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MATCH試合情報

2013 Jリーグ ディビジョン2 第28節 - 東京ヴェルディ vs V・ファーレン長崎

マッチレポート

【試合展開】

前節のアビスパ福岡戦で劇的逆転勝利を収め、直近5試合が3勝2分と好調な東京ヴェルディ。連勝したい今節は、Jリーグ昇格初年度ながらも5位につけるV・ファーレン長崎をホームに迎えた。アウェイでの対戦時に敗れている相手だけに、借りを返したい一戦。

試合序盤、右サイドを起点にボールを収めてクロスを上げるなど、ヴェルディが押し込む場面が多く見られた。しかし、今ひとつ攻め手を欠くと、13分、ロングボールを中心に攻めてくる長崎に一瞬の隙を突かれる。右サイドでボールを受けた金久保彩にドリブルで切り込まれそのままシュートを打たれ、豪快なゴールで先制を許した。その後追いつくべく、ヴェルディは積極的にシュートを狙う姿勢を見せる。失点の直後には、飯尾一慶が2度の決定機を作る。ゴール前へのロングボールを高原直泰が落とし、フリーで放ったシュートはキーパーに阻まれる。さらに右サイドのコーナーからニアサイドに放り込まれたボールをダイビングヘッドで合わせるも、これはクロスバーに阻まれた。ボールを保持したヴェルディだが、要所を締めて守る長崎の前になかなかゴールを割ることができない。前半終盤、ここまでの流れとは一転長崎ペースに。41分には決定的なピンチを迎えるが、佐藤優也の好セーブに助けられた。

後半序盤、前半とは打って変わってヴェルディペースで試合は進む。ボールを回しながらチャンスを伺う展開が続く中、55分に試合が動く。右サイド中盤からの井林のアーリークロスに飛び込んだ常盤聡が絶妙なトラップから右足でシュート。自身のJリーグ通算100試合出場達成セレモニーに駆けつけた母の目の前で同点ゴールを決めた。追い付いてからもヴェルディペースで試合が続く。長崎の攻撃をしっかりと守り、素早く攻撃に転じて反撃に出る。ピッチを広く使って攻め込むと、飯尾が中盤からボールを運び、ペナルティエリア右寄りに侵入した安田晃大へ展開。その安田がゴール前にシュート性のグラウンダーのクロスを供給する。それをファーサイドで高原がスライディングしながら詰めて逆転。ギリギリのところで伸ばした一歩がヴェルディを逆転へと導いた。試合をひっくり返したヴェルディはその後、前がかりになって攻めてくる長崎の攻撃に対して、落ち着いた対応で撥ね返してタイムアップ。酷暑の中、チーム一丸となって2試合連続となる逆転勝利を手にした。

 

 

【試合後選手コメント:FW 44 高原直泰選手】

――試合を振り返ってください。

「相変わらず自分たちの甘さが出てしまう試合でしたが、粘り強く戦って、今日も逆転して勝つことができてよかったです」

――先制点の場面では、常盤選手を感じて潰れるようなプレーをした感じでしょうか?

「気付いていたというよりも、いつも常盤には言っていることなんです。『俺の周りに必ずボールが来ることは分かっているし、そこが一番の狙い目だ』と、そう伝えてあります。先制点の場面ではそこを上手く突くことができたと思っています。今後はもっと、そういうところを狙っていってほしいです」

――2点目の場面では安田選手のクロスはシュートだったのですか?

「シュート気味だったと思います。じゃなかったら、狙ってああいうボールは通さないと思います。逆サイドにボールがこぼれてくるのは、自分としていつも狙っているところなので、ああいう形で決められたのは良かったです」

――今季10得点目ですが?

「10得点で少なくてファンの方には申しわけないと思っています。我慢強く自分とヴェルディを応援してほしいと思います」

――ヴェルディにとって、2試合連続逆転勝利は珍しいことですが?

