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MATCH試合情報

2014 Jリーグ ディビジョン2 第36節 - 東京ヴェルディ vs 湘南ベルマーレ

マッチレポート

【試合展開】

この試合で引き分け以上の結果を残せばJ2リーグ優勝が決まる湘南ベルマーレを味の素スタジアムに迎えた一戦。ヴェルディは右肩を痛めた杉本竜士をベンチスタートにし、常盤聡をスタメンに起用した。その他の顔ぶれはここ2戦と同じで、勝ち点を積み上げてきた最良の組み合わせを敷いた。

ホームでの優勝決定をなんとしても阻止したヴェルディは、序盤から縦への圧力を強めてあくまで自分たちのスタイルを押し出した。前線からはめていくプレスが機能し、高い位置でのボール奪取からショートカウンターを発動する。ただ、アタッキングサードでのミスが目立ち、ターンオーバーして守備は後手に回る場面が目立った。両チーム通じて最初の決定機は21分。澤井が右サイドでボールを奪い、相手のフィジカルコンタクトに負けずにボールを運び出してショートカウンターを繰り出す。呼応して走り出した安西幸輝が右サイドを並走し、相手ゴール前でDFを引きつけた澤井が右へボールを流す。走り込んだ安西が強シュートを放ったが、食らいついたDFに弾き返された。その後は、徐々に高い位置に人数を割き始めた湘南の圧力に押される場面が増えてくる。41分にはフリーキックが中央に飛び込んだ丸山にどんぴしゃりのタイミングで合う。強烈なヘディングシュートはゴールの隅を突いたが、佐藤優也が抜群の反応で腕を伸ばしてボールをかき出して失点を免れた。

相手を押し切れた前半の手応えを忘れないように、後半もキックオフと同時に縦への意識を強く持ってプレスと攻撃を仕掛けるヴェルディ。前半の勢いをそのままに、後半に入ってもボールへの執着心をむき出しにして球際の勝負で強さを発揮する。奪ったボールを積極的に前線につけ、ツートップを起点にして攻め込む態勢までは作った。しかし、肝心のフィニッシュは、ラストパスの精度を欠いたり、シュートを打つ前にミスタッチからクリアされたり、相手を押し込んでから先のプレーでミスが目立った。攻撃の活性化を狙った冨樫監督は、田村直也を入れてニウドを押し上げ、南秀仁と前田直輝を投入するなど積極的な采配を見せたが、アディショナルタイムの3分をフルで使ってもゴールを割ることはできずにタイムアップ。首位の相手に対して押し切ったゲームだったが、目前で優勝を決められるという悔しさばかりが募り、試合後の選手たちももう一歩届かなかった悔いの残る表情を浮かべていた。

次節は、敵地でギラヴァンツ北九州と対戦する。

 

 

 

【試合後選手コメント:DF 24 安在 和樹選手】

――前半は良い形で入れた印象ですが?

「そうですね。悪くなかったと思います」

――相手より走り切ることをテーマにしていましたが?

「最低限はできたと思います。自分自身はあまり攻撃参加できなくてウズウズしている感じでした。ただ、後半は何回か良い形で上がれましたが、あまり疲れた感じがなかったので、もっと走って疲れたかったです」

――ディフェンスラインのコントロールという部分はいかがでしたか?

「押し込まれることもありましたが、ずっとというわけではなかったので、意識していた部分がうまくできたと思います」

――終盤の決定機は惜しかったですね。

「ニウドからチョンとパスが来れば、あとは合わせるだけだったので残念です。今日はヒーローになるつもりだったので……。今日は全然上がっていなかったですし、まだ足は残っていました」

――相手の右サイドの攻撃が少なかった印象ですが?

「そうですね。相手は左サイド、ウチは右サイドで攻めることが多かったので、こっちはバランスを取る意識が強かったです」

――相手のFWにシュートを打たせなかったですが、その部分での手応えはありますか?

「うまく守れていたと思います。今週この試合に向けて準備してきたことが、しっかりとできました」

――今日は1列前の選手が交代でかなり変わりましたが、攻守で意識した部分はありますか?

