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MATCH試合情報

2014 Jリーグ ディビジョン2 第26節 - 大分トリニータ vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

前節のファジアーノ岡山戦で悔しい逆転負けを喫したヴェルディ。仕切り直しのアウェイ連戦は、調整段階から波乱続きとなった。台風11号が日本列島に接近し、移動日に大分県に上陸する恐れがあることから、7日の時点でマネージャーが予定よりも1日早い8日の移動を決断。クラブ側もバックアップ体制をとり、スクランブルでの移動となった。夏休みの混雑もあって飛行機は手配できず、新幹線と特急を乗り継ぐおよそ8時間の旅を経てチームは無事に大分入り。マネージャーの迅速な手配で翌日のトレーニング会場も確保し、台風という自然の脅威に翻弄されながらも万全の準備を整えた。

しかし、序盤のヴェルディは、いつもの勢いを欠いていた。長身のラドンチッチに入れてラッシュをかけてくる相手に対して、やや重心を後ろに置いて対応する。4分に強烈なミドルシュートを決められて失点すると、10分にも同じような場所からノンプレッシャーでミドルシュートを決められて、早々と2点のリードを許した。ここで目が覚めたヴェルディは、徐々に持ち前のパスワークと前線からのプレスを取り戻し、少しずつ相手陣内でボールを動かす時間を増やしていく。ただ、相手の徹底したダイレクトプレーに守勢に回る時間帯が長く、思うようにフィニッシュに持ち込めずに前半を終えた。

ハーフタイム、ヴェルディに激震が走った。センターバックの要として空中戦の強さでラドンチッチと競り合っていた井林章が左目を負傷。交代を余儀なくされた。スクランブル態勢でセンターバックに入ったのは田村直也。右サイドバックに安西幸輝を投入し、中盤も右サイドMFの澤井直人とボランチのニウドのポジションを入れ替えて、攻撃の活性化を狙った。前半の出遅れを取り戻すかのように、ヴェルディは前からラッシュをかけていき、ボールを保持して自分たちのリズムとテンポでゴールを狙っていく。58分には、クリアボールを鈴木惇が拾い、南秀仁が頭で前線につなげる。これを拾った杉本がドリブルから左足を強振し、DFの股間を抜く技ありのシュートで1点を返した。5試合で4得点と爆発力を見せる杉本の一撃を契機に、その後も攻め手を強めていった。カウンターに対しては田村と金鐘必がきっちりとラドンチッチを抑えて、味方の反撃を待った。そして79分、鈴木が左サイドのスペースにロビングを入れると、安在和樹が反応。ゴールライン際であげたクロスは、ゴール正面に飛びこんだ常盤聡の前に絶妙なタイミングで落ちた。これを常盤が頭で合わせて、終盤に入って大きな同点ゴールを奪った。しかし、波乱はこの後に待っていた。リスタートの直後に前が掛かりに攻めた隙を突かれてカウンターを受ける。相手のドリブラーに寄せた田村が、相手を引っ張って倒したと判定されてPKを献上する。これをラドンチッチに決められて、同点の喜びも束の間で勝ち越しを許した。ここで気落ちすることなく攻め続けたヴェルディだが、3点目を撮るまでには至らず。判定に左右される形で勝ち点を落とした。

次節からはホームでの連戦が待っており、連敗のショックを振り払って前向きに、ヴェルディらしい勢いのあるサッカーで勝ち点3を積み重ねていきたい。

 

 

【試合後監督コメント:三浦泰年監督】

――試合を振り返ってください。

「立ち上がりは大分ペースで、ウチがなかなか落ち着けないところを突かれました。後半は失点の場面の修正をして、しっかり戦えました。選手は非常にハードワークをしたと思いますし、成長と積み重ねを感じました。勝ち点を持って帰れませんでしたが、内容は非常に良かったと思います。前半の井林の怪我により危機的な状況になりましたが、選手はそれを逆手にとってまとまってくれました。文字通り、ピンチをチャンスに変えてくれた。出られない選手のために戦うその姿勢を監督として誇りに思っています。ただし、2-2にした直後にあのような形で失点してしまう点については、まだまだチームとして未熟な部分だったと思います。しかし、最後までアグレッシブに、コレクティブなサッカーをしてくれた。最後までゴールに向かう姿勢が見られました。勝ち点を得ることこそできませんでしたが、勝ち点1にも3にも値するほどの試合ができたと思っています。90分間を通して見れば、マイボール時に落ち着いて回す部分や前線からプレスにいく時のマッチングの部分に課題が残りました。そうした部分について、また東京に戻って次の水戸戦に向けてしっかりとした準備をしたいと思います」

――台風の影響により試合の前々日に大分に入ったようですが、心理的、肉体的な影響はありましたが?

「影響はいいほうに出たと思います。クラブの理解があって、マナージャーの迅速な判断で、前々日にしっかり移動ができました。新幹線による9時間の移動でしたが、現場のリスクマネジメントをクラブが本当によく理解してくれました。試合前日には、マネージャーが素早く動いて、天然芝のグラウンドを確保して、しっかりとしたトレーニングも積めました。だからこそ、今日の試合は万全の準備を整えてくれたクラブのためにも、どうしても勝ちたかったです。結果というもので恩返しをしたかった。この恩を、チームひとつになってこの先の試合でクラブに反していきたいと思います。この先、我々が成長するためには言い訳をしてはいけないし、今日の試合は言い訳をしたくなるようなこともありましたが、次につなげていきたいと思います」

 

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