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MATCH試合情報

2016 明治安田生命J2リーグ 第39節 - 東京ヴェルディ vs レノファ山口FC

マッチレポート

【試合展開】

前節、ホームで連勝のチャンスを生かせずに愛媛FCと引き分けたヴェルディ。残り4試合で切り替えて勝ち点を積んでいくために、中3日でホームにレノファ山口FCを迎えた。ヴェルディのメンバー構成は前節のラインナップをベースに、GKには33節ジェフユナイテッド千葉戦以来の出場となる鈴木椋大を起用。出場停止の高木善朗に代わって二川孝広をスタメンに戻し、3-3-2-2というシステムでこの一戦に臨んだ。

 

序盤は両チームともにボールが収まらない展開だったが、早い時間で試合が動く。8分、スペースに抜け出した高木大輔がボールを収めると、後方から走り込んだ渡辺皓太に預ける。ペナルティエリアに入った地点で渡辺がボールを持ち直してタメを作ると、右サイドからペナルティエリアに入ってきた安西幸輝に流す。安西はゴール前の状況を見極めてファーサイドにクロスを入れる。勢いを持って飛び込んできたドウグラスがボールに先に到達してヘディングシュートを対角線のゴールへと流し込んでヴェルディが先制に成功した。ここから勢いに乗るかと思われたが、反撃に出た山口に押し込まれて両ワイドが最終ラインに吸収される。そして、一気に試合をひっくり返す。19分、密集を突破されてクロスをゴール目の前で詰められて同点に。21分にはバイタルエリアで押し込まれ、ミドルシュートがポストにはね返ったこぼれ球を詰められて一気に逆転を許す。やや後方に重たい試合展開を変えるためにシステムを4-4-2に変えたが、前半はなかなかフィニッシュまで持ち込めずに折り返した。

 

試合をひっくり返したいヴェルディは後半開始直後から相手を押し込む。カウンター気味に反撃を食らう場面もあったが、セカンドボールを拾えるようになると前半とは一転して高い位置で相手を押し込んだ。61分にはゴール前の密集で何度も押し込むが、ことごとく詰め切れず。しかし、立て続けに得たコーナーキックに活路を見出す。64分、2度続いたコーナーキックの2度目。二川孝広のファーサイドへのキックを打点の高いヘディングで平智広が合わせ、これがゴールに吸い込まれて同点に追いついた。ここから一気に攻め込みたいところだが、バイタエルエリアを崩してサイドから攻めるも、クロスが合わずにフィニッシュには至らない。終盤はお互いに間延びしてオープンな展開になり、カウンターの応酬に。アディショナルタイム、判定に関する中断を挟み、再開後に決定機を作られたが凌ぎ、2-2のドローでタイムアップを迎えた。

 

残るは3試合。順位を一つ上げた形だが、残留に向けた争いはまだまだ気が抜けない。次節、昇格を争う松本山雅FCと敵地に乗り込んで合いまみえる。中2日の厳しい日程ではあるが、最善の準備をして、最良の結果を東京に持ち帰りたい。

 

【試合後選手コメント:DF 5 平智広選手】

――ゴールシーンを振り返ってください。

「相手の守備時のセットプレーは、こちらにとってチャンスだと聞いていたので、そこで上手くブロックしながら自分がフリーになればチャンスになるなと思っていたので、あそこは上手くフリーになれました」

――ゴールシーン以外にもセットプレーでチャンスに絡みましたが、相手のウイークだという認識でしたか?

「そうですね。結構、ボール自体も前半から良いボールが入っていたので、自分の入り方さえ上手くできれば、チャンスになると思っていました。とにかく、決められて良かったです」

――相手のアグレッシブな攻撃への対応という部分はいかがでしたか?

「相手は走れる選手も技術的にも巧い選手が揃っていて、すごくやり辛いというか、自分たちのやりたいサッカーを相手にやられてしまった感覚もあります。逆に、こっちのカウンターからチャンスも作れましたし、オープンな展開になるということは覚悟していました。そこでカウンターからもっと上手く点を取れれば良かったのですが、こちらもピンチもあったので、良い相手だったと思います」

――相手をスピードに乗らせてしまう場面が多かったですが、当初のプランとしてはどういう対応を考えていましたか?