「最初が左利きの選手(鈴木)でその後に右利きの選手(澤井)がまた右利きの選手(ニウド)に変わりましたが、右の選手は中に入る傾向が多いので、サイドのスペースに飛び出す意識を持ってやっていました。守備の場面でも全員が同じ役割をやってもらうようになっていたので、そこをカバーする意識でやっていました」

――前回対戦と今回の対戦で感じたことを教えてください。

「前回は監督もスタッフも戦い方も違ったので、比較することは難しいですが、前回に比べて互角以上に戦えたので、手応えはあります。勝てる可能性が高かったと思っています。ただ、勝ちに繋げられなかったのは悔しいです」

 

 

【試合後選手コメント:MF 22 澤井 直人選手】

――試合を振り返ってください。

「こういう試合を勝てるようにならないと、強いチームになることはできませんし、チームが押し込んでいるときにどうやって戦うか、特に今日は守備がよく頑張ってくれていたので、攻撃陣はゴールを決めたかったです」

――前半は攻守に躍動していましたが、手応えはありましたか?

「そうですね。中盤でのドリブルとかはうまくできていたと思います。ただ、攻撃では最後のゴール前で絡む部分などが自分の課題だと思っています。何回もゴール前で決定機に絡めれば、ゴールも入ると思うので、次からもっと意識していきたいです」

――後半途中から左サイドでのプレーでしたが、どの部分を意識してプレーしましたか?

「どの試合でも複数のポジションでプレーできる準備はしているので、監督から“ここをやれ”と言われれば、いつでもプレーする準備はできています。特に、ポジションが変わったことで、うまく試合に入れないとダメなので、その部分は意識しています」

――4試合連続無失点ですが、この期間を通じて守備への自信が高まっているのではないでしょうか?

「僕たちが前からプレスをかけることで、後ろの選手が守りやすいということはあると思うので、僕たちは前線から守備をするだけです。ただ、守備するだけでは勝てないので、あとは攻撃を改善して勝っていきたいです」

――今日はゴールを奪えなかったですが、その改善点をどのように考えていますか?

「普段の練習からできていないと試合で出すことはできないので、練習からシュート1本の質にこだわっていかなければならないですし、もっと試合に近い雰囲気で練習をすることが大事だと思います」

――この試合はサイドでの運動量がポイントだったと思いますが、手応えはいかがですか?

「湘南は走るチームなので、自分が走るという部分で負けてしまっては話にならないと思っていたので、相手よりも多く走ることを意識していました。それだけでなく走りの質やチャンスに絡める走りを今後も追及していきたいです」

――J2優勝を決めた湘南との差はどういうところで感じましたか

「一人ひとりの選手の質が相手は高いので、自分たちは一生懸命に戦うだけでした。ただ、そういうチームを相手に無失点で試合を終えられたことは、今後に繋がっていくと思います」

 

 

【試合後選手コメント:FW 16 南 秀仁選手】

――ゴールを奪うために改善していくべきところはどこでしょうか?

「今日で言えば、ナオキ(前田選手)にスルーパスを出す場面で相手の守備の感覚が狭く見えていたので、強いボールを狙ったのですが、そのボールが少し浮いてしまった部分があったので、最後の精度をもっと上げていきたいです。そこが上がっていけば、最後の場面できっちりと決め切ることもできますし、そういう部分を突き詰めていきたいです」

――チームとして積み上げてきたモノへの実感はありますか?

「そうですね。繋ぐという部分では繋ぐ意識が高まっていると思います。毎試合良くなっていると思います」

――J2優勝を決めた湘南と戦った率直な感想を教えてください

「そんなに圧倒された試合ではなかったですし、自分たちにも勝つ可能性があったと思います。それだけに悔しい試合でした」

――チャンスの数という部分ではチームの戦いぶりをどのように評価していますか?

「バイタルエリアまでボールを運ぶ回数は、以前に比べて格段に増えていると思います。僕も含めラストパスの精度が課題です」

――次節の北九州戦への意気込みを聞かせてください。

「綺麗に点を取って勝つことよりも、泥臭くても良いのでゴールを奪って勝ちたいです」

 

 

【試合後選手コメント:DF 34 安西 幸輝選手】

――今日の結果について率直な感想を聞かせてください。

「0-0で終えることができましたが、最終的に大きな勝ち点1になったと言えるように今後6試合を戦っていきたいです」

――前半は相手の硬さもあって良い入りができた印象でしたが?

「そうですね。相手も走ってくるチームで、マッチアップしたのが三竿君だったので、前半から三竿君よりも走ろうと思ってプレーしていました。前半は2、3回良い形でボールを受けられたのですが、あそこを決め切れないとダメですね」

――後半は少し押し込まれる時間が続きましたが?

「後半に関しては自分も何度か上がれてクロスボールを供給することができましたが、もっと周りを使うことやコンビネーションも使っていきたいです。後半の方が湘南も前に前にと来ていたので、後半の方が恐いなと思っていました」

――4試合連続無失点ですが、守備の手応えはいかがですか?

