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MATCH試合情報

2021 明治安田生命J2リーグ 第17節 - ファジアーノ岡山 vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

ホーム3連戦を終え、今度はアウェイ3連戦に突入した。合間に西が丘で開催される天皇杯を挟むものの、リーグ戦ではアウェイが続き、6月26日(土)にホームゲームを行った後は中断期間を挟みながらアウェイ8連戦という過酷なロードが待っている。

 

今季未だ敵地での勝利がないヴェルディにとって、潜在的なアウェイゲームに対する苦手意識を払拭して、アウェイ連戦への耐性をつけたい一戦。ヴェルディは前節のメンバーをベースに、フロントボランチの一角を梶川諒太に代え、佐藤優平とコンビを組ませた。サブにはコンディション不良からパライバが復帰。前節逆転ゴールを決めた井出遥也もサブスタートとなった。

 

立ち上がりからボールを保持する時間が長かったのがヴェルディ。ただし、相手を押し込みながらもフィニッシュに向かうラストパスやクロスボールの精度を欠き、なかなかシュートを打てずに試合が進んでいく。逆に、ミスからボールを失い、ファジアーノ岡山のカウンターで逆襲を食らい、シュートまで持ち込まれる場面が目立つ。なかなか攻撃の打開策が見つけ出せない中で、個の優位性を生かした山口竜弥が左サイドで起点となり、仕掛けてクロスボールを入れるところまでやり切り、徐々にヴェルディの攻撃に勢いがついてきた。

 

ボール保持のその先、という認識で後半のスタートを迎えたが、立ち上がりは岡山にボールを持たれ、ゴールに向けて積極性を存分に発揮してくる相手に対して、なかなかボールを奪えずにシュートブロックで精一杯の時間を耐える。53分には川本に強烈なシュートを打たれるが、ゴール左隅を捉えたシュートは、マテウスが驚異的な反応で食らいついて枠から弾き出す。

 

流れを変えたいヴェルディは、思い切って早い時間に交代カードを切る。58分に深澤大輝に代えて井出遥也を投入。これが試合の趨勢を決めることになった。井出がボールを受けて高い位置まで運ぶことで、マイボールをじっくりと保持することができるようになると、今度はヴェルディが相手を押し込み続ける時間帯に突入する。61分には、井出が起点となってゴール前にクロスボールを入れると、右サイドで小池がワンタッチボレーで合わせるも、ゴール右隅を捉えたシュートは相手GKがライン上でキャッチされてしまう。81分には井出の得意な形でチャンス到来。左サイドを駆け上がった山口がペナルティエリア内の佐藤凌我にくさびのパス。佐藤凌がこれをワンタッチで絶妙な位置に落とすと、走り込んできた井出がゴール左斜めからファーサイドを狙ってカーブをかけたシュートを放つが、これは惜しくも枠の外へと逸れる。

 

次々と攻撃的な交代カードを切る中で、最後の一手がなかなか出ないままアディショナルタイムに突入する。その2分後、左サイドで粘ってボールをつなぐと、端戸仁がゴール前にクロスボールを入れる。やや大きくなったボールをファーサイドのゴールライン際で小池純輝が足元に収めると、そのままマイナス方向へ強いグラウンダーのパスを入れる。ニアでパライバが囮になると、その背後にいた井出が右足を振り抜き、ボールはゴール右上隅へと流れ込んで、ヴェルディが土壇場で勝利を手繰り寄せた。

 

未だ敵地で勝利がなかったヴェルディにとって、アウェイ3連戦、アウェイ8連戦を控えている状況で、喉から手が出るほど欲しかったアウェイゲームでの勝利を挙げることができた。これを自信に変えて、ジェフユナイテッド千葉、SC相模原と続くアウェイ連戦で勝ち点6の上積みを狙う。

 

