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MATCH試合情報

2016 明治安田生命J2リーグ 第7節 - 東京ヴェルディ vs V・ファーレン長崎

マッチレポート

【試合展開】

前節、敵地でのファジアーノ岡山との一戦で、試合終了間際に北脇健慈の強烈なシュートで追い付いて勝ち点1を持ち帰ったヴェルディ。今節はホーム駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場にV・ファーレン長崎を迎えた。前節で退場処分となった高木善朗の代わりに平本一樹をトップ下で起用し、前節はトップ下だった南秀仁を左サイドMFに起用した。

序盤は長崎が前への圧力を強めて高い位置までボールを運んできた。これに対してヴェルディは、最終ラインが相手の圧力に屈せず、焦らずにボールをコントロールして流れを引き戻していく。最初のチャンスは9分。バイタルエリアで平本、アラン、高木大輔とつないで、ペナルティエリア内で身体を張ってボールをキープした高木大が反転しながらシュートを放ったが、惜しくもゴール左へと外れた。24分にはバイタルエリアでルーズになったボールを平本が拾ってフリーでゴール前へ。ゴールキーパーの股間を狙った平本のシュートはゴールキーパーの足に当たってゴール前にこぼれ、詰めていたアランはタイミングが合わずにシュートを打つ前に相手にかきだされた。その直後の27分にはサイドを崩されてクロスを入れられ、南のクリアがポストに当たる危ない場面があったが、こぼれ球は柴崎貴広の腕の中に収まった。40分にはセットプレーの流れから中後雅喜が鋭いクロスをゴール前に入れる。ニアに飛び込んだ高木大は頭で触れず、ファーサイドに流れたボールに誰も詰め切れずにボールはゴールをかすめていった。

前半、個々の距離感が長いと感じた冨樫監督はシステムを変更。中盤がダイヤモンド型の4-4-2から4-2-3-1に変えて、中盤でテンポよくボールを動かすために個々のポジショニングについて指示を出した。

ところが、後半に入ってもなかなかテンポは上がらず、ボールは保持するものの個々の距離感を縮められずに、ボールホルダーが孤立する場面は見受けられた。逆にロングボールを多用してヴェルディの陣形を押し下げようとする長崎の策に苦しみ、毎回低い位置から組み立て直す展開を強いられた。一方守備では、スピードに乗った相手に崩されかける場面があり、カウンターからピンチを招いたが、相手のミスに助けられてゴールを脅かされることはあとわずかだった。こう着した展開を打開しようと攻撃面で交代カードを次々に切るヴェルディ。北脇、杉本竜士、足をつらせた大木暁の代わりに平智広を送り込んで攻撃指向を強めたかったが、ボールサイドに人数をかけることがなかなかできず、前線の選手へのサポートのスピードが上がらずにフィニッシュで攻撃をやり切ることができずスコアレスドローで試合終了を迎えた。

次節は調子を上げている横浜FCのホームに乗り込む。ここから1週間のトレーニングで岡山戦で見せたテンポの速いパスワークを今一度再確認し、3節以来の勝ち点3を横浜から持ち帰りたい。

 

【試合後選手コメント:FW 18 高木大輔選手】

――難しい試合になりましたね。

「最初からそうなると思っていましたし、岡山とシステム的に似ていたので。ただ、岡山よりも攻撃的なイメージもありました。ただ、思ったよりも前半は真ん中のところが空いていて(平本)一樹さんとワンツーができていました。後半良くなかったのは、僕自身の感じるところでは、しんどかった部分もありましたが、それよりもいつもと逆(サイド)に攻めていたところがやりにくかったです。前半はホームのゴール裏に向かって攻めて、後半は逆に攻めましたが、ちょっと違和感がありました。やっぱり、後半はサポーターの皆さんの『カモン、ヴェルディ』を聞きながら攻めるのが、僕たちのひとつのモチベーションでもあるので。そのぶん、前半は元気でしたが後半はちょっと疲れが出てしまいました 」

――前半終盤の決定機を振り返ってください。

「あれ(中後選手からのクロス)は触らなかったと思います。慎重に行き過ぎてしまって、当て過ぎれば、ニアに外してしまいますし、絶妙なのを狙い過ぎたら当たらず通過してしまいました。もし、GKが僕に反応すれば、クロスがそのまま入ることも考えていました。ただ、あれは決めなければいけなかったですし、今日一番悔やんでいるプレーです」

――平本選手からのスルーパスにうまく抜け出した場面もありましたが。

「あれはヨーイ、ドンという形になって相手がスライディングしてくることも分かっていましたが、先に触ろうと思ったのですが、相手が自分より先にボールに触ったので、敵が一枚上手だったと思います。僕が先に触っていれば、うまく引っかかってPKをもらえていたと思います」

――今日の勝ち点1をどのように捉えていますか?