「守備はイバ君(井林選手)とジョンピルがうまくやってくれていて、ボランチもチュウさん(中後)たちがきっちりやってくれるので、自分はカバーした時にセンターバックの役割ができるようにしっかりと練習からやっていきたいです。ただ、“ゼロ”が4試合続いているので、個人的にはこれを続けながらアシストや得点にも絡んでいきたいです」

――目の前で優勝を決められるのは悔しいものですか?

「そうですね。目の前で今シーズン自分たちが目標にしてきた優勝を決められたので、“優勝とはああいうものなんだ”と、目に焼き付けました。今年は無理ですが、来年は自分たちが優勝できるようにしっかりと戦っていきたいです。そのためにも残り6試合で課題を持ちながらやっていきたいです」

――ご自身としては前半戦に比べて後半戦は自信を持ってプレーできている印象でしょうか?

「前半戦は正直なところ、勢いでやっていた部分がありました。後半戦は最初の方にスタメンから外れることが多かったですが、途中出場で試合に出させてもらったので、途中から入る難しさや、もっと試合に出たいという気持ちも沸きました。だから、しっかりとチャンスを掴めるように1試合1試合を集中してやっていきたいです。自分はレギュラーだと思っていないので、とにかく試合に出られるように努力したいです」

 

 

【試合後監督コメント: 冨樫 剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「本当に(湘南)ベルマーレさんに優勝を渡してしまって残念な気持ちとともに“おめでとう”という気持ちです。自分たちは今まで積み上げてきたもの、トレーニングしてきたものを精一杯出して、最後まで戦ってボールを奪ってゴールを目指す戦いができました。ですが、最後のところで点を取ることができなかったことは、自分の中でもまだトレーニングでそこまで構築できていなかった部分もあって、そこは自分の采配の部分でもあるので、選手は本当に精一杯やってくれたので、胸を張ってまた次のゲームで勝ち点3を目指してしっかりと準備していきたいです」

――今日の試合に向けたトレーニングの中で一番うまくできた部分はどこでしょうか?

「今日選手たちにも走るというところはポイントになると説明してきた中で、ウチの両サイドのディフェンス、サイドハーフも含めて、より相手の深い位置に入っていく、また戻って行くという部分でアップダウンを激しく繰り返してくれたので、相手のストロングである部分が少なくなったと思っています」

――今年の湘南ベルマーレは歴史に残る素晴らしいチームでしたが、費用対効果という部分でヴェルディが参考にする部分は多いと思います。冨樫監督が現時点で考える両チームの差、また、ここを参考にしたいと考えていることをお聞かせください。

「平均年齢もそれほど変わらなかったですし、自分たちがやるべきサッカーの部分では、本当に単純にボールを奪って走ってというところで言えば、非常に積み重ねが見えるチームだと思います。自分たちはまだまだ積み重ねが少ない、ただ、その今までの今日までの試合とこれからの残り6試合で、自分たちは少ない日数の中でも、トレーニングの中から密度を濃くやって行こうと話しています。とにかく、早く追いつかなければいけないなと思っています。(湘南は)選手たちにトレーニングをしてきて戦って勝ってきたという余裕がすごく感じられます。その部分が自分たちとの差であると思いますし、自分たちはそこに行けるのではないか、という手応えも感じました」

――現在、ヴェルディは自分たちのスタイルを貫いて行こうとしている中で、今日の試合で対湘南という部分で準備してきたことはありますか? 特に湘南の縦パスに対して、何か対策があったのでしょうか?

「その部分に関しては、湘南戦だからということではなく、自分たちが今、“前へ”ということを選択する、“前へ”というキーワードの中で攻撃方向であったり、守備ではインターセプトから入るとか、自由を奪うという部分でのスタートに関して、選手たちはしっかりとやってくれました。ボールを奪うということに関しては、何処から誰に誘導させて、何処で奪うかは、それぞれの対戦相手の中で対応しています。今日のベルマーレさんに対してであれば、少し分析をして選手と話し合って決めた狙いどころというのはあったのかなと思っています。まだまだ自分たちは相手のストロングを消して、そこから自分たちのストロングを出すことよりも、自分たちがやれることを出しながら相手が意識して戦い方を変えてくれるような戦い方をしていきたいと思っています。戦い方のベースであったり、自分たちが主体的にボールを奪いに行ったり、パスを出してゴールラインを越すということをここ5試合やっているところです」

 

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