「ウチとしてはラインをコンパクトにして、前からプレッシャーをかけていき、上手くはめられれば、チャンスになると思っていました。ただ、上手く相手にかいくぐられてしまい、中盤の球際で負けてスピードに乗らせてしまう場面も多かったですし、相手の決定力不足に助けられたものの、最後まで行かせてしまう場面もありました」

――監督は後ろに人数をかけていた割に、プレッシャーの部分で上手くいっていなかったとの指摘もありましたが。

「相手の前線が裏に抜けて、その動きに対して自分が釣られてスペースを空けてしまう場面が多く、そのスペースに相手が走り込むなど、連動した攻撃をされてしまい、自分たちが後手に回ってしまい、マークに付き切れないこともありました。それを試合中に修正できなかったことが、良くなかったです」

――中2日で迎える松本山雅戦に向けてのプランを聞かせてください。

「とりあえず、コンディションを整えて、次の山雅戦は前半戦で悔しい負け方をしているので、勝ちに行きたいです」

 

 

【試合後選手コメント:DF 6 安在和樹選手】

――試合を振り返ってください。

「上手く先制することができて良かったのですが、すぐに引っくり返されてしまったのは、本当に良くないことでした」

――失点場面ではミスから与えたセットプレーの流れでしたが?

「あの場面も球際のところで全て相手に持って行かれてしまい、一回ガツンと当たって切ってしまえれば良かったのですが、結果的に繋がれてしまったという部分で嫌な感じがしていました。セカンドボールを拾えれば良かったのですが…」

――畳みかけられての失点はこの終盤戦では久々でしたが。

「相手の勢いというか、動きのあるチームなので、その機動力のところで後手に回ってしまったことがあって、その中でももっと上手く対応すべきでした」

――後半途中からヴェルディでは初のボランチとしてのプレーでしたが。

「ヴェルディでは初めてで、代表戦でプレーしただけだったので、景色は普段とかなり違いました。少し神経質というか、注意を払ってプレーしました」

――ボランチでの役割に関して具体的な指示はありましたか?

「ゲームを落ち着かせてサイドに捌いてという部分が一番求められたものだと思います。あとは守備のリスクマネジメントやバランスを取る役割です。皓太を前に出してという感覚です。ただ、皓太が少し前に出過ぎてしまい、自分の周りにスペースができ過ぎたので、少し大変でした。実際は皓太をもっと自分の近くに置いておきたかったので、最後は近くに置いてバランスを取って、そこから前に出て行こうと声をかけていました」

――普段の180度の視野から360度への視野の変更は難しい部分もありましたか?

「そこは自分の経験とかでカバーしようと思い、うまくボールを捌いたり、落ち着かせたりという意味でのボランチ起用なので、うまく役割をこなせたか、こなせなかったか、という意味では微妙でしたが、最低限やれたと思います」

――今日はスタートから3バックを採用していましたが。

「3バックでしたが、変則的というか、左サイドは自分がプレスに行く時は、相手のサイドハーフにマッチアップしに行っていたので、がっつりとした3バックというか、動きながらの3バックでした。ただ、今日に関しては中盤のところで相手にうまく逃げられてしまい、2失点目の後に4バックに変えました。3バックで先制しましたが、引っくり返されてもいるので、微妙な感じでした。個人的にも直前の2試合ではほとんど3バックでプレーしていたので、特に違和感はなかったです」

 

 

【試合後選手コメント:DF 2 安西幸輝選手】

――試合を振り返ってください。

「勝てた試合だったので、先制した後の2失点がすごくもったいなかったですし、前半は相手に主導権を握られてしまいました。後半は相手のセットプレーが弱いことを知っていたので、そこから追いつけたことは良かったです。ただ、チャンスがあったので、勝ち切りたかったです」

――サイドの攻防では相手のカウンターの場面で難しい対応が多かったですね。

「3人目の動きでどんどん前に出てきていたので、やっぱり個人的には攻撃を重視している部分で、その裏を突かれてしまうことは意識していましたが、もっと守備の場面で考えながらやっていきたいです」

――今日は左右のサイドバックなど複数のポジションでプレーしましたが、感覚はいかがでしたか?

「右でも左でもやれれば、幅も広がりますし、個人的には左も苦手ではないので、そういう部分ではどちらもできれば、監督としても使いやすいので、良かったと思います」

――先制点のアシストを含めて両サイドから良いクロスを上げていましたね。

「1本目に良いボールが上がったので、あれで今日はイケると思っていました。ただ、あれを毎試合やらないとダメでした。残り3試合しかないので、できるだけ良いボールを上げていきたいです」

――先制点のクロスはドウグラス・ヴィエイラ選手の動き出しが見えていたのでしょうか?