「今日は勝ち点3じゃなければダメだったと思っています。シュート数では僕たちは5本しか打っていなかったですが、決定的に見える部分では僕たちの方が多かったと思います。特に前半はそうでしたし、そういうところを決めなければダメですね。ホームだったので、サポーターからの色んな声もありましたし、次はアウェイですが三ツ沢なので、しっかりと去年の良いイメージもあるので、今季初ゴールを獲りたいです」

 

 

【試合後選手コメント:MF 8 中後雅喜選手】

――試合を振り返ってください。

「なかなか思うようにボールを動かせなかったですし、運動量も上がらずにシュートまで行く場面も少なかったので、引き分けは残念な結果です。やっぱり、ホームで勝ち点3を取ろうと思って戦っているので、残念です」

――前節と前線の構成が変わった影響はいかがでしたか?

「人が変わるとフォーメーションが同じでもやり方がちょっとずつ変わってしまいます。(平本)一樹さんが入って良かった部分と、機能しなかった部分もありましたが、それはそれで別ですし、相手もいることなので。相手が前節よりももっと切り替えも早く良い守備をしてきた面もあったので、それをうまくいなす技術やメンタルをもう少しチームとしてできれば、もっと良い戦いを前半からできてフォーメーションを変えずにやれたと思います」

――2試合目の先発でしたが、ご自身のコンディションはいかがですか?

「徐々にコンディションを上げていきたいですが、公式戦を戦っているので、徐々にと悠長なことは言っていられません。90分を2試合やっていますし、後半はフォーメーションを変えてボランチを2枚にしたことで、個人的にやり易い形にもなっていました。もっと、良いコンディションにしていきたいです」

――今日の布陣では中盤3枚の連動性や距離感という部分がかなり重要になってきますが、その部分はいかがですか?

「そこに関しては相手もいることですが、人によって変わってくると思います。特に、どの選手がどこに入るかでタイプも変わってきます。そういう意味でこのフォーメーションを機能させるには、もう少し時間が必要です。今回は一樹さんがトップ下に入って南が左に来ましたけど、前節は左に(高木)善朗、トップ下に南がいましたが、全然タイプが違うので、メンバー構成に合わせてやっていく必要があります」

――今日は積極的にミドルレンジのパスで展開を変えていましたね。

「自分が出ていない時は小さい展開が多かったので、自分の特長でもあるので、際どいところでも通ればという気持ちです。逆に、カウンターを食らったのもあったので、そこは反省したいです。今日感じたのは、同サイドで崩そうというか、逆を向くことができず、攻撃が詰まってしまい、相手もプレッシャーをきっちりかけるチームなので、プレスがはまってしまうので、一度横パスを入れることで、相手のプレッシャーが緩むと思います。今日はそれがなかなかうまくいかなかったので、自分のところで意識的に長いパスを使いました。(安西)幸輝やボンちゃん(大木)も攻撃に関わる時間を増やしてあげたいと思っていました。特に幸輝のところは」

――カウンターの場面で少し手数がかかっている印象でしたが。

「そうですね。前半の最後は田村が奪ったところを南がカウンターを仕掛けてシュートまでいきました。人を使い過ぎず、あれぐらいの形で仕掛けていくのも大事だと思います。とにかく、受け手が前に運んで行くことが必要ですし、一樹さんから(高木)大輔にスルーパスが通った場面など、ああやって勝負することでフィニッシュまで行けるので、中途半端が一番ダメですね」

 

 

【試合後選手コメント:DF 2 安西幸輝選手】

――難しい試合でしたね。

「全部各駅でボールが回って来るぶん、常に相手が目の前にいることが多くて、そこで自分の持ち味を出すには、もっとチームメートに自分のやりたいことを伝えなければならないですね。もっとスペースがあれば、どんどん仕掛けられると思っていましたが、なかなか良い形でボールが来なかったので、個人的に難しいゲームでした」

――前半は逆サイドでの展開が多くなかなか攻撃に絡めなかったですね。

「正直、焦れた感じはありましたが、後半に必ずボールが来ると思って待っていましたが、後半はチーム全体が停滞してしまい、なかなかうまくいきませんでした。自分なりに改善点があるので、そこは修正していきたいです」

――距離感や運動量の問題でボールが動きませんでしたね。

「意思疎通の問題があり、自分がほしいタイミングや右足にボールがほしい時にセンターバックから違うボールが来て、それが次のボールのズレに繋がるなど、うまくいかなかったです。チーム全体でマイナスになっていた部分もあるので、そこはもっとコミュニケーションを大事にやっていきたいです」

――対面のパク・ヒョンジン選手への対応はいかがでしたか?

