを変えるだけでなく、より恐い選手になるためには、ああいうプレーの精度を高めていきたいです」

――敵陣深くで強引に仕掛ける場面もありましたが、抜ける感覚はありましたか?

「中盤での相手のディフェンスの仕方から見ても、飛び込んで来る感覚もあったので、外せると思っていましたが、自分が思っていない形のボールタッチになってしまい、そこは反省点です」

――復帰後初ゴールのチャンスもありましたが。

「ああいうところを決め切らないとダメです。あそこで2-0にしていれば、チームももっと楽に戦えたはずなので、そこは自分にとって課題です」

――ここ数試合、ドウグラス選手に代わっての途中出場が多いですが。

「ドウグラスは僕と真逆の特長を持っていて、強さやボールを収めるプレーは僕にはできないので、そこは機動力やしっかりと動き回ってセカンドボールを拾うとか、チームが苦しい時にポジショニングで助けるとか自分の持ち味を出していくしかないと思っています。あとは、もっと効果的に攻撃に繋げていければと思っています」

――相手の疲れが出た時間にかなりいやらしいポジショニングでボールを受ける場面が目立ちますね。

「外から見ていた時に、前半から相手のボランチ脇が空いているのが分かっていたので、そういう場所で受けることを意識して、ウチの後ろではミツさん(永田)やウッチー(内田)が見てくれているので、とにかく相手にとって嫌な動きをして、自分が使われなくても囮になって、そこを(高木)大輔が上手く使ってくれるので、個人として結果を残すことも大事ですが、まずはチームが結果を残すことが最優先なので、その中でスタメンを取れるようなプレーを心がけていきたいです」

――途中交代の際に自分と前半から出ている選手の運動量の差は気になりますか?

「今日はまだ動けていましたが、山口戦は本当に周りがかなりキツそうだったので、あの時は無理をして自分だけが暴走すると、リズムが崩れてしまうので、そこは上手く味方の位置を見ながら、できるだけキープした方がチームの助けになるので、心がけているポイントの1つです」

 

 

【試合後選手コメント:FW 18 高木大輔選手】

――前半途中からプレスのかけ方を変えましたが、ハマった感じですか?

「前半途中から両サイドで前からプレスをかけに行く形に変えました。少しボールを見る時間が長くなって、相手に好きにボールを回されていたので、それをなくすために変えました」

――後半に入って流れを引き寄せました。

「カジ君(梶川)が入って本当に相手の嫌な位置でボールを受けてくれて、相手のサイドバックが釣られる場面が多くなって、そこをもっと効果的なチャンスに繋げたかったです。ただ、それがなかなかできなかったです。後半流れが良くなったのは、カジ君がボールをよく受けてくれて、守備でも助けてくれたことが大きかったです」

――ボール支配率の高い岐阜相手ではある意味しょうがない今日の戦い方でしたか?

「相手はすごく良いサッカーをしてきて難しかったですが、その中でも粘り強く守って1-0で勝てたことは良かったと捉えています。もちろん、内容的にはどうなのかなという思いもありますが、勝つことに意味があると思います」

――4試合連続無失点勝利ですが。

「やられてもおかしくない場面は多いですが、そこでやられていないことは、運も味方にしていると捉えています。ただ、そういうシーンを無くしていくことが僕たちの目標でもあるので、そこを突き詰めていければ、もっと楽に攻撃も守備もできるようになると思います」

――試合終盤に今季初ゴールのチャンスもありましたが。

「欲しがりましたね(笑)。結構、色んな方面から“大輔のゴールが見たい”という声もあり、普通に流し込めば、カジ君があそこに詰めていたこともありましたが、思い切り足を振ってしまいました。枠には行っていたと思いましたが、キーパーとバッチリタイミングが合ってしまいました。初めはクロスも考えていたのですが、意外に中の位置だったのでシュートでぶち抜こうと思いましたが、相手がさすがでした」