「ポンと上げれば、ヘディングが強いですし、相手も背が低いので決めてくれるかなと思っていました。もうワンテンポ早ければシュートも打てましたが、一個待ってクロスを選択したことが良かったと思います。また、相手に高さがないということはスカウティングで分かっていたので、速いボールを上げるというよりは、ゆったりとしたボールを上げることを意識していました」

――今日は積極的に攻め上がる場面も目立ちましたが、相手を引っくり返す意識を強く持っていたのでしょうか?

「タイミングに関しては、今日何本か良い形がありました。やっぱり、積極的に上がってもタイミングが悪いと使ってもらえないので、今日はタイミングに関しては良かったと思います。あとはサイドハーフとの関係性を意識していきたいです」

――システムや選手の配置を積極的に変えていましたが、ピッチ内で混乱することはなかったでしょうか?

「3枚から4枚に変えることはある程度分かっていたので、そこまで混乱はありませんでした」

――全体のラインが少し下がり過ぎる場面もありましたが。

「3バックだとウイングバックが引いてしまう場面が多々あったので、ああいう部分はもっと修正していかないといけないですし、戦術面としてはまだまだです」

 

 

【試合後監督コメント: 冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「自分たちがここのところ上手くいっている3バックにしてからの状態をスタートから生かすべくスタートしていって、奪ってカウンターのスイッチを入れて攻撃に出るというところで言えば、1点目を取るまでは非常に上手くやれたと思います。ただ、1点を取ってからは以前からもそうですが、後ろに人数がいる割には、プレッシャーに行けないとか、前はプレッシャーに行っているのに後ろのラインが、相手の動き出しによって下がってしまうという、少しちぐはぐな状況の中で、後ろに重たい中で失点をしてしまったことが、すごく自分たちにとってシステムに縛られてしまったのかなと思っています。なので、途中から4-4-2に変更して自分たちのところでしっかりとボールを動かそうというところで、後半からはその形の中でしっかりと動かして追い越していく形を作る中で、どんどんお互いにオープンな状態になってしまったので、自分の中では逆にオープンになって個の部分が出てくるならば、自分たちの方に優位性があるかなと。特に、相手が攻めた後の自分たちの2トップが相手と同数になることが多かったので、もしかしたら間はなかったかもしれませんが、そこに起点を作って飛び出して行こうという形で、自分たちはゲームを進めていこう。そして、何度かそういう形でやり切る形、クロスであったり、シュートであったりという中で、高い位置のリスタート。コーナーキックやフリーキックを自分たちで取って、そこで追いついて逆転していきたいという中で、実際にリスタートから追いついたことに関しては、選手たちが我慢強く狙っていたのかなと思います。

追いついてからも少しオープンな形になっていって、どちらにもチャンスがある状態だったので、少しボランチのところで1つクッションを入れながら、自分たちは形を崩さずに前に出ていこうという中で、最後の最後まで選手たちは戦ってゴールを目指してくれましたが、逆転までは至らなく、そこは自分の責任だと感じています。最後、ああいう形でゲームが終わってしまって、見ている人たちにとっては少しもやっとしたと思いますが、あのレフェリングで自分たちがまるっきり変わる状態になってしまうので、あそこは是が非でも自分たちが、どういうレフェリングで、自分たちとしてはあそこがフリーキックの状態で、笛が鳴って止まった状態でなければ、ずいぶん前方からスタートしているという部分で違うのではないかと強く主張して、それがレフェリーもそうだったというところで認められて、ホッとしているところです。本当に終盤になってきて残り3試合とシビアなゲームが続きます。また、連戦である中で本当にチーム一丸となって戦わないと勝ち点を取ることはできない。その中で本当に最後の最後までサポーターの声が響いて、それが自分たちにとってすごく心にあるので、次のゲームは強い松本山雅ですが、しっかりと戦っていきたいです」

――安在和樹選手を試合途中からボランチで起用した意図を教えてください。

「4-4-2のボランチの一角に入ってもらいましたが、今週は4-4-2の形ではなかったですが、ボランチもトライさせていたこと。また、彼が育成時代にそのポジションをやっていたこともあり、彼の前を向いてキックの良さを生かしながら、前線に起点を作っていきたいというところで、期待してあそこに置きました」

――終盤のレフェリングに対する見解の相違という部分で、ピッチサイドでどんなやり取りがあったのでしょうか?

「僕は向こうに行くなと言われていたので、真ん中らへんに居ました。自分のところからでは、笛で止めたのか、あるいは止めてないのか。笛で止めているのならば、笛でスタートではないか。もし、そうでなければ、リスタートの位置が本来の場所よりもずいぶん前だったことは、相手にとって優位になる。本来の位置よりも後ろからであれば、何も言うつもりはないが、優位な位置からであれば、おかしいということを第4審判に遠目から伝えました」

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