「本当は攻撃で押し込みたかったのですが、逆サイドでの攻防が続いていていました。自分の良さはどんどん相手を押し込んでいくことなのですが、相手の左サイドにボールがこぼれて守備に回る時間が長かったです」

――前節の岡山戦と今日のパフォーマンスはいかがですか?

「今日は前回のホームゲームの町田戦で不甲斐ない試合をしてしまったので、みんな気合いが入っていたと思うのですが、選手たちは今日の試合に悔いが残っていますし、引き分けで良かったという内容でした」

 

 

【試合後選手コメント:DF 5 平智広選手】

――ヴェルディでの初出場の感想を聞かせてください。

「途中出場だったので急な感じでした。今までもいつ出てもいいように準備をしてきたので、割とすんなりと試合に入れました」

――左サイドバックでの出場でしたが、練習からある程度想定していた形ですか?

「練習からは特に左サイドバックでプレーしていませんが、普段見ている限りで自分がサイドバックでプレーするイメージは個人的にあるので、監督の指示もありましたし、自分のイメージもあったので、あまり違和感なくできました」

――0-0のスコアでの終盤の投入でしたが、守備と攻撃の比重に関してはどのように意識していましたか?

「時間帯も時間帯で自分が途中から入ったら、自分はディフェンスの選手なので、まずはゼロを意識して、攻撃の面ではアラン(・ピニェイロ)も(平本)一樹さんもいるので、シンプルに当てることを考えていました」

――0-0という結果に関してはどのように捉えていますか?

「無失点は後ろの選手としては全然悪くない結果ですが、あとは攻守の両面という部分で攻撃では点を獲りたいというのが、チームの課題です」

――短い時間の出場でしたが、手応えを感じた部分とこれから出していきたい部分はいかがでしょうか?

「短い出場時間でプレーする回数は多くなかったですが、そこをしっかりと抑えられたことは次に繋がると考えています。今度はもっと長く出られるように来週からしっかりとやっていきたいです」

――今後の出場機会に向けて出していきたい部分はどこでしょうか?

「まずは周りとの連係で後ろはゼロで終わること。攻撃の面では後ろから組み立てたり、あとはもっと攻撃に比重を置ける展開になれば、必ず得点は来ると思うで、そこを練習から全体として意識していたいです」

――今後に向けては高さのないチームでセットプレーのターゲットとしても期待がかかりますが。

「セットプレーで得点を獲れたらすごく試合の展開が楽になるので、そこは点を獲りたいですし、セットプレーからの失点も多いので、そこは集中力でもあるので、チーム全体に声をかけていきたいです」

――今シーズンのヴェルディの印象に関してはいかがですか?

「攻撃においてはパスで相手を崩していくスタイルだと思うので、そこでもっと相手を動かしていくためには、自分たちがもっと走らないといけないと思います。守備でもコンパクトにしてボールを奪うシーンを増やして、そこをチーム全体としてやっていきたいです」

 

 

【試合後監督コメント: 冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「久々の駒沢で自分たちが先週出せたものをしっかりと出していきたいという中で、なかなかギアが上がらないというか、例えばファーストボールをしっかり競り勝つとか、セカンドボールに対して、しっかりプレスダウンするみたいなところで、なかなかスピード感のないゲームになってしまったと思います。特に、前半は自分たちのシステムと相手のシステムのミスマッチという中でなかなか優位性を出すことができず、中盤の距離感が非常に遠く感じたので、後半からシステムを変えて距離を近づけるようにしましたが、なかなかそこからも前に進めなかったと思います。シュート数も5本しか打っていないと思います。前半はペナルティエリアに進入していく形はいくつか出せていたので、そういう中でシュートを打ち切って、あるいはゴールを獲っていけなければ、なかなか勝ち点は上がっていかないと感じています。そういうトレーニングを多くしているので、どこかで数字の結果として表れていければ、また自分たちももっと上を目指せると思いますし、長崎もこの順位で最終的に終わるチームではないと思うので、この勝ち点1を次の長崎とのアウェイゲームでしっかりと勝ち点3を取れるように積み重ねていきたいです」

――距離感を近づけるために後半からシステムを変更したということでしたが、具体的にどんな部分を改善したかったのでしょうか?

「運動量がなかなか上がらず、立ち位置も1メートルないし2歩、3歩ずらせれば、ボールが受けられるところで、少し止まったようになっていたり、出した後の動きのところもなかなか前方方向に進んでいけなかったので、そこが自分たちのスピード感に繋がらなかったというふうに思っています」

――前半半ばに南選手と高木純平選手のポジションを入れ替えた意図を教えてください。

「なかなか大木のところにボールが入った時のサポートの量がなかったのと、右サイドの南と(安西)幸輝というのは、昨年から良いコンビネーションを見せていたので、そこらへんのバランスを、サイドを変えることで改善したいと思って変えました」

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