――試合終了後にはチームメートと嬉しそうにハグしている姿が印象的でした。

「キツかったですし、こういう押し込まれた試合をモノにできていることは、ものすごく僕たちが成長している部分だと思います。キツいのはみんな一緒ですし、その喜びをみんなで分かち合いたかったです」

――ご自身はタフなウイングバックのポジションで全試合フル出場ですね。

「全試合で足が攣っています(笑)。試合終盤のシュートシーンで両足がバキバキとなりました。入っていれば、攣っていなかったと思いますが……。強くなりました」

 

 

【試合後選手コメント:DF 6 安在和樹選手】

――今節も惜しい決定機がありましたが。

「なかなかシュートが入らないですね。コースを狙いましたが、もう少し落ち着いてシュートを打てたらゴールできたと思います。ただ、ちょっと落ち着きがなかったです。フォワードの選手ではないので、ゴール前でああいう形になることがほとんどないので、ちょっと心のゆとりというか、流れの中で打ってしまいました。あそこで一呼吸置けたら、ちゃんとゴールになったと思います」

――スーパークリアの場面を振り返ってください。

「チームのプランもあったので、それ通りにやれた感覚でした。今のチームは試合や相手によって守備のやり方が異なり、今日に関しては相手の開いたウイングに対して、ウイングバックの自分がしっかりと見るということだったので、そこでしっかりと守れたと思います」

――攻守にスプリントの回数が多く、コンディションはだいぶ上がってきた感覚ですか?

「上がっているとは思いますが、正直なところ、今日もヘロヘロでした。かなりキツくて疲れました。チームのボールロストが多いと、ウイングバックが全速力で後ろまで戻らないといけないので、そこで前半は特にしんどかったです。もうちょっと、チームとしてボールを落ち着けられれば、無駄に戻ることも減るので、体力を温存することもできるのですが……」

――前半途中からプレスのかけ方を変えましたが、ハマった感じですか?

「前からかけにいった方がチームとして楽だったのかなと思います」

――梶川選手の投入で攻守に活性化しましたが、途中出場の選手が果たす役割は大きいですね。

「カジ君はボールを持ててリズムを作れるので、そこはドウグラスとちょっと違うところでもあり、ウイングバック的にはボールを大事にしてくれた方が助かります (笑)。ボールを良い位置で受けてくれて、一気に上がるよりもあそこでタメてくれると、自分たちの上がる時間も作れるので、ボールを失わずにいることは助かります」

――井上選手と内田選手のコンビと橋本選手と内田選手のコンビでは、何か変わってくる部分はありますか?

「そんなにはないですが、ハシさん(橋本)の方が守備の部分で要所を締めてくれますし、助かる場面が多いので、個人的に助かっています」

――運に恵まれた部分もありますが、4試合連続無失点の手応えはいかがですか?

「結構、やられている場面が多くて、正直なところは運がいいと思っています。今日も相手にとって1点もののシュートがいくつかあったので、それが入ってないから、こっちにツキがあるなという感覚です。そういう場面をなくさない限り、良い守備を構築することはできないです」

――次節は難しいファジアーノ岡山とのアウェイゲームですが、ここまでの印象はいかがですか?

「要所で真ん中の選手が抜けていますが、組織ありきのチームなので、なかなか堅いチームだと思いますし、いやらしい相手です。厳しいゲームを予想しています。大変な感じにならないようにしたいです」

 

 

【試合後選手コメント:MF 17 内田達也選手】

――粘り強い対人対応が光りましたね。

「紙一重です。ただ、上手い選手相手ではああいう形からガシャガシャっと行かれてしまうので、良いのか、悪いのか、という感じです。予測している部分はあるので」

――目に見える結果を残したいとおっしゃっていた中で、今日はアシストもありましたね。

「あれをアシストと言っていいのか分からないです。だいぶドリブルしていたので……(笑)。 ただ、あの辺が空いてくるというのは、後半に入って分かり切っていた部分もあったので、みんなシンプルに使っていました。だから、個人的にもあそこに流し込もうと思っていました」