「それは今までの、過去のヴェルディのことなので、今は違うヴェルディということです。逆に言えば、そういう展開にしてしまうチームの弱さを反省しなければならないですし、自分たちのペースでやっていた中で、相手のGKからの1本でやられてしまうというのは、ありえないことだと思います。そういうゲームをやっていては、上には行くことはできませんし、そういう甘さを反省しなければなりません。だから、勝ったから良かったという風に考えるのではなく、チームとしてもっとしっかりやっていかないと、今後勝てなくなると思います」

――サポーターへのメッセージをお願いします。

「暑いので熱中症にならないように気をつけてください」

 

【試合後選手コメント:FW 17 常盤聡選手】

――試合を振り返ってください。

「天候が荒れる中、厳しい試合が待っていると思っていました。90分何が起こるか分からないですし、ここ最近逆転しているように今日も逆転できてよかったです」

――今日も逆転勝利でしたが?

「前半から点を取りにいって、優勢に進められるのが一番良いのですが、なかなかそうも行かない試合もあるので、今日はみんなで粘り強くいって勝つことができてよかったです」

――ゴールシーンを振り返ってください。

「井林選手から真ん中に良いロングボールがきたので、右足だったのですが、トラップに集中してなんとか決めることができてよかったです。タカさん(高原選手)が競った裏だったり、そのこぼれ球に誰よりも早く反応することが自分の役目だとも思うので、それをひとつできたかなと思います」

――Jリーグ通算100試合目でお母さんの前で通算20ゴール目を決めた感想は?

「親孝行になったらいいなと思います。20ゴールはまだまだなので、これからもっとこのチームでゴールを決めて、J1昇格に向けて勝ち点を積み重ねていきたいです」

――サポーターへのメッセージをお願いします

「この勢いのまま連勝していけるように頑張りますので、応援お願いします」

 

【試合後選手コメント:MF 16 飯尾一慶選手】

――試合を振り返ってください。

「先に点を取られて、それから目を覚まして攻める形でした。『先に点を取られてはいけない』と毎回言っているんですが。もっと集中して戦わなければダメですね。あのまま、0-1で負けていたら最悪ですし、石神も反省していました。でも、やってしまったものはしょうがないので。それでも、勝てたことは良かったと思います。とにかく、次はこういったミスが出ないようにチームとしてもっとやっていきたいです」

――先制点を奪われてからも割と落ち着いてできていた印象ですが?

「やっぱり、相手が先に点を取ったことで、引いてしまった部分もありました。0-0ならあそこまで引くことはなかったと思いますし、それをうまくこちらが押し込むことができました。僕たちも先に点を取るとどうしてもそういう形になってしまいますし、前に長崎と対戦したときは、もっと前からプレスをかけてくるチームだったと思います。後半はバテていた部分もありましたが、先に点を取ったことで引いてしまったのではないでしょうか。相手が引いていた中で前半に自分たちにも結構チャンスがありましたが、自分を含めそこを決め切ることができなかったです。それでも、後半に入って一度冷静になって、やることもはっきりして、ああいう形で1点目を取って、もう1点 を取ることができました。逆転するという想いをみんなが持ってプレーすることができているので、それが今日のような結果に繋がったと思います」

――井林選手のアシストから常盤選手が点を奪ったように、奥行きのある攻撃ができるようになってきた印象ですが?

「タカさん(高原選手)が前で潰れて常盤が狙うというのはいつも練習していることなので、それがうまくできたと思います」

――4試合連続で失点していますが?

「今日はまだ1点で済んで良かったです。やっぱり、あそこで2点目を取られていたら、『またか』という気持ちになってしまったと思います。前回の福岡戦のように2点取られてから3点を奪うことは本当に大変なことだということを皆分かっていると思いますし、だから、今日は必ず1点で抑えるという風にディフェンスラインの人たちも思ってプレーしていたと思います。逆に、前の人は必ず2点取ろうという気持ちでプレーしていたと思います」

――この試合までの準備期間では[3-5-2]と[4-4-2]のシステムを併用してきました。その中で今日は[3-5-2]で臨みましたが?

「あんまり変わらないですけどね(笑)。ただ、後半流れが変わらないようだったら、システム変更も考えてやっていこうとは言っていました。ただ、どちらのシステムも使えるようになれば、悪いところを修正もできるので」

 

【試合後選手コメント:MF 14 鈴木惇選手】

――試合を振り返ってください。

「入りの時間帯でああいう形で簡単にやられてしまったのは、前回と同様に課題だと思います。逆に前回と同じように取られても慌てないで、最少失点で我慢して逆転できたのは良かったと思います。ただ、今日も前半と後半で全く別のチームになってしまい、悪い時間に失点してしまったのは良くないですね」

――失点後は落ち着いて攻めることができた印象ですが?