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監督コメント

永井 秀樹 監督

試合を振り返ってください。
前節の我々のホームゲームの秋田戦の内容、パフォーマンスが非常に良かった中で、今週1週間はまた新しい戦いに向けて油断や緩みが出ないようにということを、かなり重点的にやってきました。そして、対岡山さんを想定しながらロングボールの対応、セカンドボールのバトル、そして4バックの崩しというものをテーマに準備してきました。前半はなかなか思うように崩せない、特に左サイドはなかなかスムーズにいかないところはありましたが、後半に入って人も立ち位置も少し変えていく中で、非常に我々がやりたい形、攻撃ができたのかなと思っています。 90分を通してまずは試合の中での熱量をものすごく大事にしていくというのは伝えましたが、その部分に関しては全選手、スタートから行った選手、途中から入った選手も含めて気持ちのこもった同じ熱量で戦ってくれたと思います。だからこそ、最後に勝利というものを引き寄せられたと感じています。あらためて素晴らしい選手たちだなと思いますし、なかなかアウェイで勝ちがなかった中で、今日は初めて勝ち点3を取ることができましたが、またこれを選手たちはひとつの自信にして、そして過信することなくまたアウェイ連戦となりますが、気を引き締めて良い準備をしていきたいと思っています。 そして、緊急事態宣言という中で我々のファン・サポーターの方々はアウェイまで応援、観戦に来られないという残念な中ではありましたが、そういう方々、(スタジアムで)見たくても見られないサポーターの方々のためにも、必ずや熱量の高い、気持ちが入った良いゲームを、そして勝利というものを必ず届けようという思いを全選手が抱いて戦ってくれたことを非常に嬉しく思います。また、次のアウェイのジェフ戦に向けて選手たちと良い準備をしたいと思います。

後半立ち上がりは相手に押される展開でしたが、その中で深澤選手に代えて井出選手を投入した狙いを聞かせてください。
もちろん、深澤大輝もよくやってくれましたが、少しビルドアップのところと立ち位置、そして守備でも少し綻びが出るひとつ手前に見えたので、その辺りの修正と、さらに左サイドの我々が使いたいスペースをイデハル(井出)に託したというプランでした。非常によくハルもやってくれたと思いますし、それまでの時間帯は深澤大輝も自分の持っているものを出してチームのためにやってくれていたと思います。

クリーンシートの要因に関してどのように捉えていますか?
やはりマテウス、最終ライン、そしてセカンドライン、ファーストラインというところまで全員の守備意識の高さ、アラートさといった部分が非常に良かったと思いますし、その結果がゼロで終えられた要因かなと思っています。我々は全員攻撃・全員守備というのがテーマになっていますし、今日の試合に関してはみんながよくやってくれたと思います。

0-0で試合最終盤に突入した中、引き分けで良しとする考えは少なからずありましたか?
全くなかったです。今日に関してはどんな形でも勝ち点3を取りたい、勝ちに行くという気持ちでした。

前節、良い形で勝利した中でこの1週間メンタルコントロールの部分で最も意識したところを聞かせてください。
とにかく、油断が一番怖かったといいますか、ひとつ良いゲームができた後はよくありがちなところですが、とにかく油断しないこと。そして、秋田戦でできた新しいベースである熱量の高さ、セカンドボールのバトルにおいても、秋田戦を下回ることがないようにと、トレーニングの中からかなりハードにやりました。全選手が非常によくやってくれたと思います。 秋田戦の前は我がクラブのレジェンドであり象徴であるラモスさんの力を借りて、ヴェルディの本当の強さはなんなのかということを理解してもらいました。今週はさらにさかのぼって読売クラブ時代は全員が本当に巧かったですが、少し言葉を悪く言えば、さらに“汚さ”という部分がありました。私の中ではその“汚さ”が“強さ”という部分にも繋がっていたと感じていました。もちろん、汚いプレーはあってはならないことですし、やってはならないところですが、勝負どころの心の強さという部分はこの1週間選手たちに伝えました。選手たちが本当に日々成長してくれていることを嬉しく思いますし、自分自身含めて油断することなく緩みが出ることなく、またチーム全体で進化していけるように謙虚にひたむきにやっていきたいと思います。

読売クラブの選手たちの話に関して具体的な名前や選手たちへの掲示の方法について詳しく聞かせてください。
(森栄治さんや小見幸隆さんといったところでしょうか?)その通りです。映像準備していましたが、まだ少し早いかなというところで、写真のスライドという形でした。

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選手コメント

MF8井出 遥也

試合を振り返ってください。
先週の秋田との試合では良いゲームができていたので、チームとしてそれ以上のものを今日のアウェイの試合で見せよう、戦おうということを話していました。その中でしっかりと勝って帰ることができることを嬉しく思います。