――アシスト以外にも攻撃的なプレーがありましたが。

「ありましたかね(笑)。カウンターがチャンスだと思っていたので、前線に上がる意識を持っていました。本来は自分たちが押し込みながら、少しずつサイドに振って行くという形をやりたいですが、今日に関してはそれをするよりもアランが縦パス一本で行けてしまうので、行けた時に中の枚数が少ないのはもったいないので、中に人数をかけてセカンドボールも拾えるように意識しました。クロスが上がった時に僕たちが押し上げないと厳しくなるので、そういう意識で上がっていきました」

 

 

【試合後選手コメント:MF 27 橋本英郎選手】

――緊急出動でしたが、監督からはどんな指示がありましたか?

「ボールをもう少し持とう、というぐらいでした」

――前半に関しては0-0で終わらせようという感覚でしたか?

「そうでもなかったですね。ドウグラスが前に抜ける場面もありましたし、チャンスもあったので。0-0でということはあまり意識していなかったです。一番攻め込まれている時は、ちょっと恐い部分もありましたが、全体のうちの前半という感じだったので、あれが大分戦のように試合終盤に攻め込まれていた時と雰囲気は違いました」

――中盤でコンビを組んだ内田選手と役割分担はいかがでしたか?

「自分がバランスを取ったというより、前に上がっていく部分は彼の判断という感じでした」

――後半にゴールを奪って勝ちに行くという流れで、バランスの部分ではどのようなことを意識していましたか?

「僕らの間をパスで抜かれないことぐらいですかね」

――1-0の勝利は狙い通りでしたか?

「いや、狙っていないです。チャンスもあったので、もっと点を取らないといけなかったです」

 

 

【試合後監督コメント: ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督】

――試合を振り返ってください。

「前半まず自分たちに決定的な場面があった。その後は岐阜がボールを保持して試合を支配しました。岐阜のプレーが非常に良く、前半を0-0で終えるために非常に多くの仕事をする必要がありました。後半は良くなり、自分たちがプレーすべき形でできました。その後にアランがスーパーゴールを決めてくれました。試合終盤にかけて相手が攻勢に出てきましたが、しっかりとディフェンスすることができました」

――前半途中からプレスのやり方を変更した意図を教えてください。

「前回の山口戦からプレスのやり方を変えました。ただ、少し出来が悪かったので、前半のうちにプレスのかけ方を修正し、違うやり方に変えました。岐阜はとても完成されたチームで、内側からも外側からもプレーできるチームなので、プレスをかけるのが難しいチームでした。修正以降はプレスが機能してカウンターからチャンスも作れました」

――前半に交代した井上潮音選手のケガの状態を教えてください。

「潮音に関しては診断結果を待たなければならないです。まだ、詳しいことは分かりませんが、重傷ではないことを願っています。なぜなら、私たちにとって非常に重要な選手だからです」

――試合後、岐阜の大木武監督と話していましたが、どんなことを話していたのでしょうか?

「岐阜の監督とのやり取りに関しては、岐阜の監督を祝福しました。彼らは非常に良いプレーをしていたからです。彼らのプレーは負けるのに相応しいものではなかったと思います。ただ、フットボールというのはゴールを奪えないと負けてしまうものです」

――4試合連続無失点の要因についてどのように捉えていますか?

「まず重要なことはフォワードがしっかりと守備をすることです。その後に中盤がプレーする。とにかく、前から守備ができていることです。相手にボールを支配されたとしても、自分たちのディフェンスのミスがすごく少なくなっているという点も要因です。あとは運です。相手にチャンスが来ても、相手がそれを外している結果です。このことに関しては、後で選手たちにも伝えないといけないですし、岐阜にも伝えたいです」

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