「そうですね。でも、先に点を取られる前にやるのではなく、0-1になるとどうしてもパワーを余計に使わなければならないですし、今日はたまたま逆転することができましたが、同じような試合をしていたら、簡単に逆転できる相手は少ないと思います。だから、先に点を取られたことは反省しなければいけないです」

――相手が先に点を取ったことで引き気味になったと、飯尾選手が言っていましたが、ご自身はどう感じていましたか?

「そうですね。あっちが構えたという部分もありますし、こっちも目が覚めた部分もあります。自分たちが前に出なければならなくなった結果、押し込むことができたという印象です」

――後半に関しては相手の運動量が落ちて中盤が間延びした部分を突けていた印象ですが?

「前半よりはプレッシャーを感じなくなったので、そこでより繋ぐことができたのは良かったと思います。ただ、自分のところで少しイージーなパスミスで流れを切る部分がありました。今日のような天候ではそういうミスが消耗を大きくしてしまうので、そこは修正していきたいです」

――西選手がカバーリングに徹していた印象でしたが?

「そうですね。守備の時に自分の後ろのバイタルの位置、そこを前節の福岡戦でも突かれていたので、流れが悪くなってしまいました。そこを西さんが気を使ってカバーしてくれていたので、大崩れすることはなかったです」

――ピッチが悪い中でもヴェルディらしいパスワークができていましたね?

「そうですね。チームとしては落ち着いていつも通りできていました。ただ、もっともっと自分のところから効果的なパスを出せたと思いますし、相手の嫌がるところにパスを通せるようにしていきたいです」

 

【試合後選手コメント:GK 1 佐藤優也選手】

――試合を振り返ってください。

「ここのところ失点が減らないので、そこは“勝って良し”とするのではなく、しっかりと反省したいです」

――今日は最少失点で何とか我慢できましたが?

「チームとして何とか1点で凌いでおけば、次に2点を返すのは時間がかかってしまいますが、1点なら1秒で返すこともできます。そういうことを考えれば、最後まで何が起きるかわからないですし、ズルズル悪い方向に行かなかったことは、成長している部分だと思います」

――前回対戦に比べ長崎のプレッシングが比較的緩かった印象ですが

「こういった暑さの中で、90分間走り続けることは難しいです。そういった部分もあって、いつもとは違うサッカーに変わったのだと思います」

――チームが上昇気流に乗っている中、守備面では厳しい状況が続いていますが、今後に向けた修正点は?

「守備陣というか、チームの問題として考えています。最終的にはディフェンスラインが責任を負う形になりますが、守備は前から始まっています。なので、そういう部分ではチーム全体として、悪い流れを作らないように心掛けていきたいです」

――良い形でリーグ終盤戦へと入っていける中で、チームとして残りの試合でどんな戦いを考えていますか?

「これから連戦もある中で、累積警告の選手も出ています。そういったことを乗り越えていければ、今後も良い状況が続いていくと思います」

 

【試合後選手コメント:MF 10 安田晃大選手】

――高原選手へのボールは意図したコースでしたか?

「とりあえずファーに蹴ろうとしたらあんなところにいって、タカさん(高原選手)がいいところにいてくれてよかったです」

――チームはいい流れですが?

「今日は難しい試合でしたが、本当にモノにできてよかったと思います」

――交代選手も結果を出していますね?

「交代選手が良い準備をして、結果を出していることはチームにとってもいいことですし、チーム力が上がっていく要因だと思います。皆が良い準備をしたらチームに良い影響を与えると思うので、これからも良い準備をしていきたいです」

――試合に入る時のイメージは?

「どっちに転ぶか分からない展開だったので、守備の時は間をしっかり締めて、攻撃の時は出ていってチャンスを作るというイメージだったので、結果的にアシストできてよかったです」

――湿気があって体力的に厳しかったと思いますが?

「相手も同じなので、言い訳せずにしっかり動いて、ボールを持ったら自分たちのサッカーをして点を取りに行くという形を最後まで見せられたので、それが逆転に繋がったと思います」

 

【試合後選手コメント:DF 37 三渡洲舞人選手】

――試合を振り返ってください。

「最後ヘディングが自分に当たったのですが、スラッシュしてしまったので、そこは後悔しています。自分の得意なヘディングだったので、試合の最後に一発アピールできたらいいなと思ったのですが体勢を崩してしまいました」

――初出場で緊張はしましたか?