試合終了間際の劇的な決勝点を振り返ってください。
みんなが繋げてくれたボールだったので、エーコ君(小池)もマイナスが見えていて出してくれましたし、パラ(ジャイルトンパライバ)も自分の「スルー」という一言によってどいてくれたので、全部が繋がったチームとしてのゴールだったのかなと思います。

ご自身の投入以降、チームは好転したように見受けられましたが、意識していた部分などを聞かせてください。
途中からか先発からかに関わらず、どの試合においても自分が入ることによってチームとしてのリズムや流れ、決定機を作り出すことを求められているので、その中で違いを出すことをどの試合でも考えています。今日の試合に関しても自分が出たタイミングでチームの流れを変えるという強い思いを持って入っていたので、それが結果に繋がって良かったと思います。

ここ最近連勝できない状況が続いていましたが、メンタルの部分でどういったところが改善されたと感じていますか?
秋田戦も同じですが、球際であったり1対1であったり、チームとしてセカンドボールの部分でも負けないというところが、ここ1、2週間強く言われていることですし、練習でもそれを求められてみんながやっています。自分たちのサッカー、プラスアルファという部分で球際や1対1で負けないというところは、この2試合良い形で出たと思っています。

岡山の中央を固める守備に対してどの辺りが攻めどころになると考えていましたか?
相手のサイドハーフが前から来ていたので、そのサイドハーフの背後やボランチの両脇のところは、自分が入った時に使えると思っていました。そういう意味で自分は入りましたが、もう少し(相手のラインを)越えられるシーンを前半のうちから作れれば良かったと思いますし、後半自分が入った際ももう少し上手く越えられるシーンはあったと思うので、そういうところは反省して次の試合に備えたいと思います。

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GK31マテウス

試合を振り返ってください。
試合を通して個人的なイメージは少し変な試合だという感覚でした。前半はお互いにチャンスを作ることができず、最初の45分はお互いを知るための時間だったのかなという感じでした。後半に関してヴェルディは入りは悪くなく、自分たちがボールを持っていましたが、相手の攻撃の方が多かったという感じでした。最終的に後半の試合終了間際に得点を取れて勝利できたことは良かったですが、試合を通しての印象はそんな感覚でした。

後半立ち上がりの押し込まれた時間帯にご自身の再三の好セーブが流れを引き寄せる結果になったと思いますが?
後半の入りは前半のままだと失点を食らってしまうという気持ちで入りましたし、それが好セーブという結果に繋がったと思います。最終的に後半の終わりまで諦めずに戦って得点を取れたことは良かったと思います。

後半の井出選手の投入以降、流れが好転しましたが、ピッチ内でどのように感じていましたか?
井出選手は非常に素晴らしい選手だと思いますし、後半から出ても先発で出ても、いつもチームを良い方向に変えてくれる選手だと思っています。今日の試合では後半から入ってチームの流れを好転させ、チャンスを多く作って、最終的には得点にまで繋げてくれてチームを勝利に導いてくれたと思います。

井出選手の投入後に加藤選手がセンターバックに一列下がり、よりビルドアップがスムーズにいったように見受けられましたが?
井出選手が入って加藤選手がセンターバックに入ったことが流れを好転させたすべてだとは思いませんが、後半に入って相手の選手に疲れが出ているように見受けられましたし、様々な要因が絡んでいると思います。ただ、間違いなく井出選手の投入と、加藤選手がセンターバックに入ったことにより、ボール回しが良くなったと感じています。

相手の強みであるセットプレーに関して守る際に意識したところを聞かせてください。
1週間を通して岡山さんの特徴は掴んでいた中、その中にはセットプレーやペナルティエリア外からのシュートという部分は把握して練習から取り組んでいました。その準備がしっかりとできていたと思います。あとは今年に関して言いますと、チーム全体としてセットプレーの守備が去年よりすごく良くなっていると感じています。そこは新しい選手が入ったとかではなく、チーム全体として意識が高まっていると感じています。

後半序盤に相手の川本選手のミドルシュートをファインセーブした直後のセットプレーの場面で川本選手と談笑しているように見えましたが、どのようなやり取りがあったのでしょうか?
前半の終盤に自分たちが守るコーナーキックの場面で20番 (川本選手)がずっと自分の前に身体を寄せる感じで入っていたので、そこで競り合っている中で審判にファウルを取ってほしいという話をしていました。あの場面ではその延長線上で笑いながら話をしていたという感じでした。

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