「ピッチに入るのが最後の最後だったので、少し緊張しました」

――早くピッチに立てたという感じですか?

「監督にはいつでも準備しておけと言われていました。早いとも思いましたが、嬉しかったです」

――今後に向けて。

「1試合でも自分が出て勝利したらいいなと思います。まずはチームの勝利を考えてやっていきたいです」

 

 

【試合後監督コメント:三浦泰年監督】

――試合を振り返ってください。

「もう少しシンプルに早く勝利に持っていけると良かったのですが、自分たちで今日の試合を難しくしてしまった部分もあります。夏場の試合というのは先制点を取られると非常に苦しい。そういう中で、選手たちはハーフタイムにもう一度仕切り直してハードワークしてくれました。長崎は順位が表すように、こういう展開になると非常に粘り強いですし、ハードワークという部分ではこのJ2リーグの中でトップクラスである。そういう相手に対して、最後まで戦い抜けたことは非常に今後に繋がるものだと思っています。ただ、先に点を取られた時の戦術的な部分、または相手に対しての対応という部分で、良いリズム、良いテンポで我々のサッ カーをやりながらも相手に点を与えることは、何が起こるか分からなくなるわけですから、先に自分たちが優位に立つために修正する部分はあるのかなと思っています。後半立ち上がりからそんなに慌てずにスタートし、10分経たないうちに点を取ることができたのは大きかったと思います。その後にタカ(高原選手)のゴールで逆転するわけですが、やはりああいうプレーで最後までスプリントする。それだけでなく、こういう状況の中でいつ、どこでスプリントすることが、そういうポジティブな結果に繋がるか、そういう局面は得点だけではなく数多くあることを彼がプレーで手本で見せた良い点だったと思います。普通であれば、華やかなシュートで喜んだり、そういったシュートをベストゴールにすることが多いですが、安田晃大がボールを持った時にどんなことが起こるかを頭に入れて、スプリントして、ゴールを決められる場所にいる。これは実に良い得点だったと思います。ただ、こういう状況で自分たちが一区切りするわけにはいかないですし、一安心するわけにもいかないので、今後に向けてしっかりとした準備をしていきたいと思います」

――試合前にかなり激しい雨が降っていました。ピッチ状況に関して、選手たちにどんな指示を送っていましたか?

「ピッチ状態がどうか、寸前に雨が降ったり、例えばもしかしたら試合が少し遅らされる可能性があるといった情報に関して、私は監督として彼らとコミュニケーションを取ることはありません。湿度が上がる、または雨が降ってあがったことについては知っていましたが、そのことに関して特別何かを言うことはありません。環境がどうであろうと、どんな状況になろうと、我々はプロとしてベストを尽くす。そして、エンターテイナーであるならば、ファンを喜ばせるプレーをするということは、改めて言うわけではなく、我々が準備するプロとしての務めなので、特別に何かは言ってはいません。ただ、ピッチでボールが止まりやすいから 、パスが少し重い感じになるかもしれない、水を含んでいるもののスリッピーなわけではないかもしれない、そういったことは選手たちがアップをやって一番分かっていることだと思うので、円陣でもう一回この状況を確認して、しっかりと士気を上げるようにはしました」

――3バックに関して、特に後半に関して一人が前に上がって、二人が後ろに残る形が多く見られましたが、それは点を取るために意図的にやっていたのでしょうか?

「ビルドアップの形、マイボール時と相手ボールになった時の形、状況に合わせてシステムは少し変化させています。変化させるということは非常に切り替えが大事で、切り替えながら相手ボールになれば、誰がマークでマッチしてくるのか、攻める時は相手がどういう風にそういう形を抑えにくるのか、この辺はしっかり把握しなければいけないと思っています」

――では、監督の指示というよりは、ピッチ上の選手の判断ということでしょうか?

「トレーニングの中でツータッチで回す時、スリータッチで回す時、石神の位置であったり、逆サイドにも言えることですが、そういった部分はトレーニングで構築しています。だから、その都度、選手に指示しているわけではありません」

 

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